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しくじり店長・第1話
しくじり店長・第1話
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元・店長カタギリさん
シルバ〇アファミリーみたいに小さなパチンコ店の責任者から一転、 雑巾がけがメインの業務となってしまった事務員へとグレードダウン。 そんな設定①のスランプグラフのような半生を、隔週水曜日に連載させて頂いております。 タイトルは「しくじり店長」。 パチ屋の店長が平社員へと降格していく逆サクセスストーリーを、 海物語シリーズの泡リーチを見つめるような気分でお読みください。 - 投稿日:2015/08/15 06:24
カタギリ少年、16歳。
高校に入学した私はすぐにスーパーで総菜を売るアルバイトを始めました。
同級生ともなじめずに居心地の悪い場所でしかない高校とは違って、
年齢の離れた人たちと一緒に働いてお金を貰えたその場所は、
自分が周りの奴らよりも少しだけ大人に近付けたような気がして、
とても居心地の良い場所でした。
退屈過ぎる授業が終わるとスグにスーパーへ向かって白いエプロンに着替えて、
ホットプレートで焼いた餃子を店頭に並べて熟女たちに売りつけたり、
賞味期限切れ間近のオカズに「50円引き」と書かれた赤いシールを貼ったり、
閉店後に売れ残った商品をゴミ袋に詰めたりするのが私の主な仕事でした。
そんな職場をまとめているのがマネージャーのエガシラさん(仮名)という、
今になって思うと顔が半裸で大暴れする某お笑い芸人に良く似ていた、
40歳ぐらいの独身男性でした。
このエガシラという男性、
肩書きこそマネージャーだったものの職場にいる時は、
ダンボールに座ってマンガを読んでいるか休憩所でタバコを吸うかの2択。
スーパーの店長が見回りに来ている時だけは素早くフロアに出て、
店頭の商品を名探偵のような表情で見つめて仕事をしている演技をするという、
サボリーマンアカデミー賞を受賞させたくなるようなオッサンでした。
店長がいなくなると再び倉庫に戻って、
週刊誌のグラビアページを凝視しているエガシラマネージャーを見て私は、
「こんな大人になんて、ならないよ絶対!」
と、
マッキーの歌っぽく強く心に誓ったのでした。
そんなエガシラさんではありましたが、
仕事の終わったパートのオバちゃん達と一緒に話をしている時だけは、
いつもの無気力な彼とはまるで別人でした。
大声で話すエガシラさんの声に傾けるとどうやらパチンコの話をしているようで、
「ドリームなんちゃらの連チャンが…」とか、
「フィーバーなんとかの保留玉で…」
といった魅力にあふれた未知のフレーズが、
次から次へと私の耳に飛び込んできたのです。
そして何よりも、
タバコを吸いながら夢中でパチンコの話をするエガシラさんは本当に楽しそうで、
その姿が将来の目標も持たずにただ退屈な学校生活を送っている自分には、
とてもうらやましく感じられたのです。
まあ、
パチンコの話を聞かされているパートのオバちゃん達が全員、
一刻も早く帰りたそうな顔をしていたのは気になっていましたけどね…。
それから数日後。
私がいつものように餃子を焼いていると突然、
いつものようにヒマそうな顔をしたエガシラさんが、
「そういえばカタギリ君ってさ、パチンコやらないのぉ?」
と、
「キミは納豆にネギ入れない派なの?」
みたいな軽い口調で尋ねてきたのです。
その質問に私はあわてて、
「いやいや、ボクまだ高校生ですから…」
と首を横に振って答えたのですが、
エガシラさんはそんなの理由にならないよ、とでも言いたそうな顔をしながら、
「え?
でもキミと同い年のヨコヤマ君はフツーにパチンコやるよ?
何でパチンコやらないの?」
と、
今度は少しバカにしたような口調で問いかけてきたのです。
私は再び、
「イヤイヤ、ボクなんてとてもとても・・・」
といった感じで再び首を横に振りましたが内心では、
「よし!
そこまで言われたらパチンコ打ってやろうじゃないの!!
…べ、
別にアンタの話が楽しそうだったから打つんじゃないんだからねっ!?
か、勘違いしないでよねっ!!」
と心の中で叫びながら、
少し焦げてしまった餃子を慌ててパックに放り込みました。
初めてのバイト先でのマネージャーとの何気ない会話。
これが私の右下がりパチンコ人生のスタート地点で、
後に3つのパチンコ店を潰すことになる不幸への第一歩なのでした。
そんなパチンコ大先輩であるエガシラさんと、
全国のパチンコファンの大人の皆様へ向けて、
この場をお借りして私がひとこと申し上げます。
「全国のパチンコファンの皆様!!
私のようなダメ人間を増やさないためにも、
どうか未成年者にパチンコをすすめるのはだけヤメてください!!」
…この後すっかりパチンコに、
さらに翌年にはパチスロにもハマってしまい、
授業中にVゾーンに玉が飛びこまれていく所を想像して過ごしたり、
ノートにスーパーバニーガールの中段チェリーのリーチ目の清書をしたり、
わずかなバイト代をスターライトという1発台に突っ込んだりするうちに、
成績は学年最下位にまで急降下。
そして今ではすっかり私も、
当時のエガシラさんみたいに仕事は適当、
パチだけには全力投球な大人になってしまいましたとさ。
最後にもう一度だけ言います。
未成年者にパチンコすすめちゃダメ、ゼッタイ!!
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元・店長カタギリさんの
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このコラムへのコメント(4 件)
ホント、パチンコ始めてからは勉学が全く身に付かなくなりましたからね…
大人の甘い誘惑には気をつけよう思います! ←もはや手遅れ
自分らの世代も大人のイロハを教えてくれる(悪い方ですけどね)親切なおじさん達がいっぱいいました‼︎
18歳未満でパチンコ店に入店するのは、今も昔もNGですねw
ただ昔は保護者同伴の場合は特に注意されなかったり、
未成年者っぽい子でもある程度は黙認したりと、
ゆるい雰囲気はありましたね。
今だとすぐに身分証明書で年齢確認を求めますね。
いずれにせよ大人がしっかりしないと子供はすぐダメになりますよ、
という私らしくないマジメなお話ですw
どっぷりハマって見境なく課金するのは未成年のようですし。。
ましてやリアルマネーが稼げてしまうんですから、さぞや魅惑でしょうね。
それにしても未成年OKだったのですね、昔は・・・。