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元店長カタギリのしくじり機種~歴代パチンコパチスロ事件簿~
2021.10.10
洋モノはなぜ当たらないのか? 炎上するパチンコCRタイタニック ザ・パチンコのしくじり物語。
元・店長カタギリ 元店長カタギリのしくじり機種~歴代パチンコパチスロ事件簿~
当連載はかつてパチンコホールを3店舗も日本国内から消滅させてしまった私、カタギリがこれまでに導入されたパチンコ・パチスロ台の中でもとりわけパチンコ店の営業にダメージを与えた失敗作・問題作を皆様と一緒にしめやかな気分で振り返っていく企画でございます。
いったいパチンコ・パチスロの失敗作の定義とは何か、みたいな激論を交わすコーナーではございません。そんなマジメな話が出来るぐらいなら私、パチ屋を3軒も潰したりしていませんから……。 いけませんね、湿っぽい話はここまでにしましょう。
今回はビッグタイトルに釣られて上機嫌で大量導入を決めた営業部長の顔が、導入後の10日間ぐらい紫色になってしまった「私の店にとっての失敗作」をご紹介いたします。
それではさっそく参りましょう、第4回目となる『しくじり機種』は世界累計興行収入21憶ドルの超大作映画をパチンコ化したものの、過度の期待に応えることなくホールから強制撤去の憂き目に遭った悲運の一台でございます。
この機種を思い出すたび、タクシードライバーに転職した当時の営業部長の紫色フェイスを思い出して私の心は曇りがちです。
★CRタイタニック ザ・パチンコ
▲CRタイタニック ザ・パチンコ(Daiichi/2011)
導入は2011年2月。1997年末に公開され、日本では現在でも実写映画最高の興行収入記録を誇る名作映画をパチンコ化した『高稼働期待度MAX』な台でございました。
ええ、既に壮大な前フリになっているのは皆様もおわかりでしょう。激アツのメーカー柄保留に金文字や強カットインが絡んでハズれるリーチを鑑賞するような気分で以下、お読みください。
しくじりポイント1:タイタニックの世界観再現、大失敗! 不具合役モノ。
画面下から上に浮上する『船首役モノ』を筆頭に、婆さんが映画のラストで海に捨てる宝石(ネタバレ)が画面上で頻繁に震える『碧洋のハート役モノ』、画面左で小刻みに揺れながら煽る『氷山役モノ』、画面右下には変色して期待度をお知らせする『伝令機役モノ』と、映画のストーリーに関わる印象的なギミックを多数搭載したタイタニックさん。
スクリーンの感動をパチンコで表現するために用意された数々の役モノは、有名キャバ嬢が身に着けている無数の宝飾品や高級ブランドのバッグなどを連想させます。ビッグタイトルに奢ることなく、しっかりと役モノにも注力しておりました。
しかしながら、これが仇になります。特にメイン役モノでありリーチの信頼にも大きく影響してくる『船首役モノ』が動かなくなる、中途半端な位置で停止する等のトラブルが導入直後から多発。トップ導入した私の店でも数日で稼働を停止せざるを得ない台が続出したのです。
近年だと北斗無双やダンバインのような落下系の役モノが定位置に戻らない現象が多発しましたが、それらの原因の多くは経年劣化によるもの。最新台でいきなり役モノの不具合が多発するのは初期不良としか考えられませんが、意外にもこの件でメーカーからの補償の話はナッシング。他のホールさんではあまり発生しなかったのでしょうかね?
ま、いずれにせよ液晶画面の大半を覆い隠すかのような大型役モノがセールスポイントなのに、その大きさ故に不具合が生じる本末転倒ぶりに当時、私はホールの片隅で苦笑しておりました。
しくじりポイント2:炎上する筐体?
『CR タイタニックザ・パチンコ』で採用された新枠の『Dラグジュ』は和訳すると『大一の豪華な枠』となります。本作に懸けるメーカーの意気込みが伝わってくるネーミングですね。
しかしながらこのラグジュ枠、大しくじりの原因になります。
2012年1月中旬。全日遊連より『特殊な条件下で下部スピーカーの温度が規定値を超えて上昇する』というプレミア演出発生条件みたいな文章が公表されてしまいます。
どうやらラグジュ枠、発火の恐れがあるとのこと。危険な台枠はただちに撤去しましょう、ホールさんにはちゃんと補償しますから。という訳でタイタニックさん、ホールからの強制退場となってしまいました。
発火の危険性、つまり悪い意味で激アツの幕切れです(不謹慎)。
しくじりポイント3:どこかで見たようなテンプレ型パチンコ。
恋愛モノのストーリー、登場人物の大当り図柄が縦スクロール、突確搭載のミドルスペック、期待薄のアニメリーチから発展した実写リーチが大チャンス等、2006年に某メーカーからリリースされ、大ヒットした冬の韓国を舞台にした恋愛ドラマパチンコを激しく意識した仕上がりになっているタイタニックさん。
前回の『しくじり機種』で取り上げた浜崎あゆみさんのパチンコ同様、ヒット作の二番煎じ感が満載です。浜崎さんの場合はブッ飛んだ演出によって独自の世界観を作り出していたため、メーカーの意図せぬ形で一定の評価こそ得られましたが、タイタニックさんの場合は「せっかくの高級素材を一流シェフが何のこだわりも無く作ってしまった料理」のような、当たり障りのない無い普通のパチンコ台に仕上がっていました。
映画『タイタニック』のパチンコであれば映画同様、もしくはそれ以上の期待が寄せられるのに、中身は極めて普通の台。本機は『タイタニック』というビッグタイトルを引っ提げていた故に、ホールやユーザーの期待に応えられずしくじった悲しいケースですね。
★洋モノパチンコはなぜ売れぬのか。
パチンコ業界には「洋画の版権モノはヒットしない」という定説がございます。
私も当時その説は正しいと思っていたため、メーカーの営業所で映像を見た際には「この台もダメだろうな」と心の中で呟いていました。その帰り道で営業部長が最低でも7台は欲しいなとおっしゃった際に私が反対していたら、顔が紫に変色することも無かったのかもしれません。
では何故、洋画の版権モノはヒットしないのでしょうか。
続編が作られているパチンコのヒットシリーズを列挙すると海物語を筆頭にエヴァ、北斗、慶次、牙狼、ルパン、必殺仕事人、冬ソナ、ウルトラマンシリーズ、仮面ライダー、リング、カイジ等々。海シリーズを除いては概ね漫画原作やアニメ、ドラマ、特撮、邦画モノが目立ちます。確かに洋画のタイトルで大ヒットしたパチンコ、無いですね……。
日本国内での洋画興行収入ランキングではナンバーワンの『タイタニック』でさえ、その定説を覆すことはできませんでした。私も洋画パチンコが流行らない理由を考えました。登場人物が外国人かつ舞台も日本じゃないから感情移入しにくいから? それとも日本特有の遊技であるパチンコは洋画との親和性が低いのか? 私なりに難しく考えてみたものの、最終的な答えはひとつ。
要するに洋画版権モノがただ単に「パチンコとしてつまらなかったから」に過ぎないのです。
日本の漫画やアニメをモチーフにしてヒットしたパチンコも、シリーズ全てがヒットしたコンテンツはほぼ皆無。スペックや演出がダメで大コケした人気シリーズもありますからね。 ヒットして続編を多く輩出してきたシリーズは基本的に「初代がパチンコとしても面白かった」からこそコンテンツのファンのみならず、多くのパチンコファンの心を掴んできたのです。
どんなビッグネームを担ぎ出しても、パチンコとして面白くなければヒットしない。そんな当たり前の話を業界関係者が「洋画版権モノはヒットしない」などと都市伝説のように語り継いでいただけの話。実際は「洋画版権モノで面白いパチンコを作れなかった」というのが正解なのです。
『タイタニックザ・パチンコ』は大ヒットした冬ソナの世界観を踏襲し、二匹目のドジョウを狙いに行った感が非常に強かった作品です。ヒット作に倣い流行りを取り入れる、その方向性自体は間違いではなかったのかもしれません。ですが、誰もが知る洋画の大作をパチンコ化するにあたって、面白いパチンコ台に仕上げるための「プラスされるべき斬新さ」が足りなかったのでしょうね。残念、無念。
★まとめ~タイタニック ザ・パチンコが与えた影響~
いずれにせよ洋画の国内最高興行収入を誇る『タイタニック』さえも大ヒットに繋がらなかった事実は、以降のパチンコ業界の動向にも影響をもたらします。
SANKYOさんだけは何故か『スター・ウォーズ』のパチンコを何かの力に導かれるかの如く連発しているものの、リリースされれば大注目間違い無しの『ハリー・ポッター』や『パイレーツ・オブ・カリビアン』といったビッグタイトルはパチンコ化されることなく現在に至ります。
その結果、業界の都市伝説「洋画の版権モノはヒットしない」は、今もなお覆されることなく語り継がれております。
しかし、それで良いのです。メーカーやホールに「洋画版権のパチンコ台がヒットしない」の共通認識があるからこそ海外に支払う著作権使用料、つまり莫大な開発費を投じた『バブル系パチンコ』製作の抑止力になるのですから。大金を投じて作られたパチンコ台が大コケするとホールもユーザーも、将来的な意味を含めるとメーカーさえも幸せになりませんからね……。
『タイタニックザ・パチンコ』は皮肉にも史実に沿うかのような不遇の最期を迎えましたが、日本における洋画最大のヒット作がパチンコ化して結果を残せなかった事実は現在のパチンコ業界に「結局、大事なのは名前では無く中身」という当たり前の事実を再認識させるきっかけになったのではないでしょうか。少なくとも私は、そう信じています。
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- 元・店長カタギリ
- 代表作:しくじり店長
シルバ〇アファミリーみたいに小さなパチンコ店の責任者から一転、 雑巾がけがメインの業務となってしまった事務員へとグレードダウン。 そんな設定①のスランプグラフのような半生を、隔週水曜日に連載させて頂いております。 タイトルは「しくじり店長」。 パチ屋の店長が平社員へと降格していく逆サクセスストーリーを、 海物語シリーズの泡リーチを見つめるような気分でお読みください。
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