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パチスロワイルドサイド-脇役という生き方-
2022.06.21
遂に出た!? 5号機初万枚~まさかの機種でイッちゃった?~
ブギュギュン、ブギュギュン、ブギュギュギュギュギュ~~~ン♪
強烈な効果音とともに、液晶周りのランプが激しく明滅を繰り返した。液晶には少し窮屈そうに+180Gの文字がデカデカと表示されている。
――「ハァ~、ったく……」
呆れて言葉が見つからない。胸中は複雑だった。
――「いやいや、落ち着けって……」
小さく呟いて笑った。普段であれば手放しで喜ぶべきシーンだが、もう十分。もう十分すぎるのである。ウエイトの合間に腕時計に目をやると、すでに22時を回っていた。
――「腹減ったなぁ……」
左手でプレイを続けつつ、右手で台上のドル箱を掴み取った。店側も面倒になったのだろう。普段は見かけない、やたらとデカいドル箱が置かれている。本気になれば3,500枚ほど入りそうだが、メダルをキレイに積むほど余裕はない。
――「いつの時代のドル箱だよ」
ドル箱を膝の上に置き、右手だけで下皿から雑にメダルを移す。よもや、こんな事態になるとは想像もしていなかった―――。
ヤッさんとの初仕事。
この日は誌面企画の実戦日だった。当企画は、攻略誌では少しだけ珍しい〝漫画〟形式。大先輩であるKさんと俺が一緒に実戦し、その1日を漫画にして毎月連載していた。
パチンコ・パチスロの〝漫画誌〟はたくさんあったが、攻略誌のイチ企画としての漫画はさほど多くなかった。せいぜい一誌につき1本あるかないか。攻略誌「H」の兄弟誌で人気漫画が終了し、その後釜としてスタートしたのがこの企画だった。
その漫画を描いてくれた人物こそ、パチ7でお馴染みの天草ヤスヲ先生。先生と呼ぶと本人がイヤがるので、俺は「ヤスさん」や「ヤッさん」と呼んでいる。
当時のヤッさんは、すでに我が編集部の漫画誌で連載を持っていた。以前から顔見知りではあったものの、実際に仕事でかかわるのはこれが初めて。実戦日の様子を俺がシナリオ形式にし、ヤッさんがネームから納品までを担当してくれていた。
企画開始当初はKさんと2人で同一機種を攻めていたが、真剣に勝ちを目指すためには機種縛りが足枷になるため、途中からは別々の機種を打つことも増えていった。実戦ルールもこれといって無かったが、なるべく旬な新台を打つよう心掛けていた。
それでこの日たまたま狙ったのが、この機種というわけである。
▲5号機「ランブルローズ3D」(KPE)
2012年の秋に登場したボーナス+ART機。一応BIGを搭載しているが、基本的にはARTのみで出玉を増やすタイプと思っていい。BIGは約204枚獲得とやや控えめだが、通常時に成立すれば必ずARTが付いてくる。
なお、機種名にある通り液晶演出に3D表現を採用しているが、真に注目すべきは〝表と裏〟で大きく変化するゲーム性。ARTには表と裏が存在し、それぞれ初期ゲーム数の抽選システムや特化ゾーンが異なる。詳細については、おいおい本編で明かしていこう。
ちなみにARTは表・裏ともにゲーム数管理で、純増も2.0枚/Gで変わらない。いずれのARTもゲーム数を消化しきるとバトルに発展し、敗北なら終了、勝利なら初期ゲーム数を獲得して次セットへ継続となる。
この日はまだ導入直後。普段であれば事前に詳細を予習しておくが、このときはあえてそうしなかった。この機種に対する世間的な注目度はお世辞にも高いとはいえなかったが、俺は密かに期待していたためである。
理想のART機。
事前に把握していた情報は、「表と裏という2種類のARTが存在する」という一点のみ。打つ動機はそれだけで十分だった。というのも、俺は2種類以上のARTを行き来して出玉を増やす機種が好きだった。
従来機で最も理想に近いのが「押忍!番長2」。ほかにも2種類以上のARTを搭載している機種はいくつもあったが、どれも片方のARTは上位ART・プレミアARTといった扱いだった。
対する番長2はご存知の通り、通常時も頂RUSH中もさほど変わらず擬似ボーナス抽選が行われる。言うなれば頂RUSHと擬似ボーナスは、それぞれ別のタイムラインで進行している。その〝2種類のART抽選が別々に進行〟という点にソソられるのである。
番長2では擬似ボーナスが頂RUSHへのCZ的な役割も担っているが、俺の理想はそうじゃなかった。2つのARTに一切関連性がなく、それぞれ独立したタイムラインで抽選が行われたら面白いのでは!?
たとえばメインARTの「ラッシュ」は規定ゲーム数到達でのみ抽選が行われる。対してサブARTの「タイム」はレア役成立時のみ抽選が行われる。ラッシュ消化中もタイムの抽選は有効で、タイム消化中もラッシュの抽選が有効……という形ならどうか。
ラッシュ消化後、内部的にストックしていたタイムを連続で放出……などということも起こり得るし、当然その逆も起こり得る。4号機「ハードボイルド2」のBBBシステムみたいに、ART消化後に複数のボーナスが一気に放出されるイメージだ。
メインARTから上位ARTに昇格し、上位ART後は再びメインARTへ……という平面的なフローではなく、2つ別々のARTが無秩序に入り乱れるようなら最高だ。俺は5号機ART機の黎明期から、そんな妄想を抱いていた。
ARTに表と裏が存在する「ランブルローズ3D」は、まさに俺の妄想を実現しているのでは――!?
想像の斜め上。
開店から6時間経過――
U氏「お、スゲーむくれてんな」
――「はぁ…いや、まあ……」
当企画の担当編集であるU氏が様子を見にホールへやってきた。
U氏「Kさんは?」
――「あっちでニーマルリヴァイズ打ってると思います」
U氏「と思います?」
――「ええ、しばらく様子見れてないんで」
U氏「は? ケンカでもしたの?」
――「まさか! 席を立つ余裕がねえんスよ」
U氏「え? ウソ…これ……まさか」
――「そう。その通路にある別積み、全部俺のっス」
U氏「はあぁぁぁ!?」
午後4時の時点で、出玉は4,000枚を超えている。そしてARTの残りゲーム数は3ケタからちっとも減らない!!
U氏「ちょ待て待て、そもそも何? その台」
――「ランブルローズ3Dです」
U氏「ランブ…なんだって? まあいいけどよ、なんでそんな出てんのにムスッとしてんだ?」
――「だって……裏ARTが来ないんスよ!!」
U氏「お、おう……そうか」
開店から絶え間なく回しているが、裏の〝う〟の字すら見ていない!! 今のところ、ごくごく普通のART機といった印象だ。
2回目のART初当りを引いた際、堪らず攻略誌「H」のケータイサイトで情報を調べた。すると、衝撃の事実が判明!
ARTだけでなく通常時・CZ・特化ゾーンにも、それぞれ表・裏が存在する。重要なのはART終了時のモード移行だ。そこで「表」と決まれば、次回ART終了まで通常時もCZもARTも特化ゾーンも表のまま。
逆に「裏」と決まれば、通常時から特化ゾーンまですべてが裏になるというわけだ。つまり、表と裏が入り乱れるようなことはなく、ART終了時点でキッチリ表 or 裏に分けられるのである。
肝心の俺の台は、朝イチからずっと表のまま。「ホントに裏なんて存在すんの?」状態だ。そして2度目の表ART初当たりから特化ゾーンに入り、3ケタ乗せの大爆発!! そこから無双状態に突入して今に至る。
U氏「なんでそんな出てんの?」
――「さあ……なんかカンタンに3ケタ乗るんス」
U氏「カンタンに?」
――「そう、特化ゾーン入るたび3ケタみたいな」
U氏「なんだそれ!!?」
ARTの表と裏では突入する特化ゾーンが異なる。表ARTの特化ゾーン「神風ラッシュ」は1セット10Gの継続率管理で、リプレイを除く全役でARTゲーム数を上乗せる。なお、継続率は33~75%だが、10G目がリプレイ以外なら必ず次セットへと継続する。
要するに、10G目にリプレイさえ引かなければ終わらない。仮にリプレイを引いたとしても、継続率は33%以上だ。長く続きやすいがゆえ、大量上乗せもなんら珍しくないのである!!
――「あ、また120G乗った」
U氏「ヤバすぎんだろ!!」
俺が求めていた理想のゲーム性とは違った。が、ARTの一撃性は求めていたモノの遥か斜め上だったのである!
これはもしや―――。
行きずりの相手。
400G強に増えた残りゲーム数を見て、U氏が口を開いた。
U氏「これ、万枚行くんじゃね?」
――「お、おうん……」
U氏「いや『おうん』じゃねーよ!! 大チャンスじゃねーか!」
――「そなんスけど」
U氏「けど?」
――「いや~、俺5号機で万枚出したことないんスよ」
『あわや万枚』なら数え切れないほどあったが、この時点で5号機による万枚突破は1度もなかった。
U氏「だから、それが今日だろっての!」
――「……ヤなんスよ」
U氏「え?」
――「やっぱり『コイツしかいねえ』っていう〝心に決めた機種〟で5号機初万枚を達成したいじゃないですか?」
U氏「ば、ば、バカだ……」
――「行きずりの相手で初めてを終えるとかナイっしょ?」
U氏「思考が童貞すぎる!! いや、ブン回せよ!!」
――「え~、ヤだなぁ~。エウレカで達成したいな~」
U氏「出るかっ!!」
理想としていたゲーム性でないうえに、裏ARTをチラリとも見せてくれないランブルローズ3D。まだ会ったばかりで何も知らないコイツを相手に、俺は純潔を守り切れず果ててしまうというのか―――。
勝者のツラ。
午後11時――
U氏「おう、こっちこっち!」
Kさん「おせーぞ!」
ホールから歩いてすぐの焼き肉屋に入ると、U氏とKさんはすっかり出来上がっていた。
――「お待たせしました~」
U氏「もう俺ら腹いっぱいだから、好きなもん頼みな」
――「ふはは、どうせ会計俺ですからね」
Kさん「ゴチになります!」
年齢も業界歴も関係ない。バカ出ししたやつが会計を持つ。明確なルールはないが、当時の俺たちはそれが当たり前だった。
U氏「で、何枚出たの?」
――「10,600枚くらいですね」
Kさん「いったか! 差枚でも万枚?」
――「そうですね。投資少なかったんで」
Kさん「スゲエな! おめでとう!」
――「へへ……ありがとうございます」
『常に万枚を出すつもりで家を出る』
あの頃の俺は、そんな気持ちで毎日ホールへ向かっていた。だから当然嬉しいのだが、まさか『ランブルローズ3D』で5号機初万枚を達成するとは露ほども思っていなかった。
Kさん「スゲエ台だったな! なに引いたの?」
――「いえ、なにも。ホントなにも引いてないんスよ」
U氏「出たよ、ムカつくぜ~その謙遜」
――「いや謙遜とかじゃなくて、マジで普通に万枚出た。そんな感じ」
恐ろしいことに、これといったハイライトは特にない。特化ゾーンに入れば当たり前に3ケタ乗る。ただそれだけだった。ちなみにデータを振り返ってみると、3ケタゲーム数を上乗せた特化ゾーンは16回あった。
Kさん「まあ、終電も近いから急いで食べなよ」
――「はい、いただきます」
Uさん「いや~、俺がホール着いたときのラッシーの顔なw あの『今月もウン千枚出てますけど、なにか?』みたいなツラよ。ムカついたわ~」
Kさん「ああ~、スッゲェ分かる! ラッシーはするな~、その得意気な顔」
――「いやなんスか! ヤメてくださいよ!」
Uさん「今もだよ! 万枚出してそんなツラしてるヤツ初めて見たわ」
――「だって、1回も裏ART見れてないんスよ!!」
Uさん「クッソどうでもいいwww」
――「よくねーわ! 楽しみにしてたのにぃ」
結局、裏ARTは終日通して見られずじまい。こうして、予期せぬ形で5号機初万枚を達成することとなった。まさか記念すべき1発目が『ランブルローズ3D』だとは! そんな人、ほかにいます?
6号機でも万枚報告を耳にするようになってきた昨今。現状、自身ではまったく出せる気がしないのだが、いつかまたポロッと出るのかもしれない。たいしてその気もない、油断している日に。
でも、やっぱり6号機初万枚は心に決めた機種に捧げたいなぁ。
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- ラッシー
- 代表作:パチスロワイルドサイド -脇役という生き方-
山形県出身。アルバイトでCSのパチンコ・パチスロ番組スタッフを経験し、その後、パチスロ攻略誌編集部へ。2年半ほど編集部員としての下積みを経て、23歳でライターに転身。現在は「パチスロ必勝本&DX」や「パチスロ極&Z」を中心に執筆。DVD・CS番組・無料動画などに出演しつつ、動画のディレクションや編集も担当。好きなパチスロはハナビシリーズ・ドンちゃんシリーズ、他多数。
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