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スロッターあらっすぃ外伝 集狼蛇のアル・ラッスィ 第6335話 散りゆくの者への天使祝詞

【岡井のお題:ゆるいの】「スロッターあらすぃ」の必殺技とは? | コラム

スロッターあらっすぃ外伝 集狼蛇のアル・ラッスィ 第6335話 散りゆくの者への天使祝詞

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DC兵マツバさん
スロットやパチンコ打つおじさん。そのための右手。そのための投資。踏み込みが足りん。Twitterでも踏み込みが足りん https://twitter.com/sr_mat_ba_pc
投稿日:2019/01/12 21:25

アル「ここか…。」

アル「そして、これが最後の扉…。」

アル「永かった旅も…終わるんだな…。」

アル「ここにたどり着くまでの、みんなの犠牲…決して…無駄にはしない…!。」



時は遡り———とあるのどかな村にて。

アル「…俺さ、勇者志願者になることにしたよ。」

幼馴染「そう…。ってええ!?なんか話があるからって聞いたから稽古を止めて付いてきてみれば…。弱虫泣き虫のアンタが?。どういう風の吹きまわしなのよ!?。」

アル「弱虫泣き虫は子供の頃だろう…。」

アル「いや、だってさ、勇者志願者を出さない村には重い税をかけるって御触書出てるじゃないか。そんなの、村のみんなが大変になるのは目に見えてるし。」

幼馴染「だからって、何も…アンタが行くことはないじゃない。」

アル「この村で一番動けるのは、多分俺さ。」

アル「確かに、イケメンかつ怪力自慢で腕っ節の強い、格闘技心得もあって世界を駆け回る用心棒をやってるの『男友格闘家』とか。」

アル「スピードや槍さばきの技のキレを認められて王国軍親衛隊にスカウトされた、お前の姉ちゃんである『女騎士姉』とか。」

アル「村が信仰する山に住む、無口な少女の見た目をしてるけど、大勇者様と一緒戦ったと言われる年齢不詳の伝説の魔女『女魔法使い』とかと比べられたら、そりゃ遅れをとるかもしれないけどさ。」

アル「こう見えて俺は聖詠魔法の心得あるし、王国軍前親衛隊隊長の親父直伝、集狼蛇流剣術を叩き込まれてるんだぜ?。」

幼馴染「あら、そう言うなら、同じくアンタと一緒におじさまの剣術を習ったアタシの方が強いじゃない。」

幼馴染「アンタとの模擬戦、私が余裕で勝ち越してるのよ?。」

あらっすぃ「それを言うなよ…。」

幼馴染「弱くて、泣き虫なアンタが行ったところで、できることなんてきっとないわよ…。」

あらっすぃ「そうかも知れないけど、ってかまだ言うか、泣き虫は子供のころのことだろうに。」

幼馴染「というかね、今やってる集狼蛇流剣術道場を、ちゃんと経営すればいいじゃない。」

アル「お前の言うことは最もかも知れないけど…でも、俺、行きたいんだ。」

幼馴染「え…?な、何でよ…。」

アル「100年前に大勇者様が魔王を封印して、魔物がほぼ居なくなった。そこから平和になって90年経って…。って10年前になるのか。

アル「国同士…人間同士での戦争が始まったよな。」

幼馴染「アタシたちが7歳の時ね…。その戦争で、私は両親を、アンタはおばさまを失ったわね…。」

アル「ああ…。」

幼馴染「余計なこと言っちゃたわ。ごめんなさい。それで、それとこれと、何が関係あるの?。」

アル「うん、こっから先を話すとな。」

アル「その戦争はまだ続いてるし、敵国人とか、まだ残っている魔物から身を守るとか護身目的で剣術を使う需要が増えたし、そのおかげで道場が困らないのは、確かだ。」

アル「でも、そんな人間同士で争ってる中、なぜか魔物がまた台頭し始めてるんだよ。」

アル「戦争はまだ続けなきゃならないんだから、貴重な戦力である兵士は使えない。」

アル「だから、魔物増加についての調査をする者を、大勇者様にあやかって勇者と名付けて志願者を募ってる。」

幼馴染「…それは知ってる。」

アル「まあそうだな、改めて説明するまでも無かったかも知れない。けど、そんな大変な世の中で、俺の力を役立ててみたいんだ。」

幼馴染「でも、魔物は強いんでしょう?。アンタなんて、すぐやられちゃうんじゃ…。」

アル「100年前の魔王って、悪魔族の王だったって言われてて、当時の魔物はデーモンやらの悪魔族たちが主流だったと言われてるだろ?。」

アル「でも、最近出てきてる魔物は、あまりにも”不死族”に寄り過ぎているんだってさ。」

幼馴染「…100年も経つんだもの、悪魔の肉が腐っちゃったんじゃないの?。」

アル「まあ俺も言うほど悪魔族の生態に詳しくないからなんとも言えないけど、それは無いと思う。」

アル「文献によると、悪魔族は死んだら死体は残らず、塩の柱ようになって崩れ、跡形もなくなるんだそうだ。」

アル「死体から魔法力なんかを取られるのを防ぐためだ〜とか、悪魔族が契約する魔神が関係する〜とか諸説あるけど、それは間違い無いはず。」

アル「だから、今回の不死族の魔物たちは、100年前の魔王とは違う”何か”が操っていると思うんだ。」

幼馴染「”何か”って…それを知りたいってことなの?」

幼馴染「そんなことで、勇者志願者として旅立って、危険を冒しにいくの?。怖くないの?。」

アル「そりゃ、怖くないって言ったら嘘になるけどさ。俺が行かないと、って思うんだ。」

アル「それに不死族相手なら聖詠魔法も効きが良いしさ、俺、結構向いてると、思うんだよ。」

幼馴染「そんな曖昧な理由で?。」

アル「まあ、俺以外にも、他の地域や村からも勇者志願者はたくさん出てきてるんだし、俺だけの力でどうこうしようってんじゃないさ。」

アル「本当の裏の”何か”がいれば、知りたい。ほら、昔から遺跡探検とか好きだったし。」

アル「それと、俺が志願すれば、重い税がかからなくなって、村のためにもなるってのもあるな。」

アル「だから、俺、行くよ。」

幼馴染「じゃ、じゃあ!。道場!、道場の経営はどうするのよ?。道場兼アンタの家なんだから、手入れしなきゃだし…。」

アル「道場とか家は…さ…。その…。お前に留守番しててもらおうって思うんだけど、ダメかな?。」

幼馴染「え?それってどういう…。」

アル「お前はたしかに強いけど、道場でみんなに剣技を教える師範とかは、流石にできないだろうからさ、一旦道場は閉めるよ。」

幼馴染「…悪かったわね、ガサツで。」

アル「いや、そうは言ってないさ。」

アル「一旦道場は閉めるけど、俺がさ、勇者志願者として、今増えてる魔物についての調査が終わったら、また村に戻るよ。」

幼馴染「う、うん…。」

アル「そ、そしたら俺と、一緒になってさ。この村で一緒に。道場、再開して、やろうよ。」

幼馴染「…え、そ、それってどういう…。」

アル「いや、だから。今みたいに特別師範扱いで、生徒の手合わせに来るだけって感じで道場に来るんじゃなくて、さ。その、か、家族として、俺と一緒に…。」

幼馴染「ちょ、ちょ、ちょっと。プ、プロ、プロポーズってこと?。い、いきなりすぎるわよ!。」

アル「いや、俺は、いきなりなつもりは無かったんだけど…。」

アル「イヤか?。俺と一緒になるの…。」

幼馴染「イヤ、じゃ、無い…。」

アル「え?。なんて…?。」

幼馴染「イヤじゃないわよ!。この、バカ!。バカアル!。いきなりすぎでびっくりしてるのよっ!。」

アル「おお…。よかったぁ…。」

幼馴染「…へ?。な、何よ、もっと喜びなさいよ…。」

アル「あ、ああ。嬉しいんだ。嬉しいんだけどさ、実感が無いというか、な。」

幼馴染「そ、そうよね。アタシみたいな超絶美人が、アンタの、お、お嫁さんとして、い、一緒になるんだから!。嬉しくないわけ、な、無いわよねっ!?。」

アル「ハハハッ。そうだな、そうだよ。嬉しいんだ。守るべき人が、大事な人ができて、嬉しい。」

アル「それがもっと、俺を強くしてくれる。」

アル「だから、必ず戻るから。」

幼馴染「…。」

アル「ダメか?。」

幼馴染「…ハァ。」

幼馴染「アンタの決意は固いってことね。分かったわ、行ってらっしゃいな。」

アル「ああ、いってくる。」

アル「だから待っててくれ。」

幼馴染「ええ、絶対に、戻るのよ?。」

幼馴染「…もし、帰ってこれなくて、アンタが魔物にやられて死んでたりしたら…。」

幼馴染「その時はアタシがアンタを殺してやるんだからね!。承知しないわよ!。」










時は現在に戻る。———


アル「旅立ってから、約2年か…。」


アル「幼馴染は元気だろうか。」


アル「帰りを待つ、アイツのためにも。」

アル「俺のために道を作ってくれたみんなのためにも。」

アル「俺は、生きるんだ。」

アル「一度、この”冥府界”に入るために、死を経験した身だからこそ。」

アル「生きる。」

アル「生きるために、抗う。」

アル「行くぞ。」







アル「さあ、ご尊顔を拝見させてもらおうか。」









アル「不死族の神であり。」

アル「冥府界の神王“ハーデス”さんとやらのな…!。」



ゆっくりと、最後の”冥界の扉”を押し開く。———




アル「こ、ここが、冥府界の、最後の場所…。」

辿り着いた、ハーデスが鎮座するべき場所。———

そこはなにもかもが金色に輝いていた。———

金色の玉座がある。———

がしかし、玉座は空位だった。———

お待ちしていました。とどこからか声が聞こえた。———

ひどく懐かしい声に聞こえた。———

そして、どこからか響き渡る、天使祝詞(アヴェ・マリア)。———



アル「…!。」

アル「あ、ああ、どうして…。」

アル「なんで、ここに居るんだ…?。」

アル「幼馴染…。」



玉座の傍には、宙に浮かぶ美しい女性が居た。———

その姿は人とは思えないほど妖艶かつ美しく、神秘的だった。———

しかしながらどこか慈愛も含む、母を感じる出で立ちでもあった。———



『ついに、来てしまったのね。』



アル「!??。口は動いていない…?。喋っていないのに、直接頭に声が…!。」

アル「この声…間違いない。間違えようがない。俺の愛しい人の声だ…。」


『貴方を…。』


『いえ、アンタを止めるべきだったわ。』

『でも、来てしまった。』

『この冥界の神王の玉座に。』

『だから、このアタシが。』




『冥界の神王、ハーデスの妻。ペルセポネであるアタシが。』



『アンタを、殺すわ。』

『約束通りに、ね。』





アル「は、ははは…冗談キツイな…。」

ペルセポネ『夢や冗談などではないわ。これは現実。』

ペルセポネ『さあ、安らかに。』

ペルセポネ『アタシの腕に抱かれて。』

ペルセポネ『 死 ぬ が よ い。 』



ペルセポネが錫杖を天高く掲げる。———

あまりにも強大な、闇の魔力の奔流が、錫杖の先に光となって集中するのが見える———




アル「冗談じゃねぇ…。」

アル「冥界に入るために、次元の壁を超えるために、そりゃ一度死んだけどな…。」

アル「魔物に殺されたわけじゃあないからノーカウントだっての!。」

アル「ペルセポネだか、ハーデスだか、異端なる神なんだか、知らんけどなぁ…。」






アル「俺の婚約者を、勝手に娶ってんじゃねぇ!!!!。」




ペルセポネから放たれようとする闇の光。———

対抗しうるには、出すしかない。———

必殺の秘剣を、放つ。———

アル「一撃で決めてやる。」

アル「集狼蛇流、究極”裏”秘奥義…。」

アル「使わせてもらいますよ、卑弦刃師匠…。」

アル「親父は絶対教えてくれなかった、禁断の。」





アル「反違『凍』超破<<ペナルティ・クラッシュフリーズ>>!!!」





あらゆる事象を『無かった』ことにする、唯一無二にして、禁断の”裏”秘奥義。———

ペルセポネから放たれる闇の光。———




冥界の神王、ハーデスはいまだ姿を見せず。———



終末が、来る。———


to be continued...(嘘)

7

DC兵マツバさんの

※本記事はユーザー投稿コンテンツです。

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このコラムへのコメント(9 件)

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DC兵マツバ
投稿日:2019/01/14
FLEAさん
コメントありがとうございます
卑弦陣師匠はアルの第2の師匠かつ、アル父の師匠でもある、いわゆるスターウォーズでいうところヨー○のような、そんな存在です。
髭を蓄えた怪しい風貌ですが、アルに戦士としての心持ちを説き、『ペナは友達』とよくわからないことを言う人です。
髭原○さんとは全く関係ない無い、ハズ、です(自信なし)。
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FLEA
投稿日:2019/01/14
あ、それで髭○人なんだ!
なるほど、確かに究極ですな‼️
アルが必殺技を出すとき何故かペルセポネ強カットインのSEが鳴りましたわ!
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DC兵マツバ
投稿日:2019/01/14
岡井モノさん
あ、あとすいません、言い訳を一つ。

序盤にあらっすぃが出てくるのは、最初はあらっすぃとして書いていた名残です。
途中から路線変更になり、あらっすぃ=別次元のアル・ラッスィにしていたのですが、添削漏れておりました。
なぜ路線変更したのかは、よくわかりません。
大いなる力の流れがそうさせたのでしょう。
やっちゃう
やっちゃう
やっちゃう
しか選択肢ないのと同じように。

間違いは間違いとして、それはそれで味があるかなと思うので、このままにします。
ちくわ大明神みたいなものと思っていただければよいかと…。
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DC兵マツバ
投稿日:2019/01/14
岡井モノさん
コメントありがとうございます。
必殺技について考えていたのですが、考えて考えて考え抜いた結果。
あらっすぃ外伝という、あえてあらっすぃとは違う別次元の『ありえたかもしれないあらっすぃ』というのが浮かびまして。
趣旨にそぐわない内容かもしれませんが、
「このお題の前で必殺技についてのコラムを書こうと思っていたのに、いつのまにかSSを書いていた」
というのが正しいですね…。

何を言っているのかわからないと思いますが
わたしもなんでこんなこと書いたのかわからないです…
頭がどうにかなってしまったかと…
催眠術だとかお題の勘違いだとか
そんなチャチなもんじゃあ断じてありません…
もっと恐ろしいものの片鱗を味わった感覚です…
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岡井モノ
投稿日:2019/01/13
必殺技を考えるというより、前段に注力したい気持ちを抑えきれずにお漏らししてしまったマツバさんのどろり濃厚会話劇、4回読みました。
必殺技が全然出ないとか、あらすぃどこいったんだとか、「死 ぬ が よ い。」はやめろとか言いたいことは30個くらいありますが、序盤で突然あらっすぃ君が次元の狭間から登場しているのに、何事もなかったように話が進行している事に気付いた時に私の頭もペナクラッシュフリーズ、体感型コラムとはおそれいりました。

いや、力作です(笑)
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DC兵マツバ
投稿日:2019/01/13
あきうめさん
コメントありがとうございます
GODシリーズをネタにして、いかにしてくだらない表現で書けるかを考えていたらこうなりました
なので、オチはありません(ぇ
漫画で描けるような人が羨ましいです…
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DC兵マツバ
投稿日:2019/01/13
銀チャさん
コメントありがとうございます
あの、ペナクラは本当に奇跡でしたからね…
必殺技(自分への)といっても過言ではないかなと思い、拝借させていただきました
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あきうめ
投稿日:2019/01/13
続くのかよ!
じゃあ最終回まで読めるってことだありがとうありがとう(煽り)

シュールだね!(多分)
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銀チャ
投稿日:2019/01/13
成る程…ヒゲの人思い出した…_:(´ཀ`」 ∠):

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