令和元年を占う3機種

佐々木真パチスロ攻略ライターの思考ルーチン

平成では最後のパチ7コラムとなりました。平成の間は、興味が明後日の方向の拙い文章にお付き合いしてくださいまして誠にありがとうございました。令和に変わってもその傾向は変わらないと思いますけどね（汗）

まずはニュースから。既に検定・認定が切れている“みなし機”の処遇が決まったようです。

（参考文献：ぐりーんべるとWEB版）
（参考文献：遊技通信WEB）

2018年2月1日の遊技機規則改正後に検定・認定が切れた機種は速やかに撤去。2月1日以前に検定・認定が切れた比較的射幸性の低い遊技機に関しては、2019年12月31日まで設置可能となりました。比較的射幸性の低い機種とは、指示機能を有しない（押し順ナビが出ない）いわゆるノーマルタイプとのことです。

この“みなし機”の問題は、厄介なことを生んでいました。打っているユーザーから「撤去しなければいけない機種がまだある」なんて警察にタレコミとかあったんですね。認定を取得するのはホールの判断。外見からではわからないんですけどね。同じ機種でも外さなければいけないホールもありますし、そのまま設置できるホールもあるのです。中途半端な知識で自分が思う正論を振りかざす迷惑行為が減るので好ましい決定です。

ただし、5号機の振り返りでも書きましたが、2012年以降はノーマルタイプの新機種が激減していまして。どれだけの機種数が救われるかは不明です。それでも、このような激変緩和措置が講じられたのは、6号機の適合不足が要因です。外すスケジュールは決まっているのに、入れる機種が不足しているということ。 3月に結果書が交付された65機種のうち適合は15機種でした（適合率23％）。

それでも撤去までの時間も日に日に進みますし、令和の時代も近付いてくるのです。パチスロはどうなるのか？令和の幕開けで気になる機種たちを考えてみたいと思います。

☆大増産決定のアノ機種。

▲『Re：ゼロから始める異世界生活』（2019年3月：大都技研）

平成の最後を飾ったの『Re：ゼロ』。もうご存知の方が大半でしょう。増産も決定したようで、とんでもない台数がこれから入ってくると予想されています。8000台が15000台になりどこまで伸びるのだろうか？

この機種の魅力は、何といってもスピード感と一撃性。1Gあたり8枚の純増は6号機だからできたスペック。たった300Gで2400枚を吐き出すスピードを初めて体感された方も多いことでしょう。やっときた白鯨で玉砕の経験のほうが多いとは思いますが(笑)

5号機時代も含めて、このような盛り上がりをした機種は数少ないです。好ましいことですし、凄い機種だとは思いますが、これが主流になって良いのか？という懸念もしています。ギャンブル依存問題対策で6号機となったはずなのに、5号機よりもバリバリ射幸性が高いですからね。

もちろん、このような一発逆転を目指せる機種も必要ですが、各メーカーがこぞってこのタイプを作ってこないことを願います。純増8枚ではないですよ。この初当たりの重さと一撃性です。純増8枚は、どうしても通常時のベースが高くなります。通常時のベースが高ければ、初当たりを思いっきり遠ざけるか、一撃性を減少させるしかありません。それ以外の作り方もできます。

例えば、1Gあたり8枚純増でも40G程度で終了するATで、連チャン性を薄めにしたとします。6号機では作れなくなった300枚タイプのノーマル機の代用となり得ます。

このような機種だらけになると、また締め付けられる気もするんですよね。『Re：ゼロ』は、ホールで起きる実際の挙動で適合を受けたわけではないかと思います。保通協で実射される17500G。複数設定で打てば、一撃2400枚とか出そうですよね。

短期出玉率の基準は400Gで220％未満。純増8枚を300Gで2400枚だったとして、900枚投入の3300枚払い出し。残り100Gで何も当たらなかったとすると、300枚投入の200枚払い出し。都合、1200枚投入の3500枚払い出しで、出玉率は“291.7％”となります。リプレイとかユーザー計算にしていますが、71％も変わらないですから。1回も引いていないということ。保通協の検査方式の変更。5.5号機以降、聞き慣れてしまったワードです。

私はこの機種の人気となっている2つの要因は、それぞれ独立していると考えています。単に純増8枚を体感したい層と、速度のある一撃2400枚に魅せられた層です。あ、あと原作人気もあるか。うーん、私が聞いている台数が増産されたら、設定配分といった運用をしっかりしないと飛ぶかな……なんて。

この大増産以降がどうなるか。令和の早い時期の流れを決めるかもしれません。

☆6号機でもAプロジェクト！

▲『ドンちゃん2』（2019年4月：アクロス）

ボーナスでの払い出しが抑制された6号機。その中でもMAX222枚と頑張りを見せたのが、アクロスのAプロジェクト『ドンちゃん2』です。もちろんのこと、6号機でもノーマルが楽しめるかを占う一機種です。まあ、まだ『花火』や『バーサス』も残っているので、これが多少グダグダになっても作り続けて欲しいのですが(笑)

MAX222枚で少ないと感じる人が圧倒的かと思います。ですがコレ、5号機までの感覚でいうところの400枚BIGにあたります。2種BB（第二種特別役物MB）を搭載していません。5号機のノーマルでは、『花火』や『バーサス』、そして『ジャグ』系のように基本的な作り方となっていました。

この2種BBがないと、全体で払い出すコインのうちボーナス分の比率がカットされます。なので、どうしてもベースは高くなります。それだけ遊べるといえばそうですが、メリハリはどうしても不足してしまいます。あと……ハマったとしてもホールの利益は少なくなります。

ユーザーが少ない枚数のボーナスを許容できるかという問題と、ホールがこれで満足するかという問題が出てくるんですね。荒い機種を好まないパチスロファンのため、ノーマルオジサンがパチスロから足を洗わないよう、全国のホールには頑張っていただきたいところです(笑)

☆バランスが取れていそうな機種。

▲『天晴！モグモグ風林火山–全国制覇版–』（2019年5月：ネット）

この機種はまだ未導入なので、正直なところどうなるかは不明です(笑)

『Re：ゼロ』のように荒すぎず、『ドンちゃん2』のようにマッタリしすぎず。ATシステムは『HEY！鏡』と同じタイプですが、疑似ボーナスの連チャンを見せるタイプの機種です。1Gあたりの純増は約2.9枚と緩やか。その分、50枚あたりの回転数は約43Gと6号機にしてはシャキシャキしております。

この機種の魅力は、技術介入性です。疑似ボーナスのBIGは、40G消化か2回のJACイン（通常リプレイ入賞）で終了します。変則押しで通常リプレイの入賞を拒否して、できるだけ長く引っ張れば獲得枚数が増えることになります。アレです。少し形は違いますが『花火チャレンジ』のようなものですな。

ポイントとなるのは、2回目のJACインで終了するということ。リプレイハズシは必ずハズせる2コマ目押しと75％ではずれる3連モグ玄ハズシの2種類。目押しに自信がない場合は、序盤のリプレイを保険でハズしておくなど、個々のスキルに応じた戦略性があるのです。

一撃性も少しあります。通常時は合戦で全国制覇を目指していきますが、達成した暁には天下泰平モードに移行して疑似ボーナスの連チャン率がアップ。期待値は約1000枚とのことです。『Re：ゼロ』の」後に書くと可愛いものと思われそうですが、でもそこが良いのでは。中くらいの機種がしっかり動いてこそ、6号機の未来は明るいというものです。

まあ、最大の懸念は、私が褒める機種は大概コケるということですかね(笑……えない) 令和の時代はその傾向を払拭したいものです。それでは皆さん、良い平成を！（良いお年を風に）

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佐々木真: 代表作：パチスロ攻略ライターの思考ルーチン

裏モノ全盛期に“ギャンブル”としてパチスロを始めたが、技術介入機時代に最適手順を模索するなど“遊技”としての魅力にはまり、履歴書に大きな穴をあけてしまう。2000年よりパチスロ雑誌などで編集兼ライターの活動を開始。現在は、ほぼすべての機種の発表会や取材に参加。法律・規則などの知識をもとに、根幹システムの推測をライフワークとしている。