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パチスロワイルドサイド-脇役という生き方-
2017.02.21
『スタイル』~青ドン
今からおよそ10年前。前回扱った「赤ドン」より、さらに前の話だ。
100人は収容できるであろう、とても大きな会議場。その台は、そこの隅にポツンと置いてあった。会議場の大きさには不釣り合いだが、それを感じさせないほどの存在感を放っていた――。
子どものようで恥ずかしいが、パチスロ攻略誌に携わっていて嬉しいのがこの瞬間。デビュー前の新機種を、一般ユーザーより1~2ヵ月早く打てる。自分が大好きだった機種の後継機ともなれば、言わずもがな興奮は倍加する。
──「青ドン」。
5号機「ドンちゃんシリーズ」第1弾。 当時は4号機「HANABI」の後継機という認識だった。今で言うノーマルタイプ(Aタイプ)だが、 厳密に言えばボーナス+RTタイプに属す。
俺は4号機の「HANABI」が大好きだった。俺がパチスロを始めたころ、「HANABI」はすでにホールにあった。導入当初から打っているわけではナイので生粋の「HANABI世代」とは言えないが、Aタイプの基礎は紛れもなく「HANABI」から教わったため、本人としては「HANABI世代」のつもりでいる。学生時代はパチスロの知識もろくになかったが、来る日も来る日も近所の寂れたホールで「HANABI」を打っていた。少々大袈裟になるが、「HANABI=青春」と言えなくもない。ちなみにこうやって原稿を書いている俺の30cm横には、4号機の「HANABI」がある。今なお現役で動くが、もはや仏壇や神棚のような存在である。
「青ドン」でまず目を引くのが、大きな液晶画面と小さなリール。内心「HANABI」から大きく変わってしまったとガッカリしたが、いざ打ち始めると、リール配列やリーチ目から確かに「HANABI」を感じられた。X筐体のあの小さなリールは、初めこそ抵抗があったが、今改めて打ってみると、アレはアレでなかなかオツである。 今では真の正統後継機「ハナビ」があるから「青ドン」は亜種といったイメージだが、当時はまさにこの「青ドン」こそが「HANABI」の後継機だった。何度も繰り返し取材させて頂き、「青ドン」の感触を体に刻んで導入日を迎えた。
──ホール導入初日。
実戦データを採取するため、担当編集が決めた某ホールへ。郊外にある小さなホールで、新装初日でもライバルは少ない。ホールにはアポなしだったが、無事に台を確保し、いざ実戦開始!
──すっかり日が暮れたころ実戦終了。我が編集部の面々は、1人の勝者もなく完敗。うろ覚えだが、俺は2度ほど天井を喰らったと記憶している。単純に高設定(※設定は1・4・6・Hの4段階)が使われていなかったのだろう。この日の俺は、何か「違和感」を覚えていた。ショールームで打った台とは異なる何か。だが、このときはその違和感を特定することができなかった。
導入以降は、来る日も来る日も「青ドン」と対峙。ボーナス確率は総じて重めだが、コイン持ちが良く、金のなかった駆け出しライターの俺でも臆せず打つことができた。しかし、例の違和感の正体が掴めない。なんとなくだが、その違和感さえクリアになれば設定推測が一気にラクになるような気がしていた。
そんなある日、ついにメイン基板の解析が届く。ざっとボーナス抽選確率や小役確率に目を通した。風鈴確率に設定差はあるが、設定推測に役立つほどかと言われると…。対するボーナス抽選関連には、細かな設定差を多数確認。しかし数字に弱い俺では設定推測に役立つか否か判断できず、編集部内で数学を得意とする人物に相談した。
編集部員「う~ん、エクセルでまとめてみると…やっぱりボーナス合算出現率全体で見れば良いって結論に達するな」
俺「エッ!? …そうですか?」
編集部員「細かな設定差は色々あるけど、結局『高設定ほどボーナスが当たりやすい』って認識で十分だと思うよ」
俺「そうですか…」
結局、雑誌には「ボーナス合算出現率で高設定を見抜こう」という、ごくごく当たり前な高設定狙いが掲載されることとなった。同日発売のライバル他誌もくまなくチェックしたが、全く同じ結論だった。しかし、何かが腑に落ちない。単純に数学が苦手な俺のせいかもしれないが……。
メイン解析の第一報を受け、その後も「青ドン」を打ち続けた。徐々に演出法則や出目法則は掴んでいくが、収支は一向に上向かない。風鈴のカウントもはじめてみたし、ボーナス合算出現率の優秀な台も追ってみたが、これといった感触はナイ。まだ何かが抜けている。
あの日のことは、未だ鮮明に覚えている。
午前8時すぎ、俺は某ホールに並んでいた。4号機時代、派手な出玉で県外にまでその名を轟かせた名店である。その日はイベント日で、いつものごとく近隣のプロが押し寄せていた。言わずもがな当時のイベントは過激で、開店時から高設定確定の札が刺さっていることもしばしば。その日のイベント内容はこうだ。
① 必ず全台に何かしらの札が刺さっている
② 札の種類は複数あり、設定を示唆している
当時よくあったタイプのイベントだ。もちろんガセの札もあるのだが、長らくその店に通っていた俺は、打つべき札を当然理解していた。その日1番の「当たり札」は、1/2で最高設定を意味する。入場抽選の結果はイマイチだったが、朝イチから「青ドン」に向かう人などほとんどいない。案の定、「青ドン」の当たり札が付いた台を無事に確保できた。「青ドン」の当たり札は2台。つまり片方が最高設定で、もう一方はハズレ(おそらく低設定)なのだろう。期待に胸を膨らませ、朝イチからブン回した!
クレジットの精算ボタンを押し、ため息をつく。なぜ1/2をハズしてしまったのか。俺の投資は25000円ほど。もう一方の当たり札の台は、すでに2箱カチ盛りである。しかも今まさにリーチ目が出現し、ボーナスを揃えようとしているところだ。
「羨ましい…」
思わず声が漏れた。実戦序盤は俺も好調で「貰った!」と思ったのだが…。力なくライバルの台を見ていると、液晶にデカデカと七絵柄が出現。七BIGが入賞した合図だ。その瞬間、脳内に電流が走った!
そういえば俺、七BIGを引いてないような…。
メモ帳を見返すと、やはり七BIGは1度もなかった。6時間も打っていたにもかかわらず。そこでハッと思い返し、導入初日の実戦データを見てみると…やはり七BIGが1度もない! ほぼ終日打っていたにもかかわらずだ! そういえば…ライバルの台は何度か七BIGを引いていた。ショールームで打った高設定も、普通に七BIGが当たっていた。つまり七BIGが当たる台こそホンモノの高設定なのでは…!?
青ドン攻略の糸口となった「七BIG」
急いで家に帰り、解析第一報を見返す。ドンBIGは氷同時当選が多いため、低設定でもソコソコ引ける。対する七BIGは全ての当選要因に設定差があり、低設定では引きにくい。 改めて分析し直すと、ボーナス合算出現率でなく、強氷+ドンBIGを除くボーナス出現率をチェックするのがベストと分かった。
●強氷=斜めに揃いやすい氷 |
俺が発表した「真・高設定狙い」は以下の通り。
・強氷同時当選以外のドンBIG
・七BIGの全て
・REGの全て
これら合算出現率の設定差は、ボーナス合算出現率の設定差より大きい。より設定差がハッキリするわけだ。
かくして、この「真・高設定狙い」が次号から掲載されることに。ちなみにこの有効な立ち回りを発見したことが評価され、次の「赤ドン」の担当も任されることになったのである。
今でこそ当たり前になった「特定ボーナス(設定差のあるボーナス)」という考え方。その発想が、当時はまだほとんどなかった。世間に広く浸透するのは、この「青ドン」や「スパイダーマン2」以降と記憶している。俺が発表せずとも、遅かれ早かれこの真・高設定狙いは浸透していたと思う。しかし、それをいち早く見抜いて多媒体より先に発表することが、攻略ライターの仕事なのだ。
解析数値さえあれば十分かもしれない。でも実戦を重ねてとことん負け続ければ、こんな風により有効な立ち回りが見つかることもある。この「青ドン」こそ、俺の攻略ライターとしてのスタイルを決めた機種だ。負けてもいい、とにかく打ち続けることで何かが見つかる――。
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- ラッシー
- 代表作:パチスロワイルドサイド -脇役という生き方-
山形県出身。アルバイトでCSのパチンコ・パチスロ番組スタッフを経験し、その後、パチスロ攻略誌編集部へ。2年半ほど編集部員としての下積みを経て、23歳でライターに転身。現在は「パチスロ必勝本&DX」や「パチスロ極&Z」を中心に執筆。DVD・CS番組・無料動画などに出演しつつ、動画のディレクションや編集も担当。好きなパチスロはハナビシリーズ・ドンちゃんシリーズ、他多数。
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