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何があったのか、を忘れない。『新型コロナとパチンコ』振り返りシリーズ。
2020.11.27
【コロナ振り返り#04】『え? そんなに頑張ってたんですか』まさに熱い手のひら返し。パチンコ業界団体の動きまとめ。
佐々木真 何があったのか、を忘れない。『新型コロナとパチンコ』振り返りシリーズ。 新型コロナウイルス関連記事まとめ
こんにちは、佐々木真です。
新型コロナウイルスによる緊急事態宣言の前後で、それぞれどのような動きをしていたのか。業界団体編を仰せつかりましたが、私も業界ライターではございません。なので、正確な思惑などは分かりませんが、業界ニュースを平時から見ているいちウォッチャーとして、あったこと・感じたことを書かせていただければと思います。
個人的には、業界団体に対して壮絶な掌返しのような状態になっています。
パチンコバッシングの最中は何も発信せず。心を痛めたファンも多かったことでしょう。戦ったライターさんもおりました。忸怩たる思いを持っていました。「なんかやれよ」とツイートもしてしまいました(笑)。ところが、水面下でめっちゃ頑張ってくれていたのです。
罪滅ぼしになるかは分かりませんが、業界団体も頑張ったんだな。そう思うパチンコユーザーが増えれば嬉しい限りです。
主役となるパチンコパチスロ業界団体
パチンコ関連の業界団体は、とにかく多いです。そこで、テストに出そうな主要団体をざっくりと紹介します。
・日工組=日本遊技機工業組合
・日電協=日本電動式遊技機工業協同組合
メーカーの業界団体です。コロナ禍に限らずですが、新台が売れたら潤う方々の集まり。
日工組はパチンコ。日電協はパチスロ。両刀メーカーはどちらも加入しなくてはならなさそうですが、一方に入っていれば互いの特許を使えるなどの横断性はあります。
・全商協=全国遊技機商業協同組合連合会
・回胴遊商=回胴式遊技機商業協同組合
パチンコ・パチスロそれぞれの販売会社の業界団体です。最近はメーカーからの直接販売(直販)も多いですが、メーカーとホールの繋ぎ役。コンサル的に営業戦略を考えて導入機種を提案する方が多い気がします。
中古機を扱うところもありますが、基本的にはこの方たちも新台が売れると潤う方向性です。
・全日遊連=全日本遊技事業協同組合連合会
ホールの業界団体の親玉です。親玉と書いたのは、各都府県・方面(北海道)の“県遊協”が最前線の組織だから。自粛を含めたホールの営業の全体指針を取り決め、それぞれの地域に即した対応をそれぞれの県遊協に求めます。コロナ禍にあって、主役と言って良いでしょう。
ホールなので、できれば新台購入の出費は減らしたい。設置機種の寿命が長いと喜ぶ方々です。ちなみに、ここが全国ファン感謝デーを主催しています。
・日遊協=日本遊技関連事業協会
いろいろな業界団体を統括するキングオブ業界団体。正直、何をしているのか分かりませんが、この名前を見ると「業界の総意」と感じていました。 各シンクタンクの数値をまとめていて、最近では「遊技業界データブック2019」をまとめてくれたり。業界団体のHPの中では最も読み応えがあります。
・21世紀会=パチンコ・パチスロ産業21世紀会
上記の主要6団体を含む14団体の横断組織。日遊協をキングオブ業界団体と書きましたが、ラスボスの上をいくオメガ的な。その上をいく隠しボス的な統括団体と私は思っております。ここ最近、パチンコ業界の一丁目一番地となっている依存問題などのニュースで目にすることのある団体でした。「総意中の総意」の発表と思えば宜しいかと。
コロナ禍にあって主役となるのは、ホールの営業に関わる全日遊連と全体を取り仕切る21世紀会。とりあえず、これだけ覚えればOKです!
ホール営業への広告関連の通達の流れ(全日遊連が主導)
ライブハウスでのクラスター発生を契機に、各種イベントの自粛が叫ばれる中、全日遊連は 2月28日「感染症の問題が沈静化するまでの間、各種媒体を用いた新台入替等の集客を目的とした広告宣伝について、組合員ホールに対し、自粛を含めた適切な対応を取るよう」求めました。
守らなかったホールが多かったため、3月10日・3月13日・3月19日・3月31日と同様の要請がバンバン出されることに。広告宣伝の自粛は、緊急事態宣言・休業要請が解除されるまで続くこととなります。自粛が緩和されたのは6月1日以降で、休業要請が解かれた地域から。当初は、テレビ、ラジオ、新聞紙面の利用を不可としていましたが、6月19日以降はそれも解除されました。
現在のところ、広告宣伝を行う際は、必ず自店の感染症予防対策を掲載することと、集客目的の告知(ライターやイベント企業が関係するものを含む)は一部の地域を除いて禁止されています。
いや、全日遊連の通達前に「来店イベントもOK」と言っちゃった県もあるようでして(汗)。
【参考文献】
「全日遊連が組合員ホールに「広告宣伝の自粛」要請~新型コロナ対応で」(グリーンべるとWEB)
「パチンコ店の広告宣伝の自粛、一部地域で緩和」(グリーンべるとWEB)
「パチンコ店の広告宣伝自粛を一部解除、テレビ等の活用も可能に」(グリーンべるとWEB)
ホールの営業自粛の通達の流れ
全日遊連は4月8日、各都府県方面遊協に対し、前日に発令された「緊急事態宣言」に伴う適切な対応を要請しました。
外出自粛が求められた7都道府県とそのほかの地域では対応も違って当然。以降は、各都府県方面遊協からの通達が増えることとなります。ここでは、もっともドラマチックとなった都遊協(東京都遊技業協同組合)の動きをまとめます。
小池都知事が政府の「緊急事態宣言」を受けた措置として、4月10日にパチンコホールを含む休業要請の対象施設を公表しました。それを受けて都遊協は「法令に基づく休業要請なので遵法精神で遵守するよう、各ホールに要望します。ここでは都遊協は初出ですが、新型コロナウイルス感染症対策の文書は、このときで通算11回目でした。
多くのホールは、この時点で休業を選択。しかし、一部のホールが営業を続行したことは記憶に新しいでしょう。この後も、西村康稔経済再生担当大臣の記者会見の内容などから、都遊協も営業をしている店舗に対し、あらためて休業の判断をするよう組合員向け文書を出しております。
事態が大きく動いたのは、4月24日。小池百合子都知事が、営業を続けるパチンコ店について今後、文書による要請や現地確認を重ねたうえで休業に応じてもらえない場合、今月28日には新型コロナウイルス対策の特別措置法の45条に基づいて店名を公表する考えを示しました。
同じく4月24日。都遊協も「明日以降も営業を継続している店舗に対しては除名手続きを検討する」と最後通告をします。「公的融資の対象業種の見直し及び休業要請について」という文書となっているように、パチンコホールがセーフティネット等の公的融資の対象とする方向で調整が進められていることも併せて報告されました。他の業種と同じ保証を受けられるのであれば、独自に営業を続ける大義名分が失われることになります。こうして、ごく一部のホールを除いて休業要請に応えることとなりました。
あくまでも個人的な意見ですが。それでもごく一部のホールが営業続行したのは仕方のないことと思います。廃業することを決めているホールの中には、都遊協からの通告や行政処分も、近隣住民からの視線も、何とも思わない経営者がいることでしょう。“無敵”ってやつです。
ということで、できる限りの休業を取り付けた都遊協。これ以降は営業再開に向けた取り組みへと舵を切っていくことになります。
【参考文献】
「全日遊連、緊急事態宣言に伴う適切な対応を要請」(グリーンべるとWEB)
「東京都遊協、緊急事態措置に対し「遵法精神に則り、原則遵守」をお願い」(グリーンべるとWEB)
「休業要請に従わないパチンコ店に対する「さらに強い措置」報道受け、都遊協が文書を発出」(遊技通信web)
「東京都 小池知事 休業応じないパチンコ店 28日に店名公表へ」(NHK)
「東京都遊協が最後通告、営業継続のパチンコ店には「除名手続き」を検討」(グリーンべるとWEB)
21世紀会として感染対策のガイドラインを発表
休業要請をされている間に、業界全体として営業再開への指針を作ることが急務になっていきます。「パチンコ・パチスロ産業21世紀会」は5月14日、ホール営業における新型コロナウイルス感染症の拡大予防ガイドラインを作成して発表しました。
この原稿を書いている時点でも最新版は9月3日付けとなっているように、改訂作業は続けられています。発表当初は入場時に検温が義務付けられていましたが、さほどプライオリティが高くないからか、今は外されています。スペースの関係上、細かくは触れられませんが、営業スペースだけでなく従業員が使うバックヤードに関しても細かく書かれています。
【参考文献】
「21世紀会で予防ガイドラインを作成」(遊技通信web)
「パチンコ・パチスロ店営業における 新型コロナウイルス感染症の拡大予防ガイドライン」(21世紀会)
都遊協の営業再開に向けた動き
緊急事態宣言は延長されるものの、感染者数や医療提供体制の逼迫状況などを分析・評価し、可能であれば5月末を待たずに緊急事態を解除する方針となったGW明け。都遊協も営業再開に向けた動きが伝わってくることとなります。
5月8日、東京都に対し緊急事態措置の緩和を求める要望書を提出。組合加盟ホールにも「今は、休業要請に従っていただきたく、再度、重ねてお願いする」とあらためて協力を求めます。
この頃にはパチンコ業界側もコロナ禍における営業のガイドラインを作成しており、東京都には「ガイドラインを無視した店舗が発覚した場合には、対策を怠っている店舗として公表していただくことに異議はありません」と陳情しております。それでも話はまとまることはなく、東京都独自のロードマップでパチンコホールは“ステップ3”に。当初の想定では緊急事態宣言が解除された後にも1ヶ月程度も休業要請が続行されるものでした。
そうした中、5月25日に緊急事態宣言が解除。都遊協は、臨時執行部会を開き今後の方針を決定します。東京都知事の休業協力要請が継続したとしても、都遊協として、組合員ホールに対する休業要請、要望等はしない。こうして東京都のホールも営業を再開することとなります。
営業を再開する理由としては、新型コロナウイルス特別措置法45条による要請ではなく、特措法24条による協力要請になること。ステップ3に位置付けられた根拠が不明であることが挙げられています。
とはいえ、都知事からの法令に基づく協力要請は重く受け止めなければならないとし、東京都認可の協同組合として協力要請を守れないことを理由に、阿部恭久理事長と全副理事長(専務理事を除く)は辞職することとなりました。まあ、その後に再任していますが。
緊急事態宣言中にも営業を強行していたホールへの具体的な処分(私が知らないだけかもしれませんが)といった宿題は残っているように思えます。「やった者勝ち」となる文化はここで終わりにしてほしいところです。
【参考文献】
「東京都に緊急事態措置の緩和を要望/都遊協」(グリーンべるとWEB)
「東京都遊協が「緊急事態宣言」解除後の方針を決定、執行部は総辞職へ」(グリーンべるとWEB)
この間に水面下でやっていたこと(公的援助など)
緊急事態宣言下において業界団体は、休業要請を如何に遵守させられるかということに注目が集まってしまいました。しかし、本来は「営業をしやすくなる」「働く環境が良くなる」という明るい未来に向かって活動すべき団体のはずです。そのような動きも抜かりなくやってくれていました。
4月24日、経済産業省はこれまで業種が限られていた新型コロナウイルス感染症の拡大に伴う「セーフティネット保証5号」の対象を全業種に拡大するとともに、政府系金融機関による融資・保証の対象外だった業種を見直す方向で調整していることを明らかにしました。これまでパチンコホールは対象外業種でしたが、5月1日よりセーフッティネット5号に加えられることとなりました。
指定業種の追加は3月から複数回行われ、風営法ではパチンコホールと同じ“4号営業”となっていた雀荘もここで追加。パチンコ業界はどうなっていると騒がれもしましたが、しっかりと裏でやっていてくれたようです。
具体的にどこが動いて……というのは分かりませんが、多くのホールが救われること。各都府県方面遊協へ認められそうと通達を出したことから全日遊連なんでしょう。いや、まあどこの手柄とか言っている場合ではなかったですが。
【参考文献】
「全日遊連が「公的融資」と「信用保証」の対象外見直しを報告」(遊技通信web)
「セーフティネット保証5号で全業種指定 パチンコ店も」(遊技通信web)
「政府系金融機関の融資でもパチンコを追加」(遊技通信web)
遊技機規則の一部改正
5月20日、国家公安委員会は風営法の「遊技機の認定及び型式の検定等に関する規則」を一部改正して、即日施行されました。
従来は3年だった検定・認定の期間を4年に延長するというもの。これにより、法的にはパチスロの5号機(パチンコは同時期の遊技機規則のもの)の設置期間が1年間延長されることとなりました。
もちろん「お前らも大変だろう」とか察して配慮されてこうなったのではありません。新機種の供給ペースも大幅に乱れる状況なので「ルールも決めて、それを守るからお願いします。ホールから担当警察署に誓約書も出させます」という経緯で認められたわけです。どこまでしっかりお約束したかは分かる由もありませんが。
この陳情の凄いところは、業界団体が一丸となったところです。機械の寿命が伸びるということは、新台が売れにくくなるということ。それなのに、新台が売れたほうが嬉しいメーカーや販社側も賛成してくれたのです。ホールがなくなってしまっては、元も子もありませんからね。とか、腹の探りあいはやめましょう。
●高射幸性と指摘された遊技機は、従来3年の検定・認定切れで即時撤去
●2021年1月以降に検定・認定が切れる遊技機は、2021年11月30日まで延長
●ちょいパチ・1/100未満の甘デジ・ノーマルAタイプなどの遊技機は、当初の設置期限から210日以内で延長(7ヶ月:東京五輪期間は別途延長)
●それ以外の遊技機は、2021年1月11日までに撤去(2020年内から変更)
撤去するペースなども決められていますが、機種単体を見るとこのようになっています。この期限を守らなかった場合、法的にはセーフかもしれませんが、モラル的にアウトと言わざるを得ません。「そもそもそんな約束をしていない」というのであれば、そもそも1年間の期間延長というご褒美も受け取ってはダメでしょう。
ところが「やった者勝ち」と思ってしまうホールは少なからずあるようでして。高射幸性と指摘された『押忍!サラリーマン番長』は、認定期間が特殊な大阪府を除いて、8月10 日の東京都を最後に撤去されるはずでした。しかし、まだ残しているところがあるどころか、外した後に再設置するホールまで出てくる始末。
今後も『ミリオンゴッド〜神々の凱旋〜』などのヒット機種を含めて撤去スケジュールは進行していきます。さらなるカオスを招かないか。一部ホールの約束違反によって未来が暗くならないか。現在も業界団体を中心に動き続けています。
高射幸性の機種を残しているホールへの通報・確認システムの運用や、中古機流通協議会は決議違反のホールに中古移動の証紙を発給しない。メーカーによっては新機種を販売しないといった表明をしています。
なお、10月12日に全日遊連が規則改正と21世紀会決議に至った経緯を全国のホールに説明・報告した最後をこのように締めています。
旧規則機の経過措置延長(規則改正)と信用保証協会の融資・保証等の対象事業者への指定(セーフティネット関連)は、過度な射幸性の抑制に全力で取り組むことを前提に、国や行政当局のご理解とご協力を得て成し得たものであることを改めて認識していただきたい。
まったくもってその通りでございます。
【参考文献】
「旧規則パチンコ・パチスロ機の経過措置を変更した改正法が施行」(遊技通信web)
「21世紀会が経過措置延長に伴い旧規則機の取扱要領を決議」(遊技通信web)
旧規則機自主規制を順守しない店舗の通報・確認システム構築(グリーンべるとWEB)
旧規則機に関する決議の非協力店にペナルティ(グリーンべるとWEB)
旧規則機撤去の決議に至る経緯、改めて説明(グリーンべるとWEB)
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- 佐々木真
- 代表作:パチスロ攻略ライターの思考ルーチン
裏モノ全盛期に“ギャンブル”としてパチスロを始めたが、技術介入機時代に最適手順を模索するなど“遊技”としての魅力にはまり、履歴書に大きな穴をあけてしまう。2000年よりパチスロ雑誌などで編集兼ライターの活動を開始。現在は、ほぼすべての機種の発表会や取材に参加。法律・規則などの知識をもとに、根幹システムの推測をライフワークとしている。
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