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話を作るお時間2
話を作るお時間2
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タイルまんさん
世の中で一番必要ないものって知ってる? お金だよ。 お金さえなきゃ戦争だって起きず平和になるんだ…。 だから皆のお金を処分してあげるからオラに皆のお金をわけてくれ! - 投稿日:2016/04/08 22:56
コンクリートやビルからの照り返しが辛かった夏。
その日の都内は人間の体温で言えば高熱並の気温であった。
気温だけでも十分なのに付け加えて怒りが俺の中の熱をより加熱させていた。
説明会みたいなものに参加したが内容は頭に入ってこなかった。
説明会が終わり冷房が効いた室内から外へ出ると先程より暑さが増している様に感じられた。
12時か…。
地上をギラギラとした眼差しで睨みつける太陽。
おめーはウザいな。偉そうに。
一刻も早く帰ろう。
俺の精神が崩壊する前に一刻も早く。
駅はどっちだ?くそ…怒鳴りつけながら歩いてたせいで道順覚えてないわ…。こんな暑いのに道に迷ったら最悪だし。
お?公園なんかあるのか。煙草吸っていこうかな。
いつもなら…あいつらと一緒に帰るのにな。
方向音痴な俺はあいつらの後ろ歩いていけば間違えずに目的地に着けたのに。
そういえば入学して最初の頃は通学路も覚えてなくてまだ仲良くなかった時に一緒に帰って道教えてくれたなぁ。
そんなのどうだっていいわ。それすらもう今後無いだろうからな。
ん?電話か。チャラ男から?
チャラ「今どこいるぅ〜?」
あー、まださっきの場所の近くの公園だよ。
チャラ「公園〜?何してんのぉ〜?」
煙草吸ってるわ。帰り道分かんなくてさ。そういやお前この辺分かるよな?迎えにきてよ。
チャラ「はいよぉ〜」
煙草の火を消したところでチャラ男がヘラヘラと迎えにきた。
チャラ「あっちぃねぇ〜!飯行こうよぉ〜」
そーだね。行くか。
チャラ「チビさんも誘う〜?」
チビどこに行ったんだ?連絡してみてよ。
チャラ「オッケェ〜!」
チビとは5つ歳上のクラスメイトである。見た目は身長が低く5つ上とは思えない程若い。あと声がデカい。声しかデカくない。音量調節機能が馬鹿なのか壊れてるのかデカい。
チャラ「近くのパチンコ屋にいるってぇ〜。行こうかぁ〜?」
まぁどうせ負けてるんだろうから涼みに行くか。
俺達はチビがスロットを打ってるパチンコ屋に行った。
俺はその当時なんとなくパチンコを始めたばかりだった。スロットは目押しが少しだけ出来る位で他は全然であった。
着くと2階の薄暗いスロットコーナーで北斗の拳SEをチビは打っていた。
その当時はテレビCMで新台機種を宣伝していた。北斗は確か某有名格闘家があるキャラクターの名シーンを真似した感じのCMだった気がする。
チビは俺達に気付くと軽く手を挙げた。そして
チビ「お前まだ怒ってんの?許してやれよ!」
周りがうるさいので俺はそれは無理だというジェスチャーをした。
チビは少し呆れた顔をした後にポケットから1万円札を出して俺達2人に渡した。
チビ「それ2人で分けて遊んでろよ。そこにいると邪魔だから!特にお前は少し頭冷やせ!」
頭冷やせか。口は悪いがなんとなく気を遣ってもらったのか?気分転換しろって事なんだろうな。とりあえずチャラ男と5千円ずつ分けて打つ事にした。
1台。
1台だけとても気になる台があった。先に言ったように俺は詳しくない。けどその台はとても魅力を感じた。惹きつけられ吸い込まれる様にその台の目の前に座った。
北斗でも番長でも銭形でもない。
俺の空であった。
ゲーム性どころか原作も何も知らない。
4000円で俺チャンスというものからリプレイ4連してボーナスが当たった。
なんだ。スロットって簡単じゃん。
なかなかボーナス図柄が揃わない。リプレイばかりくる。
いきなり台から
うおおおお!!
と叫ぶ声がした。
そこからポコポコと当たり続けトータルで4000枚近く出た。
あとから知ったがリプレイ5連するとスーパー俺モードという内部状態になり連チャンしやすくなるとか。
知らないからこそのヒキだったのかもしれない。
しかし…皮肉な台選んだな。
色々な女性と触れ合う主人公を見ながらメダルが増えていく。
嬉しいが忘れられない。
生々しい声や映像が脳裏に浮かぶ。
複雑な気持ちだ。ある意味俺もスーパー俺モード中だった。
うおおおお!!って今すぐ叫びたいのは俺だ。
当時は今みたいにスマホでなんでも調べられる時代では無かった…というか俺が調べ方を知らなかっただけだと思うがとりあえず200G程回して当たりが来なかったので辞めた。
7万という大金を手にして喜んでチビの所へ行くとチビがカチ盛りしていた2箱は既に無くなり目は虚ろで口から出ている煙草の煙がアニメのロボットが壊れた時の様な煙に見えた。
チビは大破した。
飯を誘ったが
「駄目だ!今ここで辞めたらカマ掘られて爆発させられるのが見えるから辞められねー!」
安心しろ。俺から見れば既に別な意味で爆発している。
「それより勝ったんだろ?5千円返せよ!」
数時間前。
こいつはカッコよかった。
スッと1万円なんか渡す所は大人に見えた。
今俺の目の前にいるコイツは数時間前と同一人物だろうか?
とてもとてもカッコ悪い。
英語になおすと
ベリーベリーカッコ悪い。
しかし借りてたものだし返すと
「よし。これで巻き返せる!」
数分後、筋肉隆々の男の右手から体に悪そうなものを全身に浴びせられたゲジ眉が吐瀉物を撒き散らして倒れ単発で終わるという手垢のついた絵に描いたような出来事を彼は恥ずかしげも無く平然とやり、またオンボロロボットの様に半開きの口から煙草の煙を出していた。
チビは大破した。
先に帰るか。
チャラ男を探したが店内には居らず先に帰ってるとメールがかなり前に来ていた。
俺は来た道順を思い出しながらと人の流れに身を任せて歩いた。
すっかり夜になったが外に出ると暑さとカビが生えそうな程の不愉快な湿気が体にまとわりついてきた。
どうにか駅に着いて切符を買いホームに向かうとケータイに着信が入った。
発信者の名前を見るとやらかした男からであった。
今から帰路に着く人達。
気だるそうな顔で出勤の人達。
子供を叱っている親。泣く子供。
これから友達や恋人と会う人達。
まるで今の自分の心中を目の前に突きつけられている様な喜怒哀楽がごちゃごちゃと渦巻いている駅構内の真ん中にポツリと俺は佇み電話をとった。
もしもし。
続く
7
タイルまんさんの
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このコラムへのコメント(6 件)
期待せずで(笑)
名機なんですがねぇ…スルメ台的な(笑)
それ…稀なパターン(笑)
あらやだ!( ; ゜Д゜)
俺の空懐かしいなぁ
リプ6連して
連チャンガンガン頂きだぜ!
ってなったのに
まさかの6ですぐ終了。
やめるにやめられず
結果クソ負けました。
それ以来触らず全撤去に(笑)