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パチスロワイルドサイド-脇役という生き方-

パチスロワイルドサイド-脇役という生き方-

2021.03.02

『サンボ』誕生秘話~緑ドンVIVA!情熱南米編~

ラッシー ラッシー   パチスロワイルドサイド-脇役という生き方-

――「グッ………」

深く息を吸い、そのまま強く奥歯を噛んだ。こんなときは強めにレバーを叩きがちだが、むしろ逆! 限界まで水を張った盃。それを一滴も零さず運ぶイメージだ。極めて繊細なレバーON。

――「……(終わるな! 終わるなよ!!)」

揺らぐ感情を抑え、淡々と指先でレバーを叩き続けた。液晶の上乗せゲーム数は、毎ゲームじわじわと増え続けている。上乗せベースは最低の5Gだ。しかし、特化ゾーン突入時の背景は赤。即ち継続率は80%以上!

1度は諦めた本日の勝利。しかし、ここの伸び次第では逆転もあり得る。

継続ゲーム数は5G目を超え、10G目も超えた。上乗せゲーム数の累計も100Gを超えた。しかし、これでもまだ足りない。200Gを超えてやっと逆転への道筋がほの見える。できることなら、もっと欲張りたいが…

――「あっ!!」

レバーを叩いた瞬間に赤背景+押し順ナビなし。これにて当該ゲームの上乗せ+継続は約束された。

昂ぶりを押さえつつ左リールを止めると、下段に「波」絵柄が止まり、液晶の〝彼ら〟が回転しながらジャンプした。共通ベルの可能性もあるが、これが「強波」ならば……。

右リールを止めると右上がりに波が単独テンパイし、思わず左手を強く握った。あとは第3停止時に出現する告知が重要だ。ただの「+5」か、それとも…。そして斜めに波絵柄が揃った直後――

「BONUS+30」

――「っしゃ!!」

次ゲームで右リールにBARを狙うと、ズルッとスベって上段に七が停止。ドル箱を手に取り、メダルを詰めつつ七を揃えた。
 

折れない心。

午後10時――
せせらぎの音をかき消すように、耳の下ではガチガチと大きな音が鳴っていた。感覚を失った両手でハンドルを握り、用水路沿いの道を進む。くたびれたチャリは「キィ…キィ…」と等間隔で情けない声で鳴いている。

夏なら涼を感じる癒しスポットも、この季節になると葉を落とした木々に恨めしさすら覚えてしまう。日々痩せ細る財布が、この寒さを増幅しているのかもしれない。

この日、打っていたのは「緑ドンVIVA!情熱南米編」だった。
 

▲5号機「緑ドンVIVA!情熱南米編」(エレコ)

2010年の末に登場したボーナス+ART機。大ヒット機種「緑ドン」の正統後継機にあたるが、ARTの仕様は大きく変更されている。

ART「アマゾンゲーム」は1セット50Gのセット数管理だが、印象としてはゲーム数管理に近い。ロングARTのカギとなるのは、上乗せ特化ゾーン「エクストリームラッシュ(XR)」だ。

XRは毎ゲーム上乗せゾーンで、上乗せ非当選で即終了となってしまう。毎ゲームの継続率は50~95%で、突入のたびARTモードを参照し抽選で決められる。無論、上位継続率を射止めれば大量上乗せの大チャンスだ。

ボーナスは大別するとBIGとREGの2種類。ARTの純増は1.5枚/Gと現代からすればやや控えめだが、超ロング継続も珍しくないため、ARTだけでの出玉増加も十分期待できた。もちろんボーナスとARTを絡めて出玉を増やすのが理想パターン


件のXRは+160Gで終了。反撃の狼煙としては十分だったが、そこからパタリとボーナス・XRがなりを潜め、ひたすらARTゲーム数を浪費する時間が続いた。

4,000枚は返って来るだろうと踏んでいたが、流した出玉は約2,800枚。今日も今日とて、2万円を超える大敗だった。

ホールを変えれば話は早いが、それでも変える気にはなれなかった。導入から数日間は高設定を期待できる優良店を狙ったが、3日とも朝の抽選でハジかれた。攻略ライターにとって最も恐れるべきが、この「台が取れない」という事態である。

挙動だけならシマに張り付いたり、スランプグラフから分かりそうなものだが、当時の機種は昨今の機種ほど露骨な高設定挙動を示さない。加えてデータ採りには、より詳細な情報が必要になる。

ARTやボーナスの正確な当選要因。そしてレア役・ボーナス成立時の状態。これらを正確に把握するには自分で打つ以外にない。それにメディアに出ている以上、露骨な張り付きなど許されない。

結果、台取り競争が起こらないホールに落ち着くというわけだ。

ここ数日の中で、もっとも「アリそうな挙動」の台だった。連日の敗北で膨れた負債。それを少しでも取り戻そうと遅くまで粘ったが……

――「はぁ~、勝てね~」

人影がないのをいいことに、ハッキリと声を出した。しかしペダルを踏む足は生気を失っておらず、スピードは徐々に上がっていく。

――「いや~、でもシビれたな~」

継続率80%以上を示すXR突入画面の赤背景。逆転には至らなかったが、あれに2万円を払ったと思えば納得もいく。連日負け続いているものの、必ずと言っていいほどなにかしら見せ場が訪れる。緑ドンVIVAはそんな機種だった。

設定推測術も完成に近づき、演出と出目のアツいパターンも実戦から見えてきた。担当ライターとして、しっかり仕事ができている。そんな満足感が、連敗地獄の只中にいる俺をいびつながらも支えていた。
 

ライターのクセ。

G「ハッハ! ダッセ~」
――「いや、笑いごとじゃねんだよ!」

翌日の午後、俺は編集部にいた。緑ドンVIVAの機種ページを作るため、編集部員と打ち合わせをするためである。

G「最近いつも負けてません?」
――「っせーな、惜しいとこまでは行ってんだよ」

G「惜しい? 昨日も2万も負けといてwww」
――「いや、マジでマクったと思ったんだけど」

Gは1年ほど後輩にあたる。しかし歳は2つほど上のため、俺に対してこの態度というわけだ。

G「直近の戦績は?」
――「今週のVIVAは4戦全敗」

G「ハハ!! ウケる!」
――「この4戦で-12万だわ。原稿料が全部パー」

緑ドンVIVAの設定状況は総じて悪くない。しかし、あの店に通っている限り収支が好転することはナイだろう。だが、今はそれで構わない。勝つのは担当ライターとしての仕事をやり終えたあとでいい。

G「働いてる意味ねーじゃんw」
――「いーの! 設定推測の熟練度は上がってるから」

G「負け組が言ってもね~w」
――「負け続けて分かることもあんの!」

俺は小さなバッグからメモ帳を取り出し、数日前のページを開いてGに渡した。

G「相変わらずきったね~字っスね」
――「いや、字の話はいいんだ! 赤線引いてるとこあるっしょ?」

G「ああ、設定差を確認できたとこっスね?」
――「そう、特定ボーナスとレア役からのART当選」

導入から3週間が経ち、主要な内部数値は出揃っていた。設定差があるポイントも、すでに複数判明している。あとはその優先順位だ。なにをアテにするか。そこが実戦を重ねないと見えづらい。

G「いや~、やっぱ低設定は引けないっスね~」
――「そうだけど、特定ボーナスの確率分母は高設定でもデカいからな~」

G「設定分かるまで3,000Gはかかりそうっスね」
――「でも、3,000Gも回したら手遅れじゃん?」

G「そっスね。2,000G以内になんとか…ん!?」
――「どした? 読めない字あった?」

G「いや、そうじゃなくて実戦データのあとのコレ…」
――「データのあと? なんか書いてたっけ?」

G「この〝サンボ〟ってなんスか?」
――「あー、ゴメン! それ特定ボーナスのことだわ」

一瞬で赤面した。メモ帳を直接他者に見せるケースは少ない。自分さえ解読できれば問題ないため、極力画数が少ない文字を選ぶ。メモの時間を短縮するための工夫だ。

G「はぁ? 意味分かんねえ! なんで〝サンボ〟?」
――「いや、特定ボーナスって書くの面倒じゃん?」

G「面倒? まあ、やや画数多いけど」
――「その〝やや〟が実戦中だと面倒なの」

G「で、特定ボーナスがどうなったらサンボになんの?」
――「設定差がある3つのボーナス。もしくは特定3ボーナス」

G「それを短縮してサンボ? フハハハ!!」
――「いや、今そんな話はいいだろ!」

思いもよらない部分にツッコまれ、恥ずかしさがこみ上げてきた。やはり殴り書いたメモ帳など、人に見せるモノではない。

G「いいじゃんサンボ!
――「は?」

G「特定ボーナスよりキャッチーだし、緑ドンVIVAに合うし」
――「え? いや…なに?」

コイツはなにを言っているのだろう。緑ドンVIVAに合う? サンバに語感が近いからだろうか!?
 

編集の目。

G「特定ボーナスは〝サンボ〟表記で行きましょう!」
――「ええ!? マジで言ってんの?」

G「絶対そっちのほうがいいって!」
――「そ、そうかな?」

意図せずGに響いたらしい。しかし、このGという男はなかなか鋭い。

元々はスロプロだったらしいが、どこで習ったわけでもなく、攻略誌を作るセンスがあった。スロプロ目線ゆえネタの選定が巧い、というだけではない。見出しの言葉選びからページのレイアウトに至るまで、妙にセンスがいいのである。

――「まあ、実際にページ作るのはGだからお任せするよ」
G「あと、このビリゲってなに?」

――「あー、それはビリーゲットチャレンジ」
G「ああ、通常時とかバケ中に発生するアレか」
 

ビリーゲットチャレンジ
正解すればART突入となる2択チャレンジ。筐体上部の左右にあるビリーギミックはタッチセンサーを備えており、プレイヤーは右か左の一方を選んでタッチする。ちなみに無視した際は50%でARTが当選するため、タッチせずとも損することはない


G「SINで当選すれば設定差あるもんね」
――「そう、SINでの当選も見抜けるし」

G「なるほど。これも設定推測に使えるわけだ」
――「まあね。低設定だとマジで出ないから」

G「よし、これも〝ビリゲ〟で行こう!」
――「マジ? 面倒だから略しただけだけど」

G「十分通じるし、言いやすいし」

誌面はWEBの記事と違い、文字数に制限がある。限られた文字数の中で「ビリーゲットチャレンジ」のワードをフルで使うのは難しい。1回だけで11文字。2回出てくれば22文字だ。ビリゲなら3文字、2回使ってもたった6文字である。

その後、Gとともに設定推測術を完成。しかし、誌面にはまだまだ余裕があった。人気機種ゆえ、与えられたページ数が多かったのである。

G「なんかラッシー的アツい瞬間みたいなの入れようよ」
――「お、いいね! じゃあ通常時の前兆から」

そしてネタ出しを続け、話題はART中へと移った。

 

適度なアレンジ。

G「ART中に嬉しいのって、やっぱXRかな」
――「ああ、XRの本前兆濃厚パターンね」

G「そうそう。あと…」
――「ボーナス当選時の演出かな?」

G「そう! レア役引いて、次ゲームでシングルキャッチ行って」
――「し…しんぐるきゃっち? なにそれ」

G「いやあるじゃん、シングルキャッチ演出」
――「え? ……知らない」

G「んなわけあるか! めちゃくちゃ出るわ」
――「は? そんな演出あった?」

緑ドンVIVAの打ち込み具合は、俺が編集部内で1番のハズ。にもかかわらず、まだ見たことがない演出があったとは! Gはパソコンの写真フォルダを漁っている。

G「あった、これこれ」
――「あー、これか」

そこにはART中によく発生する小役ナビ演出の画像が。茂みから戻って来たドンちゃんが、小脇にプラムを抱えている。

――「これシングルキャッチって名前だったの?」
G「カタログか小冊子に書いてあったっしょ」

アイテム(ナビ)を1個キャッチしてくるから「シングルキャッチ」なのだろう。

――「いや、分かりづらすぎでしょ」
G「は?」

――「事前情報ナシでこの演出名当てられるヤツいねーよ」
G「まあ、たしかに」

――「これ〝ワニジャンプ〟でよくね?」
G「え? ダサッ!」

――「レバーONでワニの背中使ってジャンプするんだもん」
G「分かりやすいけどユニバに怒られない?」

たしかに「当社が決めた演出名以外、一切認めません」というメーカーや機種も存在する。そんな場合は略すことさえ許されない。しかし、緑ドンはオリジナル版権だ。

――「ユニバはこのくらいで怒らないよ」
G「じゃあワニジャンプにすっか」

こうして俺とGのオリジナリティが詰まった緑ドンVIVA特集が完成。編集長のチェックも通り、無事に発売されることとなった。

この「サンボ」が思いのほか好評だったようで、緑ドンVIVAでは割と当たり前に使われる言葉になった。まさか手抜きのために書いた言葉が、こんなにも広まってしまうとは…。

サンボのお陰で「ラッシー=略語大好き」みたいなイメージを持たれがちだが、単純にラクをするため略したにすぎない。それをキャッチーだと捉えて誌面に載せ、広く使われるまでに浸透させたGこそ、出版人としてセンスがあったのだろう。

サンボを作ったのは俺だが、それを世に広めたのは編集Gだったというわけだ。

 

まさかの展開。

数年後――
緑ドンVIVAの正統後継機「緑ドンVIVA2」の発売が発表された。さっそく情報を得ようと公式ホームページを見てみると……

――「な…なにコレ!?」

「ビリゲゾーン」
「ワニジャンプ演出」


――「うそ………公式になってる!!」

ビリゲやワニジャンプに対し、ユニバからのリアクションはなかった。しかし、しっかりと読んでくれていたのである! そして名称を勝手に変えた意図までも、ちゃんと理解してくれたのだろう。

メディアは「プレイヤー間で当たり前に使われそうな言葉」を選ぶべきだと今でも思う。「サバチャン」・「ゲチェナ」・「ダナゾ」…これらはすべてライバル誌から生まれ、今なおスロッターの間で使われ使われ続けている。

あ、「スロッター」も同じライバル誌が生み出した言葉か。

そういった「流行」を作るのも、メディアの大事な役目なのだろう。
 

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ラッシー
代表作:パチスロワイルドサイド -脇役という生き方-

山形県出身。アルバイトでCSのパチンコ・パチスロ番組スタッフを経験し、その後、パチスロ攻略誌編集部へ。2年半ほど編集部員としての下積みを経て、23歳でライターに転身。現在は「パチスロ必勝本&DX」や「パチスロ極&Z」を中心に執筆。DVD・CS番組・無料動画などに出演しつつ、動画のディレクションや編集も担当。好きなパチスロはハナビシリーズ・ドンちゃんシリーズ、他多数。

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