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インタビュー・ウィズ・スロッター(稀にパチンカー)
2017.08.28
オーストラリアでキャバクラ勤務! パチ7が誇る名物ガチ勢『鬼くん』の人生に迫る!
「いやー……。ヤバくないですか自分。27でまともな社会経験無いんすよ……?」
「あー……。そうなの? 別に大丈夫じゃない? 今どき。なんとかなるよ、まだ。超余裕──」
「えー、そうすかねぇ……」
「だって、パチスロも勝ってるんでしょ? 今累計でどのくらい勝ってるの?」
「あ、収支表ありますよ」
上野の夜道である。 街灯に照らされつつ歩きながら彼が見せてくれたアプリの収支欄には、1,000万に近い数字が表示されていた。
「うお……これ、何年で?」
「アプリで収支つけ始めたのが3年くらい前……ですかね。だからこれはそこからの累計──」
「……これに原稿料とかもあるんだよね。したら、全然楽勝じゃん。イケるイケる。大丈夫だって」
「いやー今後なんすよね。大丈夫なんすかね……」
「今後ォ……? そんなもんキミィ……。えー……アレさ……大丈夫大丈夫……!」
──チワッスあしのっす。 さあ、今回のお相手は『鬼くん』です。
いやーいよいよ来ましたねェ。 実は彼のインタビューは連載のかなり早い段階から候補として挙がっていたのですけども、タイミングがなかなか合わずにようやく今回実現の運びとなった経緯がありまして……。
個人的には7回目とか8回目くらいに来ても良さそうな感じで段取りしてたのですが、同時にオファーした『まろっこ』さんのインタビューをレディーファーストで優先したらあれよあれよと半年ズレた感じです。
いやーメンゴメンゴ。光陰矢の如しだねぇ!
さぁ、そういうわけで満を持しての鬼くん。
なー。どういう人なのでしょうか。
よっぽどじゃない限り大体みんな知ってると思いますが一応説明しておくと、こちらのパチ7にて新台攻略記事『鬼さんぽ』や『回胴ドラフト会議』などを連載中の、いわゆる『ガチ勢』です。
御年27歳。新進気鋭の名も無き修羅──その謎に包まれし人生にいざ、迫ってポンしましょう! ヒア・ウィー・万枚!
「鬼くんと言えばガチ勢ってイメージだけども、どう、その辺」
「え。フリが荒い……。どうって……。どうすかね……。最近は、まあそこまでガツガツいってる訳じゃないというか……一般からみたらだいぶガチ勢だと思いますけども──パチ7で書かせて貰い始めてからは稼働が減ってきてるんで、ガチ勢! って肩書よりもやっぱりライター? なのかなぁ……」
「お。それはパチ7批判かい? よっしゃ任せろッ!」
「いや違います違います。やっぱ攻略記事書いてると、どうしても自分の稼働が減ったりするし、あとユーザーさんを大切にするメディアなんでイベントも多いじゃないですか。そっち手伝ったりしてるから──ですね」
「攻略記事ってやっぱ大変? 俺全く書ける気しないんだけども」
「あー……。やっぱり実際に打たないと話になんないんで何とか打たないといけないんですけども、そもそもそれが大変っすね。並んでも座れない時とか、日にちがズレちゃうんで、なんとかして打とうと店変えて何回も並んだり……」
「うわぁ大変だ。その時点で無理だもん俺」
「まーなかなか目に見えない苦労が……。たまに導入台数がむっちゃ少ない台について書く時とか、座るまでに何日もかかったり……」
「うへぇ……」
▲小腹が空いたのか、おにぎりを買う鬼くん。
「いきなり話し変わるけど、出身はどこだっけ?」
「岩手で生まれて、次に宮城に越して、そこから千葉……埼玉……」
「引っ越し多かったんだ?」
「多かったです。親が転勤族で」
「やっぱ友達出来なかった感じ?」
「友達はねぇ……一応出来るんですけど、すぐ別れるから寂しかったですよ。寂しいっていうか、悲しい──」
「なんか引っ越しに関して面白エピソードある?」
「えー……。面白エピソード……。宮城から千葉に引っ越す時、友達から『東京いくの? 東京いくの?』って訊かれて……東京じゃないんですけども、僕もまだ小さかったしよく分かんなくて。でも日本地図みたら近いし大体東京だなと思って『うん』って答えてましたね……」
「オーケー。いただき。サンキュー」
「え! 今のでいいんですか?」
「全然大丈夫……。いやー、今回さぁ、歩きながらのインタビューだから、メモ取れないしさぁ。レコーダーの電池も不安だから、もうサクサク行こうと思ってね。……さあ不忍池ぐるぐる回るよ鬼くん!」
「──てか他の人みんな居酒屋とか行ってませんっけ? なんで僕だけ散歩しながらなんですか……!?」
「ほら鬼くん、『鬼さんぽ』(※鬼くんが担当する新台の攻略連載)やってんじゃん。あれ俺『知らない街を散歩してホールを探訪するネタ』かと思ってたんだけども、よく読んだら一歩も歩いてないしさ。あれは『ちい散歩』ファンが怒るから、ここで懺悔の意味で長距離散歩しとこうよ、みたいなね。あるじゃんそう言うの」
「えー……。マジすか……」
「じゃあ質問いくぞぅ。当時……というか小学生時代かな? どんな子だった?」
「ゲームが好きでしたね……。ロックマンX4って分かりますか? アレを小学校入る前に一発も喰らわずにクリアしてましたね」
「あれプレステだっけ?」
「プレステです」
「プレステ……。え。ちょっとまった。プレステが小学校入る前なの? うわーマジかよ。俺当時完全にチン毛生えてたなぁもう……。あ、新しいドラクエやった?」
「ドラクエめっちゃ欲しいんですけど、ハマるの分かってるから怖くて手が出せないんですよね……」
「あ、すげー分かる。一緒。全く一緒。俺もそれ。来週買うけどね。ウフフ」
「いいなぁ。自分もやろうかなぁそろそろ……」
▲あしの、翌週買いました。
「あとは野球ですね。……自分もともと運動神経結構良くて、何でも出来てたんですね。そんで小3の時に埼玉に引っ越して──、なんか野球やりたいからチームに入ろうって思って──入ったんですよ。そしたら無茶苦茶強いチームで。地域の大会で優勝、優勝、準優勝!
みたいな……。それから今度はリトルリーグのチームに入って、最終的に関東優勝まで行きました」
「え、関東優勝!? 凄くない?」
「凄いっすよ。家に賞状があります。東京北砂リトルリーグっていう有名なチームで……。あのホラ……ジャニーズの◯◯くんとかも居たり……。その時は本当に野球の試合が楽しくて──」
「試合?」
「はい。試合です。試合が楽しかったです」
「練習は?」
「大ッ嫌いでした。そう。中2の時にね、ドラクエ8が出たんです。で買って、クソ面白くて。野球の練習サボりまくってずっとやってたら『あれ、やっぱ野球よりゲームだなコレ』ってなって。そんで全然練習に行かなくなって」
「関東優勝まで行ったのに」
「そうなんすよ。もともと、ハマりやすい性格なんですよね。だからもうコレってなったら一気にそっちに全力で行っちゃって。その時はもうドラクエっていうか、ゲームっすよ。野球より。そんで中3で最後の試合終わって──」
「あ、試合は出るんだ」
「はい。試合は楽しかったんで出ました。そんで終わった後部活がなくなって、休みが一杯出来るじゃないですか。まあ勉強時間もありますけども、遊びの時間も増えて。みんな野球ばっかやってたから遊び方が分からないんですよね。だからもう映画観たりしてたんですけども……。ある時、ジャスコでね、ゲーセンに行くわけですよ」
「ジャスコのゲーセン……」
「はい、そこでメダルゲームをね。ちょっとやって……。面白いじゃないですか。これどうやったらメダル増えるんだろう……って周りを見ると、すんげーメダル出してる人がいて。何かパチスロなんですけども」
「うわ、どっちだ。北斗か!」
「吉宗です」
「あー吉宗かー(笑)」
「──うわ、コレ一体なんなんだと。すげー出てんぞと。7揃えるのめっちゃカッコ良い、みたいな」
「カッコ良いかなぁ……」
「いやぁカッコ良かったんですよ。パァン! パァン! パァン! って自分で揃えてる人がいて」
「強打だね」
「自分もこれやってみたい! ってなって。一回やり始めると、とことん突き詰めたい性格だから──今度はゲーセンのパチスロにハマり始めて……スイッチ入りましたね……」
ゲームをやれば小学校入学前にロックマンをノーミスクリア。 野球をやれば関東優勝。 根っからのハマり体質の男、鬼くんの歯牙がいよいよ、パチスロに向けられた瞬間であった。
▲最近は釣りにもご執心
★勝ちにこだわる立ち回り。
「吉宗はすぐちゃんと打てるようになった?」
「結構すぐでしたよ。中身が分かると更に楽しさが加速して──ずっと吉宗ばっかり。ひたすらやってました」
「中3でひたすら吉宗……」
「はい。でも中3って、ゲーセンに居られないじゃないですか。遅くまで。もっと打ちたいのに」
「風営法あるからね」
「特にジャスコは厳しかったんで18時になったら帰らされるんですよ。これ困ったな……と思ってたら、近所にあるもうちょっとデカいゲーセンが夜まで遊べるぜって噂を聞いて。じゃあちょっと行ってみようかと」
「本格ゲーセン……」
「あそこはパラダイスでした。色んな機種があって──ヤバイなコレ! って。だって吉宗が7台あるんですもん」
「もう1台で八代将軍だったね……。なんつって……」
「…………まあ。それで結局色々やってるうちに……そこに大学生のお兄ちゃん達がいて。彼らと仲良くなって。そっからっすね。そっから」
「そっから?」
「はい。色々始まったのが──。ある時、そこのお兄さんからゴトを聞いたんですよね」
「ゴト……?」
「はい。ゴトっていうか、今思えばゲーセン機についてるテスト用の機能みたいなのだったと思うんですけども、パチンコの15ラウンド目に、クレジットの転送ボタンあるじゃないですか。そこをね、ホニャララと一緒にホニャると……こう、バババっとメダルが出て来るんですよ。負けないんですよコレ」
「ほー……。そんなのあったんだねぇ……」
「はい。ちなみにもう一個凄いゴトがあったらしいんですけど、そっちはお兄さんたち教えてくれなくて。要するに、お前はまだクソガキ過ぎるし、ホントは18時以降もいちゃいけないんだから、コレはダメ! みたいな」
「そこまで教えたらもう全部教えちまえばいいのに──!」
「でもまあ、結局その後店員さんとも仲良くなって、『この日は俺しか居ないからこの日だったら100円で2000クレジットにしてやる』みたいな感じで、ゴトとか使わなくてもずっと遊べるようになって──」
「無限に遊べるね……」
「はい。そこで色んな機種を遊び倒してるうちにある時、勝ち方が見えてきて。普通にクレジット貰ったりゴト使ったりせず、ヒラで打っても全然増やせるようになってきて」
「おお……。でもよくゲーセンでそのモチベーションが続いたなぁ」
「いや、実利も絡んでるんですよ。当時、なんかRPGみたいなのがあったんですよね。メダル使って遊ぶんですけど。オンラインのヤツで……。あれもう大人の人とかがガンガンお金入れてて。あれこれ手持ちのメダル簡単に増やせるし、もしかしたらこの人達に言えば(※※検閲※※)じゃね? って思って。んで実際に(※※検閲※※)してみたら簡単に(※※検閲※※)できて──」
「いやちょっと待った。それちょっと書けねぇな……」
▲高校の時の鬼くん。今より30キロ痩せてました。
★高校とパチスロと。
「高校はどこ行ったの?」
「最初野球やるつもりでそういう学校に行くって言ってたんですけど、何かその高校は野球部全員ボウズだって聞いて。何がボウズだと。当時自分かなり色気付いててとにかくモテたい時だったんで、ボウズだけは絶対ヤダってそれだけ心に決めてて。じゃあもう野球はいいやと」
「あぁ……だから関東優勝してるのに……」
「いやぁもうスロにハマってるし、野球はもう割りとどうでも良くなってて。それよりボウズだけは回避しようと。で、別の学校探したら、なんかもうその年から共学になる、元々女子校の学校があって。だからもう先輩は全員女子だし、同級生もほぼ女子みたいな。シャクアツじゃないですかコレ」
「(笑)」
「理論上で考えても期待値がヤバイんで、もうここしか無いだろうと」
「行ったの?」
「行きました」
「どうだった」
「滅茶苦茶でした。ヤベー奴ばっかりで……。なんかもう入学前の説明会みたいなのの時に、隣の席の人が超ヤンキーの人で、目が合って第一声でいきなり『あ、ピアス開けた方がいいよ?』ってアドバイスされて」
「どんな挨拶なのそれ……!」
「まあその後、彼とはかなり仲良くなりましたけども……。いやぁ、でも入学してみたら高校は超楽しかったっす。フットサル同好会に入ったんですけども、練習場がゲイのハッテン場みたいな公園で。怪しい雰囲気の中で球を追いかけて……みたいな。ヤンキーって団結力あるから団体競技やるとアツいんですよね。
ただ全然折れないから、めっちゃ喧嘩になるんですよ。ホントずっと毎回喧嘩が起きてましたね……ゲイ達に見守られながら……」
「どんな空間だ……!」
「最終的に問題ばっかり起こすから、同好会が消滅の危機に陥って。じゃあもう一回みんなで反省しようって。でもどうやって反省すればいいか分かんなくて、何かの流れでみんなで一斉にボウズにしようってなって……」
「したの?」
「しました」
「じゃあ野球やっときゃ良かったジャン!」
「ホントそうなんすよ。あんときゃもう自分なにやってんだろうって……。そんでタイミング悪く誰かの喫煙だか飲酒だかがバレて。んで学校側がこりゃイカンってその生徒の『前略プロフ』をチェックしたら、ソイツと繋がってる奴みんな芋づる式に飲酒の写真とかアップしてるの見つかっていって、いつしか全校生徒の半分くらい停学になってて……。
僕はバレなかったんですけどクラスがガラ~ンとしてる中で、僕はボウズで授業を受けているんですよ。なんだこれと思って」
「奇天烈な学校だね!」
▲未だに野球自体は好きだそうです。
「大学は?」
「ホニャ大っす。でもなんか途中で行かなくなって……」
「ありゃ。なんでまた」
「えーと……麻雀とパチスロにハマっちゃって。やっぱゲーセンと勝手が違うから最初100万くらい負けて……。借金してましたからね当時。これいよいよ不味いなって。
親に相談して──。これホントクズエピソードなんですけども、親が『じゃあ半分だけ出してあげるから、あと半分は自分で何とかしなさい』って」
「おお……。優しくもあり厳しくもある名采配……」
「でも半分でも結構キツくて。一応バイトしたりもしてたんですけどなかなか難しくて。しかもパチスロが好きだったんで打ちたいんですよね。どうやったらこの状況で打てるだろう……って考えたら『ああ、勝ちゃいいんだ』って気づいて。
そこから、見よう見マネっすよ。いつも勝ってる人の後ろを観察しはじめて……。勝ってる人がどの台に行くか。どのタイミングで辞めるか。打つか……。何曜日に来てるか。来ないか……」
「凝り性の血が……」
「はい。発動しました。ずっと見てましたね。分かるまで」
「どうだった?」
「分かりました。ハハァン、これさては設定が大事だなって……」
「そこに気づくとはやはり天才か……!」
「それまでホントに設定気にして無くて。だってゲーセンでなまじずっと勝ってたから、そういうもんだと思ってたんすよね。でもホールの立ち回りとかクセとかを設定を絡めて意識するようになってから、ますますパチスロが面白くなってきて……。ヤバかったすね。そしたら収支も段々ついてきて……」
「借金返せた?」
「返しました。で、返した瞬間、唐突に虚しくなって」
「おお……」
「雪の日だったんですけども、空を見てたら、なんか……俺一体何のために生きてるんだろう……って」
「(笑)」
「それで、ああ、じゃあもう大学の制度使って海外行こうって」
「え、海外?」
▲大学時代の鬼くんと謎のブラザー。ズンドコ節練習中?
★カジノにて覚醒。
「どこいったの?」
「最初フィジーっすね。ワーキングホリデー。安かったんで。半年いました」
「うわ、いいな。フィジー楽しそう」
「いやいやいや。全然楽しくなかったっすよ。あそこはリゾート地じゃないです。ベッドバグ(トコジラミ)にやられて泣きながら椅子で寝たり。一生夏なんでクソ暑いし。んで水も違うし、日本人一瞬で体調崩しますよ。
そんで体調崩して病院行っても適当な診察だけされて『シープランクトンに感染してる』とかワケわかんない事を言われてフラフラになる妙なクスリ飲まされてもっと体調悪くなったり……。ホストファミリーが出すメシも毎晩カレーだし……あとは……ちょっとこれシャレにならないですけども(※※検閲※※)事件が起きて女の子が亡くなったり……」
「え。亡くなったの?」
「亡くなりました。ニュースにもなりました。だから全然リゾートじゃないです。自分も危ない目に遭いましたし……。そういう生と死に直面したり、日本じゃ考えられないような目にあって──なんかちっぽけな事で悩んでた自分がバカバカしくなった頃、ようやく日本に帰ることが出来て……。
そんで久々に大学戻ったら、サラッと『じゃあ次どこ行きます?』って」
「猿岩石みたいになってるね」
「じゃあ次はオーストラリアかなぁって」
「行くんかーい!」
「いやあもう考え方が変わってて。全部の事が大した問題じゃないように思えてたんですよね。次どこですか? って訊かれたら、ああじゃあ折角だから行っとこうかなみたいな」
「フィジーにやられてんじゃんそれもう! でもまあオーストラリアなら……」
「いやー、でもキツかったっすよ。すぐ後悔しました。だって持ってったお金が15万でしたからね僕。一瞬で無くなって……。しょうがないからもう働こうって。探したら簡単に働かせてくれる所があって」
「どんな職場?」
「キャバクラです」
「え、オーストラリアってキャバクラあんの?」
「あります。しかも働いてるのは日本の女子大生で……。ちょっとまあこの辺はあんまり語るとアレなんで……。ゲフン。ああ、そこのボスがカジノ好きで……給料日になるとカジノに連れてかれるんですよね」
▲ラリアで浮かれる鬼くん。どれが彼か探してみよう!
「カジノ。どうだった」
「いやぁもう……なんだろう。ボスがね……全部使うんすよ。僕こうやって外でタバコ吸いながら待ってるんですけど、しばらくしたら出てきて……おいちょっと俺全部使ったから、お前、持ってる金出せっつって……で、僕の分も全部使うんですよ」
「えぇー……(ドン引き)」
「だから給料日のたびに結局全部なくなって……」
「地下チンチロじゃんもうそれ……。カイジは居ないのかカイジは……」
「一応返してくれるんですけども、結局給料日が全部あとにあとにずれる感じで……。こりゃもう別の所探そうって……で、ガソリンスタンドの面接受けたんですよね。そしたら決まって。
やったコレでキャバクラとサヨナラできると思って、ボスに辞めますって言おうとしたら、先に『ああ丁度良かった、お前さ、もしかしてそこのガソリンスタンドで働こうとしてねぇか?』とか言われて」
「……おうふ」
「『分かってんだろうな、ちゃんと働けよ』って言われて。あれこれ自分ヤバイ所にいるんじゃないかって気づいて。で、もうこれは逃げようと。で、ルームメイトにこっそり別れを告げて、次の日にシドニーに行きました」
「おお……映画みたい」
「で自分200ドルしか持ってなかったから……。ちょっともう最後に一発カジノに行っとこうって。でブラックジャックで200ドル全部ベットして」
「どうだった?」
「勝ったんすよ。400ドルになりました」
「負けたらどうしてたんだよそれ……」
「で、バス乗って。シドニーまでずっと泣いてました。何で俺こんな目に遭うんだろう……って」
「シドニーではちゃんと住む所あったの?」
「たまたまフィジー時代の友達がいて……。そこに住まわせて貰って……。で、お金も無いからごめん1000ドルだけ貸してくださいって言ったら、いいよって貸してくれて……それでカジノ行って……」
「何でカジノ行くんだよ……何で行くんだよぅ……」
「で、全部負けて……」
「全部使うなよぅ……」
「ごめんなさいカジノで負けました。全部無くなったんでお願いだから生活費あと500ドルだけ貸してください……って。そしたら分かった、いいよって。それでまたカジノ行って……」
「だから何で行くんだよぅ……」
「で、今度は1600ドル勝ちました! エヘヘ」
「(コイツあぶねぇ奴なんじゃねぇか……?)」
▲栄光の瞬間。クレジットに注目。
★ガチ勢への質問ラッシュ。
「それから日本帰って大学辞めて」
「サラッと言ったね。そういうとこ好き」
「ひっさびさにパチスロ打ったらすげー楽しくて。こりゃやっぱカジノよりパチスロだなと思いましたね。メダル入れてボタン叩くだけでクッソ楽しいんですもん。完成されてんなと。こんな楽しいゲームをプレイさせて貰えるなんて、日本人ってなんて恵まれてるんだろうって思いました」
「なるほどなぁ……」
「そっからはもうガチガチっすね。フィジーとオージーが僕を強くしたんで、メンタルがホント強くなってて。やっぱパチスロってメンタルスポーツだと思うんで……。帰国後は誰よりガチガチのガチ勢になったと思います」
「ほぇぇ……。なんかよくわかんないけども、鬼くんの見方が今日はガラッと変わったよ。俺は君のことを今日まで腰の低い善良な若者だと思ってたけど、敢えていうよ、キミは無茶苦茶変わっている」
「そうすかね」
「うん。絶対変わってる。奇抜だよホントに。冒頭でさ、27歳でまともな社会人経験ないからヤバイかもとか言ってたじゃん?」
「はい」
「俺適当に『大丈夫大丈夫』って言ったけど、ここまで聞いて凄く思った。逆にまともじゃないほうが鬼くんらしいよ。奇抜にいこう。そっちのが成功すると思う!」
「そうすかねぇ……」
「というわけで、尺もアレなんで質問ラッシュ行っていい?」
「え、歩いたままでマジで終るんですか」
「じゃあ、終わってからどっか飲みに行こうか……? じゃあ最初の質問いくね……巨乳と貧乳どっちが好き?」
「巨乳とか貧乳ってより、サイズ縛りっすね。CかD……。それと綺麗な乳が好きです」
「うん。同意見。じゃあ、墓にパチスロ持っていくとしたら……」
「トキオDX(※アムテックス)です。一生チョロ打ちしてたいです」
「ガチ勢として、なんかユーザーさんへのアドバイスある?」
「ガチ勢……。ていうか……一応こういう所で書かせて頂いている身として言いたいのが、SNSの情報にあんまり踊らされない方がいいかな……という事ですね。勿論使い方次第ではめっちゃ便利なんですけども……やっぱガセもあるわけで……結局その真贋がハッキリするのって、自分の足で行って目で見て確かめた時なんですよね。そこは昔から変わってないわけで……。
だからSNSの情報を鵜呑みにして立ち回るのは止したほうがいいんじゃないかなぁと思ってます。確かめるのは最終的に自分……。だから人のせいにするのもダメ。信じた自分が悪い……。みたいな感じでしょうか」
「おお……ちゃんとしてる。ありがとう。ファンに一言どうぞ」
「『これからも勝ち続けます』」
「編集長に一言どうぞ」
「『見てろよッ!』」
「何をッ? まあいいや。以上です! ありがとうございました!」
「こちらこそ!」
▲鬼くん近影
はい鬼くん。いかがでしたか。
いやーぶっ飛んでた。
途中どうしても書きたい場所は検閲マークで誤魔化してるけど、絶対書けない感じのエピソードがちょいちょいあって凄まじかったです。 もうちょいマイルドな展開になるかと思ってたんだけども、いやぁ予想外の収穫でしたわい。
さて、鬼くんの設定。
なんだろうこれ。そもそもこの人の設定をパチンコとかパチスロに当てはめていいか良く分からんレベルだった。 なんだろ。ベーゴマとかじゃないだろうか。
よし決めた。 鬼くんの設定は『良く回るベーゴマ(重量級)』。
その辺のヒョロガリベーゴマなんぞバンバン弾くからな! ガチだぜ! インタビュー有難うございました! これからも頑張ってねッ!
というわけで次回のインタビューウィズスロッターのお相手は……はい、またしても『未定』です! ウェへへ! 決まり次第ツイッターで告知するんで乞うご期待。 それではシー・ユー・ネクスト・万枚! チャオ!
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- あしの
- 代表作:インタビュー・ウィズ・スロッター(稀にパチンカー)
あしのマスクの中の人。インタビューウィズスロッター連載中。元『セブンラッシュ』『ニコナナ』『ギャンブルジャーナル』ライター。今は『ナナテイ』『ななプレス』でも書いてます。
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