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名機のそこ~マコトのメーカー開発インタビュー~
2020.08.21
『ユニバーサルの開発は簡単には諦めない』ドン2の完全再現ではなく、より面白いものを目指していた。1G完結型の出目と液晶の融合を重視した理由。
順押しでは10枚の払い出ししか受けられないけれど、中・右リールを先に止めてメイン小役の提灯が上段、もしくは右下がりにテンパイした場合、左リールに「提灯・赤七・チェリー」をビタ押しすれば提灯揃いの10枚に加え、下段にチェリーが止まって4枚の払い出しも受けられる。BIG中の技術介入によって獲得枚数に4枚の差が出る仕様に衝撃を受けた。それと同時に『ドンちゃん2』という台に惹かれていった。
ただし、目押しをミスした場合はそれ相応のペナルティーがあり、1コマ早く押すと中段にチェリーが止まって払い出しは2枚。1コマ遅く押した場合は何も揃わず払い出しゼロ。当然、パチスロを覚えたての少年には高すぎるハードルだったし、成功率は極めて低かった。
液晶内でドンちゃんに寄り添っているはずの葉月ちゃんに「嫌っ!」と言われ何度そっぽを向かれたことか。左リールから止めていれば確実に10枚の払い出しを受けられるのに、自分の目押しの精度も理解しているのに。払い出し枚数を著しく減らしてでも何度も何度もビタ押しにトライした理由は、ビタ押し成功時の達成感を味わいたかったから。メダル4枚差以上の達成感がそこにはあった。
気が付けば俺はドン2の虜になっていた。人生で初めて打ち込んだ台がドン2だった。 4号機のドン2は俺の青春であり、パチスロのいろはを教えてくれた台でもあった。
ドン2と出会っていなければ目押しは下手なままだったかもしれないし、リーチ目やリール制御に疎いままだったかもしれない。そもそもパチスロを打ち続けているかどうかだって怪しいし、パチスロ雑誌に履歴書を送ることもなかったと思う。もちろん、こうして今ここで文章を書いてもいなかったと思う。
それだけ惚れ込んだ台が約20年という時を経てリメイクされたとなれば、開発者に話を聞きたくなるのがパチスロ打ちの、ドン2を愛した男の性。ということで、今回はアクロスブランドの6号機第一弾である『ドンちゃん2の底』を探っていこう。なんと今回のお相手はA PROJECTチャンネルでもお馴染みユニバーサルの小野Pさん。開発さんにお答えいただいた内容を小野Pさんに代弁して頂きました。
目次
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ご無沙汰しております。小野Pさんが対応されるとは思ってなかったので、ちょっと驚いています。今回は4号機のドン2(※)含め、いろいろなお話が聞けそうで楽しみです。よろしくお願いします。
※6号機ドン2は、4号機時代のドン2のリメイク機
「こちらこそよろしくお願いします。僕も4号機のドン2はかなり打っていたので、今回の開発からの返答には興味深いものがたくさんあるんですよね。ちなみに、4号機のドン2は何ドン派でした?」
俺はほぼ『青ドン』でした。
「やっぱり青ドンを選ぶ人多かったですよね。僕も最初は青ドン派(※)だったんですよ。バンジー金魚すくいの金魚の色だとか、右から金魚が飛んだら小役以上とか、2匹飛んだらアツいとか、金魚がどっちにいるかとか、ドンちゃんの目が点なら金魚を掴むとか……その辺の法則が面白かったですよね」
※4号機ドン2も、6号機同様にドンちゃんの色が選択できたが、青ドン支持率が圧倒的だった
黒金魚と金金魚が2匹飛んで超アツいとか、白金魚(ハズレ対応)が飛んだのに出目は小役ハズレ目で2確、っていう出目と演出の絡みにしびれていました。
「懐かしいですね。朝イチは設定変更判別で赤金魚が出る台を探したり」
設定変更されると小役高確率状態から始まるんで、低確率中はほとんど出現しない中段チェリーが1/3ぐらいで成立しますもんね。
「当時、友達と一緒に打つことが多かったんですけど、打ち終わってご飯食べてると話が噛み合わないことがあったんですよ。液晶演出のデカ花火があるじゃないですか、小役以上が濃厚な。あれってアツいじゃないですか。体感で40~50%ぐらい期待度あるのに、友達が全然アツくないって言い出したんですよ」
アツい印象しかないですけどね。それこそ半分ぐらいはボーナスが当たってる記憶です。
「よくよく話を聞くと、その彼は赤ドンを選んでいたみたいで、赤ドンだとデカ花火の期待度が20%ぐらいまで下がるらしいんですよ。ドンちゃんの色で演出の期待度が変わるっていう仕様がものすごく印象に残っているんですよね、ドン2って」
当時は青ドン一辺倒だったのでその法則を知らなかったんですよ。今作から選んだドンちゃんによって演出の期待度を変えているとばかり……。
「そうだったんですね。実は4号機のドン2から差があったんですよ」
今回は演出面の質問もさせて頂いているので、その辺も追々って感じですね。
では、質問の方に移らせてもらいます。まず最初はこの企画ではお馴染みのドン2の開発コンセプトを教えて下さい。
「ドン2のコンセプトは『出目と液晶演出の絡みによる多彩な察知パターン』です。一般的な液晶機は演出を継続させて期待度を表現していますが、ドン2の演出は1G完結型での期待度分岐をメインに出目との絡みを考えたとのことです」
液晶を搭載していても1Gで完結させるっていうのがすごいなと思いました。これぞアクロスだなと。
「なかにはリプレイで引っ張る演出もありますが、1Gで完結させるというこだわりがあったみたいです」
それこそ、リプレイ同時当選に期待できる打ち上げチャレンジも初代に搭載されていた演出ですもんね。当時はノーマルタイプに連続演出は不向きだと思っていましたけど、この演出の使い方は同時当選の煽りにものすごくマッチしてますよね。
「僕も最速実戦動画を撮る時に開発の方にいろいろ質問したんですけど、その時に雰囲気を大事にしていると言っていましたね。完璧な再現を目指しているんじゃなくて、4号機のドン2を打ったことがある人が6号機のドン2を打って、ドン2じゃん!って思ってもらえたらOK。それをリメイク機のコンセプトにしているみたいです」
そういう意味ではハナビもバーサスもそれこそドン2も全部、ハナビじゃん! バーサスじゃん! ドン2じゃん! って感じましたね。
では、続いての質問なんですが、アクロスの6号機第一弾がドン2になった理由を教えて下さい。
「まず、新時代のA PROJECTというのをキーワードに開発を進めていこうというのがありました。これまでは液晶機は作ってこなかったんですが、このタイミングで液晶機にも着手しようということで、液晶機の代表格であるドン2を選んだみたいです。それに加えて、ユニメモを搭載したり成立出目の表示を入れたり、リーチ目コレクションといった新しい機能にも挑戦したとのことです」
ドン2が新時代に相応しかったということですね。6号機での開発ということで苦労した部分、悩んだ部分なんかもあったんでしょうか?
「苦労したのは出玉面だそうです。ドン2にはRTが付いているじゃないですか。出玉が減らない区間があるというのが難しかったみたいですが、6号機として市場に出せる範囲内でも、最大限出玉感は演出したいという思いがあって、限界に挑戦したとのことです」
やはり、出玉面がネックになるんですね。逆に6号機だからやりやすかったという部分はあったりするんでしょうか?
「6号機は5号機と比較するとボーナスの枚数を少なくして、ベースを高くしないといけないというのがありますよね。メイン小役の提灯確率が従来のA PROJECTと比べて高くなっているんで、提灯を絡めた多彩な演出法則を組むことに貢献しているとのことです。演出の一例で言えばリアカーダッシュ失敗や強消灯、フラグとしては提灯Bを搭載して出目演出にも幅が出せたということでしょうね」
提灯絡みの演出の幅を広げて、より楽しませる方向にもっていってるという感じですかね。
「メイン小役を2種類搭載することで、演出の状況に応じては提灯がテンパイした方がアツいという工夫もしているんだと思います。あと、5号機初期もそうでしたけど、高ベース機のメイン小役ハズレ目ってほぼハズレないじゃないですか。でも、それが1日に1回とか2回でもハズれちゃうと、妙に期待しちゃってる自分がいる……みたいなことあると思うんですけど、あの感覚をつくろうとしているのかなとは感じました」
どうせハズれないだろ……と思いながらもちょっと期待しちゃうみたいな感覚ですね。分かります。では続いての質問なんですが、RTを搭載した理由と、RTのゲーム数が22Gという理由を教えて下さい。
「5号機と比べるとBIGの獲得枚数が少なくなっているので、連続性に期待させる区間ということでRTを搭載しました。あと、液晶機なので演出上の画面遷移的にも4号機のような流れを見せたかったという意図があります。ゲーム数に関しては、今作では『2』に拘っていて、ドン2はBIG222枚で、RT22Gとしているとのことです」
RT中の演出とBGMが4号機ドン2のBIG中のものですもんね。それを再現したいというのがあるんだなと感じていました。再現という意味ですごく聞いてみたいことがあったんですが、4号機のドン2はBIG中の技術介入で複合役を獲得するというのがひとつの魅力だと思うのですが、それを設定示唆演出に変えた経緯を教えて頂きたいです。
「技術介入によってユーザーが得をするマシンを作りたかったという意図です。4号機時代の得は獲得枚数で、今作は設定示唆になっているということです」
これは個人的に思っていたことなんですけど、技術介入で獲得枚数を増やせないならドン2の後継機は作るべきじゃない……といった思いがあるのかなと勝手に想像していたんですけど、そういう葛藤みたいなものはあったんでしょうか?
「これはA PROJECT全てに言えることですが、当時と同じことができないから諦めるではなくて、同じことができないなら今の時代特有のものと融合することで、前作より面白くすることを目指して開発しているので、作るべきじゃないという葛藤はなかったそうです」
めちゃくちゃかっこいいですね。痺れます。
「僕が感じていることですけど、ユニバーサルの開発は全体的に諦めない人が多いです。どうにかしてこじ開けて、どうにかして面白いものを作るというプロ意識が高い人が多いですね」
そういう方々が開発にいるからこれだけ支持される台ができるんですね。納得です。
では続いての質問なんですが、青ドンの固有演出が成立役をはっきりとナビする『バンジー金魚すくい』から、大まかなナビの『深海魚一本釣り』に変更された理由を教えて下さい。
「これには理由が2つあったみたいで、1つ目の理由はやはり試験上の問題です。例えばドンBIG成立時に赤金魚をゲットすると、赤七BIGの示唆だと捉えられかねないということがあるみたいです。成立役以外を示唆する色を表示してしまうと、成立役を意図的に阻害する演出とみなされてしまうみたいですね」
やはり試験対策のひとつだったんですね。 やっぱり開発陣としては、金魚すくいでいきたかったんですかね……。
「これは僕の予想なんですけど、こういう試験にまつわる回答ってあまり開発からはしないイメージがあるんですよ。でも、それを伝えているってことは本当は『金魚すくい』でいきたかったんだと思うんですよね。金魚すくいを復活させたいけど、完全に再現するとなると試験で引かっかかるよな……ってなったんだと思います。でも、それならさっきも触れましたけど、再現するんじゃなくてより面白い演出を考えようってなったんだと思います」
なるほど、深いですね。
「2つ目の理由は、3人のドンちゃんの遊技感をより差別化させるというものです。4号機のドン2は3人の固有演出にリール停止ごとの期待度分岐がなくて、勝手に演出が進む仕様だったんですが、今作は青・赤ドンにリール停止時に分岐が発生するように変更しています」
たしかにそうですね。青ドンはドンちゃんが深海魚を釣り上げるタイミング違いますし、赤ドンもバトルの展開が変わりますね。
「特に青ドンは停止タイミングによって期待度や対応役が大きく変わる『オオハナビの鉢巻きリールのようなゲーム性」が差別化という意味でも、遊技性的にも最適と考えたそうです。実際、深海魚一本釣りの演出法則はかなりオオハナビを意識して作っているので、オオハナビが好きな方にはイチオシとのことです」
左リールの涼・提灯・BARという配列が大花火ライクなのは演出との絡みを意識しているということなんですね。ドン2に大花火の要素があったとは……気付きませんでした。
▲普段は何ともない荷台ビリーも、演出発展しなければ状況は一変する
続いても演出面の質問なんですが、『荷台からビリー発展せず』や『トラックステップアップ発展せず+消灯』など、発展しない方がアツくなれるパターンがありますが、やはりこれらは意図的に作られているのでしょうか?
「もちろん、意図的です。ダメパターンか……と思わせて、アツいパターンに繋がるというのは期待感をドラマチックに演出するうえで重要だと考えているので、これらだけに限らず弱い演出パターンのなかにも救いを持たせているそうです」
この法則は本当にドラマチックです(笑)
「基本、ほとんど期待できない演出ってどの台にもあるじゃないですか。それに条件が加わることで一気に期待度が上がるパターンって僕も好きなんですよね。法則に気付けると嬉しいんですよね」
そうなんですよ。いろいろ考えながら打てると深みが増しますからね。あと、個人的には4号機では全く期待できなかった荷台からビリーがボーナスに絡むっていうのがすごく嬉しかったです。
「4号機のドン2の荷台からビリーはまさに救いがなかった演出でしたからね。右からビリーには予告音ナシでチェリーorボーナスというアツい法則があるのに対し、荷台からビリーは期待できないのはもったいないので、今作では発展するか否かという間を置くことで、ひと味違ったチャンスパターンへの分岐が演出できたと思っているとのことです」
あの発展するかどうかの“間”が絶妙なんですよね。荷台からビリーが出てきてすぐ左リールを止めちゃうとアツい瞬間を見逃すことになるんで、荷台からビリーが出てきた時は演出を見てからリールを止めるようにしています。
「発展しなければハズレorボーナスなので、どこを止めてもOKですからね」
赤ドンの対決演出も対応役がハズレor涼orボーナスと限定されていますけど、やはり打ち方の自由度を上げるためなんですかね?
「そうですね。チェリーを狙わなくてもいいポイントを作るという意図がありました。あと、液晶機だと演出の発生頻度が高くなるので、弱い演出だと手を止めてもらえないかもと考え、固有演出のなかで最も期待度の高い赤ドンの対決演出にこの法則を組み込みました」
バーサスの予告音が鳴らなければチェリーを狙う必要がないという法則と同じですね。この法則が大好きなので、ドン2にも似たような法則があるのは嬉しいです。
「ドン2は液晶機なので、知っていればアツくなれる法則をたくさん作ることができるんですよね。それこそチェリーの可能性がない演出で言えば3連花火予告もそうですし。演出からフラグを絞り込める人に向けた奥深さを追求してもらう法則という感じだと思います。完全にリピーターへ向けた仕掛けなんですよ」
初打ちだったり、知識がなければ分からない部分ですからね。
「これは僕の見解も入っちゃうんですけど、A PROJECTの台って作り手が逆算をしてるなって思うんですよね。最終的にここを狙ってほしいんだけど、そこに導くためにはどうしたら良いんだろうっていうのがあって。入り口は簡単なところにしておいて、演出の法則を覚えてもらうことで自由度を上げて、違うところを狙ってもらおう。そこまで到達したら、次は演出と演出の組み合わせに気付いてもらって、また別の箇所を狙ってもらう。それを繰り返して最終的に本当に狙ってほしいところまで導いていると思うんです」
開発者の意図した流れがあるってことですね。
「分かる人には分かるという流れがあると思うんです。で、最終段階に辿り着いた人が『この台すげぇじゃん!』ってなる。そのすげぇじゃんを言わせるための緻密な工夫がされてると思うんです」
ものすごく分かる気がします。
「ある意味踊らされているのかもしれないですけど(笑) それが気持ち良いんですよね。そこがすごく上手いなって思います」
これだけ面白いなら喜んで踊っちゃいますね。
▲4号機ドン2と6号機ドン2の左リールの配列は、大きく変更されている
では、次はリールに関する部分の質問です。ドン2は左リールの配列が4号機から変更点が多いですが、その理由を聞かせて下さい。
「左リールの配列は全て再現出来ないので、再現した場合のメリットとデメリットを天秤にかけ、ドン2の特徴的な箇所であるBAR上段付近を優先しました。あと、赤七・提灯・涼付近の役割をドン・提灯・涼に持たせることで、どちらの役割も担保することを選んだとのことです」
BAR付近の出目やリーチ目は再現度高いですもんね。BAR狙い派だったので、この仕様は嬉しいです。ただ、個人的にすごく気になったのが、中リールの赤七とドンを入れ替えた理由を知りたいなと思いまして。というのも、左リール上段BARから中リール中段赤七の2確目が好きだったんで、どうしてドンに変えてしまったんだろうという疑問が消えないんです。
「中リールを入れ替えた理由も、左リールのどこを優先するかという問題に関係しているんです。そもそも4号機ドン2の中リールがハナビやオオハナビと違って、七ではなくドンの上に涼があるのは、左リールにチェリー付きの赤七・提灯・涼という配列があるからなんです」
……と言いますと?
「ドン2は当時から演出と出目の絡みを魅せるというのがコンセプトにあったので、小役をフォローしつつなるべくボーナスを生入りさせない工夫として、中リールの涼付きボーナス絵柄を左リール上段に止まるであろう絵柄と異なる絵柄にする必要があったみたいです」
なるほど!
「中リールの涼付きボーナス絵柄が赤七だと、順押し時の赤七テンパイで小役を否定してしまうので、小役以上の演出が発生しているとその時点で2確になってしまう。しかもBIGを直接揃えられてしまう。逆に赤七がテンパイしなかった場合は、ボーナステンパイを拒否するかたちになるのでボーナス期待度が下がるうえ、右リールで涼をフォローする必要がある。これだとものすごく単調なゲーム性になってしまうので、ハナビ・オオハナビとは配列の法則を変えて、中リールの涼付きボーナス絵柄をドンにしたと」
6号機ドン2はBAR付近の配列を再現することを優先したので、左リールにはドン・提灯・涼がある。そこでのボーナス絵柄単独テンパイを避けるために、中リールの絵柄をドンから赤七に入れ替えたということですか。めちゃくちゃ深いじゃないですか!
「要はリーチ目を見せたいってことだと思うんです。すごくよく考えられているなって改めて思いましたね。変更点には意図があるんだって」
ですね。この話を聞くまでは左上段BAR、中中段赤七の2確目を見たかったのにと思っていましたけど、中リールはドンを狙って開発者の意図を噛み締めたくなりました。実に良い答えでした。
では、次の質問に移ろうと思うんですが、ボーナス入賞時にPUSHボタンを押すと成立ゲームの出目を告知してくれる機能は、4号機ドン2の液晶で出目履歴を確認できる仕様の進化形だったりするのでしょうか?
「仰る通りだそうです。当時、ボーナスを察知した際に成立後だったりした時、どこで? という感じで液晶の出目履歴を確認している人が結構いたので、その流れを汲んで搭載しました。ボーナスを揃える前に当選ゲームを予想し、揃えた後に答え合わせができれば面白いのでは……という意図があったみたいです」
ボーナス当選ゲームが分かっていても確認したくなるので、この機能は本当に素晴らしいなと感じています。液晶機ならではですよね。続いてはリーチ目コレクションについてなんですけど、対象出目の選定理由と選定方法を教えて頂きたいです。
「停止ポジションが偏らないようにバランスを考え、想定される小役狙いポジションのBAR上段・BAR下段・単ドン上段から20個弱ずつ、それ以外のポジションから10個前後で選定しました。1枚役の成否で優先などはせずに、極力表示されやすい出目を選んだそうです」
変則押しのリーチ目もピックアップされていますよね。
「そうですね。なかには変則押しを強要されるのを嫌がる人もいるみたいですけど、時には変則押しも楽しんでもらいたいですね。あと、この機能を通してライトユーザーの方にもミッション感覚でリーチ目を覚えてもらって、リーチ目マシンの楽しさや、リーチ目を狙う楽しみ方を感じて頂けたらと思います」
続いてはBIGが内部的に確定している状態でデモ画面に戻った際に、PUSHボタンが点滅したという声があったのですが、実際にそのような演出ってあるんでしょうか?
「これに関してはないそうです。デモ画面移行時はPUSHボタンが青く点灯しますけど、点滅することはないですね。ちなみに、似たような演出で4号機のデュエルドラゴンのデモ画面で、ドラゴンが埴輪を落とすシーンがあるんですけど、それがDoの人形だとボーナスが当たっていることが確定したんですよ」
えー! 知らなかったです。
「実はそれを5号機のデュエルドラゴンプラスでも再現してるんですよ。ボーナス当選時の1/2でしか発生しないんですけど、これを知っている人はほとんどいないと思います(笑)」
まさかデュエルドラゴンの話が聞けるなんてびっくりです。次もかなりコアな質問なんですけど、荷台からビリー発展ナシ+消灯ナシ、赤ドン選択時のリアカーダッシュ失敗はボーナス成立ゲームで発生する可能性はあるのでしょうか?
「荷台からビリー発展ナシ+消灯ナシは成立ゲームで発生する可能性はあるみたいです。ハズレ時は必ず消灯するので、消灯しなかった時点で1確になります。ちなみに、ドンちゃんの色は不問だそうです。で、赤ドンはリアカーダッシュ成功でボーナスが確定する代わりに、失敗はボーナス成立ゲームで発生しません」
荷台からビリー発展ナシ+消灯ナシは1確なんですね。見たことないです。見たいですねぇ。これまたコアな部分なんですけど、RT後半8G間で花火玉が青ドンまで渡れば小役以上だと思われますが、青ドン選択時のみハズレの可能性があるんじゃないかと感じているユーザーさんがいるんですが、この法則は如何でしょうか?
「青ドンまで花火玉が渡るパターンは選択ドン不問でハズレの可能性があるそうです」
そうなんですね。これまた自分では見たことがなかったので、勉強になりました。
では、最後に開発さんが思う一番面白い、もしくは好きな打ち方、一番悶絶するシチュエーションを教えて下さい。
「一例として聞いているのですが、一例がマニアックなんですよね(笑)」
対応役 | リプレイor涼orボーナス |
悶絶パターン | リプレイ・涼否定演出(玉張り、荷台ビリー+発展無し等)で悶絶 |
対応役 | 提灯Bor涼BorドンBB |
悶絶パターン | 提灯否定演出 緑ドン:スイカorMr. Do、 青ドン:オウムガイ、 赤ドン:格闘技、花火予兆(左)等 で悶絶 ↓ 涼をフォローして、ドンテンパイでドンBB2確! |
「かなり細かく出目と演出について掘り下げて答えているので、ドン2のコンセプトを体現した回答なんだと思います」
本当だ、悶絶パターンまで。これは試したくなりますね。今回はたくさんの質問に答えて頂きありがとうございました。
「こちらこそ、ありがとうございました」
今回は実に素敵な回答を頂けたインタビューだったなと。自分が好きな機種のリメイク機ということもあったけれど、たとえそうじゃなかったとしても有意義な回答の連続だった。
リール配列の優先順位や、中リールの変更点にまつわる話の詳細を聞く前だって、十分楽しく打てていた。それらにまつわる意図を聞いた後だと、左リール上段BAR、中リール中段ドンちゃんの2確目に今まで以上の喜びを感じるだろうし、青ドン選択時はオオハナビライクな出目を必要以上に狙ってしまうだろう。でも、それでいい。いや、それがいいんだ。
開発者の意図を汲んで打てるパチスロの面白さは、インタビュアーである俺が一番に感じているのだから。
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- マコト
- 代表作:名機のそこ~マコトがメーカー開発インタビュー~・【回胴の探り手】マコトの味変(あじへん)回胴
岐阜県出身。3本のリールが織り成す出目演出に魅せられて、当時読者だったパチスロ必勝本に携わる仕事ができたらなという気持ちで履歴書を送付。無事、ライターとして採用してもらい、ほぼパチスロライターという仕事しか経験したことのない男が生まれてしまう。現在はパチスロ必勝本などを中心に執筆しているほか、DVD・CS番組・ネット動画などにも出演中。とにかく出目でアツくなれる機種が好き。
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