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俺の人生3コマ滑り 〜その2〜
俺の人生3コマ滑り 〜その2〜
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たれめさん
ストップボタン押すために仕事してる - 投稿日:2017/02/17 08:58
「この世の中は馬鹿な真似ほど…狂気の沙汰ほど面白い」
不朽の名作麻雀漫画「アカギ」の中で、盲目の雀士市川が放った一言だ。その後、アカギも銃口を口に咥えながらそれに応えている。
勝ち目の薄い勝負ほど燃えるという点に於いては共感できる。マウントを取って無抵抗の相手をタコ殴りにするより、どん底の逆境から這い上がって勝利を収める方が興奮してしまう因果な性質なのだから、今日もボロボロになってもサンドに金を入れ続けてしまうのだ。
その日の俺も、血反吐を吐きながらのたうち回っていた。数日後に友人との旅行を控えているにも関わらず新台のキン肉マンに果敢に挑んだ結果、残金1万円という崖っぷちに立たされることになった。
友人になんて言い訳をすればいいんだ…いや、まだ1万ある、ここから巻き返そう…いっそ姿を晦ましてしまおうか…どうせなら残りの1万も突っ込んで潔く散ってやろうか…。
追い詰められた人間の心は、さながらミキサーにかけられた野菜ジュースのようにドロドロになる。様々な思考が浮かんでは消え、打開策を見出せぬまま堂々巡りを繰り返す。
揺れる脳味噌が導き出した答えは、財布に残った1万円を握り締め、「CR蒼天の拳 天授」を打つことだった。
台の知識なんて無い。1万円で勝てるほど甘いもんじゃないのは解ってる。ただなんとかしなければ。その一心で打ち始める。心の何処かで、どうせダメなんだろうなと思っている自分がいる。それでも戦うことを止めない。いっそズタボロになりたいと、破滅願望が顔を覗かせる。
碌に祈ったこともない神に懇願しながら、ハンドルを握り続ける。神は時に、クズに優しい。何が起こっているのかも解らないリーチから大当りを射止め、STに突入する。後に俺の中でその権威を失墜させることになる霞拳志郎が、その日はヒョードルも裸足で逃げ出すほどの強さだった。
負けない。倒れない。ダメだと思っても復活する。この世に神がいるのなら、それは霞拳志郎、貴方だ。尊敬の眼差しで見つめる北斗神拳伝承者は、今迄出会った誰よりも輝いていた。
気付けば出玉は1万発を超え、5万近い勝利を収めることが出来た。助かった。その喜びに打ち震え、見上げた空は何処までも蒼く澄んでいる。どん底から生還し、旅行に行けるだけの金が出来た。友人を失望させることもない。おまけに天気も良い。
意外となんとかなるもんだ。狂気の沙汰も、終わってしまえばその程度にしか感じない反省しない男だから、何度も同じ様な失敗を繰り返して震えることになるんだろう。
俺の人生3コマ滑り。
制御と霞拳志郎に助けられ、のんべんだらりと生きていく。
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