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パチスロワイルドサイド-脇役という生き方-
2022.08.16
キモいライター~パチスロ創聖のアクエリオンⅡ~①
朝の編集部は予想通り静かだった。始業時間より1時間ほど早いうえ、この時期は定期誌の校了時期からも外れている。
この日の仕事は小冊子の校正作業だった。定期誌の編集からは退いたものの、増刊本や小冊子の編集は続けている。作業のほとんどは在宅になったが、デザイン会社から出力が上がってくるこの時期ばかりは、どうしても出社する必要があった。
出社時間は決まっていないが、夜はなるべく家族と食卓を囲みたい。10時前には社員が出社してくるが、それまではほぼ貸し切り状態だ。間借りしている作業机に向かうと、遠くにチラリと編集長の姿が見えた。
「おはようございます」と声を掛けたが、ヘッドフォンをしていて気付いていない。どうやら動画のチェック作業をしているらしい。雑誌に付録DVDが当たり前に付くようになり、WEBの動画も増えた。
動画の進行は想像よりもずっと早い。特に付録DVDの動画は、誌面の校了よりずっと前に納品する必要がある。そのため校了までだいぶ遠いこんな時期でも、始業時間前から作業しているというわけだ。
作業を中断させるのも悪いので、挨拶は1話分を観終えるまで待つことにした。とりあえず席につき、デザイン会社から上がってきた初校に目を通す。すると……
編集長「なんだコイツ、きんもっ」
――「………」
どうやら独り言らしい。
編集長「うわっ、気持ちわりぃ~な」
――「………」
一体なんの動画を観ているというのか。そもそもパチスロ動画に、そんな気持ち悪いシーンなどあるだろうか。
編集長「ハァ? きんもコイツ! や~ば」
編集長は時折イスの上で仰け反ったり、寒さに震えるように腕を抱えたりしている。そんなに気持ち悪い出演者など、ウチの「H」にいただろうか。
編集長「ちょ~~~、なんだよコイツ~~~」
たまらず席を立ち、編集長が悶絶しながら観ているモニターを覗いてみると……
――「俺じゃん!!!」
キモいライター。
声に気付いて編集長が振り向いた。
編集長「おう、お前か! おはよう」
――「おはようございま……じゃないっスよ! なんスか朝から」
編集長「いや、お前キモすぎるって」
――「なんだぁ? パワハラか?」
誤解なきように書いておくと、この編集長とは十年来の付き合いだ。俺がライターになる前の直属の上司であり、攻略誌「H」のライターになることを後押ししてくれた恩人でもある。俺にとって、この業界における師匠のような存在だ。
編集長「違うって! この動画のお前、キモすぎんだろ」
――「……はぁ、まあ」
たしかに心当たりがあった。
編集長「さ、寒い…見ろよ、この鳥肌」
――「今日、ちょっと暑いくらいですけどね」
編集長「お前のせいで鳥肌立ちすぎて寒くなってんの!」
――「いやいや、そんな大袈裟な」
編集長「どうかしてんだろ? この日のお前」
――「………はぁ」
あの収録日の俺は、自分で振り返ってもどうかしていたと思う。
因縁のマシン。
その番組は、攻略誌の付録DVDに収録されているZ先輩とのノリ打ち企画だった。以前、Z先輩とともに参戦したタッグ戦番組で優勝し、そのご褒美としてもらったのが、このノリ打ちレギュラー企画である。
レギュラー企画になってからも我々の勢いは止まることなく、開始以来、連戦連勝が続いている。ガチの立ち回り番組ではなく、各々が好きな機種を打ち散らかすといったユルい番組なのだが、なぜか毎月撮れ高MAXが続いていた。
そんな中で迎えたある日の収録で、俺は朝イチから「パチスロ創聖のアクエリオンⅡ」に着席。Z先輩は最近のお気に入りだという「鬼浜爆走紅蓮隊~友情挽歌編~」のシマへ消えていった。
▲5号機「パチスロ創聖のアクエリオンⅡ」(SANKYO)
2013年の春頃にリリースされたボーナス+ART機。押し順の6択当てがカギとなる前作のゲーム性を色濃く継承しつつ、6択当てが2択当てや完全ナビになる複数の状態を搭載。これにより択当て正解の機会が増え、ARTセット数を大量ストックすることも可能となった。
ボーナスはスーパーBIG・BIG・REGの3種類で、いずれもリアルボーナス。メインとなるのはBIGとREGで、BIG中は7揃いやエピソードバトル勝利でART確定となる。
REG中は6Gにわたり3択ベルの押し順当てに挑戦し、最終的な獲得ポイントに応じART抽選が行われる。また、通常時のレア役成立時もART抽選が行われる。通常時のレア役とボーナスの双方向からART当選を目指せるフローだ。
本当は導入直後の「キャッツ・アイ~コレクション奪還作戦」を打ちたかったが、抽選ではじかれアクエリオンⅡへ。アクエリオンⅡは初打ちでボロ負けし、一発ギャフンと言わせるまで絶対に許さないと誓った因縁のマシンだ。
正直、プライベートで打ち倒したいほど甘い機種ではナイ。だからこそだ! 収録でなら、たとえ盛大に散ったとしても「仕事での負け」として納得できる。どうせ負けるのなら、せめて視聴者に笑ってもらいたい。
序章。
選んだのは前日最も凹んでいる左角2。言わずもがな上げ狙いだ。設定変更後は約30%で高確へ移行するため、高確挙動をチェックしたいが……開始早々に引いた強チェリーがスカってしまう。
高確強チェリーのART当選率は、ボーナス非同時当選の設定5・6なら75%にも上るため、一発ハズれただけでもかなりキツい。モタモタしていればアクエリオンⅡのシマも埋まってしまう。移動するなら今だ。
3,000円使ったところで台移動を決意。同じく前日凹みっぱなしだった左角台へ。すると、またもや開始早々に弱チャンス目を引き、難なくBIGが当選! ここはARTに繋がらなかったが、追加2,000円で再びBIGが当選。
そのBIG中に7揃いを引き、この日初となるARTに突入!
ART「創聖ラッシュ」
純増1.5枚/Gのセット数管理。1セットの初期ゲーム数は30~200Gで、セット開始時の「エクスタシーチャンス」で告知される。ART中はSPリプレイ揃いでセット数を上乗せるほか、レア役によるゲーム数直乗せもアリ。
純増は既述の通りなので、30Gのセットが連続したところで大量出玉獲得は叶わない。択当てでSPリプレイを揃えセット数を上乗せしつつ、リアルボーナスで出玉を増やしていく…というのが理想パターンだ。
肝心の1セット目は50Gスタートとまずまず。とはいえ駆け抜けも当たり前にあるので、あまり期待せずプレイしていると……
――「っしゃ、宇宙状態行きました!」
フラットなART中のSPリプレイ確率は約1/160だが、宇宙状態中は約1/14にまで跳ね上がる。宇宙状態の保証は3Gのみなので、その間に約1/14を引かねばならない。まあ、引いたところで択当てに正解しないと意味はナイが……。
かみ合えばアツいART
ART中には宇宙状態のほか、SINから移行するナビ高確や、レア役によるゲーム数直乗せから移行する創星ラッシュも存在。ナビ高確や創星ラッシュ中にSPリプレイが成立すると択当ての完全ナビが発生するため、それらと宇宙状態が重なれば大チャンスとなる。
宇宙状態に移行して3G目、レバーを叩くと……
――「っしゃ、SPリプレイ来た!」
とはいえナビなしの6択。易々と当たるはずはナイが、リールを中⇒右の順に止めるとBARが右上がりにテンパイした。
――「あっ、SP揃い2確です」
【Ⅱ】のトリガー。
SPリプレイの押し順正解時は、狙えば一直線にBARが揃う。ART中の押し順正解の恩恵はセット数上乗せ+特化ゾーン「創聖(星)モード」突入。アクエリオンⅡは、その創聖(星)モードこそが面白い。
創聖(星)モード
特化ゾーン「創聖(星)モード」は以下の3段階。
創星モード …完全ナビが発生
創聖モード金…2択ナビが発生
創聖モード夜…ナビは非発生
創聖(星)モード中は、SPリプレイの択当てに正解するたびARTセット数を上乗せる。
最上位の創星モードは上乗せ確定で、完全ナビが規定回数発生すると創聖モード金へダウン。次ぐ創聖モード金は、2択不正解で創聖モード夜へダウン。創聖モード夜で6択不正解なら、特化ゾーンが終了してしまう。
なお、創聖モード金は2択を当て続ける限り終わらないので、2択にさえ勝ち続ければメキメキとARTセット数を上乗せる。また、詳細はのちに譲るが、ダウンした段階が再びアップする可能性もアリ。
ちなみに基本的には創聖モード金からスタートするが、創星モードからスタートする場合もある。無論、その場合は1セット以上の上乗せ確定。
ロケットスタート。
案の定、特化ゾーンは創聖モード金からスタート。2択を3連続で正解するも、4回目が不正解でナビなしの創星モード夜へ。が、ここで…
――「あ、桜柄カード」
カード出現はSPリプレイ成立、つまり6択を意味する。それが桜柄ということは……恐る恐るリールを止めると、キレイにSPリプレイが揃って上乗せ+創星モードへジャンプアップ!
――「なるほどね!」
どうやら桜柄カード出現時の択当てに正解すると、1段階以上アップするようだ。最上位の「星」へ移行したため、次のストックも確約された格好である。
――「ヤバっ! こんな経験初めて」
創星モードの完全ナビは1回で終了したが、次ぐ創聖モード金でも2択に正解。その後、スグに不正解で創聖モード夜に落ちたが、ここでチェリーを引くと……
――「えっ、ウソ……だろ?」
再び最上位の創星モードに返り咲いているではないか!! そこから完全ナビ1回で転落⇒2択不正解で転落⇒6択不正解で特化ゾーン終了と続いたが……
一連で+8セット!!
仮に8セットすべてがミニマムの30Gだとしても、ARTを240G上乗せた形だ!
――「ちょ待って、まだ開店から1時間も経ってないよ!」
困惑。乗せすぎて困惑である。が、ARTの純増は+1.5枚/G。ボーナスを引けなければ少ない枚数で駆け抜ける恐れも十分ある。が……
――「強チャンス目で30G乗った~」
この上乗せから創星ラッシュに移行し、直後にSPリプレイが成立。既述の通り創星ラッシュ中の択当ては完全ナビで、さらに……
――「特化ゾーンが【星】スタートだ!」
創星ラッシュ中に射止めた特化ゾーン「創聖(星)モード」は、必ず最上位の創星モードからスタートする。つまり、もう1個のストック獲得が約束されたわけだ。
――「始まった……完全にはじまった!!」
6択の厳しさを思い知らされた初代「パチスロ創聖のアクエリオン」。しかし、このⅡには2択ナビ状態の創聖モード金がある。
簡単だ!
2択さえ当て続ければいい!!
プライベートの初打ちでは素寒貧にされたが、ロケットスタートをキメた今日ならヤレる! 限界までブッこ抜く!!
もはや俺は、これが収録中であることさえも忘れつつあった。
つづく
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- ラッシー
- 代表作:パチスロワイルドサイド -脇役という生き方-
山形県出身。アルバイトでCSのパチンコ・パチスロ番組スタッフを経験し、その後、パチスロ攻略誌編集部へ。2年半ほど編集部員としての下積みを経て、23歳でライターに転身。現在は「パチスロ必勝本&DX」や「パチスロ極&Z」を中心に執筆。DVD・CS番組・無料動画などに出演しつつ、動画のディレクションや編集も担当。好きなパチスロはハナビシリーズ・ドンちゃんシリーズ、他多数。
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