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パチスロ攻略ライターの思考ルーチン
2016.05.24
5号機では必需品!? 第二種特別役物
今回のテーマは、予告した通り「第二種特別役物(2種BB・MB・CB)」となります。正確な役構成などをチェックする方ならば、括弧書きした表記は目にしたことがあるでしょう。5号機初期はCBと書かれることも多かったですが、最近の機種ではMBや2種BBと書かれることもあります。ただ、BIGやREGも含めて、ユーザー向けの表記に規定はありません。
BIG:第一種特別役物に係る役物連続作動装置
REG:第一種特別役物
これが法律上の正式名称であるのと同じように、第二種特別役物という異なるボーナスが用意されています。いや、ボーナスと呼んで良いのか。時には、シレっと通常時のフリをする。かなり特殊な状態となっています。
『アイムジャグラー』系や『ハナハナ』系などのREG。『ハネスロ』シリーズのボーナス全部。『リノ』のトマト。『ミリオンゴッド神々の系譜』など、初期5号機AT機で内部成立している隠しボーナス。『バジリスクII』のART中に「14枚→15枚」というコンボで枚数を増やす契機。『秘宝伝-伝説への道-』のチャンス目からの連続演出中。
これらは全部、2種BBです。役割が多岐にわたっていますね。これを1つ1つ理解しようとすると骨が折れます。まずは、2種BBがどのようなものなのか、基本から解説していきましょう。
新CTと呼ばれた時代もあった
2000年頃の4号機時代に人気を博した付加機能が登場します。必ずどこかのリールはストップボタンを押した位置で停止する(ボーナス揃いやリプレイ揃いは1コマスベって避けますが)。目押しができれば小役を揃えたい放題となるチャレンジタイム“CT”です。
規定純増枚数か規定ゲーム数に到達するか、BIG成立で終了してしまうので、早く枚数を稼ぎ規定ゲーム数までダラダラと小役を取ったりハズしたりすることによって、タダでBIGの抽選機会を得ることもできました。これが人気となったのは、そのゲーム性が生み出す射幸性です。BIGとCTの連鎖。ノーマルA400タイプばかりの時代にあって、夢のまた夢だった1万枚を狙える機種が続出したのです。当時の期待値計算の方法は今と異なっており、きちんと技術介入をすれば、出玉率が150%を超えることも。その1つのシステムが、CT機でした。
5号機の法律となっても、このCTの概念は生き残りました。いずれかのリールは、ストップボタンを押してから0.075秒以内に停止する(最大1コマスベリまで)特殊区間である2種BBの誕生です。
この目押しの部分に着目し、5号機初期はメディアも「新CT」と書くことが多かったです。実際、初めて2種BBを搭載した機種も『日本一の桃太郎CT5』など、CTの名称を使っていました。しかし、射幸性を抑えるのが目的の法律では、牙を抜かれることとなります。BIGから繋がる抽選の廃止。CT消化中はBIGを抽選することも禁じられました。「4号機のCTと異なり……」という原稿、数多く書きましたわ。
BIGと独立したボーナスのような存在で、最大1コマスベリで停止するリールがある。
これが2種BBの基本です。“最大1コマスベリで停止するリールがある”大事なことなので3回書いていますが。これを理解するとボーナスの消化手順が変わってきますよね。
例えば、左リールが1コマしかスベらない場合。変則押しをしてメイン小役がテンパイしても、左リールでベルを揃えるには最低でも2コマ目押しが必要となります。1コマ以内なので、機種によってはその場停止となることも。そうすると1コマ目押しです。この特性を活かして、純増枚数をMAXにする機種もありますが、不要な時に変則押しをするのは、リスクしか生みません。2種BBには、規定ゲーム数はありませんが、ダラダラ続けたところでBIGを抽選しませんし、5号機のBIGと同様に純増枚数ではなく、払い出し枚数によって管理されています。払い出しを受けられなかったゲームの投入枚数は、そのままロスとなってしまうのです。
最初から2種BBとわかっていれば。目押しが苦手な方でも、うっかり変則押しをしてしまうと大変と思えるでしょう。そして、熟練者は純増をMAXにする方法がないか考えたくなりますよね。正確な役構成を見て、メイン小役が10枚なのに9枚があるなど、微妙に枚数が少ない小役を探したくなりませんか? もちろん、BIG中に純増MAX手順がある機種もありますけどね。
では、2種BBを見極めるために、次のステップに進みましょう。
まずは消去法で探そう!
2種BBの見極め方ですが、私は消去法を使っています。いちいち揃えてから試してみる時間も削れることがありますから。打つ前にわかることは理解する。これが攻略ライターの基本です。
2種BBも、5号機のBIGと同様に純増枚数ではなく、払い出し枚数によって管理されていると書きました。その最大は253枚です。1枚がけで15枚を払い出すこと16回で240枚。目押しを駆使して13枚を取ると253枚に。そのラストで15枚を取ると……理論上の最大純増は、268枚から消化の18枚を差し引くと250枚まで作ることが可能なのかな。そういった機種は記憶にありませんが。って、話がそれました。
規定払い出し枚数が254枚以上であれば、“そのボーナスは”2種BBではない。
5号機は、BIGでも獲得枚数の上限しか決められていないので、253枚以下だったら2種BBとは断定できません。ただ、こうやって払い出し枚数に着目することは大事。もう1つあるんです。
払い出しが360枚以上となるBIGを持つ機種には、2種BBを搭載できない。
これも法律によって定められています。4号機のCTも、通常のAタイプと呼ばれる3回JACインタイプのBIGを持つ機種には、CTを搭載できませんでした。その名残でしょうね。なので、私は5号機ではAタイプと書かないんですけど。2種BBの由来を考えると、JACインが2回以下の“Bタイプ”なのよ(笑)。私にとって、ノーマルAタイプと呼べるのは、初代『うる星やつら』とか『シェイクII』とか。最近だと『ヱヴァンゲリヲン・魂を繋ぐもの』くらいなもんです。
ちなみに、ボーナスはBIGだけでなくREGもありますが、2種BBをREGと表記するのではない、純粋なREGも存在します。それは、役構成を見れば一発。
「●G消化、もしくは×回の入賞で終了」は、そのボーナスは2種BBではなく、純粋なREG確定。
と、役構成から2種BBの搭載を否定できる要素を探しましたが、同じようにリール配列からもヒントが得られます。BIGの組み合わせは、360枚以下のタイプでも最大12通りまでしか認められていません。例えば、赤7が左と中に2つずつで、右に1つならば「2×2×1=4」で4通り。このように組み合わせを数えます。要は、ちゃんと目押ししてBIGを揃えてね……ということ。
適当打ちで揃うくらい組み合わせが多いのは、2種BB
『元祖ハネスロ』のようなボーナスらしいものもありますし、『バジリスクII』のART純増加速用や『リノ』のトマトもこれに当たりますね。
このように消去法をすると。もっとも多いボーナスでも360枚以下となる払い出しで終了する機種にある、253枚以下の払い出しで終了するボーナスで、かつ組み合わせが12通り以下のものは、まだ2種BBの可能性が残ることになります。
こればかりは、揃えて押さないとわかりません。全リールで2コマ以上スベって小役が入賞するならば、規定払い出し枚数がどれだけ少なくてもBIG確定となりますね。BIGでも最大1コマ以内の停止にできたりもしますが、ほぼ2種BBです。
リノもバジⅡも2種BB搭載機
2種BBを置くメリット
前項でも書いた通り、適当打ちでも揃ってくれるのは汎用性が高いですね。ただ、ボーナス主体タイプのREG扱いとしてなど、目押しをして揃えさせるボーナスも2種BBを採用することが多いです。その理由は、さまざまなメリットがあるから。
5号機の出玉試験では、出過ぎる機種ではないかということ以外にもチェックされる項目があります。役物比率です。すべての払い出されたコインが、どうやって出てきたのか。2種BBを含むボーナスで出てきた分は“役物”扱い。それ以外は、通常の小役扱いとなります。通常時はまったく小役が揃わずに、ボーナスだけでドビャ〜っと出す機種を禁止するためです。
この役物分の比率は、1種限定(2種非搭載)だと最大で60%まで。搭載していると70%までと緩和されます。要は、通常時のベース(回転率)を少しだけ削ってボーナス分に上乗せすることができる。BIGの枚数も上限が360枚ですし、ボーナス確率を上げることができるんです。
逆に、1種限定は、10%分だけベースは高めになります。さらに、高設定ほどボーナス確率を上げようとすると、それに比例してベースがさらに高くなります。通常時の小役を見ていれば、設定示唆もしやすくなってしまうのです。
それに対して、2種BBを搭載した『アイムジャグラー』系。また、ベースも35G前後と高すぎず、ボーナス確率ほど小役の設定差を大きくしないで設計できています。これは、アクロスのAプロジェクトも同じですね。唯一、1種限定の『ビーマックス』は、ベースが高いですよね。
こういった開発者の狙いであったり、設定推測がしやすいのか。そんなところまで、2種を搭載しているのかもわかるのです。
不思議な存在!?
ここまでだけなら、2種BBはボーナスとなります。しかし、それだけで終わってくれないのが、恐ろしいところです。最初に書きましたよね。「時には、シレっと通常時のフリをする」と。最後にそんな不思議な部分を解説してシメたいと思います。
RT状態を引き継ぎこともできる
通常時やART中に2種BBが成立した場合、その成立時点のRTを引き継ぐことが可能となっています。これを利用したのが『バジリスクII』です。通常時に成立した場合、単に15枚の払い出しで終わってしまいますが、ART中に成立すると2種BB中なのに、リプレイ確率を高いままで保っているのです。この「リプレイ+2種BB作動」の時に、14枚役が揃うリール制御に変化。こうすることによって「14枚→15枚」のコンボを実現させています。
『戦国BASARA2』のBASARA目や『ドンちゃん祭』のART中に成立した2種BBではドンちゃん揃いの確率がアップするのもコレです。というか、外見の状態ではなく、滞在しているRTモードが重要でして。ARTが終わっていても余韻のリプレイ高確率状態で成立すれば、同様にドンちゃん確率はアップしました。逆に、ARTを告知していても、ART準備中に成立すると、まだリプレイ確率が上がっていないのでダメなんですけどね(笑)。
REGやSINが成立するとパンクする
2種BB中にBIGは抽選できませんが、REGやSINは抽選しています。成立したゲームまでは小役は揃いますが、そのゲームを最後に2種BBはパンクしてしまいます。なぜ、抽選できるのか。その理由はわかりませんけどこれを利用して、パンクさせないヒキをゲーム性にしたのが、『秘宝伝-伝説への道-』や『ギラギラ爺サマー』ということになります。
そういう狙いがあるならともかく、単にパンクするだけの『新日本プロレス』など初期にありましたが。ちゃんと枚数が取れないだけという不満から、そういった機種は減っていきました。
2種BBと、REGやSINは相性が悪い……なんてな知識があったので『魔法少女リリカルなのは』は、役構成を見た瞬間に驚きましたね。SINも2種BBもチャンス目を作る目的で設置。2種BB内部成立時にリプレイ確率を上げ、その間にはSINを成立させない(内部保有中なので許されます)。いや、上手いことやったものです。
SINはガセチャンス目を作るためで、他の小役などで良さそうな気もしますが。特殊リプレイだと、リプレイランプを見た瞬間にわかりますし、1枚役だと狙いたくなってゲーム性が……って、私はSINでも変則押しして見抜くので変わらないんですけど。
と、最後にRTの話題になってきてしまいましたね。次回からは、いよいよART機やAT機となっていきます。っつか、2種BB恐るべし。こんな書くつもり、なかったのに……。
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- 佐々木真
- 代表作:パチスロ攻略ライターの思考ルーチン
裏モノ全盛期に“ギャンブル”としてパチスロを始めたが、技術介入機時代に最適手順を模索するなど“遊技”としての魅力にはまり、履歴書に大きな穴をあけてしまう。2000年よりパチスロ雑誌などで編集兼ライターの活動を開始。現在は、ほぼすべての機種の発表会や取材に参加。法律・規則などの知識をもとに、根幹システムの推測をライフワークとしている。
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