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元・ホール店長カタギリのしくじり店長

元・ホール店長カタギリのしくじり店長

2016.09.07

しくじり店長・第26話

元・店長カタギリ 元・店長カタギリ   元・ホール店長カタギリのしくじり店長

ヨコちゃんは今日も上機嫌だ。

そして、果てしなく下品だ。

「いや~、昨日のピンパブ最高でしたわ~!

店長も今度いっしょに行きましょうよ、ギュフギュフギュフ…」

猫型ロボットみたいな体型で、剣術を忘れた子連れ狼のような顔。

歯並びの悪いその口から発する言葉の語尾にはいつも、

パチスロ台の小役の払い出し音みたいな笑い声が付いてくる。

「ちょっと聞いたってくださいよ店長、

昨日のおっパブで、めっちゃエロい女がおったんスわ、

もうホンマ堪らんかったッスよ、ギュフギュフギュフ…」

卑猥な単語の大連チャンは仕事中であろうが、

周りの女性スタッフの眉間にクッキリと縦ジワが刻まれていようがノンストップ。

カスタードクリームのように濃厚な下ネタを連発する変人。

それが遅番のアルバイトリーダー、ヨコちゃんという男なのだ。


「ヨコちゃんさ、あんな下品な話をわざわざインカムで飛ばすなっつーの!

てか、アンタより10歳以上も年下の女子も聞いているんだからさ、

少し遠慮しろっつーの!!」

時折、仕事終わりに二人でフラリと立ち寄った居酒屋で説教をカマしてやると、

その時だけはシュンとした表情で項垂れる三十路男。

「いや~わかりましたスンマセン、もうちょい下ネタは控えるようにしますわ…

…好きなAV女優の話とかやったらイケますかねぇ?」

そう言って脂ぎった額に浮かんだ汗をオシボリで拭いながら、

ヨコちゃんは少年のように無邪気に笑う。

「オメー、全然わかってねぇじゃねぇかよっ!!」

酒とパチスロと女遊びが大好きな、お調子者の関西人。

でも、決して悪いヤツじゃない。

私は、そんな彼と過ごす仕事終わりのひとときが嫌いでは無かった。

しかしながら穏やかに、そして緩やかに進んで行く時計の針を、

私は自らの手で突然、止めてしまうことになる。


吉宗と共にホールの看板機種となっていた「パチスロ北斗の拳」。

オール設定イベントによる大赤字事件以降も、私はコンサルのトオヤマさんと相談しながら、

スロットコーナーの調整を引き続き担当していた。

他店舗にこれ以上、北斗の客を奪われないために二人の間で定めた約束は二つ。

毎日、必ず「見せ台」として設定6を2台投入すること。

残りの台はすべて回収台、つまりベタピン放置。

負けて帰るお客さんにも、勝てる台は必ず存在することをアピールしつつ、

基本的には回収して利益を確保することが私の命題となったのである。

そのルールに従って、私の設定変更パターンは非常に単純明快なものとなった。

4台あるカド台のうち、毎日どこかの1台を6にする。

前日、もっとも吸い込みのキツかった台を翌日は6にする。

その目的は常連客にいち早く気付いてもらって、朝イチから来店してもらうことだ。

つまり、あえて単純なルールを設けて午前中の集客を狙うことで、

稼働アップへの第一歩を図ろうとしたのである。


「店長~、メダル詰まりが多いんで少しセレクター清掃しときますわ~、

北斗のシマの稼働、上がってきたんちゃいますかギュフギュフギュフ…」

閉店後、設定変更をしている私にニヤケた顔で声をかけてくるヨコちゃん。

「スンマセン店長、台の中にこぼれたメダル回収やっときますわ~、

今日のカド台、メッチャ出てましたねギュフギュフギュフ…」

その翌日の夜も、北斗のシマでメンテナンス作業をしながら彼は言う。

ハッキリ言ってしまうと、これは全て私の責任である。

設定変更の一部始終をアルバイトに見せるような店長は失格。

モリヤさんや一徹さんなら、そう言って私を怒鳴りつけたハズだ…。


朝イチから同じ客が設定6の台を一発でツモって、終日ブン回している。

その事実に気付いたのはトオヤマさんと相談をした日から、1週間ほど経った頃だった。

そしてその客は、ヨコちゃんの休日の翌日には姿を見せない。

偶然にしては怪し過ぎる、その出来事が気になった私はその日の夜、

ヨコちゃんが帰宅した後に監視カメラに録画された映像をチェックしてみたのだ。

そこには想像通りの、決定的な証拠が映し出されていた。

設定変更作業を、台清掃をしながら横目で見ていたヨコちゃん。

そして私がパチンコ島へと移動したのを確認するや否や、

設定変更台の扉を開けて、リールを手で回して出目に細工を施していたのである。

出ていない台が設定変更されたら、その台が6。

出ていた台であれば、1に落とす。

アルバイトとしてのキャリアも長く、自身も大のパチスロ好きであるヨコちゃん。

そんな彼が単純な設定変更のパターンを読むのは朝飯前だったことだろう。

ある意味では彼も、私の「しくじり」の犠牲者なのだ…。


そして、その翌日。

「なんスか、店長! 仕事の前にビックリするやないスかぁ、

てか今日は北斗のシマ、あんまり出とらんやないですかぁ~」

私から事務所に呼び出された彼は、いつも以上に饒舌だった。

怯えたように少し震えた声からは、例の笑い方も消えていた。

「そりゃそうだろ、今日は北斗はオール1だわ。

お前のツレが打っている朝イチから5万以上ヤラれているカド台も含めて、な」

私の第一声に、ヨコちゃんは激しく顔を歪めた。

「ハァ、どういうことッスか店長、てか、何の話をしてますのん?」

汗っかきの彼の額は、既にビショ濡れだった。

そして瞳は真っ赤に充血して、うっすらと涙が滲んでいた。

だが彼の頬に流れ落ちた一滴は、後悔の証には見えない。

己の罪を隠し通すための嘘が、動揺で零れただけのものだ。

「何もかもわかってるっつーの。 カメラにもバッチリ映ってるわ。

もうお前はウチの店には要らねえ。 …今日付けで解雇処分だ」

ヨコちゃんは茫然とした表情を一瞬だけ浮かべたが、

スグに私を睨み付けながら、こう返してきた。

「どうしてもクビなんすか! そんなん店長の勘違いかも知らんですやん!

今日まで仕事をマジメにやってきたのに、おかしいですやん!」

私は怒りに燃えた言葉を吐き出す彼の心に氷水をブッかけるように、

「何もやましい事が無いならお前が今、その右手に持ってるケータイ貸せ。

俺が通話履歴とメールの送受信フォルダ、全部確認してやるわ。

あと、北斗のシマにいるアイツも事務所に同席してもらうぞ」

と、抑揚の無い口調で諭した。

「…もうエエっすわ、今まで世話んなりました、店長」

それが、私の聞いたヨコちゃんの最後の言葉だった。


「どういう訳ですかっ、なんでヨコさんがクビになるんですか!!」

それから10分と経たないうちに事務所に飛び込んできたのは、

ヨコちゃんと一番仲の良かった、キャベツ人形のような顔をしたマユミちゃんだった。

「ヨコさん、ウチのスタッフの中でも一番マジメに仕事してましたよねっ!?

店長の手伝いをするからって、昨日だって夜遅くまで一緒に働いてましたよね!?」

血相を変えて一気にまくしたてる彼女に、私は返す言葉を懸命に探していた。

「…もうイイです。 私も今日でヤメさせてもらいます!」

その返事を待たずに、彼女もまた事務所を飛び出してしまったのである。

私の口からは飛び出したのは弁解ではなく、大きな溜息だった。


こうして1日で2人の仲間を失った私は早番スタッフの協力を得て、

どうにかその日の仕事を終えた。

しかしながら閉店後、再び重い溜息をつくことになってしまった。

「店長~、どうしても景品の数が合わないんですよ~」

困惑した遅番カウンタースタッフの女の子から、そんな報告を受けた私の口からは、

「どうした、金景品(特殊景品)が足らないの!?」

という叫び声が吐き出された。

同時に、数時間前に辞めさせてしまったアイツの顔が思い浮かんだ。

私の大声に驚いた女の子は、妙に恐縮した口調でこう続けた。

「…いえ、カップ焼きそばの在庫が一つ足りないんですよぉ~」


全スタッフを帰宅させた後、私は再び事務所で録画された画像を確認していた。

そこには解雇宣告を受けてから更衣室で着替えを済ませたヨコちゃんが、

景品棚からカップ焼きそばを手に取って、そのままカバンに忍ばせている映像。

私が予想した通りの彼の行動、その一部始終がバッチリ映っていたのである…。


…ヨコちゃんと一緒の時間を過ごせなくなったその翌日から、

連日のように北斗の設定6をツモっていた若者の姿も店から消えた。

そして、店一番のムードメーカーを失った遅番スタッフたちの間からも、

以前のような活気が感じられなくなってしまった。

後から聞いた話では、ヨコちゃんは他のスタッフからも金を借りていたようで、

突然クビになった彼と連絡が取れなくなって困っている、という嘆きの声を、

私は多くのスタッフから嫌になるほど聞かされることになった。

酒とパチスロと女遊び。

その話を嬉しそうに話してくれたヨコちゃん。

けれども金についての相談は、私にだけは一度も無かった彼の笑顔を思い出す。

俺はカネは貸してやらねえよ、お前に貸してもどうせ返ってこないだろ。

だけどカップ焼きそばぐらいなら、箱ごと買ってプレゼントしてやったのによう。


「いやもうね、昨日のAVメッチャたまらんかったッスわ~!

今度、店長にも貸しますわギュフギュフギュフ…」

…だからヨコちゃんさあ、昨日の説教のこともう忘れてんだろ!!

ホラ、マユミちゃんがまたスゲー顔で睨んでんじゃねえかよ。

勘弁してくれよな、ヨコちゃん。

ホント、許してくれよ…。 





 

 

カタギリ・今週の1枚

バーサスが最高過ぎて他のパチスロが目に入りません。

写真の出目は予告音ナシでパパ~ンとハサミ打ってのゲチェナで2確。

これで赤7BIGなんだから、言うことナシですわ。
 

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この記事へのコメント(18 件)

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元・店長カタギリ
投稿日:2016/09/13
tapさま。

判断は間違っていなくとも、私の行動が無ければ彼が罪を犯すことも無かった訳で、
それについては今でも本当にやってしまったなと後悔しています…

信頼はしても、油断はしちゃいけないんですよね。
それこそ、会社のお金を預かる立場なのですから…
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元・店長カタギリ
投稿日:2016/09/13
糖分のゴト師ユイリィさま。

罪を犯せば、必ず罰が下される。
それを若いうちに経験できただけでも良かったのかな、とは思います。
誰だって少しぐらいの過ちは犯すものですからね。
罪を許さない、というのも愛情のひとつだと私は思うのです。
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元・店長カタギリ
投稿日:2016/09/13
ぬっこさま。

悪銭身に付かず。
英語だとイージーカム、イージーゴーでしたかねw

私はこの一件で、この言葉の意味を痛切に感じさせられましてね。
きっと彼が得たお金は、自身にとって1円の価値も無い、
正に身にならぬ銭だったと思います。

やりたいことを我慢して、頑張って得たお金で食べるカップ焼きそば。
それこそが自分の血や肉になるんですよね。


…ま、
カップ焼きそばじゃ、あんまり血肉にはならないかも知れませんがw
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元・店長カタギリ
投稿日:2016/09/13
FLEAさま。

お金の問題が発生した時の対処は難しいですからね。
ちなみに私は最初に勤めたパチ屋で社員から「落ちてるカネは貰っとけ」と言われて驚愕しましたよw

その人は店長にメチャメチャ怒られて、すぐに拾得金のルールが確立されましたが、大昔は相当ルーズだったんでしょうなw

ちなみに私は目押しガバガバなのでビタには自信がありませんw

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元・店長カタギリ
投稿日:2016/09/13
長門龍希さま。

私がもっと注意していれば起きなかった事件なので、それに関しては弁解の余地は無いんですよね。
ただ、それをやったのが信頼していたスタッフだったというのが辛いところですわ…。

パチ屋ではいろいろな勉強をさせてもらいましたよ、ホントに。



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元・店長カタギリ
投稿日:2016/09/13
ポリンキーさま。

彼は他のアルバイトスタッフや一般社員からもお金を借りていたのに、
一番よく飲みに行っていた(はずの)私には一言も借金の相談は無かったですからね。

一言でも相談してくれたら…

その想いは今もまだ消えることがありません。

…ま、
今は店長時代ほど給料が貰えていないので相談されても困りますがw
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元・店長カタギリ
投稿日:2016/09/13
トリオレの三男さま。

ま、これは特殊な例だとは思いますが、
「悪知恵が働くなあ…」と感心する部分もあるんですよね。
ただ、毎日同じヤツが6をツモってたら誰でも怪しく思いますわな。
そういう意味では「ナメんなよ、ヨコちゃん!」と言ってやりたいっすわw
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元・店長カタギリ
投稿日:2016/09/13
くりくり。さま。

貧すれば鈍する。

長年パチ屋で働いてきて、今もしみじみと感じるのはこの言葉の重みですな。
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元・店長カタギリ
投稿日:2016/09/13
あきうめさくらさま。

昔のパチ屋はあらゆる管理が杜撰だったので、このテの話はいろいろと聞かされましたし、実体験でもまだまだ語れないことがたくさんありますわw

ま、
景気が良かったんスかね。 ←雑なまとめw
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tap
投稿日:2016/09/09
パチンコ屋さんといえども、慈善事業ではないのだから、集団で利益を求める一種の企業。である以上、カタギリさんの判断は決して間違っていないと思うけどなあ。
カタギリさんがヨコちゃんの事を信頼していたから、本来見せてはいけない設定変更が見られる様な状況を作り出していたのかも。

元・店長カタギリ
代表作:しくじり店長

シルバ〇アファミリーみたいに小さなパチンコ店の責任者から一転、 雑巾がけがメインの業務となってしまった事務員へとグレードダウン。 そんな設定①のスランプグラフのような半生を、隔週水曜日に連載させて頂いております。 タイトルは「しくじり店長」。 パチ屋の店長が平社員へと降格していく逆サクセスストーリーを、 海物語シリーズの泡リーチを見つめるような気分でお読みください。

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