- パチセブントップ
- コミュニティ
- パチ7自由帳トップ|ブログコミュニティ
- コラム(ブログ)詳細
俺とスロット
俺とスロット
-
たれめさん
ストップボタン押すために仕事してる - 投稿日:2017/01/06 23:09
パチンコパチスロを打つようになってどのくらい経っただろう。
と言っても両手で事足りる程度の年月しかこのイカれた遊戯に身を投じてないわけだが、それでもその間にいくつもの台が現れては消え、記憶の片隅にしか残らない遺物となっていった。
その中には、俺の心を捉えて離さない綺羅星のような名機が数多く存在する。
思い出が朽ち果て、もう原型がなんだかわからないドロドロの不燃物となってしまう前に、この場を借りて自由気ままに書き残しておこうと思う。
記念すべき最初の台は、俺の人生を狂わせたと言っても過言ではないあの台。脳味噌が痺れ、ゲロ吐きそうな苦痛に耐えた先に待つ恍惚の時間が、真冬の夜の布団の中のように心地よかった…
その頃の俺は、今よりもフラフラとした生活を送っていた。やれ焼肉屋のバイトだ、やれ大学の講義だ、やれパチンコで勝った負けただと、忙しいようでその実、中身の有るようで無い日々を過ごしていた。
刺激が欲しくて始めたパチンコパチスロも、言ってしまえばほとんどが通常時なわけで、展開が悪ければ丸一日興奮することができないなんてこともある。
その日もパッとしない勝負を終え、何か面白いことはないかと、あてもなく店を彷徨っていた。
そんな時、スロットコーナーへ目をやると見覚えのある絵の描かれた台があるではないか。
『コードギアス 反逆のルルーシュ』
アニメは見たことがあった。名作だった。試しに打ってみるか。そんな気まぐれだった。
打ち始めは200ゲームを少し回ったところから。履歴を見ると割と軽めにボーナスも引けているし、悪くないんじゃないか?そんなふうに思い黙々と回す。
500ゲームを越える。レア役は引けど、なかなか思うように当たってはくれない。ふとデータカウンターの上を見ると、機種名と共に「第1天井960 第2天井1500」と書かれたポップが貼ってある。ネットで調べると恩恵も中々強力なようだ。こうなったら天井まで行くか…。そう続行を決意した。
750ゲーム。あと200くらいかー。まだかかるなぁ…
800ゲーム。なんだ…?なんか変な感じだな…。気分が悪い…。
850ゲーム。気のせいじゃない。鼓動が高鳴っている。手汗も、水脈でも掘り当てたのかのように湧き出てきやがる…。
900ゲーム。軽いめまいともに昼に食べた牛丼が逆流しそうになるのを必死に堪える。なんだこれは…?現実感がまるでない…今俺は何をしているんだ…。
しっかりしろ、あと60ゲームで天井だ。60回レバーを叩き、リールを止め、天井に辿り着き、サクッと出して帰るだけじゃないか。ただ当てなければいい。そんな簡単なことなのに、思うように体が動いてくれない。次第にレバーを叩くことを恐怖するようになった。
一歩、また一歩と、最悪の結末へ自ら歩みをを進めているような、そんなイメージだった。
怖い、怖い、嫌だ、死にたくない。裁きの時を待つ死刑囚のような心境でレバーを叩き続ける。
画面が俄かに騒がしくなったことに気づき上を見上げると、確かに天井到達を成し遂げた証を確認するとともに、脳がゆっくりと弛緩していくのを感じた。
成し遂げた、俺は成し遂げたのだ。そう高らかに叫びたい衝動を抑え、粛々と前兆を消化する。第1天井の恩恵は天井到達後、ART発動まで、押し順ベル成立時の25%でセット数の上乗せをする。
どれくらい乗っているのか、楽しみになりながらARTを消化する。継続バトルの相手はランスロット。難なく撃破する。次セット突入。消化。
次の相手はコーネリア。通常時は散々いたぶってきたいけ好かない紫髪女を逆にボコボコにしてやる。これだけで天井まで追ったかいがあるというものだ。次セット。
今度は前半で勝利を収め、上乗せ特化ART「ガウェイン」に突入する。
疑問は無かった。
寧ろ当然とすら思っていた。
あんなに苦しい思いをして、やっと天井に行ったのだ。ガウェインの一つや二つ出てくるに決まってるだろう。
こんな調子に乗ったことまで考えていた。
天罰が下ったのか、元々天井に行くような引き弱故か、ガウェインではさほど乗せることはできず、少しションボリしながら残りのセットを消化していく。
それにしても、いったい何セット乗っているのだろう。全く危なげなく継続していく。気づけばもう1400ゲーム過ぎ、もう直ぐ第2天井だ。恩恵は80or90%でARTがループする「ループシステム」の90%ループだ。もうこうなったら行けるところまで行こう。閉店までARTを消化し続けよう。言ったそばから第2天井到達だ。ループシステムもガウェインも体験できるなんて大盤振る舞いだなぁ。ここからはボーナス引きまくってセットも乗せまくって、昨日今日の負け分も捲って、万枚も達成してしまおう。終わったら飯をたらふく食べよう。そういえば欲しい腕時計があったんだ。明日買ってしまおう。あぁ、この多幸感、無敵感よ。俺は今、誰よりも生きてる!
そんな夢心地だった。
現実はそんなに甘くはなく、四千枚ほど出たところで終了。閉店を待つことなく、そそくさと家路につくこととなった。
その後暫く、何かに取り憑かれたようにギアスの天井狙いに挑戦し、ケツの毛までひん剥かれることになるのはまた別の話。
あの日の興奮、快感は今でも覚えている。あの時、もし天井に辿り着くことができなかったら、パチスロを打つことを止めていたかもしれない。
そう思えばこそ、ギアスは俺の人生をドーパミンで狂わせた偉大な台として、今も心のスロットコーナのど真ん中に、燦然と島配置されているのである。
5
たれめさんの
共有する
このコラムへのコメント(2 件)
2なんてなかったんや…
あの上乗せの音は人間をダメにする音だと思ってます笑
ガウェインでぶっ壊れた感じになると脳汁ドパァ〜〜っと垂れ流しになりますよね。
2のピース集めとは一体…