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元・ホール店長カタギリのしくじり店長

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2018.03.07

しくじり店長・第65話『醜悪な鏡』

元・店長カタギリ 元・店長カタギリ   元・ホール店長カタギリのしくじり店長



ああ、今日もまた、昨日と何ら変わらぬ平凡な夕暮れを見送るのか。明日もきっと、大切なはずの1日を見過ごして、似たようなことを考えながら、ぼんやりと眠りにつくのだろう。

身内から向けられた疑惑の眼差し。稼動回復のために積み上げてきた努力の数々が、思いもよらぬ形で全て水泡と帰した忘れ難いあの日から、私はただの抜け殻になっていた。定められた時間内にタイムカードを打刻して、定時を迎えると逃げるように店を出る毎日。誰に何を聞かれても、答えは上の空。呆れた表情のスタッフに返せるのは、愛想笑いと生返事だけ。もう、何も残ってはいない。奮起する気力も、言い返す体力さえも。


「店長、もう帰っちゃうんですか?」


皮肉の色に満ちた、主任からの嫌味が背中にチクリと突き刺さる。責任者なのに定時で退社ですか、良い身分ですね。振り返ると、彼はそう言いたげな表情を浮かべていた。だが、もう限界だ。疲れたから帰る、後は頼むわ。力無く吐き出した言い訳に、我ながら嫌気が差す。

事務所から飛び出して、人目を避けるように裏通りをトボトボと歩く。体育の授業が嫌で仮病で学校を休んだ少年時代を、下らない会話に付き合わされる退屈に絶えかねて足が重くなった学生時代を思い出しながら。やっていることは、昔も今も変わらないな。西の空に燃え尽きながら消えて行く太陽を、為す術もなく見つめながら自嘲する。

頼り無い足取りの先は、それでもパチ屋だ。捩れた感情の預かり場所は、他人からの干渉を受けない喧騒の中がいつだってふさわしい。パチンコ店の仕事から逃げ出して行き着く先がやっぱりパチンコ店というのは我ながら情けないが、人生のどこを切り取ってもパチンコの文字しか出てこない出来損ないの金太郎飴みたいな生き方の結果だ、それは仕方無いか。

もう、取り返しがつかないよ。勢い任せに飛び出した白銀の玉が漆黒の闇へと吸い込まれて行く様をただ黙って目で追いかけながら、再び自嘲していた。

 

 

醜悪な鏡

それにしても回りゃしない。こちとらストレス解消したいのに、気付けばイライラ倍増だ。金色に輝く鎧を纏い、轟音と共に飛び立つ主人公に希望を託すも憐れ、数十秒後には現実世界に逆戻り。そしてまた、長い沈黙。何だこの店、店長はチンパンジーか、パチンコ打ったことの無い類人猿か。ふざけんな、だから客がいねえんだ、笑わせんな。

思いつく限りの罵詈雑言を心の中で叫び続ける。透明なアクリル板にうっすらと映った自身の表情が、悪鬼の如く歪んでいる。 その醜い己の顔を見て、ふと我に返る。そして、ようやく気付かされた。

そうか、きっとウチの店でも同じ思いを味わったまま姿を見せなくなったお客さんも大勢いらっしゃるのだろうな。月のノルマを達成することだけに腐心して、ただ楽しみたい、少しでも長く遊びたいだけの一般客の居場所さえも奪ってきた自身の過去を、この時、ようやく振り返ることが出来たのである。それらの報いが巡りめぐって今、我が身に降りかかっているだけのことなのだ。

感謝されることの無い、文句ばかりを言われる立場。それはパチンコ店の責任者の宿命として、黙って受け入れるものだと、これまで思い続けてきた。だが、苦言を呈するお客さんがいてくれてナンボの世界で、我々は日々戦い続けなければならないのだ。ふと気付いた時に誰もいなくなってからでは手遅れなのだ。

ホールの雰囲気、接客、設備、音響、メンテナンス、機種構成、そして調整状況。数え上げればキリが無い、パチンコ店の評価基準。それら全てを客観視し、不備を解消していくのが店長としての本当の宿命なのだ。それらは数値化できない、お客様ひとりひとりの心の中で優劣が決まる、計り知れぬ難しさを秘めた業務内容と言えるだろう。だが、文句は期待の証。受け入れるものではなく、昇華させるべきものである。

 

 

孤独なる懺悔

いま、改めてヒロタ店長の背中を思い出す。誰よりも早く店にやってきて、夜遅くに社員全員でシャッターを下ろす瞬間にいつも立ち会っていた、偉大なる上司。

1日に17時間以上にも及ぶ長い拘束時間の中で常にスタッフの行動に目を光らせ、時に叱り、時に励まし、共に笑顔を交わし、優しさと厳しさの大切さを私に叩き込んでくれた、尊敬すべき恩人の後ろ姿だ。

すみませんでした、ヒロタ店長。

私は貴方に憧れ続けて、いつかその背中を見つめるのではなく、目の前に立って感謝の気持ちを伝えたかったのです。ヒロタ店長のおかげで、自分は一人前になることができましたと、ご報告するために頑張ってきたつもりでした。しかしながら私はいつしか、大切なことを全て忘れてしまいました。

貴方が本当に教えたかったのは、他人の見本となる姿勢を貫き通すことであり、スタッフやお客様に対する思いやりや気配りを忘れぬことであり、そして何より、思いを言葉にして伝えることだったのですね。 私はいつも、大事な場面で言葉も、そして行動も足りなかった。自分が正しいと思う時、相手が間違っていると感じた時に声を上げたり、誰かが迷ったり困っている時に手を差し伸べることを、常に躊躇していたのである。

日は沈み、また昇る。その一方で人は日々、間違いなく年老いていく。永遠に続くような日常にも、やがて終わりの時はやってくる。責任者として忘れてはならない大切なことをようやく思い出した時には、既に人生の半分を無為に過ごしていた。

 

 

カタギリ・今週の1枚

予告音から左ビタ消灯で1消灯ハズレを意識するも、ハサミで2消灯→黒リプVで一瞬、思考停止。反射的に狙ったスイカがハズれて安堵するも直後に2確に気付いて赤面するあたり、私もまだまだですね。

ベルとスイカは設定推測要素に、リプとチェリーは同時当選に、突入リプは問答無用のビッグ確定、複雑な1枚役は至高のリーチ目に、通常出目にさえボーナスのチャンス。それらに予告音と消灯が複雑に絡み合うことで、レバーの1打とボタンの1押しが希望へと変わる。知識を蓄え、経験を積み重ねて頂点を目指すだけの価値がある回胴式遊技機。

断言しよう、バーサスは偉大なるスポーツであると。
 

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元・店長カタギリ
代表作:しくじり店長

シルバ〇アファミリーみたいに小さなパチンコ店の責任者から一転、 雑巾がけがメインの業務となってしまった事務員へとグレードダウン。 そんな設定①のスランプグラフのような半生を、隔週水曜日に連載させて頂いております。 タイトルは「しくじり店長」。 パチ屋の店長が平社員へと降格していく逆サクセスストーリーを、 海物語シリーズの泡リーチを見つめるような気分でお読みください。

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