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ありがとう。さようなら。パチ7の5号機まとめ!
2021.11.03
5号機まとめ#03:5号機の歴史を『規制・法律面』で振り返る。by 佐々木真
▲『規制面』で振り返る5号機時系列
こんにちは。佐々木真です。ここでは、5号機の主流システムの進化の後に待ち受けていた規制を振り返ってみたいと思います。
と、規制といえば。2014年以降の遊技機に対するものを思い浮かべる方が多いかと思いますが、それ以外にも徐々に、そして確実に“何でもあり”ではなくなっていったのも、5号機設置期間の特徴となっています。今回も長々と前置きを書いておりますと7号機時代になってしまいそうなので、さっそく本題に入らせていただきます。
★2011年:一物一価が推し進められる。
私も一介の打ち手ゆえに政治的な話は詳しく存じ上げませんが。2011年頃から「一物一価」が推し進められることになります。現在は保存期限が尽きたらしく読めなくなってしまっていますが、福島県警察からの依命通達が有名だったでしょうか。
一物一価とは、同じ賞品(景品)は同じ提供価格でなければならないということ。パチスロで1000円50枚借りられる等価交換の営業ならば、パチンコも1000円分の250玉で1000円分の景品と交換できる等価交換でなければならない。結果的に、パチンコとパチスロのレートを同じにするということになります。
2000年代。パチンコは2.5円〜3円交換で、パチスロは等価交換という一物二価が主流でした。遊技機規則で定められている出玉率の上限も異なります。それぞれのゲームに適したレートかつ賞品の提供方法となっていたのです。それぞれの違いを無視した「そもそも論」の押し付けにより、パチスロに合わせる形でパチンコも等価交換を余儀なくされました。
5号機とは直接関係ないのでここまでにしておきますが、レートに関しても制限が加えられているのが現状です。大阪府は2020年末に、パチンコとパチスロの賞品を別にすることで、レートを変える二物二価を模索しましたが、立ち消えになってしまったようです。無念。
★2012年:広告宣伝規制が強まる。
2012年7月13日。警察庁より「ぱちんこ営業における広告、宣伝等に係る風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律違反の取締り等の徹底について」という通達が出されます。
「脱法的表現により善良の風俗及び清浄な風俗環境を害するおそれのある広告、宣伝等を行おうとするぱちんこ営業者等が存在している状況にある。」として、
・入賞を容易にした遊技機の設置をうかがわせる表示
・大当たり確率の設定変更が可能な遊技機について設定状況等をうかがわせる表示
・賞品買取行為への関与をうかがわせる表示
・遊技客が獲得した遊技球等の数を示し、これに付随して賞品買取所における買取価格等を直接的又は間接的に示す表示
・著しく多くの遊技球等の獲得が容易であることをうかがわせる表示
・風営法第19条の遊技料金等の規制等に違反する行為が行われることを直接的又は間接的に示す表示
・遊技の結果について客の技量により差異が生じる余地をなくしていることをうかがわせる表示
これらの行為に対する厳正な指導および取り締まりを徹底することとなりました。ここでは割愛しますが、隠語を使うなとかこと細かに書かれておりました。実際に取り締まるのは現場、所轄警察となるので若干の温度差はあろうかと思いますが(自治体によって条例も違いますし)、ここを契機にホールがメールなどで発信できる文言が制限されていくことになりました。
設定示唆メール絶滅です。立ち回りに大きな影響を受けたスロッターも少なくないことでしょう。この規制以前にあったホールごとのイベントでアツかった日などを「旧特定日」という記憶の形として、期待するユーザー・それに応えるホールという図式が脈々と残っているところもありますね。
それ以外にも、東日本大震災をきっかけにテレビCMを自粛したり、今年2021年になってそのメーカーCMがようやく解禁されたり。若干の変化はありますが、基本的には厳しいままとなっております。
★2008年:5号機の厳しい状態から、最初は緩和がなされた。
4号機の爆裂性の高さが指摘されて始まった5号機。市場での人気は高いとは言えず、最盛期の約200万台から2009年には約134万台へと大きく総設置台数を減らすこととなります。そこで最初に打たれた手は緩和でした。
パチスロを作る際のルールですが、これが変われば「○号機」の数字が増える遊技機規則(法律)が筆頭。その遊技機規則を運用する警察庁の“解釈基準”が二番手。最後にメーカーの業界団体が自主規制として策定する内規が存在しています。
2007年11月に業界団体が警察庁に対して21項目にもなる規制緩和を陳情。直接出玉に関わる部分は却下されましたが、「小役優先のリール制御・フリーズ演出・マルチボーナス」などの9項目が「解釈基準の改正」として認められることとなりました。
ただし、以降の機種を5.1号機とは呼んでおりません。小数点以下の数字は「これからはそう呼ぶよ」という業界団体の胸先三寸なものだったりするのです。
と、出玉には関わっていなさそうに見えますが、2009年以降は押し順ART機やボーナスを隠し持つAT機の登場によって出玉性能が上昇の一途を辿ったのは5号機の歴史(システム編)で振り返った通りです。解釈基準の改正以外も、いろいろと緩和されたのでしょうね。内規は公表されることが珍しいので憶測の域は越しませんけど。
★2014年:5.5号機への仕様変更が発表される。
各メーカーから純増3.0枚のAT機ばかりが登場してきていた2014年9月1日。パチスロ機が市場に出るための検査機関である“保通協(保安通信協会)”での出玉試験方法を変更するという通達が警察庁よりなされました。3000枚突破率の計算ミスが多いなどの指摘事項も添えて(笑)。
それ以前の実射試験(プレイヤーと同様に遊技する試験)では、AT・ART状態となったら、押し順ナビに従ってくれましたが、9月16日以降に保通協へ持ち込まれる機種は、あらかじめ決めた押し順を続け、ナビに従わないこととなりました。この当時は、押し順ナビ非発生時は、順押し以外だとペナルティとなるAT機が主流。順押し検査では、AT中も通常状態を消化しているのと同じこととなってしまいます。いわゆるペナルティ規制です。
出玉試験に関して定められているのは、出すぎる機種だけではありません。出なさすぎる機種も制限される項目があります。5号機の出玉率の下限は55%でしたが、当時のAT機の(小役の押し順振り分けが低い)順押しではクリアできません。よって不適合となってしまいます。
また、9月15日以前に持ち込まれた旧基準期を新規設置できるのは、2015年11月まで。12月以降は出玉試験の方法が変わった“5.5号機”とすること。その直前の翌2015年10月には、ボーナス込みの1Gあたり純増を2.0枚以下とすることも併せて決まりました。
AT機は、ボーナスを隠し持つ特殊な形式で実現されています。その隠しボーナスを持たない通常のART機で作れる純増速度は1Gあたり2.4枚。純増2.0枚ならばART機でも作れます。AT機を作る意味が薄くなったのです。
★5.5号機以降はAT・ARTをメイン基板管理に。
試験方法の変更で騒然となっていた最中の2014年9月12日。メーカーの業界団体が、AT・ART機能をサブ基板管理からメイン基板管理に移行する指導方針も受けていることを明らかにしました。
まずメイン基板とはパチスロの根幹となる基板。ボーナスや小役などの抽選、リールの回転や停止、メダルの払い出しなどを管理しています。それに対して、サブ基板とは演出用の基板のこと。根幹ではない演出ですから、それがなくてもパチスロとして成り立つもの。出玉に影響を及ぼすはずがない。そのような扱いとなっており、メイン基板に対する規制と比べれば“何でもあり”といって良いような状況でした。
事実、そのような認識だったので、4号機の爆裂AT機は生まれました。ようやくここにきて、メスが入ったわけです。爆裂AT機をきっかけに4号機への規制が始まり5号機へ。問題のなかったノーマルもとばっちりを受けることとなりましたが、6号機への移行でも同じことを繰り返してしまったと言わざるを得ません。AT機には関係のないボーナス枚数を減らされましたし。愚痴です。
とはいえメイン基板管理です。ここで役立ったのが、2008年の解釈基準改正でした。その中にあったフリーズ機能です。フリーズ機能はリールの回転に影響を与えるので、必然的にメイン基板のお仕事です。そして、フリーズの抽選状態や何ゲームか後の未来にフリーズさせるなどのカウンタを持つことも可能になっていました。プレイヤーが気付かない程度の短いものや、違和感なく通過できるフリーズをAAT・ARTの発動契機とすることによって、メイン基板管理に置き換えられたのです。
▲旧基準時代に先を見越してメイン基板管理が研究されていた
旧基準時代の頃から予兆はあったのでしょう。初代『モンキーターン』は、かなりの部分をメイン基板管理で作られています。50Gで1セットとなるARTのSGラッシュは、終了10G前でフリーズして継続率示唆の演出となりますが、開始時点から40G先にフリーズをセットしていることが重要。
この40Gの間にレア小役などでフリーズするカウントダウンが延長されれば、ゲーム数上乗せとなるわけです。そして、液晶ではその終了フリーズまでのゲーム数が伸びた分だけ、上乗せゲーム数として「+20G」などと祝福の表示がなされます。このように、サブ基板管理からメイン基板管理になっても違和感なく作れたのです。
他にも、押し順ナビに従うだけで出玉率が100%を超えないこと(リプレイ低確率時)などありますが、出玉設計の開発さん以外には大事件ではないので割愛させていただきます。
★2016年:5.9号機への移行が発表。
2015年12月の5.5号機導入から半年ほどしか経っていませんが。2016年6月の回胴式遊技機製造者連絡会で5.9号機の概要が発表され、2017年10月以降は5.5号機以前の新規設置ができなくなると決まりました。ここで登場したのが有利区間です。
有利区間とは、押し順などの小役獲得を容易にするナビを出してよい区間のこと。出してはならない区間は、通常区間と呼ばれます。この有利区間は最長でも1500Gで終了。また、純増3000枚でも終了します。計算ミスが多かったせいですね。
1500Gの上限は6号機にも引き継がれました(6.2号機から3000Gに)。3000枚の規制は6号機では2400枚となりました。ちなみに、有利区間が終了した際は、通常区間に移行しなくてはならないので、有利区間自体の連続性を持つことはできません。……と、ここまでは6号機とほぼ同じ形でしたが、決定的に違うこともありました。
有利区間への移行抽選・有利区間中のART抽選に設定差を設けないこと
これにより、高設定ほどARTなど付加機能に入るという5.5号機までの常識は通用しなくなりました。高設定ほど勝ちやすい設計とするには、ボーナス確率と小役確率に差をつけるしかなくなったのです(抜け道的な方法で若干の設定差は作れましたが)。よって、5.9号機はリアルボーナスがある形、ノーマルやボーナス+ART機が主流とならざるを得ませんでした。
また、5.9号機では、有利区間の滞在比率を全体の70%未満としなくてはならないと定められました。これは6号機の内規では残っておりません。
いずれにせよ、5号機ではAT機どころか完全ART機も作るのが難しくなりました。途中までAT機として作られていたものを急激な路線変更でノーマルやそれに近いタイプに作り替えた機種も散見しましたな。
2014年9月:5.5号機への流れとなる
2015年12月:以降の新規設置は5.5号機のみ
2016年6月:5.9号機の概要が発表
2017年10月:以降の新規設置は5.9号機のみ
ということで、上記のようになる予定でしたが。実際はこうなりました。
2014年9月:5.5号機への流れとなる
2015年12月:以降の新規設置は5.5号機のみ
2016年6月:5.9号機の概要が発表
2017年7月:6号機への遊技機規則改正案が発表
2017年10月:以降の新規設置は5.9号機のみ
2018年2月:6号機の遊技機規則が施行
5.5号機と5.9号機の時代、最終進化を見届けられないほど短かったですね(笑)。4号機の時も2002年から自主規制が始まり、矢継ぎ早に4.5号機や4.7号機となって2004年7月に5号機となる遊技機規則改正へ。それと同じようなスケジューリングとなりました。時代は繰り返すとはこのことです。6号機の終焉はどのようになるのでしょうか。
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- 佐々木真
- 代表作:パチスロ攻略ライターの思考ルーチン
裏モノ全盛期に“ギャンブル”としてパチスロを始めたが、技術介入機時代に最適手順を模索するなど“遊技”としての魅力にはまり、履歴書に大きな穴をあけてしまう。2000年よりパチスロ雑誌などで編集兼ライターの活動を開始。現在は、ほぼすべての機種の発表会や取材に参加。法律・規則などの知識をもとに、根幹システムの推測をライフワークとしている。
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恐らくは 人口どころか完全エンターテイメント化を目指しているのではと
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今後であろうと予測いたします