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パチスロワイルドサイド-脇役という生き方-
2023.10.10
疑惑の大量出玉~サンダーVリボルト②~
▲5号機「サンダーVリボルト」(アクロス)
前回のあらすじ
朝イチからサンダーVリボルトを打ちに行ったラッシー。実戦店はヒラ日(非特定日)でも高設定を投入するが、ライバルが少ないというまさに穴場。しかし、同じリボルトに朝イチからライバルが現れ、とてつもない勢いで出玉を積み上げていく。対するラッシーの台も高設定挙動を示すが、台数の少ないリボルトに2台も高設定が使われるとは思い難い。どちらか1台はフェイク(低設定)のハズ。そのとき、この店にまつわる黒い噂を思い出した。「あの店、やってるよ」――。
前回(①)はこちら
不審に思い始めたのは、Kとともにこの店に通い始めて2ヵ月ほど経った頃だ。その日の俺は朝からAT機を、Kはハナビを打っていた。
K「ラッシーさん。僕、帰ります」
――「は? まだ(午後)4時だぞ?」
K「そなんスけど…」
――「さっきツモったって言ってたじゃん?」
K「ツモったと思ったんスけど、2,000枚ノマれまして…」
――「お、おう…」
高設定だと半ば確信したノーマルタイプで2,000枚ノマれ。たしかにそれは精神的にクる。
K「もう気が変になりそうです」
――「ん? てか、4日前もハナビで2,000枚ノマれてなかった?」
K「んも~~~、デリカシーとかナイんスか?」
――「いやいや、スマンスマン」
そう、Kは4日前にも全く同じような展開を喰らっていた。
K「そういうラッシーさんだって、この前リボルトで…」
――「うっ…、頭が……」
この光景はここ2ヵ月で何度も見ている気がする。
この店あるある。
過去データを基に台を選んでも一発ツモとはいかないが、朝イチから2~3台移動するうちに高設定っぽい台へ行きつく。そこから一気に3,000枚ほどまで駆け上がるが、昼の2時を過ぎた頃から急降下し、結果的には1,000枚ほどの出玉でフィニッシュする。
思い返せば、この店ではそんな展開が多い。
それでも勝ちは勝ちだし、十分な日当は出ているが、やはり3,000枚の頂きを見てからの1,000枚着地は気持ちの良いものではない。どうしても「あの時にヤメておけば」という思考が纏わりつく。
そうは言っても行動原理が〝理〟であるライターにとって、「あの時にヤメておけば」を実行するのは難しい。設定推測要素が高設定を示している限り、それを捨てて帰ることなどできやしない。ましてやノーマルタイプなんて尚のこと。
そもそもハナビは、フル攻略なら設定1でも出玉率100%だ。理論上、設定1でも負けではないし、1以外と判別できたら閉店まで打ち切るのが正しい。その理屈も、必要以上に粘ってしまう原因になっている。
〝1じゃないから粘るべきだ〟
そう信じて閉店まで無心でブン回し、積み上げた出玉を大きく減らして実戦終了。そのパターンを、この2ヵ月の間にどれだけ喰らっただろうか。
K「マジ、この店のノーマルは〝ジェットコースター〟みたいっスね」
――「はは、たしかに」
朝イチから昼過ぎにかけて急激な右肩上がりのスランプを描く。そして、ピークから一気に下降線を描く。まさにジェットコースターだ。
ライター仲間とは、よく「ハナビの初代パネルは荒れやすい」などと話しているが、この店のノーマルタイプはそんな次元ではない。一旦天国まで連れていき、そこから一気に地獄へと突き落とす。メンタルをブッ壊しにくるのである。
――「まあ……そんな日もあるさ」
K「分かってんスけど、まだ(BIG中の)ハズレ出てないし、ボーナス出現率も急落しちゃったんで」
――「じゃあ、俺が座って出しても恨みっこなしね?」
K「お好きにどうぞ。僕は先に失礼します」
冗談のつもりだったが、Kはニコリともしなかった。あのKが憔悴しきるまで判別したのだ。高設定の可能性は低い。俺が打たないことも分かっているのだろう。仮に高設定だとしても捨てて帰りたい。それくらい疲弊しているように見えた。
――「じゃあまたね。お疲れさん」
K「お疲れさまです」
Kの背中を見送り、俺は自分の台のプレイに戻った。
遠隔はナイ!?
大ハマリやヒドい展開への耐性が高いライターでも、この店のノーマルタイプの異様なまでの荒れっぷりには精神が荒む。
といっても、やはり確率論の範疇からは逸脱していないハズだ。他店のノーマルタイプより〝荒く感じているだけ〟であって、この店が〝何かをやっている〟とは考え難い。
これが俺が学生の頃、2000年前後であれば話は違う。当時でも遠隔はほとんど無かったっと思うが、裏モノはたしかに存在した。地元で知られる某チェーン店でも、裏モノを設置していることは普通にあった。
しかし、今は2016年だ。裏モノなんて存在しないし、遠隔などあるはずがない。もちろん100%とは断言できないが、遠隔システムはホールにとってあまりにリスクが高すぎる。
遠隔のシステムを導入するには、莫大な費用がかかるらしい。加えて遠隔が発覚すれば、当該店舗の営業取り消しはもちろんのこと、系列店舗まで営業取り消しになるそうな。
言うなれば〝一族根絶やし〟。
この店はそこそこ名の知れたチェーン店だ。そんなリスクを冒すとは到底思えない。
それに万が一、遠隔をするとしても、わざわざアクロス系のノーマルタイプでやる理由が無い。老若男女に大人気の歴史的なヒット機種なら話も分かるが、大きなリスクを冒してまで打ち手を選ぶハナビやリボルトに手を加えるわけがない。
たしかに疑わしい挙動はある。Kとの間でも「ロケットスタートもらった!」とか、「2,000枚吸い込みはじまった」とか言い合っているが、それはもちろん仲間内でのジョークだ。本当にそんな操作をされているとは思っていない。
だから俺は、Kが姿を見せなくなってからも、ずっとこの店に通い続けている。他店より荒く感じるノーマルタイプも、通い続ければ収束して普通に感じるハズ。
通い始めの数か月~1年くらいでは、サンプルが少ないがゆえに、派手なスランプグラフが目につくのだろう。もちろん低設定らしく、高設定らしくお利口なスランプを描く台もたくさんある。きっとこの〝やってる感〟も、いずれ感じなくなるハズなのだ。
そして約2年後の現在―――
――「絶対やってんな! この店(冗談)」
頭上には4箱のカチ盛り。クドいようだが、機種はサンダーVリボルトである。
憧れの栄誉。
俺の台は相変わらず高設定挙動が続いている。1時間半ほど前に584GハマリからのREGを喰らって出玉を大きく減らしたが、そこから…
79 V-BIG
44 7-BIG
28 V-BIG
68 7-BIG
159 7-BIG
66 V-BIG
24 V-BIG
56 V-BIG
8 REG
63 V-BIG
怒涛のボーナス連打で出玉が急増!! このストック機さながらのボーナス連打を待っていた! リボルトの高設定はボーナス確率が高いため、終日打てばこういった連打も当たり前に起こりうる。
当然こんな展開なら何の機種でも面白いのだが、リボルトの場合〝リーチ目が出る〟という点が素晴らしい! もう予告音が鳴っただけでリーチ目が出る気がするし、予告音ナシでもシレッとリーチ目が出るのである。
「次はこんなリーチ目が見たいな…」などと思っていると、それがいとも簡単にポロリと出る。その際の脳汁が噴出する感覚は、AT機ではけっして味わえない!
俺の台が高設定であることは確定的。そして、さすがに〝この店〟といえどカチ盛り4箱をペロリするほどイカレてはいないハズ。
つまりは勝ち確!
あとは自身の出玉記録との勝負!!
チラリと腕時計に視線を落とすと、午後4時を少し回ったところだった。開店から約7時間で4,000枚強。閉店まで7時間半ほどあるため、序盤のような極端なREGへの偏りや大ハマリが無ければ…
万枚に届く!!?
5号機での万枚突破はART・AT機ばかり。そして4号機時代を含めても、ノーマルタイプでの万枚突破は未経験。
成し遂げたいっ!
勝ち額の問題じゃねえ!!
ノーマルタイプでの万枚突破は、言わば俺の〝パチスロ打ちとしての夢〟。ART機やAT機での万枚とは希少性がまるで違う。
ゴルフにたとえるなら、パターだけで大会を制するようなもの。マリオにたとえるなら、キノコやスターを1つも取らずにノーデスクリアするようなものだ。
一般論で考えれば不可能!
できるわけがない離れ業!!
だからこそ憧れるのである! 履歴書には書けない経歴なれど、古くからのパチスロ打ちにとっては最高の栄誉。万人に一人の称号なのだ!!
その称号を得るなら今日っきゃねえ!!
今日、俺は伝説になるんだッ!!
しかし、そんな俺の気持ちに水を差す者がいた。そう、角台の彼(ライバル)である。
初めて見る景色。
角台の彼の頭上にはドル箱が6つ。推定7,000枚。午後4時の時点で約7,000枚だ! まさに俺がいまスロ人生を賭けた頂きに挑もうとしている時、彼はその1.8倍ほど先を行っているのである!!
意味が分からない。
確認になるが、今日は特定日でもないヒラ日だ。少台数のリボルトに2台も高設定が入るとは考えにくい。そして俺の台は、もう疑いようがないほどに高設定挙動だ。つまり、彼の台はフェイク。高設定ではナイはずなのだ。
――「クッ………」
なんなのだ、この景色は。少台数のリボルトで4箱が1台、6箱が1台。なぜ特定日でもないヒラ日に? この疑惑の店でさえ、こんな景色は見たことがない。 彼の台は、相も変わらず大きくBIGに偏っている。REG出現率を見る限り、高設定とは思えない。それなのに…
この世には理解を超えたバケモノが存在する。
さも当然のように〝ここぞ〟で引きべきフラグを引くA先輩やU先輩のようなバケモノが。彼もその類だというのか? かつてない頂きに挑む俺に、格の違いを見せつけるために現れたのか?
そんなことを考えているうちにも、彼はお構いなしにBIGを重ねていく。どんなにフルウエイトでブン回しても、その背中は一向に見えない。
勝ちてえ!
あの名も知らぬライバルに!!
これは収録じゃない。ただの〝ある日の戦い〟だ。彼に勝とうが負けようが、なんの記録にも残らない。しかし、たとえ万枚を突破しても、彼に圧倒的な差を見せつけられての万枚突破を喜べるだろか?
リボルトで万枚を突破した。
でも、俺より出してる人がいた。
なんだそれ? それが美しい記憶として残るか? 高設定の確証があるのは俺の台なんだ! もう20年もこの遊びに捧げてきた!!
有利なのは俺!
理は俺にある!
理は裏切らない!!
必ず最後にはブチ抜いて勝つ! たとえあの台が疑惑のパワーで出ているとしても、俺は高設定で、正当なチカラでそれを超えるんだ―――!!
つづく
5
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- ラッシー
- 代表作:パチスロワイルドサイド -脇役という生き方-
山形県出身。アルバイトでCSのパチンコ・パチスロ番組スタッフを経験し、その後、パチスロ攻略誌編集部へ。2年半ほど編集部員としての下積みを経て、23歳でライターに転身。現在は「パチスロ必勝本&DX」や「パチスロ極&Z」を中心に執筆。DVD・CS番組・無料動画などに出演しつつ、動画のディレクションや編集も担当。好きなパチスロはハナビシリーズ・ドンちゃんシリーズ、他多数。
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