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パチスロワイルドサイド-脇役という生き方-

パチスロワイルドサイド-脇役という生き方-

2017.09.05

『ガキ』~事務所連行

ラッシー ラッシー   パチスロワイルドサイド-脇役という生き方-


早い連チャンはナシか…。 データ表示器の「現在のゲーム数」は100Gを超えたところだ。ボーナスの熱気が徐々に冷めると、不意に空腹感に襲われた。無理もない。時計の針は13時半を指している。そろそろ昼飯にしよう。昼休憩をとり、狭いスロットフロアを軽く見まわしホールを出た。

B店での稼働の際は、決まって近所の中華屋に入る。お気に入りの中華丼を食べながら、これまでの実戦内容を振り返った。朝イチから打っているのは「キュロゴス」だ。ド平日の通常営業日なので、高設定はナイと思っていい。されど4時間以上打ってもなお下皿プレイが続いていることを考えると、設定1でもなさそうだ。

 


「キュロゴス」

2000年末頃にリリースされたノーマルAタイプで、「タイムクロスA」に次ぐ山佐の液晶搭載機第2弾。改めて「この機種の何が面白い?」と問われると、正直、即答しかねる。至って普通のノーマルAタイプだし、スペックも目立って甘いわけではない。むしろ少々辛めといったところだ。
 

【キュロゴスのボーナス確率&機械割】
設定 BIG REG 機械割
1 1/303 1/431 95.4%
2 1/292 1/364 97.9%
3 1/273 1/341 101.2%
4 1/256 1/321 104.2%
5 1/240 1/303 107.1%
6 1/240 1/240 110.0%

※機械割はフル攻略時のもの


当時は設定1でも機械割100%オーバーの機種がゴロゴロしていたので、「キュロゴス」はやはり辛めと言わざるを得ない。それでも俺が打っていたのは、演出が面白く、リーチ目も美しかったから…かもしれない。

液晶演出はRPG風で、主人公と仲間2人が魔王の居城を目指す。マップはスゴロク調になっており、レバーON時の約1/2でサイコロとマスが出現する。レバーを叩いたら、まずはマスの種類や配置パターンをチェック。


マスの種類…大別すると4つに分けられる。
①小役マス…小役ナビ。対応役否定でボーナス確定
②イベントマス…次ゲームでイベントが発生。現代でいえば連続演出への発展のようなもの
③ステージマス…次ゲームから別のステージへ。ステージによって小役ナビやイベント発生率が変化!?
④ボーナスマス…「カギ」に止まればボーナス確定! 「真っ黒」はハズレorボーナス(ほぼハズレ)


レバーを叩いて効果音が鳴ると、回転しているサイコロと6つ先までのマスが出現。基本的には「真っ黒」以外のマスが多いほどボーナス成立を期待できるが、6つ全てが「真っ黒」ならボーナス確定といった法則もある。もちろんステージが変わってもボーナス確率は変わらないが、演出傾向が変わるため比較的飽きずに通常ゲームを楽しめる。

サイコロの目は、マス出現時の第3停止後に停止する。たとえば1・3・5マスがベル(15枚役)の小役ナビで2・4・6マスが「カギ」なら、ベルorボーナスにつきリーチ目出現の大チャンスとなるわけだ。このようにまずはレバーONでマスの種類と配置パターンに注目し、次いでリールの出目とサイコロの目をチェックする…というのが通常時のゲーム性。また、山佐伝統の美しいリーチ目も多数搭載しており、それに惚れ込んだプレイヤーも多かった。歴史に残るほどの名機ではナイものの、オールドファンの間では未だ話題に挙がる機種である。


ドル箱にこそ届かないが、出玉はジワジワと伸びている。設定3くらいはありそうな雰囲気だ。お気に入りの機種を漫然と打ち続ける。たまにはこんな休日があってもいい。もしもノマれたら、帰ってプレステ2でもやろう。とにかく今日は楽しく遊べればそれでいい。

昼食を終えホールに戻ると、少しばかりスロットコーナーの客が増えていた。そして大花火のシマを見た瞬間、「またか」と声が漏れた。


いつも昼過ぎから打ちに来るアノ男だ。


年齢は推定40才。長髪を後ろにまとめ、両耳には大きなシルバーのピアス。華奢な体つきなので威圧感はナイが、その容姿は異様だった。サラリーマンや接客・サービス業といった、一般的な仕事をしていないことは確かだろう。何かのアーティストかデザイナー、もしくは刺青の彫師といった風体である。彼の最大の特徴は「仕事の早さ」。昼過ぎから夕方あたりに訪れ、1~2箱積んでスグに帰る。所要時間は2時間ほどだ。そして打つのは決まって「大花火」。常連の間でも「謎の男」としてウワサになっていたが、誰一人としてその素性を知らなかった。

B店はモーニングやパチンコのタイムサービス(時間内に引いた大当たりの出玉が2倍になる)を実施しているが、それには目もくれず「大花火」に一直線。そして必ず出して帰る。負けている姿は1度も見たことがない。もちろんその男がヤメた台を打ったことは1度や2度ではないが、ちっとも勝てやしない。俺も他の常連も、ただただ首を捻るしかなかった。そのうちウワサが流れ始める。「アイツは店が用意したサクラだ」、「遠隔でアイツだけ当たるようにしてもらっている」と。

かの男はこの日も2時間ほどで1箱半ほど流し、颯爽と帰っていった。対して俺は下皿が空っぽになる寸前。まさに風前の灯。ボーナス出現率は徐々に下がり、いつもの低設定然とした雰囲気を醸し出していた。ノマれたら帰ろう。そう思ったときだった。


店員N(以下、N)「お客さ~ん、今日も冴えない顔してんなぁ」
俺「うるせーな」
N「いくら負けてんの?」
俺「モーニングから繋がってるから1Kだよ」
N「そうですか! もっと落としてってくださいね~」
俺「うるせえ!」


NはB店の名物店員だ。明るくて常連とも仲が良い。しかし見た目は相当イカツい。身長は180cmを優に超えており、体つきもガッチリしている。やわらかめのリーゼントが、よりいっそうイカツさを際立たせている。元プロボクサーで俳優の赤〇英和に似ている…というか、プロボクサー現役当時の赤〇英和そのものと言っていいほどだ。


俺「今日は遅番なんだ?」
N「そうだよ。お前は遅番じゃねーのかよ?」
俺「遅番ならこんなとこで油売ってねーわ」
N「だよな。ちょっとマイク入れてくるわ」


このNは、俺がバイトしているA店にたびたび遊びに来ていた。他店の店員同士も、こういった繋がりがあったりするのである。会えば世間話をする程度だが。


「本日もB店をご指名・ご来店頂き、誠にありがとうございます! 本日は『わんわんパラダイス』がオススメとなっております。このあとタイムサービスもございますので、どうぞ最終最後のお時間までお楽しみください! ワンワンっ、アウォ~ン(犬の鳴きまね)」

マイクパフォーマンスを終え、再びNがやって来た。
N「いや~、昨日お前んとこのクソ店で超負けたわ」
俺「そりゃ店のせいじゃねーだろ」
N「だってお前の店『遠隔』だろ?」
俺「ガキかよ! 遠隔なわけねーだろ」
N「みんな言ってるよ、遠隔だって。知らねーの?」
俺「みんな言ってるわりにウチの店のほうが繁盛してるけど?」
N「フハハ、たしかにそうだな!」


俺は自分のバイト先が好きだった。たしかに利益は大きい。毎日の売り上げは4ケタを超えていたので、還元率は低いのかもしれない。しかしパチスロの設定配分にはメリハリがあり、イベント日の対象機種にはしっかり高設定が投入される。そういった点で信頼を得ていたからこそ、近隣でトップクラスの集客率を誇っていたのだ。そしてなにより、俺は設定配分を決めている幹部社員が好きだった。みな怖い人ではあるが、仕事熱心で、お客様を楽しませること一所懸命。尊敬する幹部社員をバカにされたような気がして、俺はついついカッとなってしまった。


俺「お前の店だってサクラ使って遠隔やってるじゃねーかよ」
N「あ? なに?」
俺「あの大花のヤツ。また今日も勝って帰ったぞ」
N「ちょ、立てお前」

Nの顔がみるみる鬼の形相へと変わる。

俺「は?」
N「立てって言ってんだよ!」

Nは立ち上がった俺の胸倉を乱暴に掴んだ。驚いた俺は何もできず、事務所まで引きずられることに。抵抗しようにも、相手は自分より遥かに大きい。当時の俺は体重が53kg程度。Nからすれば、小脇に抱えられるほど華奢な身体だ。  

事務所のスチールロッカーにガツンと身体を叩きつけられ、痛みに顔を歪めていると、今度は分厚い手で首を掴まれた。Nがその気になれば、漫画のように片手で持ち上げられそうだ。事務所には20代の幹部社員が1人、そしてこれまた怖い白髪リーゼントの店長が1人。

N「小僧、お前言って良いことと悪いことも分かんねーのかよ?」

Nは野生の狼のような目で俺を睨みつける。店長は椅子に座って煙草を吸いながら、Nと俺のやりとりを静かに眺めていた。

N「おう、どうオトシマエつけるんだ? あーん?」

スチールロッカーに顔を力いっぱい押し付けられたとき、ふと常連の言葉を思い出した。


常連「この前、ゴトが入ってさ…」
俺「マジっすか?」
常連「そのゴト師がNに捕まって、あの鉄の傘立てでボッコボコよ」
俺「ひえ…」
常連「警察に引き渡されたときは、もう可哀想なくらいボロッボロだったわ」
俺「うわ~」


俺(俺、どうなるんだろ?) 抵抗1つできない自分が情けない。しかしこの体格差は如何ともし難い。
N「オラッ、どこの店がサクラ仕込んでるって?」

ひと言も発さず、冷めた目で煙草を吸い続ける店長も怖かった。

N「オラ、言えって。どこが遠隔やってるって?」
俺「なんだよ! お前だって俺の店(バイト先)が遠隔って言ったろーが!」
N「だから何だよ、テメ…」
店長「もういい、ヤメろ」
N「店長、コイツもっと…」
店長「もういい、そういうことならNも悪い」
N「店長、俺は楽しいジョークを」
店長「バイト先をバカにされてムカついた、そうだろ?」
俺「…そうだよ」
店長「うん、じゃあ今回はお互いが悪かったということで」
N「ちょ、俺もっすか?」
店長「今日はもう帰りなさい」
俺「言われなくても帰るよ」
店長「ちゃんとメダルも流してっていい」
俺「…」
店長「Nも手ェ離せ」
N「…はい」


やっと分厚い手から解放されたが、生きた心地はしなかった。Nの知らない一面を見た恐怖、いかにもな風体の店長。そしてなにより、こんなことで事務所へ連行された自分が情けなくて、恥ずかしかった。

店長「今日のことはお互いなかったこととして、また遊びに来てくれないか。今までみたいに」
俺「…気が向いたら来ます」
N「…悪かったよ」
俺「…」

200枚ほどの出玉を流し、スグに別のホールへ。しかし何を打っても、何が当たっても、気分は晴れなかった。



――数日後。
バイト先のAタイプのシマにNの姿を発見。

N「よぉ、今日は早番か」
俺「どこかの店で打てなくて金欠でよ」
N「ふはは、どこだろな。ちなみに俺は今日遅番なんだわ」
俺「へー、たまたまバイト終わったらヒマだけど」
N「負けても知らねーぞ」

こうして再びB店に通う日々が始まった。 ちなみにB店の他の店員の話によると、Nには傷害罪で服役した過去があるらしい。「よくアイツとモメて無事に済んだな」と笑われたが、そういう話はもっと先に教えて欲しかった。前科があるのに、それを承知で雇ってくれたB店。Nにとっては大切な職場だったに違いない。ガキだった俺は加減も分からず、Nの聖域を汚してしまったのである。Nが怒るのも無理はない。

なお、Nとはこのあと数年に亘り、色んなホールで一緒に打つことになる。連絡を取りあっているわけでなく、不思議と行くホールがカブってね。近年は会っていないけど、今もきっとあの周辺でパチスロを楽しんでいるだろう。

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ラッシー
代表作:パチスロワイルドサイド -脇役という生き方-

山形県出身。アルバイトでCSのパチンコ・パチスロ番組スタッフを経験し、その後、パチスロ攻略誌編集部へ。2年半ほど編集部員としての下積みを経て、23歳でライターに転身。現在は「パチスロ必勝本&DX」や「パチスロ極&Z」を中心に執筆。DVD・CS番組・無料動画などに出演しつつ、動画のディレクションや編集も担当。好きなパチスロはハナビシリーズ・ドンちゃんシリーズ、他多数。

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