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見よ、ぼくの3倍返し(2009→2017remix ver.)
見よ、ぼくの3倍返し(2009→2017remix ver.)
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かつてマスクド・モリタと呼ばれていた者さん
スーパー無職 Twitter https://twitter.com/maskdemorita_2 - 投稿日:2017/03/15 17:27
ギャンブラーは“仕返し”をするために生きる人間だ。
ほとんどの賭け事はまずマイナスからスタートする。
BETをした瞬間、己の身を削っていると考えてもいい。
そのマイナスを何倍にして返してもらうか、それともマイナスのまま終わるのか、そこが勝負の分かれどころ。
そりゃ負ける日もあるだろう。だが明日は3倍にして返してもらう――そんな心意気を持つ者だけが戦えるのだ。
先日、近所のレンタルDVD屋が半額セールをやっていた。
普段金の使い方が荒いくせに変なところだけ倹約家なぼくは、このタイミングにまとめ借りをすることが多い。
この日も『オ○○コにリモコンバ○ブを突っ込んで友達12人で街を歩いてください!! 2』ほかDVD5本を借り、鑑賞したりしなかったりで6日後の早朝には文明進化の証、返却BOXへと投入していた。
観なかったDVDがある時点で節約もなにもないと思うが、その件については本人も気がついているのだから余計なことは言わなくともよい。
そしてDVDのことなどすっかり忘れた昼休み、見知らぬ番号から電話がかかってきた。
出てみると、相手は若い女性。
だ、誰っ?……あぁレンタル屋か。
ロマンスの始まりをちょっと期待してしまった自分に十戒を与えながら耳を傾ける。
「モリタさん、いつも当店をご利用いただきありがとうございます。本日DVDを返却いただいたかと思うのですが、中に私物と思われるモノが1枚混入してしまっているんですね。こちら、いかがいたしましょう?」
混入?
食物への異物混入事件などの報道以外ではあまり耳にしない言葉だが、決してよいことではなさそうだ。
しかしまったく心当たりがないぼく。
どういうことか訊いとかないとマズイかな。
「あ~、そうなんですか。わざわざありがとうございます。でもちょっと思い当たるふしがないんですけど、そのDVDにはタイトルとか書いてませんでし…う~わっ、やっぱいいやっ。今日必ず引き取りに行くんで。じゃっ!」
うぉぉおぉぉっ、思い出した~~っっ!! 思い出してしまった!!!
真っ白なDVD-Rに手書きでタイトルが書いてあるあの作品――『DARUMA(仮)』だ。
正確に記すなら『DARUMA(仮) Serena&Rei Komuro』だ。
正確にと言いながらシリーズ名に(仮)を付けなければならなかった理由は、勘のいい男性諸君ならわかるかと思うが、とにかく中身がとんでもなくふしだらな映像作品であるということだけお伝えしておこう。
それがなぜ返却BOXなんかに?
話はさかのぼること数日前。
同僚とエロ話で盛り上がり、お互いのフェイバリット作品を交換しようという段取りになっていた。
女性のみなさん、けっこうなオッサンになってもこんなことしてるんですよ、男どもは。
そしてぼくが用意したのが『DARUMA(仮)』だった。
ちなみにこの作品でもっとも素晴らしいのは、SerenaでもRei Komuroでもなく、回想シーンとして5分弱だけ出てくる名も知らぬ黒髪のド敏感女だ。
足で股間擦られただけでビクンビクンなってっからね。
伝わって、この想いっ。
そのDVD-Rを鞄と間違ってレンタル屋の袋に入れてしまい、返却BOXへイン。
そして店員から電話がかかってきた、と。メイビー、そういうことだろう。
うーわ、恥ずかしすぎんだろ……。
だが「取りに行かない」という選択肢はナイ。
なんてったってあれは同僚との交換用アイテム――いわば“とうぞくのかぎ”みたいなもんで、向こうも相当なお宝を用意しているに違いないからだ。
あとはどう回収しに行くか。
こういうとき、ぼくはよくプレイに見立てる。
イイも悪いもすべてひっくるめてプレイの一環だと思えば、なんかいろいろ楽しくなるじゃない、そうだよね、ねぇかあちゃん! って寸法だ。
初夏の大気を漂わせ始めた夜の9時、ぼくは地元の駅に降り立った。
レンタル屋のカウンターにズラリと並ぶ店員。ざっと7名ってとこか。
その中から、ショートカットにメガネという、のび太のママを15歳くらい若返らせた感じのおねえちゃんを選択。
こういうコに軽蔑のまなざしで見られたい。
そんな風俗遊びのような感じで店員を選び、「あの……モリタと申しますが、今朝方返却したDVDの中に私物が紛れ込んでいたと連絡がありまして」と伝える。
のび太ママは「あっ、ハイハイ。少々お待ちくださいね」なんて、まるで慣れきった仕草で後ろの棚から『DARUMA(仮)』をスッと取り出した。
「こちらでよろしいですか?」……そう話す彼女には“大丈夫、すべてわかってるのよ”という表情が浮かんでいた。
あぁぁ、このスピードで探し出せるってことは、今回の件が店員たちの間で話題になってたのかもしれない。
「こんなプリントもないDVDを一緒に入れちゃうとかプププ」
「つかさ、DARUMA(仮)ってなんなんだ?」
「ちょっと検索してみましょうよ」
「あった。コレだ、見つけた! サンプル画像出てきた」
「キャ~、こんなハレンチなDVDだったなんて」
「てか、これモザイク入ってなくない?」
「やっぱり『オ○○コにリモコンバイブを突っ込んで友達12人で街を歩いてください!! 2』を借りるオッサンだけあってすげえヘンタイだな」
「あの作品、男女のからみとか一切ないからね。ありえないよ」
「てか、なんでそれ知ってんの?」
「……え?」
「そういえばさ、電話かけたのあたしなんだけど、なんかハァハァ言っててキモかったー。やだー」
「うむ、これにてヘンタイ確定!」
「ヘーンタイ! ヘーンタイ! あそれっヘーンタイッ!」
「ヘンタイが今宵やってくるぞー」
「イヤッホーッ! 祭り開催じゃーーー!!!」
「わっしょいわっしょい! ヘンタイわっしょい! わっしょいわっしょい! ヘンタイわっしょい!」
一瞬の間にそこまで想像して悶絶した。
こりゃ「短小ダルマ」くらいのアダ名付けられててもおかしくないレベルだ。
しかも、ヤツらがその気になればぼくの住所まで調べることができるってんだから恐ろしい話である。
でも、その妄想力のおかげでぼくのドM心がビンビンに刺激され、この瞬間、街一番の快感を味わったのは間違いない。
「どどどうもありがとう」
平静を装いながら礼を言い、店を出ようとしたその瞬間、くるりと振り返った。
すると、7人の店員すべてが手持ちの業務もそこそこに、さりげなくぼくを見つめていた。
ぞわーん! ゾワワワワワワーーーーーッッ!!!
よし、勝った――。
見たか、これがぼくの3倍返しだっっ!
唇の左端をグイッと吊り上げながら優越感に浸りまくった。
でも。
以後、一度もあのレンタル屋に行けてない事実。
心に烙印が押されてしまったんだろうか。
「街一番のヘンタイを見てください」っていう。
あれから4年以上が経ち、かの店は移転し床面積2倍くらいになったんだけど、ぼくは期限切れの会員カードを財布に入れたまま、いつも素通りしている。
ほかのレンタル屋は作品数が少ないから使い勝手悪いんだけどね。そこ利用するしかないよね。
結果、3倍返しには成功したものの、ぼくが食らったダメージは10倍返しに相当する。
出典:マスクド・モリタ「パチコラム」(2009年04月24日)
【マスクド・モリタ Twitter】
https://twitter.com/maskdemorita_2
【マスクドの活動範囲が広がりました】
http://ch.nicovideo.jp/niconanaplus
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かつてマスクド・モリタと呼ばれていた者さんの
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このコラムへのコメント(8 件)
たしかにそうですね!w
8年間気づいてなかったー!!
ハイタッチ!
だがよく考えてほしい。
ぼくはただ映像作品を所持していただけなのだと。
真の仲間!
変態師匠と呼ばせて頂きます!
ささやかなカミングアウトです。