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パチスロワイルドサイド-脇役という生き方-

パチスロワイルドサイド-脇役という生き方-

2020.08.18

残り物は119%~初代・緑ドン~

ラッシー ラッシー   パチスロワイルドサイド-脇役という生き方-

ケータイのバイブで目が覚めた。アラームを止め窓の外に目をやると、大きなマンションやオフィスビルはすっかり姿を消し、線路沿いに戸建ての住宅が整然と並んでいた。

――「もうすぐか……」

まぶたをこすり、荷をまとめる。時計に目をやると、自宅を出てから2時間が経過していた。

――「………(ココまで来て負けるとかイヤだな)」

電車がスピードを緩めるにつれ、緊張は次第に高まった。名店とは聞いている。しかし、それだけウワサされるということは……。

電車は音もなく静かに停まった。案の定、ドアをくぐると熱風に襲われたが、気力を奪われるわけにはいかない。俺は一歩一歩を踏みしめるよう、力強く歩を進めた。

 

挑戦権ナシ。

目的のホールは駅からスグだった。店舗に近づくにつれ大きくなる人の声。しかし、正面入り口の前に人影はなかった。そのまま声がする方へ向かうと……

――「な……なにコレ!?」

店舗裏手の駐車場に長蛇の列! さながら元日の明治神宮だ。

――「………(この規模の駅でこんなに!?)」

いかに優良店であろうと、台を選べないようでは意味がナイ。そもそも台を確保できるのかさえ不明だ。とはいえ、引き返すという選択肢はない。とりあえず抽選の列に加わると……

???「おう、ラッシーおはよう!」

同じ攻略誌「H」の先輩ライターTさんだった。

――「おはようございます! しかしエラい人数ですね」
Tさん「そうなんだよ。台が取れるかどうか…」

この日は攻略誌「H」の花形であるバトル企画の実戦だった。バトルは1シーズン=6ヵ月(6回)区切りとなっており、その総収支で優勝者を決める。毎月の実戦ホールは編集部によって決められ、参加ライターは期間中(1週間程度)の好きな日に実戦して構わない。要するに立ち回れる通常営業を狙うか、高設定を掴みやすいイベント日を狙うかは参加ライターに委ねられているわけである。

――「メイン機種は難しそうですね」
Tさん「だな。あ、あとKも来てるぞ」

――「K?  あいつも今日実戦だったか」

Kも攻略誌「H」のライターだ。数年後輩にあたり、まだライターになって間もない。俺と同じく編集部員として採用され、下積みを経てライターに転身したばかりだ。彼が編集部員だった頃にも一緒に仕事をしたことはないため、初対面のような微妙な空気がずっと続いている。

まあ、この人混みではなかなか見つからないだろう。わざわざ探す必要はない。まずは入場抽選で「戦える番号」を引くことが重要だ! そして入場抽選の結果は――

187番

パチスロ専門店で設置は300台強。並びも300人強だったので、半分よりやや後ろといったところか。やはりメイン機種は難しそうだが、台を取れないという最悪の事態を避けられたことに少しだけ安堵した。

が、ココからが本当の勝負。わざわざ混みあうイベント日を選んだには理由があった。

今シーズンのバトルも残りわずか。上位につけているならムリに勝負をかける必要はないが、下位なら少々ムリをしてでも一発逆転を狙う必要が出て来る。俺はこのシーズンも定位置の最下位争い。ドデカい勝利を狙いには、イベント日を狙うほかなかったのである。

抽選から再整列までには時間がある。ケータイで設置ラインナップを睨んでいると、Tさんが駆け寄って来た。

Tさん「おう、何番だった?」
――「187番です」

Tさん「まあ、そうなるわな。俺も」

恥ずかしそうに入場整理券を差し出すTさん。

Tさん「166番だったわ」
――「まあ、あぶれないだけマシですね」

Tさん「だな。なに狙うよ?」
――「いや~、爆裂狙えるなら何でも」

Tさん「俺は堅くノーマルだな~」
――「ええ? イベント日なのに?」

Tさん「バッカ! イベント日だからこそだろ?」
――「そりゃそうですが……」

Tさんは徹底して防御重視のプレイヤーだ。いわゆるハイエナとノーマルタイプの稼働がメイン。もちろん高設定狙いも上手だが、とにかく堅い勝負を好む。バトル企画でどれだけ追い込まれようと、Tさんの立ち回りは一切ブレない。

――「お互い頑張りましょう!」
Tさん「おう、首位争いに食い込みたいしな」

――「俺だってココから浮上して……」
Tさん「は? 暫定最下位のラッシーが?」

――「ちょ、だからこそ勝負をかけるわけじゃないすか!」
Tさん「その大振りがラッシーらしいんだよな~」

――「完全にバカにしてるじゃないすか!!」
Tさん「じゃ、そろそろ並ぶわ」

――「クッ……泡吹かせたる!!」

とは言ったものの、187番で何を確保できるだろう。ART機が覇権を握って久しいが、出玉率の高いART機となると狙うべき機種は絞られる。本命は緑ドン(初代)。対抗がバジリスク(初代)。一撃を狙うならBLOOD+や新鬼武者もアリだが……。

そのとき、周囲の客の声が聞こえてきた。

客A「この番号じゃ緑ドン取れねーな」
客B「俺も緑ドン狙いだったのによ~」

やはり1番人気は緑ドンらしい。出玉率は設定6で約119%にのぼるうえ、設定5も110.6%と他機種の設定6に引けを取らない。

――「………(早い番号さえ引けていれば)」

もはや選んでいる余裕はナイ。目に入った出玉率や一撃性の高い機種を確保するしかない!

 

養分のお手本。

午前10時、開店――

シマ図を正面入り口で確認して店内へ。案の定、入り口付近のART機は、ほぼ満席状態だ。これは厳しい戦いになりそうだ。見るまでもなく緑ドンも満席だろう。もはや「勝負できる機種」は埋まったと判断すべきだ。それなら諦めもつく。ダメ元で緑ドンのシマを覗き、それからバラエティーコーナーにでも行けばいい。そう思い緑ドンのシマへ向かったが……。

――「ま、マジか!!!」

緑ドンのシマにポツリと1台だけ空き台があるではないか!! 反射的に確保する俺。
 

▲5号機「緑ドン~花火の起源探求之巻~」(エレコ)


↓初代・緑ドンの過去記事
※第3話『迷路』~初代緑ドン
※第4話『氷解』~初代緑ドン

 

……でもだよ? 俺の前に186人も入場し、唯一避けられた緑ドンだ。もちろん俺のような「一見さん」もいるだろうが、ほとんどは常連客と思われる。彼らが一様に避けた台だ。理由は分からないが「ココには絶対入らない」という根拠があるのだろう。

捨てるか――、しかし――。

――「(まあ、とりあえず打ってから考えるか)」

俺のこういうところだ。この「とりあえず」の結果が万年最下位なのだ。ホールと常連客からしたら、お手本のようないい養分じゃないか! だが、もはや187番入場の俺に選択権はナイ。養分だって上等じゃねーか!!

半ばヤケでサンドに一万円札を突っ込むと、ポンポンと肩を叩かれた。振り返ると、そこにはニヤケ顔の後輩Kが立っていた。

後輩K「おはようございます」
――「おはよう」

後輩K「緑ドン取れたんすね」
――「んー……取れたというか1台だけ空いてた」

後輩K「ラスト1台ですかwww」
――「ちょ、今バカにしたろ?」

後輩K「そんなことないですよw?」
――「いや、半笑いじゃねーか! Kは何取ったの?」

後輩K「僕は『押忍!操』の狙い台です」
――「狙い台? 抽選何番だったの?」

後輩K「39っすね。今日はグランドクロスだから……」
――「ぐ……ぐらんどくろす? 何ソレ?」

後輩K「タテ1列が全6で、ヨコ1列も全6の……」
――「はあ? 何ソレ、アツすぎぃ!!」
 

イベント「グランドクロス」
ホール内のシマは綺麗な四角形に並んでおり、そのうちのタテ1列+ヨコ1列のどこかが全6になるというイベント。シマ図を俯瞰(ふかん)でみると十字型に設定6が入るため、グランドクロスと名付けられていた。


グランドクロスの例
○○○●○○○○○○
○○○●○○○○○○
○○○●○○○○○○
○○○●○○○○○○
●●●●●●●●●●
○○○●○○○○○○
○○○●○○○○○○


後輩K「このホールにいる人、ラッシーさん以外みんな知ってますよ」
――「マジかよ……(Tさん黙ってたな)」

後輩K「まあ、せいぜい頑張ってください。残り物の緑ドンで」
――「クッ……」

後輩K「僕はこの辺にもプロの知り合いが多いんでね。彼らと考えた結果、今日は操の○番台を狙ったわけです」
――「お、おう……そうか。ガンバッテね」

笑顔で立ち去るK。……勝てるわけねえ! 関東圏のどこに行ってもプロとの情報ネットワークを持っているK。そんなヤツに、テキトーに空き台に座る俺が収支で勝つなど不可能だ。

なるほど。出玉率の高い緑ドンは、まず「ヨコ1列」の全6になる可能性が低い。それゆえ常連プロが避けたのだろう。残るは「タテ1列」の全6がドコかだが…他の客が避けたところを見ると、この台はその可能性も最も低いのだろう。

「養分だって上等じゃねーか!!」

そう息巻いていたが、すっかり気持ちは萎えていた。今回も大敗になる。そんなイヤな予感が脳を支配した。

 

混沌。

4時間後――

――「どこが当たりなんだ…」

案の定、緑ドンは全6ではなかった。すでに打ち手が変わった台も多い。それでも空き台がスグに埋まるのは「タテの1列」が判然としていないためだろう。

緑ドンにも1台は設定6が存在するハズ。しかし、出ている台が複数あって特定が難しい。もちろんほかのシマの出ている台もチェックしているが、緑ドンの出ている台とはタテ並びになっていない。

――「グランドクロスとかガセじゃねーのかよ」

俺の台は高確移行率から察するに偶数設定だ。高確移行は静止画面(※ドンちゃんの動きが止まった画面)移行率から判別可能。高確に移行すると5G程度の「前兆」が発生し、その前兆終了時になおも高確が続いていれば87.5%と高い割合で静止画面へ移行する。
 

低確滞在時 高確A・B移行割合
設定 弱チェリー 弱・強山
1・3・5 25.0% 15.6%
2・4 37.5% 20.3%
6 40.6% 26.6%

低確滞在時 静止画面移行率
設定 弱チェリー 弱・強山
1・3・5 1/6.1 1/9.7
2・4 1/4.0 1/7.4
6 1/3.6 1/5.5


弱チェリー成立後の静止画面移行は、奇数設定が6回に1回程度。対する偶数設定は4回に1回程度。俺の台は1/4を上回っているため、まず偶数設定と見ていい。

つまり、設定2も散らしてあると予想される。それゆえART初当たりの優秀な台が多く、設定6を特定しづらい状況になっていたのだ。

そのとき、明らかに低確らしき状況下でBIGが当選。BIG終了後は必ずCZへ移行し、そこで押し順を当てて突入リプレイが揃えばART「万里遊戯(ゲーム)」に突入する。ボーナス当選時点でARTが当選すればCZで押し順ナビが発生し、必ずARTに突入するというわけだ。もちろん自力で押し順を当てた際もARTに突入する。

仮に設定が2であれば、低確BIGでのART当選率は2%強。設定が4であっても3.5%程度だ。まず当たらないと思っていい。自力で押し順を当て、どうにかARTにブチ込むしかない。まあ、自力で入れたARTはロング継続を期待できないが……。

が、予想に反しBIG後のCZで押し順ナビが発生!

――「マジか! 薄いとこ引いた」

BIG成立時の状態が低確とは言い切れないが、しばらく移行役である弱チェリーも強・弱山を引いていない。加えて静止画面はおろか高確を示唆するような演出も一切なかった。まず低確と見ていい。やはり2%強or約3.5%を引いたのだろう。

――「いや~、助かるなぁ」

朝イチから低投資で喰いつき、たまたま自力で捻じ込んだARTが連チャン。その後もBIGとART初当たりに恵まれ、出玉はすでに1,800枚を超えている。ART開始前に2箱目のドル箱へ出玉を詰めていると……

後輩K「それ誰の出玉ですか?」
――「ん?」

後輩K「そのドル箱、誰の出玉預かってるんですか?」
――「………は?」

コイツは何を言っているのだろう。冗談として受け止めるべきだが、まだ冗談を言い合うほどの仲ではない。加えてKは真顔である。

――「俺のに決まってんだろ」
後輩K「その台、当たり(設定6)なんじゃないですか?」

――「いやいや、この出玉はさっき自力で……」
後輩K「でも今のBIG低確でしたよね?」

――「見てたんかい! そうだけど…」
後輩K「ロケット行かなきゃ6挙動じゃないですか」

低確ボーナスからのART当選率は、設定6のみ大きく優遇されている。BIGもREGも12.5%強だ。だが……

――「知っとるわ! 緑ドン担当ライターだぞ?」
後輩K「それは知ってますけど」

――「最後まで残ってた1台が6なんて、そんなウマい話ねーよ」
後輩K「そうですね。この列は僕もノーマークでしたし」

――「まあ、適当に頃合い見てヤメるさ」
後輩K「僕もどうやら6じゃなさそうなので」

――「そうか……まあ頑張って」

やはり事前に情報を収集しても、ピンポイントで全6列を当てるのは難しいようだ。適当に座ったこの台も、まだ可能性は残っている。タテ1列が判然とするまで、もう少しだけ粘ってみよう。そう思ったのだが―――。
 

天の恵み。

さらに5時間後――。

後輩K「もう決まりですね」
――「うん、間違いないね」

俺の頭上にはカチ盛り4箱。4時間前のARTが超ロング継続に発展し、それが終わったあともART初当たりが軽い。

後輩K「低確ボーナスからのCZ押し順ナビでしょ」
――「3つの特定ボーナスも6の値を超えてるし」

後輩K「高確CZでの2択or完全ナビ発生率も高い」
――「あと、さっきの低確BIGからのART。あれ特殊抽選に当たったっぽいな」

後輩K「ですね。40%継続じゃ続きませんもん」
――「だね。普通の低確BIGでの当選なら40%継続だから」
 

ボーナス成立時の特殊抽選
ボーナス成立時は状態を問わず、必ず特殊なART抽選が行われる。この抽選に当選した場合、ARTの継続期待度は70%からスタート。ちなみにARTの継続期待度(=モード)は40%・70%・88%・94%・ロケットの5段階で、ロケットなら次回ボーナス成立までの継続が約束される。

ボーナス成立時 特殊抽選当選率
設定 当選率
1 0.8%
2 0.9%
3・4 2.8%
5 5.8%
6 15.6%


まさにお手本のような6挙動! どの推測要素も設定6を示しているのである!!

後輩K「僕はノルマの5,000G回したんで、先にお暇します」
――「マジ? やっぱり操ダメだったか」

後輩K「はい。まあ、昼の時点で僕の台のタテ1列が弱かったんで」
――「そうか……」

後輩K「台移動もしたんですけど、もうタテ1列も見えちゃいましたし」
――「なんかゴメンね」

後輩K「いえいえ……逆に諦めついたんで」
――「そういえばTさんは?」

後輩K「とっくに帰られましたよ。結構苦しそうでしたね」
――「この稼働じゃな。みんな上手いからエナもできないし」

後輩K「ですねー。さて、テキトーに空き台座った人にツモられて悔しいけど帰ります」
――「言うなよ、事実だけど! 先輩だぞ」

後輩K「ハハハ…事前に準備してもノープランの人にツモられる。この理不尽さも面白いんですよね」
――「ほー、勝ち組でもそんな気持ちがあるんだね」

後輩K「いや、めちゃくちゃ悔しいですけどね」
――「ハッキリ言ってくれる。負け組からしても、こういうラッキーがたまにはないとな」

後輩K「そうですね! では失礼します」
――「おつかれ~」

その後、俺は閉店近くまで粘り続け5,000枚超の出玉を獲得。収支も+10万円を超える大勝利だった。まさかたまたま空いていたラスト1台が設定6だとは! まあ、この快勝があってもバトルの順位は下位のままでしたがね……。

この日1番の収穫は出玉ではなく、後輩Kとの距離が縮まったことかもしれない。

事前準備をしっかりしてもツモれず、逆に意図せずツモれちゃうこともある。その不確実性もまた、パチスロの面白いところなのだ。
 

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ラッシー
代表作:パチスロワイルドサイド -脇役という生き方-

山形県出身。アルバイトでCSのパチンコ・パチスロ番組スタッフを経験し、その後、パチスロ攻略誌編集部へ。2年半ほど編集部員としての下積みを経て、23歳でライターに転身。現在は「パチスロ必勝本&DX」や「パチスロ極&Z」を中心に執筆。DVD・CS番組・無料動画などに出演しつつ、動画のディレクションや編集も担当。好きなパチスロはハナビシリーズ・ドンちゃんシリーズ、他多数。

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