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パチスロワイルドサイド-脇役という生き方-
2021.05.25
チキンなりの戦い方~ルパン一族・ギラギラ爺サマー~
朝イチ2,000円で引き当てた「ゼニガタイム(ZT)」は呆気なく終わった。ノーマルBIGとREG2発を絡めたにもかかわらず。
出玉的には申し分ない立ち上がりだが、対戦相手は番組の顔・U先輩だ。この程度の出玉で安心できる相手ではない。ZTは言わば安いほうのARTで、連チャン性は無いに等しい。いくら入れても決定打にはならない。
やはり重要なのは上位ART「スーパーヒーロー(SH)」だ。早めにSHへ捻じ込み、上乗せ連打で勝負を決する必要がある――!!
しかし、焦る気持ちとは裏腹に徐々にハマリはじめるルパン一族。せっかく手にした出玉も着々とノマれていく。このまま投資が2Kで済めば……などと考えていたが、やはり甘かったらしい。
そして下皿が寂しくなった300G過ぎ、久々に3連チェリーが出現して連続演出「ICPO」に即発展! これをスルーすると遂に追加投資だが……
――「ああ! アツい!!」
ICPOのチャンスパターン「上空から侵入」が発生! さらにリプレイが連続し、果てにはプラム折れ型のリーチ目が出現。
――「っしゃ、どうにか追い金ナシで繋がった!」
が、告知されたボーナスはREG。しかも入賞後のバトル発展もナシ。こうなるとSH突入の可能性はゼロだ。
REGの出玉は約70枚。下皿にあった出玉を合わせても風前の灯火。ガックリと肩を落としていると、視界の端に水色のシャツを捕らえた。その瞬間、背中から頭にかけて悪寒が走った。
――「ヤバい……来た………」
U先輩だ! これは恐れていたシナリオになるのでは!? 固唾を飲んでその様子を見ていると、案の定、ルパンと背中合わせのシマへ。そして下皿にタバコの箱が入れられた。
――「や~、来たよこれ……」
思わず声が漏れた。U先輩が移動先に選んだ機種は「ギラギラ爺サマー」だった。
金は武器。
▲5号機「ギラギラ爺サマー」(大都技研)
2010年の夏に登場したボーナス+ART機。ボーナスはBIG・乗ってけタイム(REG)・CTの3種類で、その合算確率は最も低い設定1でも約1/80とかなり高め。
ART「ギラギラッシュ」はゲーム数管理で、純増は+1.8枚/G。小役による直乗せもあるが、ボーナスによる大量上乗せが最大の魅力。いかにARTとボーナスを絡められるかが重要となる。
U先輩は早々に新鬼武者を諦めたらしい。朝イチからいいところナシで投資が膨らみ、逆転を賭け「ギラ爺」に移動してきたというわけだ。この一見無謀とも言えそうな動きこそ、U先輩の怖いところ。
ちなみにギラ爺の出玉率は新鬼武者より高い。ルパン一族と比べても同等以上だ。
各機種の出玉率 | |||
設定 | 新鬼武者 | ルパン一族 | ギラ爺 |
1 | 98.5% | 97.1 | 97.6% |
2 | 100.3% | 99.1% | 98.4% |
3 | 102.1% | 101.3% | 99.9% |
4 | 103.7% | 104.0% | 104.9% |
5 | 106.7% | 108.6% | 110.0% |
6 | 111.3% | 115.5% | 115.2% |
しかしギラ爺において「出玉率」など、ほとんど意味を成さない。真に恐れるべきは、その一撃性の高さだ。
ボーナスのメインはREGとCTで、ART中のCTが出玉増加のカギ。ART中に成立したCTは特化ゾーン「スーパーギラギラッシュ」となり、1G消化するたび1G以上を上乗せる。
CTはSINが成立すると即終了(パンク)する仕組みだが、最大の24G目まで完走すれば大量上乗せを期待できる。俺が少し前までハマっていた「鬼浜爆走紅蓮隊~爆音烈士編~」と同様のシステムだ。
ARTが当選するまでの吸い込みは激しいが、そのぶんARTの一撃性は現行機種でもトップクラス。新鬼武者の一撃性もかなり高いが、ギラ爺はそれよりさらに上を行く超荒波マシンである。
このリーグ戦番組には「NG機種」というルールがあった。対戦はホーム&アウェイ方式で行われ、ホーム側はアウェイ側にNG機種を指定できる。NG機種に指定された機種は打つことができないというわけだ。
ならば「ギラ爺」をNG機種にすればいい話だが、事はそう単純ではない。この日はそこそこ大きなイベントで、ド本命は看板機種の「パチスロ蒼天の拳」。当然、高設定も多く使われているハズなので、そこを封じる必要があった。
俺も今シーズンは「ART機で爆裂を狙う!」と決めていたものの、やはりU先輩の動きは容易に真似できない。爆裂を狙うにしても、ギラ爺に特攻できるほど資金に余裕がナイのである!
あらゆる勝負事において、軍資金は紛うことなき武器であり、ライフである。軍資金さえあれば勝てるわけではナイが、それでも有る・無しでは立ち回りが大きく変わる。
余裕がなければ大胆な戦略はとれない。これはプロスポーツにおいても変わらない。「金がある」ということは、やはり大きな武器なのだ。
チキンの俺には選べない大胆な戦略。U先輩は、そういう捨て身の勝負でこそ真価を発揮する人物である。
なにかが起こる、確実に――。
今までU先輩から幾度となく見せつけられてきた格の違い。演者としての資質。悪寒が背筋を駆けるのは必然だった。
嵐の前の静けさ。
先にチャンスが訪れたのは俺。高確示唆のサーチライトステージ中に左リールがズルリとスベった。「ああ、共通プラムか」と右・中リールをフリー打ちすると、右リールの時点でプラムを否定!
――「ああっ……2確でした。右止めた時点で」
1枚役同時当選のBIG2確目。これがスーパーBIGなら、高確中のスーパーBIG=SH当選となるのだが……。右リール枠上付近に2連7を狙うと、上・中段に7が止まった!!
――「しゃ~~~スーパーBIG 1確!!」
かくして、この日初となるSHに突入! この高確中にいかにスーパーBIGやREGを引いてSHに捻じ込めるかが、この機種で勝つうえで重要なポイントとなる。
下皿はほぼカラだったが、どうにか追加投資ナシでSHまで漕ぎつけた。ここでゲーム数上乗せやボーナスを重ねれば、U先輩に大きなプレッシャーを与えられるハズ!
SHの初期ゲーム数は100Gだ。上乗せのメインは小役による直乗せだが、ベル以外での上乗せは概ね5~10Gと大きくない。やはりスーパーBIGやREGによる100G上乗せが欲しいところ。
そんなことを考えていると、レバーON不二子からポロリと3連チェリーが出現! ART中の連チェリー(2連or3連)はすべて同時当選確定だ。これがREGでバトルに勝てば100Gの上乗せだが………あえなく敗北。
SH中のREGバトル勝率 | |||
設定 | 勝率 | ||
1 | 25.0% | ||
2 | 27.3% | ||
3 | 29.7% | ||
4 | 32.0% | ||
5 | 43.8% | ||
6 | 50.0% |
またしても設定6の可能性がややダウン。バトル敗北により上乗せも10Gにとどまった。その後も大きな上乗せはなく、初SHはボーナスを含め480枚の獲得で終了。絶好のチャンスを逃す結果に……。
ハッ、いかんいかん! ついSHに夢中になり、U先輩のチェックを忘れていた。おそるおそる振り返りると――
400Gハマリ!!
ギラ爺のベースは1000円あたり30Gほど。U先輩が座ってから2回ボーナスが当たっているが、いずれもARTは非当選。そこからこの400Gハマリだ。1台目の新鬼武者も合わせると、相当使っていると思われる。これは……
さすがに勝ったのでは!?
新鬼武者をあれだけ早くヤメたということは、出玉を得られずそこそこヤラれたハズ。2台で30K近く使っていると考えていい。いくらU先輩とて30Kは―――
いや、待て!
これ天井行くんじゃ…!?
ギラギラ爺サマーの天井
REG・CT後のRT終了から500Gハマると天井状態へ移行し、天井状態でボーナスを引くと100G以上のARTに突入。 |
ヤバいヤバいヤバい!! U先輩に100GもARTを与えてしまっては、なにが起こるか分からない! むしろ無事で済むハズがない!! 難なくひっくり返す、あの人なら―――
千両役者。
しばらくすると、後ろから声ともとれない音が聞こえてきた。急いで振り向くと、U先輩の台でCTが始まっているではないか! スグさまデータ表示器を確認すると――
478G!!
天井まであと一歩のところで被弾。こ、これはさすがに見てはいけない。そしてそのCTも、当然の如くART非当選でスルーである。
――「………(かける言葉が見つからない)」
もう自分の台に専念しよう。とりあえずU先輩との対人戦としては、まず勝ったと思っていい。あとは自分の台で出せるかどうか。肝心の設定が、まだ高低すら見えていない。
REGからのSH当選はナシ。しかしベルからの高確移行率は高設定域だ。幸いボーナスも引けているので、焦ってヤメる必要はない。ゆっくり時間をかけて設定を見抜いていけ……
「オォォ~~~!!!」
――「えっ!? なに?」
突然、背後から歓声が! 振り向くと、そこにはディレクターとアシスタントの友人Sが立っており、顔を見合わせ笑っているではないか。すぐにSに声をかけた。
――「え? どうしたの?」
S「UさんのARTが200Gスタートで……」
――「に…にひゃくぅ~???」
天井経由のARTなら100G以上スタートだ。それをさっき逃したばかりなのに、ナチュラルに200Gスタートを射止めたということか――!?
S「ART当選後も結構CT続いてたから」
――「おい~、ウソだろ……」
チートである。
折れない心。
走り出したU先輩は止められない。俺にできることは自分の台で出すことだけだ。もう自分の台だけに集中しよう。そう心に決めレバーを叩き続けた。
通常時のチェリーからのZT当選率はすこぶる良好。低設定とは思い難い数値で推移している。相変わらずREGからのSH当選はないが、感触的には中間設定以上だ。設定6ではないにしろ、設定4・5は十分期待できる。
SHへも何度か入ったが、いずれも伸びることなく500枚以下で終了。しかし本当に中間設定以上であれば、1度くらいは大きな波が来るハズ。さらに設定推測を進めながら、そのデカい波を待てばいい―――。
すると、やっとSH中にスーパーBIGが当選して100Gの上乗せに成功! これが大きく伸びて1,600枚超の出玉を獲得!! 投資は朝イチの2Kのみだ。仮にU先輩が3,000枚を出していても、投資の差で勝っているハズ。そう思い、おそるおそる振り返ると―――
――「い、いないっ!!!」
U先輩の姿はすでになかった。データ表示器のスランプグラフから察するに、あの200GスタートのARTは少しも伸びなかったらしい。
このホールにおいて、ギラ爺より一撃性の高い機種はない。残り時間を考えても、U先輩とのバトルには勝っただろう。そうなると次なる目標は「出玉3,000枚オーバー」だ。出玉が3,000枚を超えると、1,000枚ごとに勝ち点を獲得できる。
2位に終わった前シーズンでは、この出玉ポイントを獲得できず決勝進出を逃した。これを取らずしてリーグ制覇は不可能と言っていい。ここからさらに1,400枚。厳しい道のりだが、さっきのSHと同じことをやれば達成できる―――!
しかし、ライバルが姿を消して気が抜けたのか久々の400Gハマリ!! やはり俺には収録で3,000枚など無理なのだろうか。そんな風に己の無力さを呪っていると、500G直前で3連チェリーからスーパーBIGが当選!
スーパーBIGはART確定だが、終盤のエピソード演出が重要。扉が開いて銭形が出現すればZTで、お宝が出現すればSHとなる。 通常時の低確と思しき状況で引いたスーパーBIGだ。高設定でなければ、あまりSH当選を期待できない。
低確中_スーパーBIG成立時 SH当選率 |
|||
設定 | 当選率 | ||
1 | 12.5% | ||
2 | 16.7% | ||
3 | 20.0% | ||
4 | 25.0% | ||
5 | 37.5% | ||
6 | 50.0% |
エピソード演出にもチャンスパターンは複数あるが、たったの1つも発生せず!! いや、ZTがあれば十分だ。そこでまたREGやスーパーBIGを引き、SHに昇格させれば……
――「は? はぁぁぁぁあ?」
なんと、扉から現れたのは銭形ではなくお宝!! 予想を裏切る形でSHに突入! 収録時間は残り2時間。高設定でなければ、これが最後のSHになるかもしれない。ここで出玉3,000枚を超えるしかないっ!!
するとほどなくレバーON時にベンツに乗ったルパンが登場。上乗せorボーナスだ! リールでは通常リプレイが揃い、そのままボーナス告知が発生。
これがREGだったものの、REG入賞時のバトルタイトルが赤背景! バトル勝利=SHの+100G確定! その後もREGとスーパーBIGで100Gずつ上乗せし、さらに―――
「カタカタ…カタッ、カタッ………カタッ!!」
――「キター! フリーズです!!」
ロングフリーズからのスーパーBIGで、またもやSH+100G! 結局、収録終了時間までSHが途切れることはなく、200Gを残して実戦終了となった。
20分後――
――「では結果を振り返りましょうか」
U先輩「振り返ることもないんだけども」
ラッシー
総投資 2,000円
獲得 3,483枚
差枚数 +3,383枚
U先輩
総投資 85,000円
獲得 0枚
差枚数 -4,250枚
俺はこの1戦で勝ち点を5pt獲得。対するU先輩は0pt。
――「ということで、今回は俺の圧勝ということで……」
U先輩「でも君、これでまだ6pt差だからね」
※U先輩は別日の初戦で-1pt
――「え!? …たしかにそうっスけど」
U先輩「まだいくらでもひっくり返せるから」
差枚数で見れば、この一戦は7,633枚の差だ。圧勝と言っていい。しかしU先輩が言う通り、番組はあくまで勝ち点で順位を競う。
これだけ大差で負けてもなお「まだ6pt差だからね」と言うU先輩に、少しばかり恐怖を覚えた。この人は少しも折れていない――! 一矢報いたと思っていたが、U先輩にはまったく効いていないのだ!!
カメラが止まると、マイクの回収がてら友人Sが近寄って来た。
S「お疲れさまー。スゲー出たね」
――「いや~、粘ってよかった」
S「Uさんが200Gスタート引いたときはマクられると思ったよ」
――「ホントにね」
S「でも、たまたまルパンにチカラ入れてそうでラッキーだったね」
――「え? たまたま? ラッキー?」
S「たまたま爆裂したんでしょ?」
そうだ、SはちょっとサイコでSっ気があったんだった。
――「違わい! ちゃんと設定推測したからだな…」
S「ちょっと機種選択で置きにいったじゃん」
――「あ? 置きにいってねーわ!!」
いや、たしかに新鬼武者やギラ爺に比べれば「置きにいった」と言えなくない。しかし、俺には臆せずギラ爺に特攻できるほどの余裕はない。ならば、俺なりの機種選択で爆裂を狙うしかない。
チキンにはチキンの戦い方だってあるハズだ。
S「ハハハ、次戦以降も頑張ってね」
――「ったり前だっつーの!」
ディレクター「おいS! こっちの撤収手伝え!」
S「はーい! じゃあ、また来月……」
――「うん、お疲れさま」
収録現場に学生時代の友人がいる。不思議な気分だ。俺の知らない間に、彼は映像の世界で成長していたのだろう。俺は彼に見せられるだろうか。ライターとして成長した姿を。
リーグ戦で勝ち残り続けるのは難しい。次シーズンも出場できる保証なんてない。彼と仕事ができるうちに、どうにか結果を出したい。そんな気持ちが芽生えていた。
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- ラッシー
- 代表作:パチスロワイルドサイド -脇役という生き方-
山形県出身。アルバイトでCSのパチンコ・パチスロ番組スタッフを経験し、その後、パチスロ攻略誌編集部へ。2年半ほど編集部員としての下積みを経て、23歳でライターに転身。現在は「パチスロ必勝本&DX」や「パチスロ極&Z」を中心に執筆。DVD・CS番組・無料動画などに出演しつつ、動画のディレクションや編集も担当。好きなパチスロはハナビシリーズ・ドンちゃんシリーズ、他多数。
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