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パチスロワイルドサイド-脇役という生き方-

パチスロワイルドサイド-脇役という生き方-

2018.01.09

『練磨』~獣王技術介入

ラッシー ラッシー   パチスロワイルドサイド-脇役という生き方-


左手に持ったドンブリは、いつもに増して重かった。でも、その重みが嬉しい。この日は朝イチから「獣王」を打ち、昼食抜きで閉店までブン回した。実に15時間ぶりの食事である。23時すぎだというのに、牛丼店は多くの人で賑わっていた。ターミナル駅の駅前だから、当然といえば当然だが。  


打っていた台の推定設定は4。とはいってもツモったのは偶然で、店のクセは読みきれていない。たまたま座った台が朝イチから突っ走り、差枚数+3000枚超の大勝ちとなっただけだ。 牛丼を4割ほど食べたところで、生卵を投入する。小さな器で卵をかき混ぜていると、後ろの自動ドアが開き、肩を叩かれた。突然のことに肩をすくめていると、すぐに笑い声が聞こえてきた。


「おいおい、あれだけ勝って牛丼かよ」

常本さんだった。俺に獣王の魅力を熱弁したバイト先の先輩だ。その後ろには結城さんの姿もある。結城さんはバイト先のカウンター嬢で、常本さんの彼女でもある。朝イチは2人も俺と同じホールにいたのだが、途中で戦線を離脱し、ほかのホールへと流れていった。俺の出玉を恨めしそうに見つめながら…。

結城「もっと贅沢なもの食べなよ」
――「いえ、明日負けるかもしれないんで…」

俺は根っからの貧乏性だ。いくら勝っても贅沢はしない。勝っても負けても、生命を維持するだけの食事で十分だ。これは大人になった今でも変わらない。我ながらつまらない奴だと思う。

――「結城さんたちこそカップルでこんなところに?」
結城「こっちは誰かのせいで大負けだから」
常本「だからゴメンて!」
結城「アンタは牛丼並ね」
常本「はい、すみません」

結城さんは社員で、常本さんはバイトの大学生。その力関係は私生活にまで及んでいるようだ。2人は俺の隣に腰掛けた。カウンターに3人で並んでいる様は、少し滑稽に思えた。

常本「最終的に何枚出た?」
――「3500枚くらいです」

結城「(設定)6だったの?」
――「いやいや! 6じゃないし奇数でもないので4かなと」

常本「ああ、低確からサバチャン入ったのね」
――「ええ、3回ほど」

常本「羨ましいな。それだけ出たってことは、きっちり1G増やしもできたんでしょ?」
――「いや、それが…」


『1G増やし』獣王で勝つうえで欠かせないテクニック。

サバチャンの継続ゲーム数は基本的に10or30Gだ。しかし、高速で消化すればオマケとして1G延長される。1Gと書くと小さな恩恵に見えるが、ATでナビされるのは15枚役である。昨今の機種とは1Gの重みが違う。「1G増やし」の条件は以下の通り。

2G目の払い出し終了 ~ 8G目の払い出し終了
  ――ココを36秒以内に消化すればOK――
※諸説あり

払い出しの時間も含めると、1Gあたり6秒しか猶予がない。しかも獣王は「押し順AT」でなく「色押しAT」のため、左・中・右の全リールを目押しする必要がある(目押しはある程度アバウトでもOK)。レバーON後にチラリと15枚役のナビをチェックし、迷わずナビ通りに狙わないと間に合わない。これを難なくこなせるか否かが、上級者とそれ以外を隔てる壁だった。
 

【編注】1G増やし条件の例外パターン
通常時の15枚役ナビからサバチャンが始まった際は、
起点の15枚役ナビがサバチャンの1G目扱いとなる。


常本「は? 失敗したの?」
――「ええ何度か…」

常本「もったいない! それを完璧にこなしてこそ、獣王の出玉性能は真価を発揮するんだから!!」
――「おっしゃる通りです…」

獣王の出玉率は設定2から100%を超える。
 

設定 出玉率
1 96.6%
2 100.7%
3 104.7%
4 108.8%
5 112.5%
6 145.5%


設定6であれば145%超にも上るが、これはサバチャンの1G増やし、通常時小役狙い、BIG中のリプレイハズシを完璧にこなせばの話だ。この頃の俺の実力では、総じて1%程度落ちたと思われる。


結城「アンタは技術介入以前の問題だけど」
常本「返す言葉もございません」
――「でも常本さんの言う通りです」

常本「どうせツモられて負けるなら『コイツになら負けてもしょうがない』って思わせるようなプレイをしてほしいね」
――「……」

たしかにそうだ。きっと周りで獣王を打っていた上級者も、俺を見てイライラしたことだろう。「俺ならもっと出せるのに」。そんな風に思っていたはずだ。獣王ほどの機種で高設定をツモるなら、ライバルが納得するようなプレイをしなければ…。


身に付けたと思っていた目押し技術。しかし、それでもまだ「上級者」のレベルには達していなかったのだ。


その後、俺は目押しの「スピード」にこだわった。とはいえサバチャン中に目押しをミスし、1度でも15枚役を取りこぼしてしまったら、1Gを増やしても意味がナイ。素早さだけでなく、ある程度の正確性も必要となる。しかしミスを恐れてスピードを緩めると、いつまで経っても上達しない。これは言わば先行投資。目先の「損」より、先々で拾う「得」を選ばねばならない。失敗を恐れずスピード消化する技術を身に付けねば!

考えついたのは「リールを止める前に次のリールを見る」というテクニック。

たとえば順押しで全リールを目押しするとしよう。左リールの狙うべき絵柄を目で捉えたら、あとは左リールを見ずに中リールの絵柄を目で追う。左リールを止める頃には中リールのタイミングが取れているので、今度は残る右リールのタイミングを取る。要するに手を止めることなく、常に次のリールのタイミングを取るのだ。リール1周のタイミングはすでに身に付いていたので、この動作を自然にできるようになるまで練習を繰り返した。


学校もバイトもないときは、ひたすら獣王を打ち続けた。サバチャン中の目押しをミスして損をしたことも少なくないし、低設定を打ち込んでしまい、生活に窮することもしばしばあった。もし当時にも5スロや10スロがあれば、もう少しマシな生活が送れただろう。閉店後や金がないときは、家のスロゲー(パチスロのシミュレートゲーム)で練習。ちなみに獣王のシミュレートゲームが発売されたのは、導入から8ヶ月ほど経ってからのこと。ほかのソフトでも、目押しの練習には十分役立った。



およそ半年後――

バイト中にインカムが入った。

「ラッシーくんラッシーくん、178番台、対応してください」
――「178番台、了解です。ホッパーエラーですか?」

「お客さまのサバチャンを消化してあげてください」
――「了解しました!」

今では店員による目押しが禁止の地域も多いが、当時は店員がATを消化してあげることも珍しくなかった。 サバチャンを消化し席を立つと、後ろにはお客さまと…副店長が!

お客さま「お兄ちゃん、ありがとうね~」
――「いえ、どういたしまして」
副店長「ごゆっくりお楽しみください」

そう言うと副店長は俺の制服の袖を乱暴に掴み、小走りでバックヤードへ。

副店長「おいぃ! なんで1G増やしたんだよバカッ!」
――「…バレました?」

以降、お客さまの台での「1G増やし」は禁止されました。



中級者の頃に「獣王」と出会えた俺は幸運だったと思う。「1G増やしを完璧にこなしたい」。そんな明確な目標があったからこそ、短期間で目押し精度を上げることができた。重要なのはミスを恐れないこと、そしてミスを恥ずかしいと思わないことだ。

また「ライバルを納得させるプレイをしなければ」という考え方は、今も変わらず自分の中にある。「どう打とうがツモった者の自由。勝手にさせろ」。それももちろん正論だが、やはり「あんなヤツにツモられて悔しい」とは思われたくない。「アイツにならツモられても仕方ない」。そう思われるようなプレイをしたい。それが高設定を使ってくれたホールと、ツモり逃したライバルへの敬意ではなかろうか。

 

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ラッシー
代表作:パチスロワイルドサイド -脇役という生き方-

山形県出身。アルバイトでCSのパチンコ・パチスロ番組スタッフを経験し、その後、パチスロ攻略誌編集部へ。2年半ほど編集部員としての下積みを経て、23歳でライターに転身。現在は「パチスロ必勝本&DX」や「パチスロ極&Z」を中心に執筆。DVD・CS番組・無料動画などに出演しつつ、動画のディレクションや編集も担当。好きなパチスロはハナビシリーズ・ドンちゃんシリーズ、他多数。

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