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パチスロワイルドサイド-脇役という生き方-

パチスロワイルドサイド-脇役という生き方-

2021.07.06

ホーム~3.11~#03

ラッシー ラッシー   パチスロワイルドサイド-脇役という生き方-

 ハイエースは目白通りをゆっくり進む。窓の外には変わらず歩いて帰宅する人々の列が続いていた。勤務先から支給されたのだろうか。ヘルメットをかぶっている人も少なくない。

この1時間ばかり、景色に大きな変化はない。逆に変化を感じていたのが「情報」だった。

車に揺られていると小さな揺れに気付かない。それゆえ余震を感じることはほとんどなかったが、ラジオがその余震の多さを伝えてくれていた。

余震が続く中、この大都会を歩いて帰るのは恐ろしい。ガラス片や看板などが降って来ないとも限らない。となると心配なのは、我が攻略誌「H」の編集部員だ。

令和の今でこそ働き方改革が進んでいるが、当時は編集部に人がいない日などなかった。カレンダーの赤い日であれ、必ず何人かは編集部にいる。

ましてや今日は金曜、ごく普通の平日だ。帰れず残っている編集部員も多いはず――。

声。

ケータイは相変わらずダンマリを決め込んでいる。カーステレオから流れて来るラジオだけが、唯一の情報源だった。スタッフ陣にもさすがに疲労の色が見え始め、車内にはエンジン音とラジオの音だけが響いていた。

ラジオ「先生、震度7というのは記憶にある限り――」
――「え? 震度………7?」

プロデューサー(P)「聞いたことないよな? 参っちゃうよ」
――「……そうすね」

思い出したのは数年前のこと。編集部で後輩と地震の話をしていたときだ。

――「震度7とか来たら、この編集部ヤバくね? スチール棚の上にも段ボールだらけだし」
後輩A「ハッハ、震度7?www」

――「なに笑ってんだよ」
後輩A「ラッシーさん、震度って最大でも6までしかないんスよ?」

――「え? そうなの!?」
後輩「震度7とか~w これだから低学歴は~www」

なんだったんだよ、あのやりとりは! あったじゃねーかよ、震度7!!

震度7という尺度は昭和24年から存在するらしい。2004年の新潟県中越地震も震度7だったそうな。そんなことを知るのは、まだずっと先のことである。

クッソ、ただ後輩からなじられただけじゃねーか。なじられ損だよ。そんなことを考えていると……

ディレクター(D)「お、ケータイ繋がりますね!」
――「マジすか!?」

車内が一気に明るくなった。みな一様にケータイを取り出し、家族に連絡を試みる。

――「ちょっと電話しちゃってもいいスか?」
P「おお、奥さんに掛けてやんな」

発信履歴からカミさんを選び通話ボタンを押すと、聞き慣れた呼び出し音が鳴った。この何気ない呼び出し音を、こんなにありがたく思う日が来るとは。

カミさん「もしもし、大丈夫?」
――「大丈夫、まだスタッフのみんなと一緒なんだ。そっちは? ケガとかしてない?」

カミさん「全然平気だよ!」
――「よかった……」

元気な声にホッとした。

――「ウチの被害は?」
カミさん「ウサギのオルゴールが粉々になったくらいかな」

カミさんが昔から持っていた陶製のオルゴールだ。

――「……それは残念だね。ほかは無事なの?」
カミさん「テレビは死守したよ。裸でなんとか」

――「は、裸? どゆこと?」
カミさん「シャワー終わってスグに本震来たから」

買ったばかりのテレビだ。壊れては困ると思い、裸のまま倒れぬよう押さえていたらしい。

――「ハッハッハ、ありがとう」
カミさん「いや~、外に飛び出さなくてよかった」

こんな調子だ。心配はいらないらしい。

――「ほかに変わったところは?」
カミさん「ん~、お風呂の壁にヒビがあって……」

――「ヒビ!? ヒビ入ったの?」
カミさん「いや~、前からあったような……地震でできたような」

当時住んでいたボロマンションの風呂場は、コンクリを白く塗ったような壁だった。ヒビが入っていたかどうかは思い出せない。けどあの古さだ。ヒビが入っても不思議ではない。

――「万が一、家が潰れそうな気配があったら外に出てよ」
カミさん「分かってる大丈夫。で、帰って来れそう?」

――「う~ん……」

ラジオからの情報によれば、鉄道は急ピッチで復旧作業を行っているらしい。各社とも本日中には復旧する予定のようだが、仮に復旧したとて大混乱は避けられない。帰宅するまでにどれだけ時間を要するか想像もできない。

幸いカミさんの無事は確認できたし、家の被害状況も軽微だ。安心していい。それなら……

――「今日は無理せず、明日の朝に帰ろうかな?」
カミさん「うん、無理するよりそれがいいね」

――「1人で大丈夫?」
カミさん「こっちは全然。どこに泊まるの?」

――「どうなってるか分からないけど、編集部に向かってみようかと」
カミさん「分かった。気を付けてね」

――「ありがとう。じゃあ、なにかあったら連絡して」
カミさん「はーい」

通話を切るやスグに実家へと掛け直したが、こちらは繋がる気配がない。東北はどうなってしまったのだろう……。
 

不気味な静けさ。

依然として渋滞は続いているものの、少しばかり進みが早くなったように感じた。すでに都心を離れた人が多いのかもしれない。

再びラジオに耳を傾ける時間が始まったが、車内の雰囲気はさっきまでとまるで違う。みな家族の無事を確認できたためだ。

ラジオ「ここで鉄道の情報が入って来ました。西武新宿線は、まもなく新宿・高田馬場間で運転を再開する見通しです」

「おおっ!」と車内で声が上がった。しかし新宿・高田馬場間とはなんとも短い。運転再開と呼べるかどうか……いや、このまま行けば高田馬場を通る。

スタッフ陣の目的地は笹塚だ。俺を新宿に届けても、さほど遠回りにならない。でも、もし俺が高田馬場で降りれば、新大久保あたりで右折して少し早く笹塚に行けるハズ。新宿駅付近の大通りがどうなっているかも分からないし……。

――「すみません。俺、馬場で降ろしてください」
P「なんだ? 俺らに遠慮してるのか?」

――「いえ、もう西武新宿も動くみたいですし」
P「そうか。まあ、もしなにかあったらまた電話くれ」

――「ありがとうございます!」

こうして高田馬場に着くや車を降り、思わぬ長旅をともにしたスタッフ陣と別れた。

本震から4~5時間ほど経っただろうか。その間も幾度となく余震が続いていたはず。それなのに線路や運行システムの安全を確認し、短い区間とはいえこの早さで運転再開まで漕ぎつける。

混乱してはいるものの、やはり日本の交通・インフラのクオリティは高い。そう感心しながら駅に歩みを進めると、ふと不気味さに気が付いた。

高田馬場にはデータ採りやプライベート稼働でたまに来る。だからこそ、強烈に覚えた違和感。

――「……なんでこんな静かなんだ?」

無音とまではいかないが、こんなに静かな高田馬場は初めてだ。駅前はいつも若者の声で賑やかだ。それがナイのである。

キョロキョロと辺りを見回しながら改札に向かう。自動改札はすでに機能していた。そしてホームに着くと、その静かな理由が分かった。人が全くいないのである。

たしかに運転は再開したが、これから新宿へ向かう人など多くいるハズもない。新宿行きを待つ客はまばらだった。そして電光掲示板を見る限り、新宿発→高田馬場行きはまだ動いていない。

やはりいつもの都心とはまるで違う。新宿は無事なのだろうか――。

新宿。

ガラガラの西武新宿線に揺られると、スグに新宿に着いた。そしてホームに降り立ち少し歩くと、突如、とてつもない熱気に襲われた。顔を上げるとホームの端に虎ロープ(黄色と黒のロープ)が張られており、その奥には人、人、人……

まるで福男選びのスタート前のように、人がギッチギチに集まっているではないか!! みな西武新宿線の運転再開を待ち望んでいたのだろう。

その端をそっと通り抜け、見慣れた駅前に出た。街の様子に変わったところはない。高田馬場とは比べ物にならないほど人が多いが、いつもの新宿と大きくは違わない。ただ、人々の表情は言うまでもなく暗かった。

ここまで来れば編集部はスグだが、ビルが立ち並ぶ新宿である。また余震が来たら、頭上からなにが落ちて来るか分からない。なるべく建物から遠い車道側を選び、靖国通りを二丁目に向けて歩いた。

無事に編集部に着いたのは、駅を出てからおよそ15分後。案の定、編集部の明かりは点いていた。壊れていないことを祈りつつインターホンを押すと、2コールで聞き慣れた声がした。

後輩「はい、〇階です」
――「ラッシーです」

後輩「おお、ラシオさん! 無事でしたか」
――「うん、問題ないよ。開けてくれる?」

後輩「今、カギ開けに行きますね」
――「お願いします」

待つこと2分、小走りで後輩がやって来た。カギを開けてもらい中に入れてもらう。

後輩「こんな遅くに……どこいたんスか?」
――「埼玉で収録だったの。みんな無事?」

後輩「ええ、編集部は大きな被害もなく」
――「それはよかった」

後輩「無論、エレベーターは止まってますがね」
――「だろうね」

聞くところによると徒歩で帰宅できる編集部員だけが帰り、数人は編集部に泊まることを選んだそうな。

――「俺も今日帰るのは諦めたから、明日の朝イチで帰るね」
後輩「どうぞどうぞ。きったねえ編集部ですが」

――「知ってるよ。お世話になります」

今のところ編集部員がケガをしたという報告はないらしい。久々のデカい揺れで動揺したが、東京や神奈川などその程度の揺れだったのだろう。

この日は編集部員たちと休憩所のテレビを観ながら過ごした。ラジオだけでは分からなかった被災地の惨状。当然、気持ちよく寝られるはずがなかった。
 

帰宅。

翌朝――

――「ただいま~」
カミさん「おかえり~。遅かったね」

――「ダイヤ乱れてた、疲れた~」
カミさん「まあ、その程度なら御の字でしょ」

JR・私鉄ともに動いてはいたものの、やはりダイヤは乱れ、帰宅するまで普段の2倍近い時間を要した。ちなみに我が街も目立った被害はなかった。

――「とりあえずシャワー浴びて寝ます」
カミさん「うん…あ、お風呂場見て」

カミさんに促され風呂場に行くと、たしかに壁には大きな亀裂が入っていた。

カミさん「これ前からあった?」
――「さあ~、どうかな~?」

古いマンションだ。亀裂くらい元から入っていても違和感はない。

――「まあ、もう引っ越しも決まってますし」
カミさん「ほら、マンション買ってよかったでしょ?」

――「……さすがです」

あそこで決断しなければ、このヒビの入った部屋に住み続けることになったはずだ。

カミさん「お義母さんたちは? 連絡ついた?」
――「いや、まったく」

カミさん「私も掛けてるけどサッパリ……」
――「まあ、調べたら震度4くらいだから」

カミさん「それなら……ね」

震度で見ればそこまで大きくない。しかし実家は急な坂の途中にあるし、家の中も物で溢れている。間違いがないといいのだが……。

カミさん「仕事は大丈夫なの?」
――「え……仕事???」

カミさん「だって……これだけ大きな災害だよ? スグにパチスロの仕事再開できるの?」
――「………たしかに」

編集部の隅に置かれている、時代遅れのブラウン管テレビ。それで嫌というほど東北の惨状を目の当たりにし、起きてからは帰宅するので精一杯。先の仕事のことなど考える余裕もなかった。

テレビから流れてくる目を覆いたくなるような映像。こんな危機的状況で、パチンコ・パチスロメディアはどう振舞えばいいのだろう。そんな不安を覚えつつ、俺はほんのりと汗の染みたシャツを脱いだ。
 

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ラッシー
代表作:パチスロワイルドサイド -脇役という生き方-

山形県出身。アルバイトでCSのパチンコ・パチスロ番組スタッフを経験し、その後、パチスロ攻略誌編集部へ。2年半ほど編集部員としての下積みを経て、23歳でライターに転身。現在は「パチスロ必勝本&DX」や「パチスロ極&Z」を中心に執筆。DVD・CS番組・無料動画などに出演しつつ、動画のディレクションや編集も担当。好きなパチスロはハナビシリーズ・ドンちゃんシリーズ、他多数。

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