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パチスロワイルドサイド-脇役という生き方-

パチスロワイルドサイド-脇役という生き方-

2020.10.27

ライターバブルの陰~クソみてーな日々~

ラッシー ラッシー   パチスロワイルドサイド-脇役という生き方-

店内は空き台がないほど賑わっていた。しかし俺は、不思議なほど静寂を感じていた。眼前の液晶には「〇」が4つ並んでいる。

この日、収録で打っていたのは――
 

▲5号機「パチスロ交響詩篇エウレカセブン」(サミー)

まさに今、REG中の全ゲーム「〇」を達成できるか否かという局面である。

REG中の主な「〇」獲得契機
①5択ベルの押し順正解
②共通ベル成立
③レア役成立
※他にも複数存在

すでにART突入は確定している。全ゲーム「〇」を達成できれば、ARTセット数は最低でも6セットだ。いや、3G目にチェリーを引いているため、内部的にはすでに5ptに達している。

※REG中の詳細なシステムは2020年9月29日更新の「バカREGから一撃ウン千枚」をご覧ください。

つまり、次ゲームの押し順が不正解でも恩恵は変わらない。4ptでの抽選が1回に、5ptの抽選が2回。どんなに運が悪くともARTセット数を8個獲得できる。

この日の番組は、スタッフから課せられたミッションをクリアしていき、そのクリアポイントの合計を共演者であるA先輩と競うという内容だった。

REG中 全ゲーム「〇」達成時のクリアポイントは当然デカい。これさえ獲ればA先輩に勝てるハズ――。

A先輩「いいよラッシー、やっちゃいなよ!」
――「・・・・・・」

仮に次ゲームが「✕」でも、獲得枚数に影響はナイ。しかし、ココこそが番組として重要なのだ!

同じ5ptだとしても、オール〇と最後が✕では印象が違う。画力(えぢから)が段違いなのだ。言うまでもなく番組では、その画力が必要になる。

俺は深く息を吸い、祈るようにレバーを叩いた―――。
 

宿星。

――「ぐあぁぁぁ~、いってぇ~~~!!」
A先輩「ちょゴメン、野球少年時代を思い出しちゃって」

ケツを押さえて悶絶する俺。この日の敗者の罰ゲームは、古典的なケツバットだった。

――「ちょ、金玉残ってるか確認していいスか?」
A先輩「フハハハ! カメラ止まってからにして」

――「体感的には1個ナイんスよ!!」
A先輩「はい、ということで今回もワタクシAの勝利となりました! また次回お会いしましょう、サヨナラ!」

――「さよなら~…おぉ、痛ェ~」

ディレクター「はい、カット~! お疲れさまです」
A先輩「お疲れ様でした~」

――「お疲れ様でした~」
ディレクター「いや~、今回はスゴい展開だったね」

A先輩「ですな」
――「いや~、マジでどうやったら勝てんスか…」

ディレクター「エウレカで?」
――「いやいや、Aさんにですよ!!」

A先輩「はは、たまたまだよ」
――「いや、たまたまて……」

REG中のオール〇は見事達成! その瞬間、A先輩とのバトルの勝利を確信したが甘かった。A先輩も同じくオール〇を達成し〝今回もまた〟A先輩の勝利で終わったのである。

――「オール〇達成で勝てないとは」
ディレクター「さすがAは持ってるわ」

A先輩「たまたまっスよ」
――「聞き飽きたなー。そのたまたま」

この頃のA先輩は、まさにバケモノだった。どこからどう見てもオカルトのような話だが、手が付けられないほどノッていたのである。

台選びの条件は一緒。むしろ「ラッシーが先に選んでいいよ」などと譲ってくれる。なのにA先輩と勝負は9割方敗北。同条件、むしろ少し譲って頂いても9割方負け越していたのである……。

理論で説明できないため「偶然」と言うよりほかないが、数年一緒に過ごした俺は確信していた。

「宿星(ほし)が違う」

凡人はいくら背伸びしてもエルビス・プレスリーになれないし、どれだけ努力してもマイケル・ジャクソンになれない。

しかしA先輩は違う。たしかに〝何か〟の寵愛を受けている。我々の知らないところで努力しているのだろうが、それでも理論では説明できない〝何か〟に好かれているのである。

たまたまパチスロライターをしているだけで、その気になれば何の分野でも活躍するだろう。そんな風にさえ思えてしまう。売れてる人とは、とかくそういうものだ。

――「はぁ~、敵わないなAさんには」
A先輩「はは、んなこと……あ、ヤバ…」

ケータイを手にして固まるA先輩。

A先輩「編集部から鬼電来てる」
――「ほら、締め切り守んないから」

A先輩「ラッシーみたいな締め切り守るヤツがいると、俺みたいなのは肩身が…」

次いで俺もケータイを取り出すと…

――「ああ、ヤバ…」
A先輩「どうした?」

――「デザイン会社から鬼電来てます」
A先輩「一緒じゃねーか!!」

――「急いで帰らなきゃ!」
A先輩「あっしもその辺の漫喫潜って原稿書きますわ」

ディレクター「おう、忙しそうだな。お疲れ~」

こうして俺とA先輩は足早に駅へ向かった。

A先輩「ラッシーが締め切りに追われるとはね」
――「…イヤミですか?」

A先輩「いやいや、違うって」
――「冗談ですよ。原稿じゃなくラフの締め切りです」
 

ラフとは?
誌面の設計図のようなもの。これの作成が誌面作りにおいて最も大変。現代ではPCを用いて作成する人も多いが、当時は手描きが主流だった

A先輩「ラフ? 編集やってんの?」
――「そうです。Kが増刊で出るんで」

攻略誌「K」
攻略誌「H」同様、ラッシーが出入りする編集部で制作している攻略誌。パチスロ市場の冷え込みに伴い、2009年頃に一旦休刊となっていた

A先輩「マジで? K復活すんの」
――「いや、月刊化ではないですよ。単発の増刊的な感じで」

A先輩「それでも良かった。パチスロが盛り上がってきた証拠かな」
――「そうスね。それでヘルプでエウレカの編集を担当してます」

A先輩「なるほど。そりゃ大変だ」
――「ホントはAさんとゆっくり飲みたいけど、またの機会に」

A先輩「おう、落ち着いたらまたね」
――「ありがとうございます!」

改札を通るとスグにA先輩と別れ、下りの急行に飛び乗った。
 

クソみたいな日常。

町工場のある角を曲がれば、古ぼけたマンションが見える。2階の自宅に目をやったが、灯りは点いていなかった。

――「そういや、友達の家に遊びに行くとか言ってたな」

玄関を開け自宅に入ると、経験したことのない静けさに寂しさを感じた。小さな部屋だ。俺が帰宅するときは、いつもカミさんがいてくれる。

しかし、今はむしろ好都合。明日の朝までに6ページのラフを切る必要がある。1人のほうが集中できるに違いない。そう思い、ラフの準備をしていると自宅の固定電話が鳴った。

固定電話ということは、デザイン会社からの催促ではない。概ね何かの勧誘だろう。そう思い目をやると、液晶には「○○クリニック」の文字が浮かんでいた。

スグに悟った。
イヤな電話だ。

俺は奥歯をギュッと噛み受話器を取った。

――「はい、もしもし」
女性「五十嵐さんのお電話で間違いないでしょうか」

――「はい、そうです」
女性「旦那さんの○○さんですね?」

――「はい、間違いありません」
女性「私、○○クリニックの○○と申します」

――「はい…」
女性「あの~、大変残念ですが…」

やっぱり。もう聞き飽きたパターンだ。

女性「今回も細胞分裂が止まってしまいまして」
――「……そうですか」

女性「でも兆候としては悪くないんです」
――「はあ、そうなんですか?」

女性「このまま続けていけば、近いうちに…」

簡単に言ってくれる。20万だ。この電話を受けるたび-20万。今にも溢れそうな溜め息をグッと堪えた。

――「では、来月もお願いします」
女性「えーと…奥さまは御在宅で?」

――「いえ、今日は外出してまして」
女性「そうですか。……精神的に堪えているかもしれないので、1~2ヶ月休んでみるのもアリだと思います」

――「………家内と相談してみます」
女性「それがいいと思います。それでは失礼いたします」

受話器をやや乱暴に置いて、仕事用の椅子に体重を預けた。

いくらだ? いくら失った?
子どもを作ることが、こんなにも難しいなんて。誰も教えてくれなかった。誰一人だ。

俺たち夫婦は、もう1年以上不妊治療を続けている。体外受精のチャンスは月に1回。金額は1回あたり20万強だ。最初の数ヵ月は費用を数えたが、半年ほど経過した頃、数えるのをやめた。

これは呪いか報いか

そんなことばかり考えてしまう。 同業の先輩には、同じく不妊治療に苦しんだかたが多かった。数年に亘りチャレンジし、やっと授かったという人もいれば、諦めた人もいる。

昔、恩師の1人が言っていた。「娯楽を仕事にする者は、そのぶん何かを犠牲にしなきゃいけない。たとえば人並みの幸せとか」。

大好きなパチスロを仕事にしてしまった報いなのだろうか。すがれるものには、何にだってすがった。遠方の神社にも行ったし、効くか分からない漢方にも手を出した。タバコもやめた。

それでもなお気配がない。

検査結果によれば、双方の身体に問題はないらしい。医師は白衣を纏いながら、真剣な目をして言った。「あとは医学より奥の領域。授かるか否かは、神のみぞ知る領域です」と。

考えている余裕はない。明日の朝までにラフを6ページ。たかが6ページだが、パチスロ攻略誌の6ページはとてつもなく重い。ミリ単位まで作り込む作業なのだ。

気を取り直し、PCの電源を入れる。まずは必要な資料を集める必要がある。が、その前に一瞬だけブログを見ることにした。

攻略誌を制作する編プロに促されるまま作ったブログ。現代のSNSのように気軽ではなく、投稿するにはいちいちログインが必要だった。おまけに編プロの検閲も入る。その手順が面倒で、更新頻度は低かった。

――「んー、今日も来とるなぁ」

「残念ながら長年契約していたCSを解約することにしました。アナタが出ていると不快で耐えられません」

「本当にお願いです! 2度とテレビに出ないでください。吐き気がします」

「無名のライターがテレビ出て意味あんの? 売れてるヤツ以外いらねーだろ。辞退しろカス」

「おまえおもんないなー。センスないで。田舎帰れ」

罵詈雑言の嵐。それをIPアドレスごとコピーし、淡々とテキストにペーストしていく。そのテキストも、読み切れないほど溜まってしまった。
 

罪。

この時期は、まさに「ライターバブル」と揶揄されていた頃。例に漏れず俺の収入もピークを迎えていたが、その稼ぎかたがいわゆる世間の言う「ライター」とは違ったように思う。

月に数十ページ、多ければ3ケタに上るページ数の原稿を書いた。そして昼夜を問わずラフを切る。さらに無理矢理スケジュールをこじ開けて収録へ。

収録は多くても月に3本。いわゆる来店はほとんどなく、年に10回もないくらい。

それでも俺の立ち位置はコレでいいと思っていた。いわゆる「演者」に比べれば、仕事の単価はかなり安い。来店ギャラなら2ケタ違うこともあった。

だからこそ、数をこなすほかない。ひたすらキーボードを叩き、ペンを走らせる。もちろん寝る間を惜しんで実戦にも出掛けた。

身体がボロボロになるまで働いても、ブログを開けば罵詈雑言の嵐。この世界では、無名だというだけで罪らしい。

――「関係ねっか。今は金が要る」

ハッキリと口に出し、テキストを保存して閉じた。次いで文具とレイアウト用紙を用意し、作業机に向かった――。


5時間後――
バタンとドアが開き、フラフラとカミさんが入って来た。

カミさん「ただいま…」

声に元気がない。

――「おかえり。遅くて心配しちゃった」
カミさん「…うん」

――「どうかした?」
カミさん「今日…今日ね…友達に赤ちゃん生まれたから…お祝いに行ってきたんだ」

――「うん、そういえば朝言ってたね」
カミさん「すご…スゴい…可愛くて…」

――「ちょ、な…泣いてんの?」
カミさん「なんで? なんでウチには…」

――「・・・・・」
カミさん「なんでウチには来てくれないの? ねえ、なんでよ!!」

――「うん、そうだね…」

カミさんが取り乱した姿を見たのは初めてだった。ガラではないが、抱き寄せて背中をさすった。

カミさん「私が何したって言うの? なんでよ…」
――「何もしてない。何もしてないよ。まだ順番を待ってるんだよ」

カミさん「順番?」
――「赤ちゃんが順番待ちしてんの。自分の番が来るのを」

カミさん「ホント?」
――「ホント。俺は見えるもん。ウチにも必ず来てくれる!」

カミさん「うう…うん…」
――「来るよ、必ず。だから慌てないで待ってあげよう」

カミさん「うん…分かった」

カミさんは、俺が思っていたよりずっと思いつめていたようだ。長男に嫁いだ9つ上の女。そんな重圧もあったのだろう。

この世は、なぜこんなにも厳しいのか。俺だって泣きたかった。頑張っても報われない世界などクソだと思った。

とても「今月もダメだった」などと言える空気ではなかった。俺はラフの締め切りを再び無視してしまう覚悟を決めた。

きっと先輩方も同じような経験をしたのだろう。普段は誌面やテレビでおどけて見せているライターにも、それぞれ家庭があり、誌面やSNSには書けない事情を抱えているのだ。
 

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ラッシー
代表作:パチスロワイルドサイド -脇役という生き方-

山形県出身。アルバイトでCSのパチンコ・パチスロ番組スタッフを経験し、その後、パチスロ攻略誌編集部へ。2年半ほど編集部員としての下積みを経て、23歳でライターに転身。現在は「パチスロ必勝本&DX」や「パチスロ極&Z」を中心に執筆。DVD・CS番組・無料動画などに出演しつつ、動画のディレクションや編集も担当。好きなパチスロはハナビシリーズ・ドンちゃんシリーズ、他多数。

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