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若年性パチンコ研究脳
2022.03.04
研究#16-12:”回せる”パチンコと回しにくいパチンコが同時に生まれるカオスな2014年のパチンコ~CR機の足跡を辿る連続企画2014年編~
どうもこんにちは。2月の頭に『とある超電磁砲』で一撃25,000発出したので、余裕ぶっこいていたら月間収支は平気でマイナスになっていて驚きを隠せないraraです。
ベース規制撤廃後のヘソ1個返し機を打っていると、みるみるうちに球が溶けていきます。(ベースとは、通常時の打ち込みに対する払い出しの量を指します。詳しくは過去の回を御覧ください。)
もちろんベースを削った分は出玉性能に還元されておりますから、随分とローボーダー化が進んだのですが……言うまでもなく、その分、回らなくなってますからね。2500発で回せる回数が減った結果、貯玉再プレイで当たる確率も著しく減少してしまいました。何度かこの連載で書いた気もしますが、個人的な感覚として回らないパチンコを打っている時程の虚無感は無いと思っていますので、もうちょっとボーダー高めで返しが多い緩めの時代に戻って欲しいです。レバーを叩けば取り敢えず抽選を受けられるパチスロとは違うんです。
そんな恐ろしい最近のパチンコ事情ですが、ヘソ1個とはいえ、通常時にも最低限の払い出しは担保されています。何の抽選も行わない一般入賞口、通称フロックが存在しているお陰ですね。詳しい解説は本文終了後のおまけに回しますが、ベース規制以前のフロックはほとんど入賞することのない、形骸化した存在でした。通常時の払い出しのほぼ全てが、ヘソ賞球によって行われていたということです。
それでもヘソの下限が3個と定められていたため、最低限のベースは確保されていました。ですが、とある制限を掛けた上でヘソ賞球の下限3個が撤廃された年がありました。……というわけで、今回のテーマはヘソ1個賞球が認められた2014年のパチンコについてです。
★2014年のトピックス
★2013年パチンコ界ピックアップ
◯新ジャンル『V-確変機』登場
◯一発系役物機の復活
◯大当り確率1/260までに限りヘソ賞球の下限が撤廃。史上最も吸い込み速度が早い台が爆誕。
そんな2014年に発売されたパチンコの総台数は247台(rara調べ)。前年からはほぼ横ばいの数字ですね。スペックのリストはこちらです。(別リンクにて公開中)
割と最近の年代になってきたこともあり、一覧を見ているだけで身体が疼きますね……右の釘が生きてる甘Rio2をひたすら打っていたあの日々に戻りたいです。叶わぬ願いを発しつつ、まずは確率帯から見ていきましょう。
★上がり続ける出玉性能へのアンチテーゼ
大当り確率 カテゴリ |
リリース機種数 |
ミニマム (1/1~1/59) |
9機種 |
甘 (1/60~1/139) |
104機種 |
ライトミドル (1/140~1/239) |
41機種 |
ミドル (1/240~1/339) |
41機種 |
ハイミドル (1/340~1/369) |
1機種 |
MAX (1/370~1/399) |
41機種 |
特殊 |
3機種 |
例年通り甘デジのリリースが圧倒的に多い中、MAX、ミドル、ライトミドルの3種が全く同じリリース数という惑星直列的な奇跡が炸裂しています。
出る台の殆どが上記3スペックのどれか+甘デジという構成になる中、相変わらず甘デジ専用機も出るため、ミニマムを合わせると総登場数のおおよそ半分が甘デジという状態になっています。総設置台数で見ると半分も行かないんですけどね。
一方、過激化する出玉性能の中では半端な存在となってしまい、昨年1台のみのリリースだったハイミドルは今年も1台だけという結果に。唯一登場したのが『CRまわるんパチンコ大海物語3HMB』です。
▲ゲージだけではなく、通常時から電チューが開きやすくなっています
当時の基準ではズバ抜けて辛い性能にすることで、”まわるん”の名の通り高回転数での運用を意識したスペックになっています。
1/348.6という今では出せない初当りの重さでありながら、出玉性能は今でも出せるレベルのものと言うと分かりやすいでしょうか。今の1/319と比べるとかなり大人しめなスペックになっています。かつて主流だったけれど、誰も出さなくなってしまったハイミドルという確率で、かつて主流だった”回るパチンコ”を復活させる……素晴らしい理念だと僕は思います。
何より、海物語というブランドでやることに意義があるんです。この台以前にも、”回るパチンコ”を称した辛めのスペックは登場していたものの、そのほとんどが回されず、ただただ辛い台として消えていきました。しかし海物語のメインスペックとなると話は違います。導入台数も桁違いに多いですし、サクッと抜いて終わりなどという運用は許されないのが海物語なのですから、本当の意味で回るパチンコが実現できるとしたら海物語以外にないんです!
……と、昔の取り組みに対してつい熱くなってしまいました。世の中の流れを変えうるポテンシャルを持っている台だと本気で思っていたのですが……。
この試みは世間に受け入れられず、海のメインスペックとしては歴史的な低稼働に終わってしまいました。結局のところ、回る台の方が好きという僕のようなタイプはマイノリティなのかもしれません。
一方、この年にはヘソ賞球の下限が大当り確率1/260以下の台に限り撤廃されました。長いデジパチの歴史で、史上最も玉減り速度が早い仕様と言えます。まわるん大海物語と対極の存在ですね。
▲ヘソ1個を率先して出していたのもまた三洋でした。
つい最近まで旧基準1個返し最後の世代だった『ダンバインの甘デジ』が近所にあったのでちょくちょく打っていたのですが、尋常じゃない速度で投資が嵩むんですよね……。
この時、ミドル以上の確率帯において下限を設けたままにしたのは英断だったと思います。そんなんやってたら絶対問題視されてたと思うので。 ……といっても、この確率であっても結局問題視はされてしまい、後のベース規制に繋がることになります。さて、続いてはジャンルに関するデータです。
★加速する多様性! 新機軸も続々登場!
ジャンル |
リリース機種数 |
確変機 |
75機種 |
V-確変機 |
9機種 |
ST機 |
90機種 (通常あり9機種) |
V-ST機 |
48機種 |
リミット機 |
1機種 |
V-リミット機 |
3機種 |
転落機 |
4機種 |
一種二種混合機 |
8機種 |
一発系役物機 |
1機種 |
一般電役 | 1機種 |
羽根物 |
6機種 |
どんどん表が長くなってまいりました。ST機と確変機の主従関係が完全に逆転し、V-ST機がとてつもない勢いで増加していることが分かります。年に1度の恒例行事と化した牙狼シリーズ最新作の『CR牙狼金色になれ』を筆頭に数多のV-ST機が登場しています。
V-ST機として画期的だったのが、ニューギンから発売された『CR丹下左膳』です。
▲この版権で何故かグラビアイドルが出まくるニューギンイズム
特図1(ヘソ)からの大当りはST突入率1%となっており、初当り後の時短で引き戻すのがST突入のメインルートとなっています。いわゆる突破型ですね。2022年現在の甘デジはかなりの割合で丹下左膳の子孫的なスペックになっていますから、歴史に与えた影響はかなりのものと言えるでしょう。
一方、自ら生み出したV-ST機が他社によって羽ばたいてしまった豊丸からまたしても新スペックが登場。V入賞により次回まで継続する確変に突入する『V-確変機』です。
▲最近廃止になった「トヨマル遊moreコレクション」シリーズの第一弾機でもあります
V確変機の第一弾である『CR魔神英雄伝ワタル』は、特図1大当りでの確変突入率が36%なのに対して、特図2(電チュー)での大当りだと61%に向上します。……ちょっと地味というか、厳しすぎる数字に見えるかもしれません。ですが全大当りに出玉ありなので、トータルで見るとそんなに悪くないスペックなんですよ。出玉無し大当りに頼らず高い性能をもたせられるのがV確変機の強みです。
……ですが、出玉なしを付けるとさらに派手な性能を持たせられるというのも事実です。この年の後半には、特図2の通常を出玉なしにすることで80%継続を実現した『CR銀河乙女』が登場してそこそこの人気を博しています。またしても豊丸が踏み台になる流れ、不憫です……。
また、V確変機の中でも変わり種な存在として『CR牙狼外伝桃幻の笛』が登場。
▲右打ち中でも特図1の保留は回避不能で貯まります。
桃幻は特図2での大当りだと次回まで続く確変へ100%突入します。これ、電サポに入ると一生終わらなくなるように聞こえるスペックですが、まさかの特図1.2同時変動というシステムを採用。確変中の特図1大当りが転落の大ピンチという世にも珍しいスペックになっています。
こうしてデジパチのゲーム性が広がる中、かつての一発台を模倣した役物機も登場。藤商事の『CRアレトロン』です。
▲見た目の胡散臭さが最高。僕はこの台で洒落にならないぐらい負けました。
見た目がちょっと特殊なだけで、仕組み的には一般的な羽根物と変わりないのですが……大当り1回で1350個+時短100回で実質もう1回確定、という出玉性能は従来の羽根物からは完全に逸脱した性能と言えます。デジタルもラウンド振り分けもありません。とにかくVに入れば2700発! かつて存在した一発台と言われるスペックに近い台ですね。
欠点があるとすれば、時短中のスピード感でしょうか。出玉の多さから仕方のないことではあるのですが、アレトロンの役物はそう簡単にV入賞する作りにはなっていません。時短中にけっこうなハマりを食らうこともありました。
従来の時短付き羽根物と違い、時短中の大当りに電サポが付くことはありませんから、どう転ぼうと結果は同じです。分かりきっているのに中々Vに入らず、お預けをくらうのは、思ったよりもストレスを感じる時間でした。
もっと大当りをスムーズに消化出来たら良いのに……という願望を叶える一発系の台も後に登場しますが、それはまたいずれ。 さて、最後に出玉なし大当りについてのデータです。
★出玉性能競争の果てに待つものは
出玉なし大当りの 有無 |
リリース機種数 |
出玉無し搭載 | 140機種 (うち出玉無し通常あり48機種) |
出玉無し非搭載 | 107機種 |
ST機の増加に伴い出玉なし大当りが減少する中、やたらと出玉なし通常(突通)の搭載機が増えています。V-STの台頭により、ミドルでも十分な一撃性能を搭載できるようになった時代のMAX機に求められるもの。それは中途半端な安心スペックなどではありません。極限まで出玉力を高めたスペックのみが必要とされるのです。
そうなると転落時に出玉がある確変機ではST機、ましてやV-ST機になど太刀打ち出来るはずもありませんから、確変機が突通搭載機ばかりになるのも当然の流れと言えます。結果的に、ST機と合わせて7割以上の台が確変を引いても次回の出玉が確定しない台、という世の中になってしまいました。
潜伏の有無 |
リリース機種数 |
あり | 119機種 |
なし | 128機種 |
一方、潜伏に関してはついに非搭載機が多数という結果に。確変を搭載していないため、潜伏も搭載出来ない一種二種混合機や、潜伏を搭載するまでもなくとてつもなく荒いV-ST機が増えた影響ですね。良いことです。
ただ、数が少なくなった中にはとんでもない潜伏機もいくつか登場。ニューギンの『CRくるてん魔神どむ』は、確変突入率90%でありながら電サポ突入は僅か15%という歴代最強レベルの潜伏ループ仕様を誇っています。
▲tomくん@じゃぶじゃぶビートの可愛らしさだけで誤魔化しきれないレジェンド潜伏機
さらに凄いのが、ヘソ優先消化という聞き慣れない仕様と左打ち消化の大当り搭載という驚愕のコンボを搭載していることです。一度電サポに入っても、左打ち消化の大当りを引く度に潜伏へ舞い戻る可能性がある、というとてつもない潜伏機でした。
さて、最後に継続率についてのデータです。
確変継続率 |
リリース機種数 |
49%以下 |
30機種 |
50%~59% |
14機種 |
60%~69% |
46機種 |
70%~79% |
93機種 |
80%~89% |
41機種 |
90%以上 |
6機種 |
ご覧の通り、70%を超える高継続率機が大多数を占める結果になっています。
出玉なし大当りや潜伏を搭載している台が減っている……つまり、1度の大当りによる出玉量は向上しているにも関わらず、継続率が上がっているということから、V確システムがどれだけパチンコを変えたのかが伝わってきます。
ですが、行き過ぎた出玉性能にはいつの世も規制を引き起こします。狂乱の時代の終わりは、すぐ目の前まで迫っていました。ということで今回は以上です。おまけもありますので是非!
★おまけ~一般入賞口の存在感~
昨今のパチンコは、かつてないほどにヘソ1個返しの台ばかりになっています。……といっても、最低限の払い出しは担保されていることが多いです。何の抽選も行わない、払い出しの為だけにある一般入賞口(通称フロック)があるからですね。
▲赤丸で囲まれているのがフロックです
このフロックは、遥か昔のCR機が誕生する以前から、全てのパチンコにおいて設置が義務付けられています。どんなに古い台でも、盤面の左下や右下に注目すると見つかるはずです。
……ですが、このフロックが存在感を増したのは2018年に行われたベース規制からです。
ベース規制がどういったものだったのかをざっくりいうと、「通常時に打ち出した球の30%以上は帰ってくる設計」にしなさいよというものです。同時にヘソの賞球数の下限も4個とされたのですが、4個返しのヘソのみで安定して30%返すというのも中々大変です。そこで白羽の矢が立ったのがフロックでした。
ベース規制以前のフロックは、義務付けられているから仕方なく搭載している……といった扱いの台が殆どで、そう簡単に入るゲージにはなっていませんでした。
一例として、ベース規制前に出たCRビッグドリームのMAX版と、規制後に出た甘版のゲージを見比べてみましょう。
▲左がMAX、右が甘です
一番差が分かりやすいのが右下のフロックです。MAX版は右肩以外の入賞経路が無い上、通路の釘が鉄壁のがガードをしており、軽い奇跡を起こさなければ入らないような構図になっています。それに対し甘デジ版は一目瞭然に入りやすいゲージへと変更されています。
ベース規制前の一般入賞口は、ビッグドリームに限らずゲージの時点で入らないのが普通という立ち位置でした。
それ故に調整を気にかける必要も無かったのですが……今の時代、フロックの調整は通常時の回転数に莫大な影響を及ぼします。
右打ちで殆ど削れない台が増えたこともあり、ここを削るお店は年々増えているように思えますので、ヘソや道は悪くなく、実際そこそこ回っている感覚なのに、どうにも千円辺りの回転数は低い……なんて時は、フロックに入っているかどうかも気にかけて見てください。1個返し機だと本当にここが生命線です。
ということで今回はここまで。また次回お会いしましょう。
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- rara
- 代表作:若年性パチンコ研究脳
北海道に蠢く24歳のスロパチ好き。珍古店を探して全国を駆け巡ったり、大きいホールに一台だけ置いてあるマイナー台を打って、悦に浸ったりするタイプの人。最近のマイブームはパチスロミルキィホームズ。
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