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パチスロ攻略ライターの思考ルーチン
2021.03.23
A PROJECTで復刻して欲しい1996年の機種たち。
ひっそりと文字を書いてばかりの私ではございますが、この3月はA PROJECTチャンネルのクイズ企画に出演させていただきました。
前編:https://www.youtube.com/watch?v=cDMBVxvOq5U
後編:https://www.youtube.com/watch?v=6GorA4Wv4NQ
パチスロの歴史のことをよく書きますが、その信憑性が揺らいだらどうしようと思うくらいの難問揃いで超楽しかったです。知らないということはまた新たな知識が得られるという前向きな要素もありますが、どうやったら正解に近づけるか考察するのも楽しかったりするんですよね。
しかし、改めて瞬発力に欠けていると思ってしまいました。もうちょっと時間があれば(それでもかなり考えている部分をカットしてくれている)、もうちょっと迫れたものもありました。
そんな後悔はさておき、メーカーの方が選んでくださった問題を解いていて、やたら1996 年推しだなと感じたり(笑)。これはもしや、今後のA PROJECTの機種に……ゴクリ。ちなみに1996年に登場したユニバーサル系の機種は、以下のようになります。
7月:シーシーエンジェル(メーシー)
8月:ダンクシュート2(ユニバーサル)
10月:タコスロ(瑞穂製作所)
10月:フローズンナイツ(ユニバーサル)
11月:ゲッターマウス(エレクトロコインジャパン)
技術介入機ブームを切り拓いた『クランキーコンドル』登場の翌年にあたります。しかし、そんなに簡単にブームは浸透していきません。今と違って情報が広まるスピードも速くはありません。
実際、私が『コンドル』の技術介入を覚えたのは、この1996年11月にあった『ゲッターマウス』と『フローズンナイツ』の新台入れ替えの日でした。新台を取れなくて『コンドル』に座ったのね。隣に上手い人が座って、その打ち方を真似したり研究したりして、いまに至るのです。
『コンドル』は確かに偉大です。先駆者です。ただ、それに続く機種たちも優秀だったからこそ、技術介入などの初期4号機の攻略の概念が浸透したと思っています。翌1997年は『クランキーコンテスト』『レッツ』『ボーナスショップ』『サンダーV』とさらに続きました。いかんこの調子だと脱線しまくる(笑)。
ということで、今回は A PROJECT で復刻しそうな1996年の機種を語ってみたいと思います。嬉しいことに若いA PROJECTのファンの方も増えました。まっさらな状態で完全なる新機種として楽しむのも素敵ですが、どんなところがポイントになりそうなのかをフワッと予習してみるのも悪くはないでしょう。
★シーシーエンジェル
7月に登場した『シーシーエンジェル』から。BIGボーナスの絵柄に天使の“フラップ君”を採用。ファンシーな絵柄とサウンドで女性にも人気となりました。クイズでもサウンドを聴けるので、ぜひどうぞ。
BIG中に変則押しをしてリプレイ(BIG中はJACイン)がテンパイしたら左リールで揃わないように目押しする“リプレイハズシ打法”もありました。ただ、中右リールを押した時点でリプレイが中段にテンパイしてしまうと、左リールでハズすことができない仕様となっていました。
こういったケースでは、中右リールを押す時点でも考えて、中段受けにならない場所を模索するのが鉄則ですね。ただ、そういう箇所はありませんでした。中段受けになったらハズせない。これを考慮すると序盤から保険でハズす(JACインは最大3回までなので)など、消化方法を模索する必要があったのです。今から思えば、かなり難しい部類の機種かもしれません。この辺りは枝葉ですけど(笑)。
私が思う『シーシーエンジェル』の最大の魅力は、通常時の細かさです。
19番のフラップ君を押す位置でリーチ目が大きく変わります。中段に押した場合、ボーナス成立ゲームとハズレは「羽根・リプ・ベル」まで4コマスベります。しかし、下段に押した場合は2コマスベリとなって「リプ・ベル・赤7」が停止。
左リール下段赤7からはベルがなく、ハサミ打ちをして右下段に赤7やフラップ君が停止すると激アツとなるんですが、左リールの目押しが1コマズレていると滅多に拝めなくなります(笑)。
また、この際に3コマスベリ(フラップ君を中段に押している)だと、リプレイもあります。正確に押せて2コマスベリならリプレイもないので、右リールも「リプ・ベル・赤7」のトリテンとなっても「当たった」と確信できる瞬間に昇格するのです。正確に押す&スベリコマ数を見極める。この作業をするのにうってつけの機種ではないでしょうか。
可愛いフリしてなかなか硬派。硬派な部分が過ぎるのはいまのご時世に合わないかと思いますが、ファンシーな中にもピリリとした通常時もあると嬉しいです。いや、このサウンドだけでもご飯三杯いけますけど。個人的には『ベイビーエンジェル』のREGのサウンドも捨てがたいです。
★タコスロ
完璧に打てれば設定1でも出玉率は約106%(通常時小役狙い&BIG中リプレイハズシ)。そのアマさばかりがクローズアップされますが、この機種の通常時も大概に変態です。ボーナス成立後は、チェリー付きリーチ目や中段リプレイで気付くことになりますが、丸1日打って1回も拝まない日はほとんどありませんでした(笑)。
リーチ目もありますが、スベリも同等以上に重要でした。同じ出目でも、ちゃんと押した人が打てばリーチ目。そうでない人はハズレでも簡単に出てしまう。そんな出目が多かったのです。
何もないところでも4コマスベったら怪しい。まあ、こちらは4コマもスベっているので、研ぎ澄まされた時代は何となく分かりました。問題は、ビタ停止もアツかったことです。普通にハズレでもピタピタと止まることもあったので、正確に見抜くことは困難。これも見極めようと気を張っていたら疲れることこのうえなし(笑)。
チェリー付きのBARを押して、 BARが枠下に落ちたらスイカを狙う。メジャーな配列ですが、その元祖です。その最高峰。これを超えたのは後継機の『エスプ』だけかも。5号機でも『タコスロ7R』として復刻されましたが、A PROJECTでもお願いしたいものです。
設定1でもアマい機種の代名詞として、そういう機種を作るには格好の名前だと思います。アマいとしたら、ベストな押し位置の1コマ目押しミスが酷く損するポジションというのは残して欲しいかな。いや、目押し力が落ちているので残して欲しくないかも(笑)。
メイン小役すらボロボロと取りこぼすことが普通の時代。絵柄を最大限引き込まない“意地悪制御”が許された時代だからできたような気もしますが。
そこまでアマくないとしても。タコチューテーブル(4コマスベリ)の再現とビタ停止などのエッセンスがあるだけで面白いと思います。A PROJECTに限らず、どうしてもカッチリした機種になりがちですから。一風変わった感覚でリールと睨めっこできる通常時は希少価値もあるかと思います。
詳しい人と連れスロしているときに「えっ、これで入ってたの?」みたいな感じになると。大抵は「だってタコだもん」と返ってきますね。知れば知るほど生まれる諦め。これも『タコスロ』の魅力でした。
★フローズンナイツ
端折った『ダンクシュート2』も中身は『フローズンナイツ』と同じ(微妙なスペック違いはあるかもですが)です。この当時は、イワトビペンギンをモチーフにしたCMが流行していましたな。『フローズンナイツ』もファンシー系で、老若男女から人気を集めました。
A PROJECTを作る際に頭を悩ませる部分は、BIG中のリプレイハズシでしょう。1990年代後半は、これを完璧に実行することで高い出玉率を実現させてきました。しかし、そんな機種ばかりではユーザーを選別するだけで終わってしまいます。リプレイハズシが苦手な人に向けた機種も必要。そんな経緯だったでしょうか。リプレイハズシがございません!
この機種の特徴は、豊富なリーチ目とチャンス目の存在です。うん、6号機でも再現できそう。
そのチャンス目を構成するのは、小役の取りこぼし目です。主にスイカとSINボーナスの取りこぼしでなければボーナスという楽しみ方が主流でした。5号機以降は「小役の取りこぼし=丸損」となってしまうので、きっちりした活書を狙い打ちされそう。そうなると出目も単調になって……。
実は4号機の『フローズンナイツ』もそうでした。差が付くのは通常時のみなんですから。SIN(15枚払い出しのJACゲームを1回できる)は、そのゲームで揃えないと消滅してしまったので、押せる位置が限られてしまったんですね。すみません、リーチ目とチャンス目が魅力と書きましたが、私が打つとリーチ目は目押しミスを含めて4種類あるかどうかです(笑)。
小役の取りこぼしの重みを減らすのは、むしろいまのほうが技術は上と感じます。『ゲッターマウス』のスイカや『B-MAX』のチェリーこぼしで突入するプチRTなど。
そもそもリプレイハズシもなかったですし、ユーザーの求めるスペック的な部分も小さいです。『フローズンナイツ』こそ、前作を上回れる部分が多い機種と勝手に思っています。
しかし、このように見てみますと。1995年は硬派な絵柄の『コンドル』。1996年はキャラを使ったファンシーな路線。1997年は『サンダーV』などまた硬派な流れに。絵柄の推移も特徴があったりしますね。
なんて、お茶を濁していますが。クイズでは、4号機のクランキーシリーズで「スリスを押してハサミ打ち」ばかりしていたことを初めて後悔することとなりました。A PROJECTのクランキーでもスリス復活お願いします(笑)。
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- 佐々木真
- 代表作:パチスロ攻略ライターの思考ルーチン
裏モノ全盛期に“ギャンブル”としてパチスロを始めたが、技術介入機時代に最適手順を模索するなど“遊技”としての魅力にはまり、履歴書に大きな穴をあけてしまう。2000年よりパチスロ雑誌などで編集兼ライターの活動を開始。現在は、ほぼすべての機種の発表会や取材に参加。法律・規則などの知識をもとに、根幹システムの推測をライフワークとしている。
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