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パチスロワイルドサイド-脇役という生き方-

パチスロワイルドサイド-脇役という生き方-

2019.05.14

『黒い海』~CRぱちんこジョーズ~

ラッシー ラッシー   パチスロワイルドサイド-脇役という生き方-


引き出しの水拭きを終え、横目でチラリと荷物を見た。登山用のリュックは今にもはち切れんばかりで、その隣には容量を大きく超え不細工に歪んだトートバッグもある。これを持って帰ると考えただけで気が重い。使い慣れたデスクは見違えるほど綺麗になり、さながら新品のよう。俺はしばらくの間、本来のグレーに戻ったデスクをぼんやりと眺めていた。

 

 

★順風。

2006年、夏。


2年半の編集部員生活が終わった。とは言っても編集部を「辞めた」という感覚はない。編集からライターへと業務内容が変わったことと、常駐から在宅ワークへと変わったこと以外に大きな違いはない。もちろん編集とライターでギャラは変わるが、編集部との契約形態も変わらない。それでも通い慣れた編集部を離れるのは少し寂しかった。俺にとって編集部は「第2の自宅」と言えるほど居心地のいい場所になっていたからである。


掃除と荷造りを終え一息入れたら、次いで編集部内への挨拶回り。過去にも何度か書いている通り、我が編集部は4班体制で、各班が毎月1誌を作っている。これまでは仕事をライターに発注する立場だったが、明日からは真逆。仕事を貰う立場だ。1誌あたりの執筆ページ数が少なくても、4誌全てで書けたなら生活費くらいにはなる。当面はライター生活を軌道に乗せるのが目標だ。


そして最後は1番お世話になった編集長への挨拶。誌面作りのノウハウや攻略誌の文章の書き方を教えてくれた人物で、「ライターをやるならウチでやれよ」と言ってくれた恩人でもある。


――「長い間お世話になりました」
編集長「おう、次の道でも強く生きろよ」

――「ちょ何すか! その今生の別れみたいな」
編集長「ふはは! 今から5号機時代だから、どうなるか分かんねーだろ?」

――「たしかにそうですが…今後ともよろしくお願いします」
編集長「まあ、これまで通りみんなと仲良くやんな」

――「ありがとうございます!」
編集長「ちゃんと得意機種はみんなに伝えておくんだぞ」

――「ええ。ウザいぐらい『銭形と麻雀物語は任せて』と伝えて回りましたから」
編集長「お前、よく打ってたもんな~」

――「先日も編集長に見られましたもんね、麻雀物語で閉店するところ」
編集長「本前兆の最終ゲームで閉店したヤツな! あんな最低のヤメ時見たことねーもん。あれは笑わせてもらったわ!」

――「予想外の竹解除だったから仕方ないんですって!」
編集長「そういえば…2ページだけ麻雀物語のページやるんだけど書くか?」

――「マジすか!? ありがとうございます!」
編集長「おう! いいか、平凡なネームは要らねーからな」

――「お任せください!」


こんな経緯でライターになる前から初仕事を獲得。そして数か月後には自身初の連載企画「今生の別れ」もスタート。4号機のみなし機にお別れをして回るという企画だった。こうして俺はフリーライターとして上々の好スタートをきった。




この仕事をしていると、よく「ライターになりたい」と相談されることがある。その際、俺は決まってこう返す。「まずは編集部員から始めましょう」と。新人ライターなんて、仕事がなくて当たり前。パチスロで勝っているという実績なんて関係ない。それを文章や動画で伝えられるかが重要なのだ。思い出すのは編集部員として採用される際にもらった電話。


「ウチ商業誌だから、どこの馬の骨とも分からんヤツにいきなり文章任せるのもどうかと思ってね」


まさにこれに尽きる。まず必要なのは編集部からの信頼。それを2年半かけて築いたからこそ、この好スタートに繋がったのである。この下積み時代はムダではなかったと今でも思う。
 

 

★桃源郷。

虎さん「ほー、スグ仕事貰えて良かったじゃん」
――「ありがたい話です」


ライター生活が始まって2日後の朝。俺は虎さんの車の助手席に座っていた。編集部を辞めたら打ちに行こうと、前々から約束していたためである。


虎さん「晴れてラッシーも自由の身か」
――「これから打てる時間が増えますね」

虎さん「またしばらく一緒に打ちに行けるな」
――「ありがとうございます…で、今日はどこへ?」

虎さん「面白いとこ。最近ハマってる店なんだ」
――「ほう。いつもと逆方向ですが」

虎さん「そう。ホールが1軒しかない場所だから」
――「え? スカったらカバーできないじゃないっすか」

虎さん「それがそうでもないのよ。面白いのがあるんだ」
――「面白いの?…」


勝ちへの臭覚が人一倍優れている虎さんだ。ノープランのハズがない。俺はさほど心配せず身を委ねることにした。


そして20分後。

虎さん「着いたぞ~」
――「ここすか?」


立体駐車場完備のPS併設店なのに、店舗そのものは小さめな印象。おまけに設置機種のラインナップは少々古めだ。すでに開店時間を過ぎているが、若者の姿はほとんどない。常連と思しきお年寄りが数名いる程度だ。


――「なんか想像していた店と違いますね」
虎さん「そこがいいのよ」


虎さんに連れられパチスロコーナーの奥へ。


虎さん「まずはキンキンパル(※)のストック回収からだ」
――「え? ストックなんて残ってます?」
※キングオブキングパルサー・プレミアムバージョン(山佐/ニイガタ電子)

虎さん「見ての通り客は老人ばかり。店も未対策で放置してる。ストックは常に潤沢にあるんだ」
――「天国じゃないっすか!」

虎さん「ストック取りきったら…まあパチスロにも多少設定使ってるけど、オススメはパチンコの新台だ」
――「は? パチンコ?」

虎さん「そう。ここの新台はボーダー超えて来るから」
――「はぁ…」


俺の知ってる虎さんはパチンコをほとんど打たなかった。しかし、この頃はパチンコの状況が良いホールが多く、収支を安定させるため打ち始めたらしい。なんだか浮気されたような気持ちになり、少しだけ寂しかった。


――「はあ、あまり分からないんで教えてください」
虎さん「おう! ささ、まずはストック回収だ」


キンキンパルのシステム面は、ほぼキンパルを踏襲している。RT振り分けこそ違うが、基本の立ち回りは変わらない。実戦開始から3時間ほど経つと、虎さんはストックを取りきりパチンコのシマへ。俺も4時間ほどでストックを取りきったと判断。パチスロコーナーをウロウロすることにした。


しかし高設定らしき台は絶賛稼働中で、適当な空き台が見つからない。1時間ほど経っても打ちたい台が空かないので、パチンコを打っている虎さんの元へ。

 

 

★雷光。

虎さん「お、ようやく来たか」
――「…全然出てないじゃないっすか」

虎さん「荒いスペックだからな。でもボーダーは余裕で超えてるぞ」
――「良さそうなんですね」

虎さん「ラッシーも打ってみろよ」
――「え~、近年パチンコなんてウルトラセブンを少し打ったくらいで…」

虎さん「マジでコレおもしれーから」
――「う~ん…」


ボーダーを超えているなら期待値はプラス。そんなことは分かっているが、ムダ玉が多いパチンコはあまり好みではない。それに抽選の単純さも好きではなかった。結局はスタートチャッカーに入った瞬間。いくらボーダーを超えていても、終日当たりナシの恐れがある。それがイヤだった。


虎さん「キンキンパルでいくら浮いた?」
――「19000円すね」

虎さん「まあ勉強だと思って打ってみろって。隣もボーダー超えてるから」
――「はあ…そこまで言うなら」


渋々虎さんの右隣に腰を下ろした。

 

▲CRぱちんこジョーズ(京楽産業.)

2006年の夏に登場したバトルタイプのマシン。大当たり確率は1/397で、確変中は1/39.7。バトルタイプゆえ、確変突入率は80%(2R確変含む)とかなり高め。大当たり出玉は約1500個or500個。時短は通常大当り後80回まで。大当たりは15Rのビッグボーナスと5Rのミドルボーナスの2種類で、大当たり後は必ず「捕獲モード」に突入。捕獲モードはいわゆるバトルタイプで、ジョーズに勝利すれば大当り+確変継続。負ければ2R通常→80回の時短「雷雲モード」へ。


3千円入れたところで早くも飽きが…。アツいリーチはおろか、当たる気配すらない。その時だ…… 


虎さん「キタ…キタキタ~っ!!」
――「なんすかソレ?」


虎さんの台の盤面右上にあるパトランプがクルクルと回っている。


虎さん「青図柄リーチでパトランプ回ってるだろ? まずこれがないと初当たりは絶望的なんだ」
――「マジすか!?」


打ち出しを止め、食い入るように液晶を凝視する虎さん。が、ダメ!! 絶望したように天を仰ぐ虎さん。


虎さん「ぐあ~、この2時間半で1番アツいリーチだったのに…」
――「………(2時間半で1番がソレ!?)」


ますます嫌気がさして来たが、アツいリーチすら体験せず降りるわけにはいかない。黙って1万円だけは入れてみよう。そう思ってから20分ほど経った頃。投資6千円でリーチが発生。そしてパトライトが回り始めた!


――「パトライト回りましたけど」
虎さん「アチぃ! 外したら向こう3時間それ超えるの来ねえぞ!」

――「なんすかソレ!! いやっすよ!」


液晶ではダイバーと思しき人物が檻に入りジョーズを撮影していたが、その檻が壊れ、よりアツそうなリーチに発展。必死に逃げるダイバー。その様子を前のめりで見守る虎さんと俺。結果、ダイバーが見事逃げ切り青図柄が揃った!


虎さん「マジか! やったな!!」
――「でもコレ通常図柄っすよ?」

虎さん「大丈夫だよ」


虎さんが言う通り、ファイナルチャンスという昇格演出で赤図柄揃いに! 見事確変を射止めたのだった。


虎さん「ジョーズの面白いところはここからだから」
――「はあ…普通の確変じゃないんすか?」

虎さん「ウルトラセブン打ったことあるんだろ?」
――「はい。3回くらいだけですが」

虎さん「あのバトルモードと同じと思っていいよ」
――「なるほど」


初当たりのボーナス消化後は「捕獲モード」に突入。ジョーズとの格闘の末、捕獲に成功すれば大当り+確変(捕獲モード)継続となる。 たしかにウルトラセブンはスロッターの俺でも面白いと感じた。しかし、あれはウルトラセブンというコンテンツとゲーム性が奇跡的にマッチしただけでは!? そうそう面白いパチンコができるわけ…。


急に加速する液晶上のボート。


――「お、何か加速しましたよ」
虎さん「加速キタ~! 1…2…3…加速3回! アチい!!」

――「え? そんなに?」

途中、液晶を漂流物が横切り…

「デーデン♪」
聞き覚えのある効果音が鳴った。


――「何か来ましたね」
虎さん「背ビレが来たら戦闘だぞ…って遠距離じゃねーか!!」


ジョーズとのエンカウントは遠距離・中距離・近距離の3パターン。距離が遠いほど攻撃回数が増えチャンスとなる。 虎さんが言う通り、背ビレが出現してジョーズとのバトルに発展。まずはバズーカで狙いを定め、PUSHボタンで攻撃。次いで中距離へと移行し、ライフルで5回攻撃。しかし、液晶下部に表示されているジョーズのライフゲージはさほど減っていない。最後は近距離に移行しモリでの攻撃だ。


虎さん「押せ押せ押せ!!」
――「ええ!? こうですか?」

虎さん「ヤバいヤバいヤバい、押せ押せ押せ!! コレ逃したら、次何時間後に当たるか分からねーぞ」
――「ちょ~~~、マジすか!!」


息を止め必死に連打を続けると、見事ジョーズのライフゲージがゼロに! 赤図柄が揃って15Rのビッグボーナスがスタートした。


――「ハァハァハァ…マジ疲れた」
虎さん「遠距離スタートで余裕かと思ったら、思いのほか危なかったな」

――「いや、もうムリかと思いましたもん」
虎さん「ちなみに平均は6連くらいだから」

――「そんなに!? 単発なら泣きますね」


そして2回目のボーナス消化後に試練が。いきなり近距離でエンカウントし、モリ攻撃しかない状況に!


虎さん「ああ、終わったな」
――「ちょ、ヤメてくださいよ!」

虎さん「それはもう負けるヤツだ」
――「そんな!! まだ2連なのに?」


必死でPUSHボタンを連打する俺。このアホみたいにデカいサメに対しモリで挑むとは!! 頼む! 終わるな俺の夢―――!! ジョーズのライフゲージは、モリの一突きでも思いのほか大胆に減っていく。そして――

ジョーズ「ピギャー」
――「う、ウソ!? やった!!」

揃った青図柄が警報とともに赤図柄に変化。またしても15Rのビッグボーナスだ!


虎さん「マジか!」
――「いや~、どうなることかと思いましたけど」

虎さん「今めっちゃ必死に連打してたな」
――「そりゃそうでしょ! だってモリっすよ?」


その後も捕獲モードとボーナスがループ。背ビレが現れた時の緊張感。そして中距離ライフル弾切れや近距離モリ攻撃の絶望感…。俺は狂ったようにPUSHボタンを叩きまくった。パチンコのPUSHボタンをこんなに必死で叩いたのは、おそらく生涯において最初で最後だろう。




2時間後――
俺は助手席からぼんやりと窓の外を眺めていた。


虎さん「どうだった、ジョーズは?」
――「どうだったも何も…」


初当たり含め16連! 流した玉は16000発を超えた。


――「あれはヤベっす! なんてモノ教えてくれたんですか」
虎さん「な? 面白いだろ?」

――「雷光に打たれましたよ。アラジンA以来の衝撃です」
虎さん「ふははは…そんなか!」

――「だって捕獲モードの勝ち負けはチャッカーに入った瞬間に決まってるんでしょ?」
虎さん「そうだな」

――「それを分かったうえでも、あれだけ必死に連打させるんだから」
虎さん「演出マジで上手いよな!」

――「これマジで廃人になるヤツっすね」
虎さん「ここ2~3個ボーダー超えて来るから、また来ようぜ」

――「あなた今日1回も当たってないじゃないすか」
虎さん「うっせぇ! 期待値は稼いだから!!」



「CRぱちんこジョーズ」は面白さは、まさに衝撃だった。ここまで興奮するゲーム性はパチスロでもなかなかナイと思う。しかしライターになりたての俺には、パチンコにうつつを抜かすほどの余裕はなかった。 パチスロは徐々に5号機時代へ。 再び虎さんと打ち歩く日々が始まった。

 

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ラッシー
代表作:パチスロワイルドサイド -脇役という生き方-

山形県出身。アルバイトでCSのパチンコ・パチスロ番組スタッフを経験し、その後、パチスロ攻略誌編集部へ。2年半ほど編集部員としての下積みを経て、23歳でライターに転身。現在は「パチスロ必勝本&DX」や「パチスロ極&Z」を中心に執筆。DVD・CS番組・無料動画などに出演しつつ、動画のディレクションや編集も担当。好きなパチスロはハナビシリーズ・ドンちゃんシリーズ、他多数。

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