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パチスロ攻略ライターの思考ルーチン
2023.10.31
パチスロライターに“なってしまって”episode.30(アクセルAT機へ)
2014年1月。ついに5号機のシステムの完成形が登場します。コナミ(当時、KPE)から発表された『激闘!西遊記』のアクセルATです。
それまでのAT機は、通常ゲームからリプレイ確率が高い特徴がありました。そうでなければ、純増3.0枚/Gを実現できなかったのです。ほとんどの機種のリプレイ確率は(通常ゲームもAT中も)1/4.0程度だったかと思います。
これには大きな問題があります。メダルを削りたい通常ゲームにあって、リプレイ確率が高いということは、それだけベース(通常ゲームの回転率)が高くなるということになります。理想としては通常ゲームでガツンと減らして、ATなどの当たり区間に入ったらモリモリと増やしたいのです。
パチスロの出玉率は、簡単に言うとこのように作られています。「通常ゲームのベース+大当たり確率+大当たり時の出玉」。打ち手からすると1000円で沢山回って初当たり確率も高く、当たった時に出玉も期待できる“”メダルの出る箱“が理想となりますけど、それではお店がやっていけません。強くできるのは概ね1ヶ所。1つが強ければ、その他の部分を削らなくては型式試験をパスできないのです。
ここで元のAT機を考えてみましょう。通常ゲームからリプレイ確率が高い→ベースが高い→初当たり確率か大当たり出玉を削る必要があります。それに対してアクセルATは、通常ゲームのリプレイ確率を1/7.3(遊技機規則上の下限)にできます。つまり、ベースを低くできる→初当たり確率をアップさせるか、大当たり出玉を優遇できることが可能になります。
このアクセルATを実現させたのは、隠し持たせるボーナスの種別でした。それまでのAT機は、隠しもたせるボーナスを2種BBとして、ボーナスが入賞しても2枚がけの2枚を払い出していました。いわゆる“ゼロボ”です。ところが、アクセルAT機は1種BBを採用しました。そして、ボーナスを消化する時にもメダルを減らしたのです。いわゆる“減るボ”です。
保通協の出玉試験では、高確率で成立するボーナスをその都度入賞させます。ずっと、ボーナスを消化しまくるのです。それならば120%(当時)の出玉率の上限を超すことはありません。数をこなすのですから、この時にゼロボか減るボとするかで、その他に回せる出玉の割合が変わってきます。これがアクセルATを実現させたアイデアでした。
言葉にすれば簡単です。隠し持たせるボーナスを2種BBではなく1種BBにするだけですから。ただ、この1歩が老舗メーカーにはとんでもなく遠い1歩だったかと思います。
というのも。「ボーナス中にメダルを減らすとは何事じゃ」と警察に怒られたことがあるんですよね。それを知る老舗メーカーは、ボーナス中にメダルを減らさないよう隠し持たせるボーナスを2種BBの“ゼロボ”としていたのでした。ただ、コナミは5号機時代から参入したメーカーで、シレっと出してみたら通ってしまったのでしょう(笑)。
いや、この発表会の当日、とあるメーカーの開発部から電話が来たんですよ。「『激闘!西遊記』何やっているんですか?」って。「隠し持たせるボーナスが2種BBではなくて1種BB」というところまでしか答えられませんでしたが。この時に言われたのが「昔にダメと言われたことも、持ち込み続けないといけないんですね。警察の見解が変わっているかもしれないので」ということでした。
ただ、このアクセルATの“通常ゲームのリプレイ確率が低い”という特徴。各老舗メーカーの創意工夫を生み出します。
★アクセルATの作り方、不正解の産物。
▲『ンゴロポポス』(大都技研:2014年3月)『やじきた道中記乙』(メーシー:2014年8月)
私の想像ですが。“減るボ”という発想がなかった老舗メーカーたちは、どうやったらリプレイ確率を下げたアクセルATを実現できたのか考えました。その過程で生まれたのが『ンゴロポポス』や『やじきた道中記乙』だったかと思います。
特に『やじきた道中記乙』の2枚がけでボーナスを成立させて、3枚がけ遊技で隠し持ち続けさせる発想は、今の6号機ATでもそのまま使われております。とてもざっくり言えば、6号機のATとは「アクセルAT+やじきた方式」です。いきなり正解に辿りつかなかったこそ得られたアイデアなのかもしれません。
こうしてどのメーカーもアクセルAT機を作っていくようになりました。ストック機だらけとなった4号機末期と同じです。ライターの技量や洞察力は意味をなしません。内部数値を持っているかどうか。編集部の政治力が大事となる時代の幕開けです。ただ、一つ違ったのがそれを良しとしないメーカーもあったということです。
アクロスブランドの誕生です。古き佳き4号機技術介入機時代のエッセンスを再現。このシリーズからは『ハナビ』などのヒット機種も生まれ、昔を知らない世代にもノーマルというゲーム性を浸透させてくれました。
正直に言いますと。アクロスブランドが誕生しなかったら、ホールに行くにうしろ打つ回数は激減していたかもしれません。そのような昔を知る世代も多かったはずです。
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- 佐々木真
- 代表作:パチスロ攻略ライターの思考ルーチン
裏モノ全盛期に“ギャンブル”としてパチスロを始めたが、技術介入機時代に最適手順を模索するなど“遊技”としての魅力にはまり、履歴書に大きな穴をあけてしまう。2000年よりパチスロ雑誌などで編集兼ライターの活動を開始。現在は、ほぼすべての機種の発表会や取材に参加。法律・規則などの知識をもとに、根幹システムの推測をライフワークとしている。
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