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パチ7的『平成パチンコパチスロ史まとめ』
2019.06.21
【平成まとめシリーズ】激動の30年! メーカーの変遷を纏めてみた。
チワッス。あしのッス。
突然ですが、みなさん「初めて好きになったメーカー」がどこだったか覚えていらっしゃいますか?
ちょっと考えてみてくださいまし。
筆者が初めてパチンコに触ったのは大体20年ほど前。何を打ったか定かじゃないのですが、『オークス』とか『ミルキーバー』もしくは『ギンギラパラダイス』あたりだったと思います。あやふやなんですけど、権利モノだった事だけは間違いありません。なぜなら消化の方法が分からない上に呼び出しランプの存在も知らなかった筆者はホールでスッと手を挙げるや、駆けつけたパンチパーマのスタッフさんに打ち方を聞いたのを覚えてるからです。
そこから徐々に打ち方を覚え、勝った負けたを繰り返しつつ、いつしかパチスロに目覚め──。
今思えばあの「挙手」からすべての人生が狂っていったように思うのですが、とにかくあの日からひたすらパチンコ&パチスロにのめり込む日々が始まり、そしてざっくり飛んで令和に至ると、そういう感じです。
さて。
我がパチンコ&パチスロ人生を振り返りし時、テクノコーシンの「キワメ」に出会った時に感じた気持ちの悪さは、決して欠かす事の出来ない鮮烈な体験になっております。
リール制御。筐体。キャラ。図柄。効果音。そしてシステム。何もかもがキモすぎました。あまりのキモさにバイトで稼いだ給料をぶち込みまくり、そうして初めて集中に入れた時のBGMの想像の上をいくキモさと、それに反比例するかの如く爽快感に満ち溢れた強烈な出玉性能。キモ&爽快。これは一発でヤラれました。なんだこのパチスロ……。すげえ。どこが作ったんだこれ。なになに、テクノコーシン……? ようし分かった! オイラはお前のファンになるぜ。応援するよテクノコーシン……!
冒頭の質問。みなさん「初めて好きになったメーカー」がどこだったか覚えていらっしゃいますか?
オイラの場合はテクノコーシンです。
昭和生まれの古豪のパチスロファンなら絶対知ってると思うのですが、最近の方でも「ラスター」あるいは「ウィンネットテクノロジー」というとピンと来るかもしれませんね。
ん? ちょっとまった。どゆこと? なんで社名3つもあんの──?
とうわけで本題です。
平成の30年間はそのままパチンコ・パチスロ勃興の歴史といっても過言じゃありません。そりゃその前からあったのは間違いないのだけども、ここまで広く浸透したのは平成に入ってからでしょう。そしてその30年間というのは、やっぱりそれ相応に長いです。だからこそ、良くわからない事も一杯ある。その一つが「メーカーの変遷」です。
みんないつの間にか名前が変わってたりどっかの傘下に入ってたり離脱してたり、あるいは提携したり委託したり、最悪の場合倒産してたり。令和になって区切りも良いし、一回気になる部分をちょっと纏めてしまいましょう。
というわけで今回は「メーカーの変遷」を纏めてみました。流石に全部は網羅できないので個人的に気になる所を。まずは件のテクノコーシンについて。
どうぞ!
(ちなみに以下、特に倒産した会社についてはぼんやりとした情報しか残ってない場合があり、時期などの記載があやふやになっている箇所があります。どうぞご容赦を……。あと冗長になりすぎるのを防ぐ意味で以下のに出てくる社名に関しては「株式会社」を省略しております。ご了承ください)
★時速を追い求めた変態メーカー! テクノコーシンについて。
はいテクノコーシンを纏めると以上になります。
まず大本となる「興進産業」が誕生したのはオイルショック直後の1974年。平成一発目の機種は2号機の『デートライン銀河』との事。1998年には我々が良く知る「テクノコーシン」に社名を変更。2002年の爆裂AT機全盛期に『キワメ』『ミコシ』『MSガンダム』を矢継ぎ早にリリースした後、同年7月に社名を「ラスター」に変更したようです。
ちなみに『ミコシ』はシステムのイカれ具合と共に、設定6の出玉率の高さでも有名なので、打ったことが無い方でも物の本などで見かけた事があるかもしれませんね。一応付記しておきますと設定6で261.6%との事。頭がおかしいです。
さて、そんなテクノコーシン……ラスターですが、その後は『竹中直人のパチスロ太閤記」『サクスロ』『パンダーゼット』『メガミリオネア』などをリリースする傍ら、5号機になって参入した新規メーカー「ウィンネットテクノロジー」との間に委託販売の契約を交わします。製造がラスター。開発と販売がウィンネット。つまり『ドリームJラッシュ』なんかは正真正銘ウィンネットの台なのですが、筐体のパネル部分には製造社名としてラスターのシールが貼ってあると。この辺が「なんやコレ」の原因でございます。
また2010年にはアークテクニコの流れを組む販売商社「ニューアーク」との間に業務提携が結ばれましたが、実際に発売された機種はアークテクニコ時代の名機『ワイルドキャッツ』と『アニマル』の5号機リメイク版。及びオリジナルの『ジャイアン~情熱のタイ編~』のみ。以後ニューアーク社の名前は確認できず。ユーザーの目に触れる世界からは姿を消している模様です。
さて。以上を纏めるとラスターは自社ブランドで機種を開発する傍ら、ウィンネットテクノロジーとニューアークの委託を受け、かの機種の製造を請け負っていた……という事になります。2013年には販売子会社である「ラスター販売」を解散してますし、おそらくですが開発と販売はウィンネットとニューアークに任せ、俺は製造一本でやっていくんだぜ……みたいな感じだったと推察されます。
栄枯盛衰──。
その後、ラスターは遊技機の販売不振に苦しみつつ、大口の提携先であるウィンネットテクノロジーの破産手続開始の決定の煽りを受けた形で、2014年に事業を停止。2017年の法人格消滅をもって、その40年の歴史に幕を下ろしました。そう。倒産です。
──平成駆け抜けたね。がんばりました。ラスター。いや、テクノコーシン……! レスト・イン・ピース。ゆっくり休んでください。
……さて。
上記を読んでちょっとわかりにくい所があるのに気づきましたか? まあ筆者の文章が分かりづらいのはさておき、仕組みとして意味がよく分からないのが「委託販売」みたいな用語です。
つまり、開発リソースはあるけど工場を持ってない会社があったり、あるいは工場はあるけどヒット作に恵まれない会社があったり。両方あるけど販売経路が弱かったり──。そういう会社同士の利害関係が一致して手を組む事を「業務提携」「企画提携」「販売提携」みたいな感じで呼び、いっそ財務諸表も連結しちゃおうぜと、文字通り一心同体にネジ式にハマり合うと「連結子会社化」とかそういう流れになるようです。一応言い訳しとくと筆者もあんまり会社組織には詳しくないのでもしかしたらすげえアホな説明になってるかも知れないけども、そんなに外してはないと思います。
提携──。
実はこの辺を理解するには流通商社である「フィールズ」の歴史をみるのが一番手っ取り早いと思うんで、ちょっと見てみましょう。
ん? フィールズ? メーカーじゃないよね……。いやいや、ちょっと違うんですよそれが。
★遊技機流通商社の絶対王者・フィールズの変遷
フィールズの前身は昭和最後の年、1988年に設立された「東洋商事」でした。設立当初の業務内容は遊技機の販売及び製鉄原料の販売。遊技場部門もあったそうですがそちらは『モンスターハウス』でお馴染みの「竹屋」に譲渡しました。ちなみに譲渡を受けて竹屋が運営してたホール名は『パーラーモンスターハウス』との事。駐車場からゾンビの手が出てきそうでイカしてますね!
2000年にはサミー系列の「ロデオ」と「独占的販売代理店取引基本契約」を締結します。長い名前の偉そうな契約ですがざっくり「ロデオの台はうちを通して買ってね」くらいの意味だと思っておけばだぶん大丈夫。ちなみに最初の取扱機種は『4号機ガメラ』でした。筆者はこの辺から打ってます。
2001年には新たに既存法人と同名の「東洋商事」を設立。製鉄原料部門をそちらに移管して体制を一新。元の会社は社名も変更してパチスロ販売部門一本での勝負を始めます。そう。ここから我々が知る流通商社の雄「フィールズ」としての経歴がスタートしたのでした。
快進撃はここからです。
まず2003年にはSANKYO傘下の「大同(ダイドー)」と遊技機販売取引基本契約を締結。ダイドーはその後「ビスティ」に社名を変更しエヴァンゲリオンシリーズでヒットを連発することになるのはご存知の通り。
さらに2004年には『お姉チャンバラ』や『地球防衛軍』などでお馴染みのコンシューマ向けゲームメーカー「ディースリーパブリッシャー」を関連子会社化。これにより家庭用ゲーム機に向けてSANKYO及びビスティの機種がゲームソフト化されるようになりました。ちなみにディースリーパブリッシャーは2009年にバンダイナムコゲームズに向けて全株式を売却されているので、エヴァも「魂の軌跡」から先はソフト化されておらず。以降はフィールズ子会社のフューチャースコープ社がスマホアプリ版を提供しているのみです。
2006年にはオリンピアとの本格提携にあわせて「GOLDオリンピア」ブランドの販売を開始。さらに2008年には京楽との業務提携を発表。2009年にはエンターライズとの取引基本契約を締結します。そして2012年にはユニバ系列の「ミズホ」を関連子会社化。パチンコもパチスロもオレが全部売ってやッかんよォくらいの勢いを感じますね。
──んで疑問なんですけども、ここまで来たら自前で開発・製造したくならないんですかね?
事実、古いパチンコファンなら一度は耳にした事がある「正村ゲージ」の流れを組むパチンコ・パチスロメーカー「まさむら遊技」を、京楽と共に「オッケー.」へと転生させ、共同とはいえメーカーとしての活動を模索し始めたり。あるいはあの「ミズホ」の株式取得も要するに開発力の取得という側面が強かったようです。結果としては、「オッケー.」はやっぱり京楽ですし、「ミズホ」もまたユニバに還って行きましたが、何か狙ってる感じはビンビンしますね。
そして2015年。降って湧いたようなチャンスが訪れます。なんとあの名門「アリストクラートテクノロジーズ」の法人精算報道です。これは最近なので筆者もすごく印象に残ってますが、まさかアリストが……。
ではここでアリストの解説をば。
アリストクラートは少々特殊な背景を持っている会社で、元々はオーストラリアのカジノ用ゲームマシン会社「アリストクラートレジャー」の日本法人として誕生しています。当然日本のパチスロ機開発のノウハウなんかないので、まずはサミーと業務提携しました。
そして2002年にはあの問題作『爆裂王7』をリリース。3リールビタ必須ではありますが破壊力抜群の攻略法が発覚し超速で市場から姿を消しますが、ここで生み出された「バクちゃん」というキャラは5号機でも活躍しました。ただし「爆裂」という名前が時代にそぐわず『怪胴王』という名前になってましたけども。ちなみに同年にはあの超名機『巨人の星』もリリース。翌年には世界一ムカつく猿が出てくる『マッハGoGoGo』がリリースされました。イケイケでしたね、アリスト。
そして2010年には5号機になってから参入したニューカマーである「スパイキー」を傘下に収めました。スパイキーは参入当初こそ『新装開店パチってスロット』なる台をリリースして注目を集めておりましたが、その後アリスト傘下に収まるまで長らく新機種は無し。子会社化直後にリリースされた『月面兎兵器ミーナ』にて久々の活動再開となりました。
さてアリストとスパイキー。片や『絶対衝撃』や『哲也』。片や『鉄のラインバレル』や『BLACK LAGOON』。比翼連理で仲睦まじく、今後も業界を盛り上げてくれるのかと思いきや、まさかの精算発表です。精算というのはつまり「倒産する前に辞めちまうぞ」という事でして、事実上の業務終了のお知らせであります。ちょっとまった。この場合はスパイキーはどうなるんだ……?
と、そこに救いの手を差し伸べたのがフィールズでありました。フィールズはアリストクラートの全株式を取得。それによりスパイキーの株式も間接所有で100%保有することになり両者を名実ともに『完全子会社化』しました。なおアリストはその直後「クロスアルファ」に社名を変更。オーストラリアの匂いを完全に消した模様です。(ちなみに「アリストクラート」は「貴族」の意)
また、2018年にクロスアルファは「七匠」の株式を取得。七匠はもとからフィールズの資本が入っていた会社ですが、それと併せてフィールズグループによる七匠の株式保有比率が2/3を上回ったので、七匠もまた事実上フィールズの子会社になりました。
つまりフィールズは流通商社ではありますが──
・オッケー.(京楽との共同子会社)
・クロスアルファ(元アリストクラート)
・スパイキー(クロスアルファの子会社)
・七匠(フィールズとクロスアルファで共同保有)
4つのメーカーを所有している事になり、その気になれば自社での開発は全然可能な状態になっております。これでメーカーじゃないというのは無理がありますし、今後はユニバやサミー的な立ち位置で、4社をグルグル回しながら検定に挑んでいくのではないかと思われます。あ。筆者が思っているだけですけどもね。
さて。
では次。タイミングが良いのでユニバとサミーを見てみましょう。こっからはザクッといきます!
★仲が悪いってホント? 並び立つ両雄ユニバとサミー。
ユニバーサル系 |
・ハナビ、クランキーコンドル(ユニバーサル) ・タコスロ、ミリオンゴッド(ミズホ) ・サンダーV、バクチョウ(メーシー) ・アステカ、バベル(エレコ) ・ミリオンゴッド神々の凱旋(ユニバーサルブロス) ・沖ドキ、花火通(アクロス) |
まずはユニバ側。
これちょっと具体的に説明すると3万文字くらいになっちゃうので、大事な所だけ説明するとユニバ系とかアルゼ系とか言われてるグループは現在「ユニバーサルエンターテインメント」「ミズホ」「エレコ」「メーシー」「アクロス」「ユニバーサルブロス」の6社。
未だに「アルゼ」と言っちゃう方がいるのはユニバーサルエンターテインメント社が以前「アルゼ」だったからです。ただこれも面倒くさくて、アルゼの前はやっぱり「ユニバーサル」という名前だったんで、アルゼ時代にもユニバって言ってる人は沢山いました。ややこしや!
サミー系 |
・獣王、アラジンA、北斗の拳(サミー) ・ガメラ、ダブルチャレンジ、旋風の用心棒(ロデオ) ・鬼浜爆走紅蓮隊、リングにかけろ(銀座) ・マーベルヒーローズ、BLOOD+、ToHeart2(タイヨーエレック) |
次にサミー系。こちらは「サミー」「ロデオ」「タイヨーエレック」「銀座」の4社。古くから打ってるウィザード級のスロッターと喋ってると、たまーに出てくる「バークレスト」はロデオの前身ですね。あとツインエンジェルでお馴染み「トリビー」も一時期は仲良かった。もう倒産してますけども。
ユニバもサミーも、もはや説明なんか絶対要らないくらい有名なのですが、面白いのが2016年に共同で合弁会社「ジーグ」を作ってる所。もっともメーカーじゃなくて今の所はあくまで筐体そのものを提供する部品会社ですが、これは結構すごい事だと思います。個人的に。
というのも、ユニバとサミーは(実際どうなのかはさておき)ユーザーから見ると、めちゃ仲が悪いイメージがありました。今でこそ「ユニバカサミフェス」なんかも一緒にやってるし、サミーのオンラインサービス「サミータウン」にもユニバ系の台が導入されてたり。そんなにトゲトゲしい感じはしないんだけども、そのすぐ足元、薄氷の下にはドロドロとした係争の歴史があるとかないとか(ありました)。だので筆者みたいな中途半端にその辺の経緯を齧ってるユーザーなんかからすると、両者には「仲が悪い」イメージを、どうしても持ってしまうのです。実際どうか知りませんけどもね。
ところがどっこい、合弁会社ですよ。
ね。平成ってすごいね。CTが生まれたりね。北斗が生まれたりね。そんで裁判したりね。そして一緒にユニバカサミフェスやったり、果ては合弁会社作ったり。全く。人生はチョコレートの箱に似てます。食べてみるまで中身は分からないってね。よく言ったもんですフォレスト・ガンプは。
ちなみにサミーグループに関しては今後ブランドを全てサミーに集約するとの事。ロデオも銀座もエレックもブランドとしては消滅状態にありますが、メーカーとしては元気に活動中なのでご安心をば。なぁに、ロゴマークが違うだけさ!
★パチンコ黎明期を支えし巨人『平和』『オリンピア』
平和商会/東和工業/平和工業/平和 |
・ルパン三世シリーズ(4号機~) ・ゴルゴ13(4号機) ・アントニオ猪木という名のパチスロ機(4号機) |
オリンピア |
・スーパーバニーガール(2号機) ・ビーナスライン(4号機) ・ホットロッドクイーン(4号機) ・島唄(4号機) ・お見事!サブちゃん(4号機) ・ヒデキに夢中(4号機) ・麻雀物語2激闘麻雀グランプリ(5号機) ・主役は銭形2(5号機) |
その他 |
・美川さそり座のサラリーマン(オーイズミNEO) ・CRAトキオデラックス(アムテックス) |
ハイ次! 「平和」と「オリンピア」。略してオリ平。これはスカッとしてるね。わかりやすい。
これ、パチスロ始めたばっかりの頃はどっちがどっちか全く分からなかったし、なんなら同じ会社くらい思ってたけど当然別会社。ただこれどっちが親でどっちが子かはすげぇ分かりづらいので暇な時に調べてみてください。一応株式的には平和がオリンピアの全株式を取得してるので親なのですが、実はオリンピア側が経営権を取得してるのでどっちが親かよくわからん形になってます。
で、一瞬だけオリ平とくっついてるのがご存知「オーイズミ」です。
みんな好きだろうオーイズミ。筆者大好きです。『大繁盛本舗』を初めて打った時の衝撃は今でもガッツリ覚えてます。意味わかんなすぎて実家に欲しいですもんあれ。実際今でも『ドリームクルーン』とか『ハネスロ』みたいなちょっとイロモノ色が強いメーカーではあるのですが、実はオリンピアと共同開発をおこなっていた時期がありまして、そのブランドを「オーイズミNEO」と呼びます。時期的には2006年~2009年まで。
この時期の台で出色なのがなんと言っても『美川さそり座のサラリーマン』。オーイズミNEOのファーストにして至高。筆者の中でこれを超える5号機の台は長らく出ませんでした。ちなみに「パチスロ攻略ライターの思考ルーチン」を連載されてる佐々木真先生も『美川』には一目置いていたらしく、いつか酒のんだ時にかの台を絶賛されておりました。いやー面白かったなぁアレは……。
そして2010年から新たにオリ平グループとしてパチンコ機のリリースを行っているのが「アムテックス」です。立ち位置としては平和ブランドの羽根物担当みたいなイメージですが、実はこちらは1986年設立と結構古い会社。当初は「アムテックス研究所」という法人名で遊技機の基礎研究を行っていたとの事。『CRタコラッシュミニ』から開発に参入したそうです。
というわけで現在の所、オリ平グループは「平和」「オリンピア」「アムテックス」の3社でファイナルアンサーです。
★アビリット? コナミ? 高砂ってなんや!?
高砂/アビリット |
・ドリームセブンシリーズ(3号機~) ・必勝金閣寺物語(4号機) ・サイボーグ009(4号機) ・鬼浜爆走紅蓮隊爆音烈士編(5号機) ・スカイガールズよろしくゼロ(5号機) |
KPE |
・マジカルハロウィンシリーズ(5号機) ・悪魔城ドラキュラシリーズ(5号機) ・ときめきメモリアル(5号機) ・スパイガール(5号機) ・戦国コレクションシリーズ(5号機~) ・GI優駿倶楽部シリーズ(5号機~) |
パチスロ業界のメーカー変遷はごちゃごちゃしてるのがデフォではあるのですが、中でも一際異彩を放つ分かりづらさを誇るのがこちら。「高砂」です。読み方は「たかさご」ですゆえお間違いなく。過去一回だけ「たかすな」って読んでる人と遭遇したことあります! シャッ!
高砂は1956年にチューナー専門メーカーとして誕生したのち、1971年にビデオゲーム業界入り。その後1988年に2号機『ウィンクル』でパチスロ業界りし、『ドリームセブンマックス』『必勝金閣寺』などの名機を投入した直後、2003年には「アビリット」に社名を変更します。
そして2008年。問題作『鬼浜爆走紅蓮隊爆音烈士編』の筐体回収騒ぎを経て、2011年にはゲームメーカー大手「コナミ」の完全子会社になります。で、なぜか社名をアビリットから高砂に戻しました。この時点で結構謎のムーブなのですが、とりあえずこの時点でアビリットという名前は表舞台から姿を消します。
ちなみにほぼ同じタイミングで関連開発会社「シスコン」との関係も解消したのですが、鬼浜を作ってたシスコンはその後にベルコと手を組み、2013年以降鬼浜シリーズはベルコから出ています。ふむふむ。
さて、コナミの完全子会社となった高砂。この時点でコナミには「KPE」があるので、同じグループにパチスロメーカーが2社混在する事になりました。このまま2社で展開していくのかなと思った矢先、思いがけない展開になります。
なんと、2016年。高砂は社名を「コナミアミューズメント」に変更するのです。
しかも、コナミホールディングスの基幹部門を受け持つ「コナミデジタルエンタテインメント」の常務を社長として受け入れ、パチンコ・パチスロに加えてゲームセンター部門まで引き受ける事に。大出世! まじかよ! なんでや! あ、そういえば高砂はアーケードゲームの開発もしてましたね……!
気になるのはKPEなのですが、現在は公式サイトもコナミアミューズメントに吸収され社名の確認すらできず。トップページだけ残っててあと全部サミーに飛ばされるロデオよりも霊圧が消えた状態になっている模様です。まあKPEの霊圧が消えても『マジハロ』も『G1』も生きてるんで別に影響は無いのですが、時代の流れを感じますね。
しかし平成すげえな……。まさかあのアビリットがねぇ……! コナミのアーケード部門まで一手に……。グラディウスの新作とかがゲーセンに出たとして、世が世ならアビリット製だったと考えると胸が熱くなりますねぇ!
とりあえず、未だに何となく「高砂!」と言っちゃう方は口の中でビートルジュースよろしく三回唱えてください。高砂はコナミアミューズメント。高砂はコナミアミューズメント……。
★兵どもが夢の跡……! 今はなきメーカーたち。
そして最後は惜しまれつつも退場済みのメーカーたち。冒頭の「ラスター」「ウィンネット」に関しては言わずもがな。それに加えて平成の間に姿を消したメーカーはまだまだあります。
まずは「SNKプレイモア」。
ネオジオなんかでブイブイ言わせてた会社ですが、パチスロ参入は2004年の4号機『メタルスラッグ』から。その後チーパオに双子の妹が居たと話題になったとかならないとか噂される『ドラゴンギャル』や『超お父さん』『スカイラブ』『神たま』そして『シスタークエスト』などを生み出しましたが、2015年に惜しまれつつも事業撤退。
なおSNKプレイモアに関しては一部で「各種版権だけはまだ生きてる」と言われておりますが、実はその譲渡先の「ハイライツ・エンタテインメント」もまた2019年3月を持って新台開発終了を宣言しているので、残念ながらシスクエの新作が出る望みは非常に薄いみたいです。『カプコン VS SNK』のノリでエンターライズが版権買ってくんねぇかな……。
ともあれ盛者必衰の理──。11年間、お疲れさまでした!
そして「タイヨー」。
こちらは1971年に誕生した老舗ですが、2010年に民事再生手続開始した後、2016年の『コクッチーブラック』を最後に音信不通になっております。公式サイトも消え、ツイッターも活動停止中。生死不明の状態ですが、ここまで企業としての活動実態が確認できないとなると、もはや駄目かもしれません。残念です。
『タイヨーボウリング』とか『ヒャクマントン』とか好きだったなぁ。ツイッターで話題になってたコクッチーの中の人だけ、プライベートでいいから復活してくれると面白いのですが……。
もう一つオマケに「トリビー」について。
1997年設立の比較的新しい会社で最初は「エイペックス」という社名でした。社名変更を機に2006年から2008年まではサミーの技術協力を受け、その間に『快盗天使ツインエンジェル』を生み出しました。2009年からはユニバの筐体で新台をリリースしておりました。一時期はいいペースで台をリリースしてましたし頑張ってたのですがついぞヒット作に恵まれず。2013年をもって業務を終了いたしました。
あとパチスロじゃないですが、「奥村遊機」の倒産も衝撃でした。
1947年に誕生した奥村。当時は「モナコ」というホールの運営を主軸にしていましたが、50年にはメーカーとしての活動を開始。以降65年に亘ってパチンコ機を開発し続けていましたが、残念ながら激動の平成を完走する事はできず。2015年には破産手続きを開始。そして2017年7月に法人格が消滅してしまいました。南無……!
……以上。
なんであのメーカーが入ってないんだ! とかいろいろあるとは思いますが、申し訳ありません無理です。平成30年間は長すぎました。そう。長いんです。30年間は。
思えば小学生の頃。のちの総理大臣である小渕恵三が「新しい年号は平成です」と神妙な面持ちで掲げた時に感じた違和感。生まれてからずっと昭和だったのに今日から平成ですと言われてスッと入るわけがない。それでも、平成が終わった時には言いようのない喪失感を覚えました。
そう。30年間は長い。人の価値観も変わるし、いろんなものが変わって当たり前。だって人間も、法人も、時代に適応しながら生きてるのだもの。
きっと令和が終わる頃には、もっとすごく変わってるんでしょうけど、その時にはボケかけた頭でまた纏めてみたいと思います。
以上。平成まとめシリーズ。メーカーの変遷編でした!
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- あしの
- 代表作:インタビュー・ウィズ・スロッター(稀にパチンカー)
あしのマスクの中の人。インタビューウィズスロッター連載中。元『セブンラッシュ』『ニコナナ』『ギャンブルジャーナル』ライター。今は『ナナテイ』『ななプレス』でも書いてます。
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今回は変遷がゴタツイてるところのみをピックいたしました! 自由帳の方でまさしく「大都技研」とか「山佐」あたりに関して書いてるんで、編集長のオッケーでたら投下しますぜー。へへ! アザス!
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そう、お聞きしたいのはIGTってどの系統したっけ?