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パチスロワイルドサイド-脇役という生き方-

パチスロワイルドサイド-脇役という生き方-

2020.01.07

攻略誌のウラ~続・赤ドン~

ラッシー ラッシー   パチスロワイルドサイド-脇役という生き方-

落ち着いたメロディーが微かに鼓膜へ届き、ふと我に返った。車窓には見慣れない景色が広がっている。あいにくの曇天だが、それでもその街は眩しく見えた。知らない街への期待感からか。それとも、この状況のせいだろうか。

「まもなく名古屋です。降り口は…」

急いで耳栓を外し、ノートPCの電源を落とした。次いで幾つにも重なったラフ(※)をクリアファイルにまとめる。それらをリュックへと押し込むと、すぐさま席を立った。

※誌面・ページの設計図

新幹線の「のぞみ」なら、東京⇔名古屋間は約1時間40分と実際短い。しかし、このときの俺には30分ほどに感じられた。まさにあっという間だ。

楽しい旅になるだろうか。それとも…。

ドアが開きホームへ降りると、すぐに冷たい風が頬を刺した。もっと厚手のジャケットにすべきだった。そう後悔しつつ、背中を丸め足早に出口へ向かった。
 

若気の至り。

駅を出るとケータイで連絡をとり、A先輩・Hくん・U氏と合流した。誌面企画「M」は相変わらず低調だったが、テコ入れを繰り返しつつどうにか続いている。それを祝し派手に旅打ちでもしたいところだが、そこはやっぱり不人気企画。予算が全くおりない。ならば自腹で地方に行ってしまおう…といったノリだった。早い話、編集部の目が届かない地方で羽目を外したかっただけである。

しばらくするとパチ7でもお馴染みとなったマコトさんが合流。マコトさんは愛知出身ではナイが、ご実家が愛知県内へ引っ越したらしい。

まずはマコトさんの案内で名古屋市内のホール巡り。実戦は翌日だが、誌面企画の内容が「メールを用いてのホール攻略」なので、まずは多数のホールのメール会員になる必要があった。

それを終えると、スグに名古屋料理店で大宴会! つまるところ、仕事のテイをした旅行である。

Hくん「じゃあマコっちゃん、そろそろ案内頼めるかな?」
マコトさん「いやいや、俺あんま詳しくないし」

A先輩「またまた~、チョロっと栄まで案内してくれれば」
マコトさん「だから両親が愛知に引っ越しただけで…」

当時のHくんとA先輩の職業は、紛うことなき「遊び人」だった。翌日の誌面実戦なんてオマケみたいなもので、当然メインは夜の街である。

Hくん「ほら、ラッシーもそろそろ出撃準備しろよ」
――「いや、俺行けないんだ」

Hくん「はぁ? 名古屋まで来て何言ってんの?」
A先輩「ラッシー、ここまで来てそれはナシだ」

U氏「つまんねーヤツだな」
――「いや、アンタ編集じゃねーか! 止める役割!!」

A先輩「いいかラッシー、男はみな戦士なんだ。戦士はしっかり休息をとるのも…」
――「ありがたい話は今度聞きます」

A先輩「なんだよ、つれないな」
――「今日・明日がヤマなんですよ」

U氏「そういや原稿がどうとか言ってたな」
――「そうなんすよ。ホテルに籠って書かなきゃ」

A先輩「大丈夫だって! 俺から編集部に言っとくから」
――「ヤメて! 自力で取った一冊本の仕事なんで」
 

一冊本とは?
1冊丸ごと1機種のみを扱う特集本のこと。現代ではほとんど見られなくなったが、昔は人気機種の一冊本が多数の出版社から発売されていた。この一冊本が出るか否かが、人気機種か否かの1つのバロメーターでもあった


 

奇襲。

名古屋行きの数日前。俺は編集部で熱弁をふるっていた。当時はちょうど「ワイルドサイド第1話」の時期。赤ドンの「ドンビッグ攻略」を発見した直後である。その有効性をやっと編集部内で認められた頃だった。

多数の編集部員に囲まれドンビッグ攻略を詳解していると、そこへフラリと編集Iがやって来た。Iは編集歴で言えば後輩にあたるが、年齢は俺よりいくつか上。その真面目な仕事ぶりが評価され、いよいよ赤ドン一冊本の編集長を任されたとのウワサだった。そう、あくまでウワサである。

普段なら一冊本の原稿は担当ライターに一任される。つまり赤ドン一冊本なら、担当ライターである俺が書くことになる。「確定」ではないものの、それが当たり前だった。しかし、一冊本が発売されるというウワサだけは聞いているものの、一向に話が来ない。

ライターにとって一冊本は大きな収入源だ。ページ単価は普段の攻略誌より安いが、ウン十ページ、ときには100ページを超えることもある。要するに総額ウン十万の案件なのである。ある意味では、これがフリーランスである俺らにとってのボーナス的な存在だった。

依頼が来ないことに痺れを切らし、仲が良い編集に探ってもらうと…

編集「たしかに一冊本は出ますね」
――「つまり…ライターは俺じゃないと?」

編集「ええ、全て〇〇さんが書くようですね…」
――「は? 赤ドンと関係ないのに?」

編集「ええ。どうやら〇〇さんが編集長のIに書かせてくれと言ったようです」
――「な!!? マジで…」
 

喰うか、喰われるか。

〇〇さんは、俺にとってもIにとっても大先輩にあたる。Iには断ることなど到底できない。いや、そもそもIと〇〇さんが繋がっていた可能性もある。いずれにせよ確かなのは…

先輩に仕事を取られた
という事実。

〇〇さんは俺に優しかった。頼りになる先輩だった。でも結局は同じフリーライター。攻略ライターなのだ。どんなに仲が良くても「ライバル」なのである。

喰うか、喰われるか。

俺は気付かぬうちに喰われていたらしい。
 

フリーの意地。

編集Iは疲れた様子だった。一冊本の制作に追われているのだろう。はじめはボーッと煙草を吸っていたが、赤ドンのワードが耳に入ったらしく、俺らの輪に入って来た。

I「赤ドンの話?」
――「そうだよ」

I「なんかネタ上がったの?」
――「ああ、上がった」

I「どんなのか聞かせてくれない?」
――「設定推測が劇的に早くなる手順」

I「え? 今、赤ドン一冊本作ってて…」
――「知ってるよ。だから言わない」

Iは同じ編集部の後輩である。しかし、今は敵なのだ。

I「なんでよ、同じ編集部なんだからさ」
――「違うね。俺はフリーなんだよ。俺が自分のカネで見つけたネタなんだ。誰がみすみすタダでやるかよ」

I「そんなデカいネタなの?」

俺の話を聞いていた編集部員は一様に頷いている。

I「なら、なおさら一冊本に入れなきゃ!」
――「依頼したライターが見つけりゃいい話だろ? 俺は提供しない」

I「そんな! もうページ作り直すなら時間が…どうしたら教えてくれる?」
――「カネだよ。カネ以外に解決法なんてナイ」

I「カネって」
――「そりゃそうでしょ。原稿も振らずネタだけもらおうなんて許さない」

I「…ちょっと考えさせて」
――「あ、はした金ならお断りします」

I「…分かったよ」

そう言い残し、Iは自分のデスクへと帰って行った。
 

終戦。

数時間後――
Iが再び俺の元へやって来た。右手に台割(※)の紙を持って。

※ページの割り振り

I「じゃあ原稿をお願いします」
――「ありがとうございます、編集長」

I「ネタの内容は?」
――「BIG中に関する設定看破だね」

I「じゃあ…BIG中の基本説明と設定看破」
――「うん」

I「あと演出解説で…50ページでどうかな」
――「了解です(そんなくれんの?)」

I「ギャラはボックスで〇十万で」
――「オーケー! じゃあネタの説明に入ろうか」

こうしてウン十万の商談が成立。かくして俺は一冊本の原稿の6割を書くことになった。〇〇さんにお会いしたのは、それから半年以上あとのこと。「まさかゴッソリ仕事持っていかれるとはな。コワいヤツだよお前は」と笑っていました。思いのほか怒ってはおらず、俺の仕事に対する執念に少し引いていた印象でしたね。
 

名古屋の思い出。

再び名古屋料理店に話を戻そう。

U氏「赤ドン一冊本か。ぼちぼち校了近いもんな」
――「そうなんすよ。明後日には初校揃えないと」

Hくん「もう帰れ帰れ! 仕事の話なんて聞きたくねーんだコッチは」
――「名古屋来たのも(一応)仕事だろ!」

Hくん「Aさんはもちろん朝まで行きますよね」
Aさん「おうよ! ともに死地へと向かおうぞ、友よ」

Uさん「じゃあコッチはテキトーにやっとくから、明日の朝8時にホテルのロビー集合ね」
――「了解です」

マコトさん「じゃあ俺も帰りまーす(小声)」
Aさん「マコっちゃん、そりゃないよ~」

Hくん「おいマコト! ふざけんな!」
マコトさん「いや呼び捨て! 俺、先輩だぞ」

そんなやりとりを尻目に1人でホテルへ。部屋に入るなりPCを立ち上げ、耳栓をしてラフを広げた。ホテル内は無音に近いが、それでも薄ら街の喧騒が聞こえる。それすらも断ちたかった。目標は明日の朝までに12ページ。1ページあたり40分で書き上げれば可能なハズだ。


翌朝8時――
ホテルのロビーで待っていると、フラフラとA先輩・U氏の2人がやって来た。

――「フラッフラじゃねーか!」
A先輩「ふ~、燃え尽きちまったぜ」

――「さ、酒くさっ!!」
U氏「あれ? Hくんいねーな」

A先輩「絶対寝てますよ、あやつは」
U氏「まあな、5時まで遊んでりゃな」

――「5時!? あの耳栓しててもデカい音聞こえたのアンタらなの?」
A先輩「ああ、召喚したお姉さんたちかな? 俺寝ちゃったから分からないけど」

――「召喚て! RPG風に言うな!」
U氏「ちょっとHくん起こしに行ってくるわ」

そこでU氏が見たのは…とてもネット上には残せないので割愛!! U氏がその写真を誌面に載せ、編集長から叱られたのは言うまでもない。そしてHくんも誌面を見たお父さんから大層怒られたそうな…。


目が開かないHくんと、再びボランティアで来てくれたマコトさんを加えミーティング。そしてメールからホールを選び、いざ実戦へ。

俺はマコトさんに教わりつつ「デビルメイクライ3」を堪能。結果、ほぼ全員が大負けでしたね。やはりメールを頼りにするとはいっても、知らない土地でいきなり勝つのは難しい。というか、もう途中からみんな趣味打ちしていたし。改めて思い返してみても、これただの旅行でしたわ。


そして夕方――
仕事に追われている俺だけが先に帰ることに。

――「ではお先です。お疲れっした!」
A先輩「おう、栄の平和は俺たちに任せとけ」

Hくん「あ~頭痛い」
マコトさん「もう俺も帰っていい?」

Hくん「マコトはダメだ!」
マコトさん「また呼び捨て。先輩なんだけどな~」

こうしてマコトさんを犠牲にし、俺の名古屋遠征は終了した。1人で名古屋駅に向かい、ホームで「立ち食いきしめん」を食べたのち新幹線に飛び乗った。もちろん席に着くとスグにPCを立ち上げた。

この2日間で書き上げたページ数は合計26ページ。途中の実戦を抜くと、およそ18時間で26ページだ。これほどハイペースで原稿を書いたのは、後にも先にもこの1度きりである。

原稿・名古屋飯・原稿・実戦・原稿…

あれ? 俺なんのために名古屋まで行ったんだろう。いや、みんなが和ませてくれたからこそ、原稿のヤマを乗り越えられたのかもしれない。今となってはいい思い出です。

今度は原稿に追われていない状況で旅打ちに行きたいなぁ。召喚は………しませんよ? た、たぶんね…

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ラッシー
代表作:パチスロワイルドサイド -脇役という生き方-

山形県出身。アルバイトでCSのパチンコ・パチスロ番組スタッフを経験し、その後、パチスロ攻略誌編集部へ。2年半ほど編集部員としての下積みを経て、23歳でライターに転身。現在は「パチスロ必勝本&DX」や「パチスロ極&Z」を中心に執筆。DVD・CS番組・無料動画などに出演しつつ、動画のディレクションや編集も担当。好きなパチスロはハナビシリーズ・ドンちゃんシリーズ、他多数。

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