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パチスロワイルドサイド-脇役という生き方-

パチスロワイルドサイド-脇役という生き方-

2019.03.19

『幸運』~ネオファラオゼッツ~

ラッシー ラッシー   パチスロワイルドサイド-脇役という生き方-

改札を出ると、人の流れは一様に右へと続いていた。俺は逆の左方向へ。階段を下りると小さなロータリーがあり、タクシー運転手が退屈そうに煙草を吸っていた。そのロータリーを過ぎ横断歩道を渡ると、丘へと続く小路があった。地図上ではその丘の中腹、駅から見て右手側にその建物はある。

駅から5分と掛からず到着し総合案内に要件を伝えると、4番窓口を案内された。発券機で番号を受け取り、待合所のベンチへ腰かける。10分も待たないうちに番号が読み上げられ、俺はバッグをまさぐりながら窓口へ向かった。職員は女性。30代半ばといったところか。


職員「こんにちは。年金の納付ですね?」
――「そうです、これがそれです」

俺はバッグから封筒を2つ出し、まずは茶色の封筒を手渡した。

職員「ありがとうございます。お近くの金融機関からもご入金頂けましたが」
――「え!? そうなんですか?」

職員「ええ、紙に書いてあると思いますが」
――「すみません、あまり読まないもので」

職員「いえいえ。御足労いただきありがとうございます」

ほのかに嫌味を感じるニュアンス。職員が茶封筒の中身を確認する。督促状のようなヤツの束だ。

職員「結構ためこまれましたね」
――「学生時代の3年分ですから」

職員「なるほど。で、何か月分の納付をご希望ですか?」
――「全部です」

職員「はい? 3年分まとめて?」
――「え? なにかマズいですか?」

職員「いえ、そうでなく…50万円くらいになりますけど」
――「ええ、それがこれです」

俺は銀行のプリントが入った青い封筒を差し出した。

職員「え!? 確認致しますので少々お待ちください」

俺のように年金を直接窓口へ納付に来る人も少なくはないハズ。しかし、若い人はほとんどいないのだろう。ましてや当時の俺は編集作業と稼働に追われ、身なりに気を遣う余裕がなかった。いかにも金を持ってなさそうな風体である。そんな輩がこの額を手で持って来た。訝しむのも無理はない。

職員「はい、確認が取れました。こちらがお釣りです」

手元に戻って来たのはたった数千円だった。

職員「金融機関からの自動引き落としが便利ですので」
――「もちろん今後はそうします」

職員「ありがとうございました」

俺はすっかり痩せた2つの封筒をバッグに乱暴に突っ込み席を立った。そして年金事務所を出るとケータイを取り出し、彼女へとメールを入れた。

「年金、無事に全部納付しました」

3分と待たず返信が来た。

「ありがとう!嬉しいよ」

彼女の実家への挨拶は1週間後に迫っていた。彼女より9つも年下で、かつフリーライターとかいう怪しい職業になろうとしている人間である。加えて年金も未納とあらば、結婚など許されるハズがない。

せめて年金だけでも! そんな思いで、この数カ月間New島唄のレバーを叩き続けてきた。もちろん未納分の年金を全て払ったからといって、素寒貧では話にならない。さらに結婚資金を貯める必要がある。入籍はまだ先だが、それまでにまとまった額を貯めねばならない。

 

 

★新しい街。

一週間後、俺は1人深夜バスで金沢に向かった。もちろん節約の意味もあるが、当時はまだ北陸新幹線がなく、鉄道で向かうには越後湯沢を経由する必要があった。深夜バスなら乗り換えを気にせず寝ているだけで着く。

ちなみにこの頃の彼女は2年ほど金沢と神奈川を行ったり来たりしており、ちょうど金沢に帰省中だった。頻繁に実家へ戻っていたのは、お父さんの体調が悪かったため。介護というほどではないが、身の回りの世話をしていたのだ。



「もうすぐ終点・金沢駅です」


車内アナウンスで目が覚めた。カーテンを開けると、そこにはまだ眠ったままの大きな街が。都会だとは知っていたが、これほどとは!

バスを降り荷物を受け取ると、そのまま街の中心部を目指した。彼女と合流し、夕方近くまで観光。夕方から彼女の実家へ行き、夕飯を頂いてからお父さんが用意してくれたホテルへ向かう予定である。言うまでもなく、ホテルに泊まるのは俺1人だ。

彼女と合流したのは午前8時頃。
金沢の街は新鮮だった。都会でありながら、歴史を感じさせる景色が多い。近代的なビルが立ち並ぶ街の中心部も、一本裏に入れば古都の趣がある。なるほど、小京都と呼ばれるわけだ。

しかしスグに俺のダメなところが出た。初めての街に来ると、ついついホールを探してしまう。


彼女「今日、アナタが泊まるのはこのホテルね」
――「うん、ありがとう」

彼女「お父さんが取ってくれたんだから」
――「……(ホテル出てスグ左に大きなホール)」

彼女「明日は10時に迎えに来るから…」
――「……(通りの向かいにも小さなホールがあるな)」

彼女「ねえ、ちゃんと聞いてる?」
――「ん? うん、聞いてるよ」

彼女「出た生返事! そろそろウチに行くから、ちゃんとしてよね」
――「はい、頑張ります!」


彼女の実家は、街の中心からバスで10分ほど。景色は徐々に住宅地へと変わっていった。ちなみに彼女の実家の近くにも3軒ほどホールがあった。



彼女の実家は予想より遥かに大きく、俺を震えさせるに十分だった。出迎えてくれたのはお母さんのみだが、その理由はスグに分かった。お父さんは長い闘病生活を続けており、ベッドの上から動けなかったのである。

介護用ベッドに腰掛けたお父さんに結婚の許しをくださいと述べると、思いのほかあっさり了承してくれた。いや「諦めた」と言うべきか。

「子どもじゃないんだから、本人たちが結婚するって言うんなら、親がどうこう言ってもしょうがないでしょ」と。おそらく自分が長くないことも悟って諦めだったのだろう。


その後は当然職業についての質問攻め。パチスロ攻略誌の編集・ライターなんて怒られるかもと危惧していたが、一切パチスロを知らないため逆に偏見がなかった。「贅沢なんてしなくても、飯さえ喰えればいいんじゃないか?」。その言葉を聞いてホッとしたことを覚えている。

 

 

★金沢の夜。

ご飯をごちそうになったあと、また明日来ますと挨拶をして家を出た。明日は彼女と1日金沢の街を回り、夜にまた彼女の実家へ伺ってから帰路に着く予定である。ホテルまで送ってくれた彼女と別れ、ふと時計を見ると、まだ8時すぎだった。


この頃の俺は酒も飲まないので、やることと言えば1つである。ホールの場所は朝のうちに確認済み。石川は一般的に「北陸」と呼ばれるが、とはいえ中部地方の一部だ。きっと沖スロが盛んに違いない。ならば、その雰囲気を味わいたいではないか!


ホテルから徒歩で20秒。店構えから察するに大型チェーン店のようだが、東北・関東では見ない名だ。きっと北陸で多店舗を展開しているチェーンなのだろう。1階がパチンコフロアで、2階がパチスロフロア。沖スロコーナーは思いのほか小さかったが、店内の照明は暗く、沖スロ打ちへの配慮を感じさせる。

さて、打てる時間は2時間ほど。Aタイプでサクッと当ててホテルに帰り、明日に備えるとしよう。適当な台はないかと店内を物色していると、思わず足が止まった。いや、足を止めずにはいられなかった!

 

▲4号機「ネオファラオゼッツ(山佐)」

2005年春に山佐が放ったCタイプストック機。数少ないELビジョン(山佐の透過性液晶)搭載機でもある。ストックしたREGを連続して放出することで、BIGのような出玉感の「ファラオボーナス(ボーナス)」と、ATのように連チャン性がある「ファラオラッシュ(ラッシュ)」を演出。ボーナスなら一発でまとまった出玉が得られ、ラッシュは1セットの枚数こそ少ないもののロングループを期待できる。目指すべきはラッシュのロングループだ。

ボーナス・ラッシュ抽選契機はベルやリプレイを含む全役。チャンス目・中段チェリーを引けばボーナスのチャンスだ。また、通常時には低確・チャンスタイム・高確・超高確と4つの状態が存在し、滞在状態によりラッシュ当選率が激変。特筆すべきは超高確の破壊力だ。ラッシュ初当たり時に移行抽選が行われ、継続ゲーム数は1~100G。消化中は約1/5と文字通り超高確率でラッシュが当選する。ラッシュ1回あたりの期待獲得枚数は約200枚だ。



導入からおよそ1年。関東ではすっかり見かけなくなったゼッツがシマで置いてあるとは!! この機種は名機とは言い難い。個人的には演出・サウンド・システムに至るまで大好きだが、世間一般にはあまり受け入れられなかった。理由はボーナス・ラッシュのシステムにあったのかもしれない。


既述の通りボーナスもラッシュもREGの連続で構成されているが、いずれもREGが何発放出されるかは振り分けにより決められる。要するにREGの連続回数は不定で、獲得枚数も不定なのだ。さらにREGはスイカ入賞でスタートするが、REG中に揃うJAC絵柄もスイカorベルなので、どこでREGが途切れ、現在何連しているのかが分かりにくくなっている。これはもちろん「どこまで続くか分からない」というスリルを演出するためだが、その難解さゆえ広く受け入れられなかったと思われる。


今日は結婚を許された記念すべき日。こんな日くらい趣味打ちしても良いだろう。やはりスロッターたるもの、初めての街に行ったら打つのが礼儀。負けたって構わない。


稼働は全台ほとんどナシ。つまりどれに座っても大差はない。適当に角台へ腰を下ろし打ち始めた。何気なくレバーを叩きリールを止める。それを無意識に繰り返し、3G目の第3停止を止めた時、全身の血管が一斉に沸騰した。


――「な…まさか…」


気付いたのである。打ち始めの1G目から3G連続でリプレイが揃っていることを。おそるおそる4G目を消化すると――


またしてもリプレイ揃いだ!

リプレイ4連はラッシュ確定!
状態不問でラッシュ確定なのである!


普段であれば遠い目標であるはずのラッシュ突入。それが打ち始めからたった4Gで確定するとは!! とはいえ、ラッシュ1回あたりの獲得枚数は約200枚。ループしなければ、どうということはない。


補足になるが超高確の継続ゲーム数振り分けは、ラッシュ当選時の状態により大きく異なる。低確での当選なら0~2Gのため、恩恵はナイに等しい。しかし、高確・チャンスタイム中であれば50G・100Gも十分現実的となる(設定6以外)。


「ファラオラッシュだぁ!」

愛らしい声とともにBGMがスタート。これこれこれ! 変則的なシステムも面白いが、ネオファラオゼッツはといえばボーナス・ラッシュ中のBGM! 脳をダイレクトに掻き回し、暴力的なまでに興奮を煽るカッコイイサウンド!


気持ちイイ。 このBGMを聞けただけで満足だ。


なんて素晴らしい日なんだ!
帰ろう、ホテルに。
シャワーを浴びて早めにベッドに入ろう。


「ファラオラッシュだぁ!」
お、超高で連チャンしたか! ラッキー!


「ファラオラッシュだぁ!」
え!? 座ったときの状態が低確じゃなかったってこと?


「ファラオラッシュだぁ!」
チャンスタイムは高確中から稀にしか移行しないから、高確中のラッシュ当選だったということか?

「ファラオラッシュだぁ!」
「ファラオラッシュだぁ!」
「ファラオラッシュだぁ!」
――「うあぁぁぁ~、なにコレー!!」






およそ2時間後――

店員「お客さま、閉店です」
――「……」

ええ、閉店までガッツリ打ってしまいました!! 


開始4Gで射止めたラッシュから相当長い超高確を射止めたらしく、ラッシュのループで3000枚OVER! ちなみに高確中のラッシュ初当たり時に超高確100Gを射止める割合は、偶数設定より奇数設定のほうが高い。設定1なら12.5%。おそらく設定は1で、たまたま高確中に捨てられていたのでしょう。その後もボーナスを複数回引いたりして、最終的な出玉は約3500枚に!


ホテルに帰るなりベッドにダイブ。そしてクロールですわ! だって挨拶も無事に済んだうえに、打ちに行ったら4Gで3500枚ですよ! 幸せすぎるでしょ! 金沢最高かよ!


この日は人生でTOP3に入る良い日でしたわ。かつて愛した機種と、旅先で思いがけない再会をする。これもスロッターの幸せの1つ。


しかし、彼女の実家へ挨拶に行った日にパチスロを打ちに行くヤツなんて、俺のほかにいるのだろうか。もしかしたら俺は、スロッターの中でもブッチギリで重症なのかもしれない。そんなことないよね? きっと。

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ラッシー
代表作:パチスロワイルドサイド -脇役という生き方-

山形県出身。アルバイトでCSのパチンコ・パチスロ番組スタッフを経験し、その後、パチスロ攻略誌編集部へ。2年半ほど編集部員としての下積みを経て、23歳でライターに転身。現在は「パチスロ必勝本&DX」や「パチスロ極&Z」を中心に執筆。DVD・CS番組・無料動画などに出演しつつ、動画のディレクションや編集も担当。好きなパチスロはハナビシリーズ・ドンちゃんシリーズ、他多数。

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