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平和の象徴(お題帳ボツな話)
平和の象徴(お題帳ボツな話)
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玉のゼロさん
すっかり使われなくなっちまった。 そんな哀愁を込めてこの名前を着けました。 - 投稿日:2017/06/05 05:27
お題帳に投稿しようと思いましたが、読み返したら主旨ズレてるなと気付き
とはいえボツにするのも『なんだかなあ』と心の中の阿藤快さんが背中を押してくれましたので、フリーテーマで投稿させていただきます。
↓↓↓ここから本文↓↓↓
パチンコ店にいらっしゃるお客様は様々です。大好きな機種を一日打ち倒す方、今日は絆か?マイジャグか?とギラギラ話す集団達、おはよーと低貸コーナーでのんびりご遊技なされるご年配の方々。皆様が求めているものは癒し、儲け、集い、人それぞれ理由があります。ただ全く違う存在もおりまして・・
お題帳の『出禁』。悪いことや迷惑なお客様への対応ですね。言い渡した事は数えきれません。ユニークな内容ですと、
店内で『お香』と書かれた小袋を持ちフラフラしながら男女問わず『お○ん○んを触って欲しい』と言い歩いたお兄ちゃん。
調子の良い方に呪いのお札を貼り付け、呪文を唱えるおばあちゃん。お札は達筆な字で方角や、『殺』『怨』『死』等の不吉な文字と変な絵が書いてありましたね、再来店する事が多く、何度も外へ出しまして。『お前の名前が、わかれば○してやれるのに』と言う事でしたので名札をプレゼント致しました。その後も度々来店されてはおりますが、私は元気です。
笑える内容だと、この辺りでしょうか。
さて、そんな中で私が初めて対応したのは人ではありません。この頃は入社半年も経っていない、ビジネスマナーやルールどころか社会の常識もわかっていませんでした。
そんな、私が初めて外へ出したものは招かれざる『鳩』です。
あの日、『足輪』のついた鳩が駐輪場の隅っこにおりました。外回り清掃に向かった私は駐輪場に血痕と鳥の羽が散乱している事に気付き、なんじゃこりゃと思っていると近くにはひょこひょこと歩く鳩。
元々動物は大好きなので、そういう状況で取るべき行動は1つ。
『おいでー、おいでー、』
私の呼び掛けは華麗にスルーされます、しかし、ここでめげてはいけません。近づきます→逃げます→近づきます→逃げます。
飛ぶ事なくひょこひょこ歩く鳩、血痕から考えても怪我してるのかもしれない。
はい、少々強引ですがゴミ置き場から段ボールを確保し上から被せてゲットします。
可愛さもあり、段ボールに入れたまま。事務所に向かい
『店長!!鳩がいました!!怪我してるみたいっす!!』
世間知らずの私に返ってきた言葉は。
『食品扱ってる店内に、鳩連れてきてそれが正しいとでも思ってるのかこのくそボンクラ!!さっさと外へ出せ!!』
休憩コーナーには食堂も併設されており、食品衛生法の観点を考えれば完全に場違いな事をした私。
店内で保護しましょう、等と言う戯れ言を飲み込み肩を落としながら外へ向かいます。
とはいえ、このまま外に放り出すわけにもいきません。野良猫やカラスに襲われては怪我したこの子はひとたまりもありませんし、なんとか守ってあげたい。バレずに保護する方法、そこで思い付いたのが。冬季期間しか使用しない立体駐車場用のロードヒーター設備室です。屋上にあり、冬になるまでは誰も開けない2畳分くらいの小さな小屋。鍵は掛かってない上に取っ手付きなので獣の手からは守ってあげられる。
そう思い、古新聞と神棚にお供えする生米を持ち、未使用品の玉スコップに水を入れて屋上に運びました。
攻撃されない環境は整い、食事と水分も準備した。
・・・・・この後、どうする?
長い時間ホールから離れることも出来ない立場でしたのでまずはホールに戻ります。
クリクリお目目のアイツの名前は『ポポ吉』だ、と巡回しながら勝手に命名し時間が過ぎるのを刻一刻と待つ、仕事が終わりコソコソと屋上へ向かいます、『ポポ吉』はご飯にも水にも手をつけておらず。じっと隅っこで固まっていました。
当時は携帯で調べものをするのもやりにくく、近場のネットカフェに行き
『迷い鳩 足輪』と検索すると鳩レース協会のHPにたどり着き、保護方法が出て来ました。
足輪に書いている英数字を鳩レース協会に伝えれば飼い主の特定が出来、連絡を取り合って貰える事、
保護した場合に食料と水を与える事は必要だがレース中は食事禁止と躾られている為、飼い主以外からは生死の危険を感じるまで食べないという事。
日通に鳩専門の宅配便がある事。
そして、
保護された場合、レースは失格となる事。
というルールに少し後悔しましたが、この子はなんとしても帰してあげたい、健気にご飯を食べずに耐えるこの子を。
鳩レース協会に電話をしましたが時間外の為に繋がらず、アパートもペットを連れ込める環境ではない為、泣く泣くポポ吉を置いて帰宅。
次の日も早番でした、幸いなことに責任者は無責任な班長のみ。休憩時間に鳩レース協会に電話して店舗の住所を伝え、発送の手配をしてもらいホールを巡回中の班長へインカムを入れます。
『班長へ業務連絡です、店長から連絡ありまして本日発送予定の荷物があったらしく運送会社さんの手配しました。置場所等教えて貰いましたので自分担当します。』
班長からの返事は
『オッケー、よろしくー。』
これで、ミッションコンプリート。あとは店長が出社する前に発送が終わってしまえば・・
願いは届き、一時間ほどでドライバーさんが到着。倉庫へ行ってきますと嘘をついて屋上へ向かい、訪れるポポ吉との別れの時。最後の最後まで私のご飯と水には口をつけませんでした。
『飼い主さんにいっぱいご飯貰えよー』
最後の言葉を掛け、ポポ吉は運ばれていきます。
二日ほど経ち、ホールを巡回していると店長からインカムが入りました。
『ゼロさんへ外線です、事務所までお願いします。』
ペーペーの一般スタッフへ電話が入ることなど家族くらいしかありません、なんだろうと思い事務所へ向かうと。
『鳩を助けてもらったお礼、って電話だ。お前だろ?』
店長の言葉に全身の血の気が引きます。全て秘密にやった事ではありますが店舗住所から発送している為、そこから電話番号を調べて飼い主さんが電話をしてくる展開、頭の弱い私はそこまで考えが回っていませんでした。
電話に出ると、いっぱい感謝されました。そして猛禽類に襲われて怪我をしているものの治療すれば大丈夫でご飯もモリモリ食べているとの知らせ。
嬉しくてこの上ない話ではありますが、それ以上に電話を切った後、店長のリアクションを考えると気が気じゃありません。
カチャっと受話器を置き、開口一番。
『すいませんでした!!』
大きく頭を下げた私に、
『この業界は上司の目を盗むことを覚えたらなんぼでも悪いことができる、お前は正しいことをしたと思っていても会社の立場から見れば、お前のした事は許されない。それを理解できるか?』
まごまごする、私に追撃するように
『だからボンクラだって言ってるんだこのボケ!!』
怒号が飛びました。目からは涙が溢れます、私はポポ吉を助けたかった、でもアパートがペット禁止だから自宅へは連れていかずに会社の敷地を利用し、自分はノーダメージでこの件を終えようとしていました。上司の目を盗んで・・・
『・・俺は、捨てろとは言ってないだろ、外へ出せと言った、そこからどうするかを考えて自分の意思をしっかり伝える。事件が起こったと言うだけなら誰だってやれるんだ。そこからどうやって解決に導くのかをプレゼンして上司と部下ってのは深まっていったりするんだよ、怒られたからってそこで止まるな。』
無言で頷く私、
『鳩が無事で良かったな、お前の行動は許されないが、行為は良いことなんだ。わかったらもう戻れ。』
トイレの個室で涙を止め、ホールへ戻りいつもの日常が再び始まります。
そんな怒られた出来事でしたし、監視カメラで私の行動が筒抜だった事も聞かされました。ただし、自分で調べて、自分で行動を起こしたという部分は買われ、誰よりも怒られながら地味に業界に残っております。
この時は、思っていませんでしたね。
その後、
『ポポ次郎』
『ポポ娘』
『ポポ助』
『ポポ美』を保護することになるとは。
迷い鳩を見つけたら私に言えば解決するというポジションでございます、そこに心はこもっているのかねえ。
鳩だけにハートが大事と・・
長文、最後までお読みいただきありがとうございます。
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玉のゼロさんの
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このコラムへのコメント(16 件)
ありがとうございます、
一匹でも多くの鳩達がお家に帰れるよう願います。
ちなみに、レース鳩や伝書鳩は普通の鳩より洗練されてて、さらにかわいいですw
厳しい方でしたが、目を掛けて貰って育てて頂きましたし。ホント、当時の店長には頭が上がりません。
その分誉められることに慣れてないのでやはり焦ります(焦
コメントありがとうございます。
私東北在住なんですが、大きいレースのスタート地点が北海道で関東方面に向かって帰るスピードを競うらしく、途中のルートになりやすいのかもですwあとは一回保護しちゃうと鳩の足に輪がついてないかチェックしちゃいますし
どうしても住み着いちゃうとデメリットも大きいですから仕方ないですよ、でもかわいいんすよねえ。私も経験ありますw
ゼロさんを尊敬いたします
というかそんなに鳩って保護しまくるものなんですかww
自分はよく駐車場にいた猫にこっそりと餌付けをしていたら店長に怒られました(´;Д;`)
死にそうになったら求めてください、キムチ鍋をご馳走します。
一緒にビールを飲みましょう。
酔いつぶれる頃にはきっと幸せです。
何はともあれ『生きる!』
おいらも助けて