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パチスロワイルドサイド-脇役という生き方-

パチスロワイルドサイド-脇役という生き方-

2020.04.14

パチスロを信じろ~スターが見る景色~

ラッシー ラッシー   パチスロワイルドサイド-脇役という生き方-

俺は一体、何をやっているのだろう。職業はたしかフリーライターだったハズだ。目を瞑り、歯をギュッと食いしばって、そろそろとうしろへ歩いた。

A先輩「じゃあ3、2、1で行くから」
――「うーうー」

A先輩「3・2・1の1で行くからね? いい?」
――「うー、うーうーうー」

A先輩「行くよ? いい? 行くよ?」
――「う~う!」

A先輩「…3・2、あっ!!」

眼前でバチンと大きく何かが弾け、直後、鼻と唇に強烈な痛みが走った。

――「アーーーーーッ!!」

 

格の違い。

俺はその場に膝から崩れ落ちた。駆け寄るA先輩。

A先輩「ごめんラッシー! 1行く前に手ぇスベっちゃった」
――「ちょ~、頼みますよ!! 1で離す約束でしょ!?」

スタッフの笑い声が聞こえる。

A先輩「それでは、今回もワタクシAの勝利ということで失礼させて頂きます。また次回お会いしましょう、サヨナラ!」
――「サヨナラ~、…イッテェ~」

ディレクター「ハイ、OKです! お疲れさまで~す」

張り詰めた緊張感が一気に緩んだ。

A先輩「お疲れさまで~す」
――「お疲れさまでした」

鼻と唇には、まだビリビリとした刺激が続いている。

A先輩「ちょ~、ラッシー。アレはダメだよ」
――「はい?」

A先輩「俺が『いい? 1で行くからね』って言ったら、聞こえないふりするんだ」
――「はぁ」

A先輩「え? 何? 聞こえない…みたいなジェスチャーして、そこで急に咥えてたゴムを離すわけよ」
――「ほえ~、なるほど」

A先輩「すると俺がバチ~ンってなって、ひと笑い起きんじゃん? バラエティーの基本だよ」
――「さすがっす!! 勉強になります!」

A先輩「いやいや、初歩だから」
――「ありがとうございます!」

どうやらライターは、記事を書くだけではダメらしい。俺は「笑いを取りこぼした」ようだ。CSとはいえテレビに出る以上、最低限の「お約束」は守らねばならない。これはなかなかに頭が痛い。しかし、頭痛の種はそればかりでなかった。

また今回も完敗だ――。

A先輩とは数か月に1回のペースでバトル企画をやっているが、ここしばらく勝った記憶がない。しかも惜敗ではなく惨敗。並び打ちがマストの番組ゆえ、台選びの余裕はナイ。しかし、その条件はA先輩も同じハズだ。それなのに最近は、圧倒的な差で負け続けているのである。偶然としか言いようがないが、こうも続くと偶然で済ます気になれない。


2人で番組を盛り上げねばならないのに、撮れ高はA先輩に頼り切り。どうすればA先輩のような「魅せるパチスロ」が打てるのだろう。てきぱきと撤収作業を進めるスタッフたちを眺めながら、自分の無力さを呪った。

 

空回り。

A先輩「さあ帰るか。ラッシーは何線で帰る?」
――「今日はこれから新宿行くんで」

A先輩「え? 編集部で仕事?」
――「いえ。明日はバトルの実戦日なんで、下見みたいなモンすね」

A先輩「は? バトルで下見行くの?」
――「はぁ…」

A先輩「マジメだなぁ、ラッシーは」
――「いや…そういうわけでは…」

攻略誌「H」において花形とも言えるバトル企画。1シーズンは半年区切りで、シーズンごとに一部の出場ライターが入れ替わる。ありがたいことに俺は数シーズン連続で出場させてもらっていたが、成績は全く振るわず常に最下位争い。優勝争いには参加することすらできずにいた。

バトルの収支が散々でも、面白い文章を書けば笑わせることはできる。しかし、何度出場させても優勝争いに絡まないとなれば、さすがに降板となるだろう。そろそろ収支で結果を出す必要がある。

A先輩とスタッフ陣に挨拶し、JRに飛び乗って新宿へと向かった。

 

本気の立ち回り。

店内はいつも通り賑わっていた。みな仕事を終えて打ちに来たのだろう。この店はラインナップが独特なため固定ファンが多い。かく言う俺もこの系列店が大好きだった。

しかし目的は『レア台や古い台での遊び打ち』で、勝つつもりで立ち回った記憶はほとんどない。そんな店だからボックスで入っている機種は少なく、店内のほとんどはバラエティーコーナーだった。

今回のバトルもおそらくバラエティーコーナーがカギになる。高設定投入のクセは全く見えていないが、閉店までは5時間もある。じっくり時間をかけてデータを見れば、何かしらヒントが見えるハズ――。

データ表示器を見て回ったり、高設定と思しき台を実際に回してみたりしながら、結局この日は閉店まで居座った。18,000円を失ったが、重要なのは明日の収支だ。狙い台を第3候補まで絞れたのだから、18,000円くらいくれてやろう。明日、お釣りがくるほど回収してやればいい――!


翌日14時――

台「小熊ボーナス…なんだけど許して」
――「アァーーッ! 小熊ゴルァーーー!!」

当てども当てども小熊ボーナス、つまりREGである。そう、この日の本命台は「熊酒場」だった。
 

5号機「熊酒場」(ネット)

2007年の春にリリースされた、ネットの5号機第2弾。ボーナスのみで出玉を増やす王道のノーマルタイプで、液晶前のシャッターが開いて提灯が点灯すればボーナス確定だった。ボーナスはBIGとREGの2種類で、そのBIGが大熊ボーナス、REGが小熊ボーナスという名称である。ちなみに単独ボーナスも存在するが、チェリー・枝豆・リプレイはボーナスの重複当選も期待できた。設定は1・3・5・7の4段階のみ

ボーナス確率
設定 大熊ボーナス 小熊ボーナス ボーナス合算
1 1/277 1/451 1/172
3 1/264 1/425 1/163
5 1/250 1/402 1/154
7 1/239 1/381 1/147


「熊酒場なんて打って、立ち回る気があるのか!?」と思われそうだが、下見をした結果、ベストの狙い台がコレという判断である。データ表示器を分析すると、数日間凹んでいる台を上げる傾向が見られ、逆に高設定らしき挙動が短いスパンで連続するケースはほとんどなかった。それに繰り返しになるが、この店のほとんどがバラエティーコーナーなのだ。必然、熊酒場のようなレア台も候補となる――が…。

――「くっ、ベルは落ちるけどコレでは…」
 

通常時ベル確率
設定 確率
1 1/8.40
3 1/8.40
5 1/7.99
7 1/7.62


通常時のベル確率には設定差が存在する。この台の出現率は常に1/7.8前後をキープしており、時折設定7の確率を超えることもあった。しかし、肝心の出玉が全く付いてこない。ボーナスはそこそこ当たっているが、小熊ボーナスに大きく偏り、投資はすでに25000円を超えている。

現状の結果だけを見れば捨ててもいい頃合いだが、下見で掴んだ傾向に最も符合する台だけに捨て難い。なぜいつも俺のバトルはこうなるんだ? 狙いがハズレなら、素直に低設定の挙動を示してくれればいい。しかし、必ずと言っていいほど何かしらが高設定っぽさを示し、長時間引っ張られる。その結果、ド派手な大敗が続いている…。

そんな風に己の現状を嘆いていると、レバーONでシャッターがガタガタと揺れ始めた。ボーナス告知発生のチャンスである。恐る恐るリールを止めると、左・中リールで右下がりに枝豆がテンパイした。枝豆でもボーナスの可能性はあるが…右リールで枝豆を否定しシャッター全開! ここで追加投資ナシはありがたい。次ゲームで全リールに赤7を狙うと…7は揃わず7・7・BARが並んだ。

台「小熊ボーナス…なんだけど許して」
――「おぉぉぉお…ごめん、許せそうにない」

その後もベル出現率は好調を維持したものの、投資がさらに膨らみ続け16時頃に断念。そこから第2候補の機種や高設定の可能性がありそうなノーマルタイプを渡り歩き、19時過ぎにギブアップ。打った台数は5台に上り、収支は-48000円の大敗だった。

下見までしてこの惨状。とはいえ、このゴミのような収支もネタになるのが、この仕事のいいところ。ライターとしての腕の見せどころでもある。あの48000円をムダにしてはいけない。48000円で読者を笑わせるネタを買ったと思えばいい。見るがいい、俺の醜態を! そして大いに笑ってくれ!!

 

スターが見る景色。

バトルが掲載された攻略誌「H」が発売され、その数日後のこと。その日は編集部で大きな会議があり、帰りにライターが集まって一杯やることになった。その宴席でたまたま正面に座ったのが、大先輩・ひやまっち氏だった。

ひやまっち氏「そういえばラッシーくん、今月も派手にやっちゃってたね」
――「ははは…お恥ずかしい」

ひやまっち氏「スゲー笑わせてもらったよ。ネーム(原稿)めっちゃ面白かったじゃん」
――「ええ!? あ、ありがとうございます!!」

ひやまっち氏は元々『ライバル誌の先輩ライター』にあたる。この時はすでにライバル誌を離れており、我が攻略誌「H」にも露出するようになっていた。そういった経緯で、今シーズンのバトルにも参戦していたのである。もちろん世代ドンピシャの俺からすれば、昔から見ていたスターの1人だ。

ひやまっち氏「まあ、難しいホールだったけどな」
――「ひやまさんも苦しそうでしたが、上手くまとめてましたね」

ひやまっち氏「まあね。ラッシーくんはメチャメチャ打ち散らかしてたな」
――「はぁ…あれでも真剣に立ち回ったつもりですけどね。下見もしましたし」

ひやまっち氏「下見? フハハハハ! 下見した結果がアレなの?」
――「ちょ、メチャメチャ笑ってるじゃないですか!」

ひやまっち氏「下見してアレとか! ヤベェ~!! ダセ~!!」
――「ちょ、エグるな! こっちは原稿料がパーで落ち込んでるんすから」

ひやまっち氏「そりゃあれだけ打ち散らかせばそうなるだろ」
――「だから打ち散らかしのつもりはなくて、ですね」

ひやまっち氏「いやさ、他のヤツ(出場者)のデータ見たろ?」
――「はあ、もちろん」

ひやまっち氏「そんな台移動してるヤツ、他にいなかっただろ?」
――「まあ、俺だけでしたね。でも、設定が上じゃないと判断したら移動するのは当然じゃないですか」

ひやまっち氏「いや分かるよ、分かる! 若いうちはそうなる」
――「…はぁ」

ひやまっち氏「そもそもパチスロってさ、そんな負けるようにできてないんだよ」
――「そりゃたしかに…」

ひやまっち氏「設定1でも出玉率は96~98%とかで、勝率も30%以上なわけでしょ?」
――「まあ、概ねそうっすね」

ひやまっち氏「だから、そんなに移動する必要ナイんだって。もっとドッシリ構えて打ってりゃいいのよ」
――「ドッシリ構える…???」

ひやまっち氏「俺なんて動かないよ~。そりゃ明らかに高設定っぽい台が空いたら移動するけどさ、そうでもない限りは決めた台でドッシリよ」
――「それで勝てますかね」

ひやまっち氏「勝てる…とは言い切れない」
――「ほら、やっぱり」

ひやまっち氏「言い切れないけど、ヒドい展開でも台に付き合ってやるかな」
――「付き合ってやる???」

ひやまっち氏「たぶん俺のほうがラッシーくんよりパチスロを信頼してると思うんだ」
――「パチスロを…信頼してる?」

ひやまっち氏「そう。設定1でも命までは取られない。だったら少しはいい瞬間が来るだろうから、それを焦らずジッと待つ」
――「………あっ!!」

ひやまっち氏「おう、どうした?」

この話は何度か聞いたことがある。ひやまっち氏から聞いたのは初めてだが…。

A先輩「地蔵だよ。1%でも6の可能性がある限り動かない。地蔵になってひたすら台と向き合うんだ」

U先輩「設定1でも約3回に1回は勝てるんだ。こんな優しい遊技は、世界中どこを探したってない。心中すればいいんだよ」

攻略誌「H」のスターである先輩2人も、全く同じことを言っている! 1台と向き合い、めったに移動することはナイと。これが勝ちに繋がるかと言えば、そうとは言えない。先輩2人の収支も、なかなかどうしてヒドいからだ。

しかしながら、業界の最前線をひた走るスターたちが声を揃えている。俺にはまだサッパリ分からないけれど、そこに何か答えがあるのではないか。たしかに俺は低設定=打つ価値ナシと単純に断じ、パチスロを信じていなかったのかもしれない。

――「なるほど。何か…何か少し分かった気がします!」
ひやまっち氏「ハハ、そんな簡単に分かられたら困るけどな」

俺は先輩たちのようなスターにはなれない。この時、すでにそう思っていた。とはいえ、ガチガチの勝ちキャラ・誌上プロにもなれやしない。非常に中途半端なキャラクターだ。

しかし誌面やCS番組に露出する以上、「魅せるパチスロ」は心掛ける必要がある。たとえマイナス収支が続いて火だるまになったとしても、先輩たちのような「腹の座ったパチスロ」を続けていれば、何か見える景色があるのかもしれない。

見よう、その景色を。たとえ火だるまになったとしても。
 

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ラッシー
代表作:パチスロワイルドサイド -脇役という生き方-

山形県出身。アルバイトでCSのパチンコ・パチスロ番組スタッフを経験し、その後、パチスロ攻略誌編集部へ。2年半ほど編集部員としての下積みを経て、23歳でライターに転身。現在は「パチスロ必勝本&DX」や「パチスロ極&Z」を中心に執筆。DVD・CS番組・無料動画などに出演しつつ、動画のディレクションや編集も担当。好きなパチスロはハナビシリーズ・ドンちゃんシリーズ、他多数。

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