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元店長カタギリのしくじり機種~歴代パチンコパチスロ事件簿~

元店長カタギリのしくじり機種~歴代パチンコパチスロ事件簿~

2021.11.11

掟破りのリール逆回転? 21コマスベリ? 時代を先取りしすぎた不遇王『キングキャメル』のしくじり物語。

元・店長カタギリ 元・店長カタギリ   元店長カタギリのしくじり機種~歴代パチンコパチスロ事件簿~

クラッシュ・バンディクーのような勢いでホールを潰してきた私、カタギリがお届けする闇市テイスト連載『しくじり機種』も早くも5回目。

これまで登場してきた機種の多くは、各方面からの過剰な期待に応えられなかったため「しくじり」の烙印を押されてしまった、ハンカチ王子パターンが多数を占めておりますが、今回の機種もまさにそれ。斎藤投手はマスコミが勝手に過度の期待を背負わせたケースなので気の毒ではありますが、パチンコ・パチスロに関しては往々にしてメーカー自らが「今度の機種は凄いですよ、グフフ……」と盛大に煽り立てるのですから自業自得。

もしもパチンコやパチスロ台に人の心があるならば、「いや僕、たぶんコケますよ……」と困惑しながら段ボール箱に詰められている子供たちだっているに違いありません。

というわけで、今回もメーカー主導の前評判によってユーザーが抱いた大き過ぎる期待に応えられず、早々と表舞台から姿を消した「しくじり機種」をご紹介いたします。期待しなければ裏切られない、これが私の人生訓でございます。

 

★キングキャメル

▲キングキャメル(サミー/2003年)

サミーにより送り出されたキャメルさんのホールデビューは2003年9月、つまり4号機ですね。当時は同メーカーからのリリース後、著しい射幸性を指摘され検定取消処分を下された『アラジンA』の回収が進み、概ね完了に近付いていた時期であります。

そしてこの機種、タイトルを和訳すると『ラクダの王様』でございます。ラクダと言えば2号機の初代アラジン、3号機のアラジンⅡ、そして4号機のアラジンAに共通するシングルボーナス図柄です。そう、キングキャメルがアラジンAの後釜としての期待が込められた機種であることが容易に想像できますよね。その期待はホールも同じ。リリースと同時に大量導入されたラクダの王様なのですが……。

 

しくじりポイント1:何このパチスロ? 時代を先取りし過ぎたドリームリール。


本機は通常のパチスロのメインリールに当たる部分に『ドリームリール』と名付けられた疑似リールが表示されますが、こちらの大型リールはニセモノであり演出担当。筐体上部にオプション料金を支払えば覗かせてもらえそうな小窓が付いており、その中にあるミニリールこそが本物のリール。目立たない場所にあるリールが実はホンモノ、このあたりは5号機にも継承された機種が多いので、ここ10年以内でパチスロを打ち始めた人でも理解が早いかもしれませんね。元祖・疑似リール搭載機なのです。

で、この大型疑似リールがプレイヤーの視界の中心でやりたい放題。4コマ以上の大スベリを筆頭に逆回転や変則停止、再始動にコマ送り。従来とは全く異なる動きを披露する偽リールが暴走している姿を前に、我々プレイヤーは困惑しつつ見守るしかないのです。

そして思うのです、これならパチンコで良いじゃねぇか、と。

ま、通常時のリール特殊停止の発生頻度はあまり高くないので、プレイヤーは無駄に大きな偽リールを見つめながら淡々と打ち続け、たまに左・中と停止した時点で発生したリーチ演出を眺める不思議な感覚を味わいながら遊技するハメになるのです。

そして思うのです、これならゲーセンのポーカーの方が面白いな、と。

確かにアイデア自体は当時としては斬新ですよ、これ。従来とは大きく異なるリールの動きに最初はビックリさせられましたもの。でもこれ、せいぜい30分も打てば満足。ボタンを押しても停止せず、スロー回転した挙句に狙ったところとは違う場所で停止するリール、ハッキリ言って違和感だらけ。そもそもパチスロって目押しを駆使してリールを止めることによって遊技の満足感を得る遊びでしょ? 狙ったところが停止するか否か、その結果に一喜一憂するのがパチスロの醍醐味でしょ? そこが無くしてしまったら、もうそれはパチスロじゃないですよ。

もし私が当時パチンコ業界のセルジオ越後みたいな立ち位置の人間だったら大激怒していますよ、深夜番組とかで。

近年の機種で言うと『蒼天の拳2』で左リールの角チェリーがリールの再始動で中段チェリーに昇格する演出がありましたよね。アレも最初の頃は、中チェに昇格することの驚きや嬉しさは味わえたのですが、慣れてくると「再始動するぐらいなら最初から気持ち良く止まれよ」と思い始めましてね。中チェを狙って止まったらガッツポーズ、角チェなら残念。パチスロはそれだけで良いし、そうじゃなきゃダメだろうと思うのです。

で、極めつけはこの疑似リール演出をMAXベットボタンでキャンセルしてしまうと『AT発動が先延ばしになる可能性あり』のペナルティが存在するのです。つまり大当りを確信して演出キャンセル→速攻でATを消化する打ち方は愚行となってしまいます。これもまた、自分のリズムで打ちたいスロッターにとってはマイナス要素と言えるでしょう。

私見が多くなり恐縮ですが、ひとことで言うと「斬新さを求めすぎた結果、パチスロらしさを失った」ことが支持を得られなかった理由のひとつだと思います。何だか今回は選挙演説のように偉そうなことを書いていますね、私。パチ屋を3軒も潰した身分だというのに……。

 

しくじりポイント2:何が起きているのかサッパリわからない内部状態。


『キングキャメル』はBIG・REGの両ボーナスが存在しないCタイプのAT機ゆえ、出玉を増やすためにはATの当選が不可欠。ところが肝心のATに当選するためには、まずはシングルボーナスの集中に当選しなければなりません。

ここで5号機世代の方は「シングルボーナスって何?」とか「集中ってどういう状態?」みたいな疑問が湧くかと思いますが、当連載を読んでいる方は99%が加齢臭世代のベテランスロッターばかりなので省略します。この集中自体は設定1でも1/236と比較的突入しやすいため、初めて打った際でも通常時にシングルボーナスが何度か揃って「あれ、妙にコイン持ちが良いな」というプチ金持ちのような状態になります。前述の通り、この集中に当選している状態こそがAT当選への大チャンス。ここで最近の機種であれば液晶画面の背景が夕方だから集中の可能性が高いぞ、ここでレア役を引いたら派手な演出が起きたぞ、演出も前兆が強いなAT突入の大チャンスだ、みたいな仕様になるのでしょうが、残念、ディス・イズ・キングキャメル。

やや内部仕様を理解したプレイヤーでも「あれ、もしかして集中に入った……?」とか「お、集中だからATのチャンス!」みたいな淡い期待を抱いているうちに集中がパンクしてAT突入ならず、という寸止め祭りが多発。さらに見事にATに突入しても内部的に集中がパンクした場合には出玉が増えないという、結婚式に例えるなら新郎新婦が満を持して入場してきた途端に式場が大爆発、みたいなドリフ顔負けのデンジャラスな展開が発生することもあるのです……。

長々と書きましたが要するにキングキャメルには、入っているかどうかも定かでは無い集中の最中に内部で勝手にAT抽選が行われているため「ATを自力で勝ち取った感」に乏しいのです。いつの間にか突入していた集中、いつの間にか当選していたATが見た目だけは派手な演出を経て発動する台、それがキングキャメルなのです。

ユーザーの意思とは裏腹に勝手に止まるリールも含めて、例えるなら自動運転の車をハンドルだけ握らされて景色だけを楽しんでいるような感覚でしょうかね。ま、そんな経験は無いから知らんけど。

一応、筐体上部のメインリールにスイカ・桃・桃が揃ったらシングルボーナスなので、リール上部の小窓に注目してスイカ・桃・桃の出現比率が上がれば集中突入の期待大となるはずですが、果たして当時、そこだけを注目しながら打っていた方がどれだけいらっしゃったのでしょうか? もしいらっしゃったら凄いです、そしてちょっと怖いです……。

 

しくじりポイント3:前代未聞のパチスロ登場!?  ド派手なTVCMでの煽り。


メーカーの意気込みが最も感じられたのは、やはりテレビCMを大量に流しての一斉プロモーションでしょうね。

パチンコ業界も2011年の震災による自主規制から今年、10年振りのパチンコCM解禁となりましたが、自粛からさらに遡ること8年、2003年の本機リリース前には大々的なテレビCMが放送されていました。「地球が逆回転!」というキングキャメルのテレビCMにおける謳い文句からは、リールが下から上へと逆回転する仰天の光景をホールで体験して欲しい、という意欲に満ち溢れていました。当然、テレビから流れるCMに心を踊らされホールデビューを楽しみにするユーザーも続出いたします。

……が、肝心のホールデビュー後は「思っていたのと違う!」とか「何かコレじゃない」とか「そんなにビックリしない」と皆様それぞれの感想を抱いたことでしょう。ちなみにドリームリールに対する私の感想は「あるか? ドリーム感?」でした。 こうしてテレビCMによって大きな期待を集めたキングキャメルのシマは、瞬く間に人の寄り付かぬ砂漠地帯へと変貌。ホールとユーザーからは失望の声と溜息が漏れる結果となりました。残念、期待しなければ裏切られることもなかったのに。

 

キングキャメルと私。

店員の執拗なオススメと見た目の派手さに騙されて一度は指名したものの、会話が全く盛り上がらずに噛み合うことなく終わったキャバ嬢みたいな感じですかね。ま、キャバクラ行ったことないのでわかんないですけど。

とりあえず半日ほど打ってキングボーナス(AT50回継続)も引けましたが、大当りの最中でさえも高揚感も無く、やたらと印象が薄い台でした。これが普通の台であれば感想は概ね「よくわかんなかったけど出たから面白い」とか「通常時はつまらないけど出ている時は気持ち良い」になるのですが、キングキャメルの場合は「通常時も当たっている時も、何が起きているのかわからなくて何か気持ち悪い」でした。

自力感の無さや内部状態の不明瞭さによってパチスロを打っているというよりも、パチスロの前に座らされて手を添えているだけみたいな気分にさせられました。もちろんこれは自分の感覚的な話でしかないのですが、その違和感を多数のユーザーが覚えてしまったのがキングキャメルの不発の理由なのかもしれません。

 

★まとめ~北斗の拳にも迷惑をかけた不遇王キングキャメル~

キングキャメルのホールデビューから、わずか4か月。後にパチスロ史上最大のヒット機種となる『北斗の拳』がリリースされます。

華々しいTVCMと共にホールからの過剰な期待を背負って設置されたキングキャメルと違い、北斗の拳の前評判はイマイチ。キングキャメルと同じCタイプだから無理だろう、そもそも前年に出たパチンコの『CR北斗の拳S』もダメだったよねという声が多く、リリース前には警戒するホールの多かった北斗の拳ですが、稼働直後からの大人気によりホールでは増台に次ぐ増台。不適合機種撤去問題に悩まされたパチンコ店の文字通りの救世主となったのです。

期待大だったからこそ「しくじり機種」の汚名を被り、期待薄だったからこそ「予想外の大ヒット」に繋がった。しくじり機種を生む構図の典型例のようなお話ですね。事実、北斗の拳の次機種『北斗の拳SE』はホールとユーザー、双方からの過度の期待に応えられませんでしたからね……。

さてさて、キングキャメルのまとめです。大コケ機種とはいえメインリールを小型化して演出面でユーザーを煽る手法は、後の開発に大きな影響を与えました。5号機では小型のメインリールをユーザーの視点の中に配置してしっかりと出目を、液晶画面に表示される1ラインの疑似リールでは成立役を、そして画面上で内部状態をそれぞれ表示する『バジリスク絆』タイプの台がヒットしましたが、これらはメインリールが上部にあるため出目が目立たない・疑似リールの余計な動きで困惑させられる・内部状態がわかりにくいといったキングキャメルの問題点が全て解消された機種なのです。

キングキャメルがメインリールを脇役にして演出面を全面に押し出した機種のパイオニアである以上、反面教師として実に偉大な「しくじり機種」と言えるでしょうね。

 

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この記事へのコメント(6 件)

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元・店長カタギリ
投稿日:2021/11/11
枠下蒼7さん

これ、初心者が喰らったら戸惑うでしょうね…

アイディアは面白いので、仕様をもう少し何とかすれば大ヒットしたのかもしれませんが、結果的に北斗の拳が大ヒットしたので忘れることにしましょう(笑)。
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枠下蒼7
投稿日:2021/11/11
キングボーナス→即座に集中パンク→公開凌辱を喰らいました。
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元・店長カタギリ
投稿日:2021/11/11
貯金爆弾さん

まさかの小役降格演出!
それはやり過ぎですね(笑)。

当時、キングキャメルをガッツリ打ち込んだ人の話を聞いてみたいですね。
何が貴方を狂わせたのか、その魅力を語って頂きたいです。

…ま、一番やってみたいのはキングキャメル開発関係者へのインタビューですが(笑)。
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貯金爆弾
投稿日:2021/11/11
キンキャメ、ひそかに好きでしたw
シングルの集中って、なんかロマンがあって好きなんですよねぇ…。
まあ、シマには誰もいませんでしたがw

キンキャメのダメな所って、カタギリさんが的確に指摘されてますが、個人的にもう1つあって
「左リールに止まったチェリーが、コマ送りで落ちていく」
という、前代未聞の降格アクションも見逃せないポイントでした。

今風に言うなら
「左に止まったチェリーが、ハズレ目に降格する瞬間がたまらねぇんだ!」
って感じですねw

まあ、こういうダメな所も含めて、楽しんでましたけどw
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元・店長カタギリ
投稿日:2021/11/11
ダストさん

パチスロ開発者の方にお話を伺った際に「お蔵入りになるはずの台が何故かリリースされていた」ことがあったそうです。

つまり開発チームの預かり知らぬところで何者かの力によってリリース「されてしまった」機種も過去には無数にあるのかもしれません…

キングキャメルの場合も「何かの力」によってリリースされ、開発者や営業部の顔が青ざめていたのかもしれませんね。

…ま、たぶん違うと思いますが(笑)。
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ダスト
投稿日:2021/11/11
キングキャメル、懐かしいですね!
テレビCMに衝撃を受け、是非打ってみたいと朝一から並んだ記憶があります。三万くらい打ったところで気を失ってしまいましたが…
このような台を打った時いつも思うのですが、開発部の上司、よくGoサインを出したな、と。
パチスロ台って安い買い物ではないじゃないですか。人様に売りつける前に、本当に面白いかどうか社内でよーく確認してくださいよ!とキングキャメルとアステカ太陽の紋章の開発の方々に、心の底からお願いしたいです。

元・店長カタギリ
代表作:しくじり店長

シルバ〇アファミリーみたいに小さなパチンコ店の責任者から一転、 雑巾がけがメインの業務となってしまった事務員へとグレードダウン。 そんな設定①のスランプグラフのような半生を、隔週水曜日に連載させて頂いております。 タイトルは「しくじり店長」。 パチ屋の店長が平社員へと降格していく逆サクセスストーリーを、 海物語シリーズの泡リーチを見つめるような気分でお読みください。

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▲3店舗を潰した『しくじり店長』の人生録をお楽しみください。(完結)

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