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名機のそこ~マコトのメーカー開発インタビュー~
2022.11.22
六根清浄を選んだ理由とは? 6.5号機カバネリ開発者インタビュー3部作:コンセプト編
マコト 名機のそこ~マコトのメーカー開発インタビュー~ パチスロ甲鉄城のカバネリ特集
「六根清浄っ!!」
当たりを射止めた際に発生する告知を聞いた瞬間、衝撃が走った。この台、底抜けにカッコイイぞと。
特に「貫け鋼の魂(赤文字)」と共に流れるトゥルルルル―みたいな高音からの「六根清浄!!」が刺さりに刺さった。脳をエグってきた。
それに加えて、生駒の「俺はカバネリだぁ!!」というセリフがかっこよかった。カバネリがどういう存在なのかも分からなかったけど、生駒のアツさに惹かれた。
ただ、その魅力は演出面に留まらなかった。パチスロとしても一級品だった。レア役はチャンス目のみという一風変わった仕様も、STというゲーム性にマッチしていたし、チャンス目を引き当てた際はまず自力感が満たされ、次は当たっていてくれという期待感と焦燥感が混じった感情で心が揺れ、最終的にボーナスが当たっていれば例の「六根清浄」で脳が痺れるんだから気持ち良くないわけがない。
それでいて、出目の作りも秀逸だ。
チャンス目と一言で括っても、そのフラグは多数存在。左リールを止めて無名図柄が止まらなかったとしても、中・右リールでチャンス目の可能性があるからこそ、最後まで期待感を持ってリールを止められる。先述したチャンス目のフラグが多いから停止形も多彩だ。適当打ちで取りこぼしがない仕様であるにもかかわらず、いろんなポイントを狙いたくなる。そんなリール配列と制御に心酔していた。
ST中、演出と出目の組み合わせでチャンス目が確定する瞬間とか最高に気持ちいいもんね。それがカバネリ高確中のチャンス目なら喜びもひとしお。ちなみに、俺はじっくり舐るようにSTを消化する派。
その他、初当りの当選契機がCZだけでなく、ゲーム数解除もあり、そのバランスが絶妙だったり、主にST中の映像全般かっこ良かったり、BGMが良曲揃いだったり。その使い方が上手かったり美点を上げれば枚挙に暇がないのだけど、それはもう周知の通り。カバネリが名機であることはホールの稼働状況を見れば一目瞭然。
ということで、今回は躍進を続ける「パチスロ甲鉄城のカバネリ」の底を探るべく、読者の皆さんから頂いた、そして個人的に聞いてみたかった質問事項を開発者であるA氏、B氏、C氏に答えて頂きました。
……その前に、今回の開発者インタビューなんですが、超ボリュームになってしまったため、①コンセプト関連、②数値・解析関連、③演出・BGM・その他関連の3部作でお届けします。
まずはゲーム性やスペックの話に直結するコンセプト関連のインタビューから。個人的には最も聞きたい話が詰まっているのがコンセプトだったりするのですが、パチスロ甲鉄城のカバネリが生まれたきっかけ、そして特殊な役構成やリール配列を採用した理由などに迫っております。それではAさん、Bさん、Cさん、よろしくおねがいします。
「全てというわけにはいかないかもしれませんが、新情報もお伝えできると思います」
目次読みたいところまで飛べます
では、まずカバネリを開発するにあたってのコンセプト・テーマを教えて頂きたいです。
「コンセプトは高純増&獲得枚数が多いボーナス連荘の気持ち良さを最大限に! です あと、この手のタイプはSTと相性が良いと思っていたので、ST独特の自力感とスピード感による中毒性を目指しました 」
自分を含めてその中毒性にハマった人が多いと思います。ちなみに、当初は6.5号機ではなかったという話を聞いたのですが、6.5号機仕様に変更したことで出玉面に変化はあったんでしょうか?
「当初は2021年にリリースする予定の6.2号機で、かつ貫かないスペックでした(笑)」
まさかの貫かないスペック。でも、なぜ6.5号機で出そうという判断になったんでしょうか?
「あの頃は6.5号機というよりも、どうやら貫けるゲーム性でも適合しそうだぞ、という話がありまして。貫ける6.2号機に改良している時に6.5号機の話が出てきたんです」
タイミング的なことだったんですね。
「そうですね。6.2号機で開発していたカバネリの評価が社内でも高かったこともあって、もうちょっと時間を掛けてでも6.5号機で作り直そうという話になりました」
「あと、これは6.2号機が出た時の話なんですけど、某機種を先行導入しているホールまで打ちに行って感じたんですよ。これから出る機種は貫けないとマズいなって」
たしかにあの時期は有利区間が切れると出玉的なチャンスが生まれる機種が話題でした。
「そういう意味ではツラヌキスペックに変更できて、本当に良かったと思っています」
「ツラヌキスペックや6.5号機への仕様変更とか開発過程で変化は多かったんですが、根本のゲーム性というのはスタート時点から変わりませんでしたね」
▲チェリーやスイカを排した特殊なリール配列
特殊なリール配列も開発当初から変化はなかったのでしょうか?
「そうですね。配列も当初からチェリー・スイカを置かない仕様でした」
どうしてチェリーやスイカを無くして、レア役をチャンス目のみにしたんでしょうか?
「パチスロの楽しさである出目と演出との絡みを、直感的にわかりやすくもっと多くの人に伝えたかったんです。基本ルールはチャンス目が止まればよい、というシンプルなルールにしつつ、カバネリ高確により『今これが引きたい!』と思えるようにして、出目と演出の絡みによるドキドキと引けたときの気持ちよさを高めることを目指しました」
出目と演出のバランスはカバネリの大きな魅力ですよね。
「そうであるならば、レア役はどこを押しても引き込んで、『コレが止まったからチャンスだな』と認識できたら理解が早いんじゃないかと思ったんです」
圧倒的に理解しやすいと思います。パチスロを始めたばかりの人だとチェリーやスイカを狙う意味が分からなかったりしますから。
▲ST50Gのカバネリ? それはそれで気になりますね(笑)
「あと、これはリール配列の話から逸れちゃうんですけど、STのゲーム数は結構悩みました。STのゲーム数とチャンス目確率って密に関係するんですけど、当初はSTが50Gだったんです」
まさかの今の2倍!!
「でも、それだと打感が悪かったんです」
「STのゲーム数が長い分、ボーナスの獲得枚数も多かったんですけど、よくある6号機という感じになっちゃったんですよね」
ゲーム数が長いからチャンス目確率が下がる感じだったんですね。
「そうです。チャンス目停止時の期待度も、もうちょっと低くてみたいな感じでした。なのでチャンス目確率を上げてみたところ打感が良くなって、結果的にSTのゲーム数を短くして、より濃縮したゲーム性にしていったんです。そうしてみたら社内の普段あまりパチスロを打たない、パチスロを詳しくない人からも評判が良かったんですよ。分かりやすくて面白いと」
なるほど、手応えがあったんですね。
「ただ、パチスロと言えばこういう配列でしょ、という思いがある人からは、目押ししたいという声はありましたけど」
「めちゃくちゃありました(笑)」
正直な話、俺も最初はあまり興味なかったんですよ。目押ししたい側の人間なので。でも、今ではST中にどこを狙うか悩みますからね。それだけリール配列と制御と、フラグのバランスが良いんだと思います。
「ありがとうございます」
そういえば、STタイプの機種ってあまりありませんよね。メインの部分をSTで管理してる機種は少ないと思うんですが、なぜSTというゲーム性を選んだのでしょうか?
「高純増とSTの相性が良いと思っていたからです。例えば純増2.0枚とかのタイプだと、ST中も出玉が増える仕様になると思うんですけど、そうするとSTの序盤で当たるより終盤で当たった方が嬉しいみたいなことが起こって、ゲーム性が崩壊してしまうかなと。あと、当たった時の出玉感も大事だと思っていて、ある程度の出玉をもらえないと滾らないじゃないですか」
当てたからにはそれ相応の恩恵が欲しいです。もしかしたら当初はもっと高純増だったり、ボーナスの払い出し枚数が多かったんですか?
「最初の想定は払い出し枚数じゃなくて、1度のボーナスで平均300枚取れて、かつ80%でループする仕様でした」
「でも、それは無理でした。どう考えても試験通らないですもん(笑)」
「平均300枚獲得だから、400枚500枚のボーナスがボコボコ当たる時もあって、それはそれで面白かったんですけどね」
「それをちょっとずつ減らして調整していきました」
ST50Gでそういう仕様だったと。
「そうです」
調整する過程でSTゲーム数を減らして、チャンス目確率も変えたと思うんですけど、チャンス目成立時の期待度はあんまり変わってないんですか?
「そこも変えました。その時の仕様だと、チャンス目以外にリプレイや他のフラグでもボーナス抽選をしてたんですよ。でも、それもチャンス目に全振りしました。そうすることでチャンス目成立時のボーナス期待度を25%以上に上げられたんですよね」
リプレイでもボーナス抽選をするST。それはそれで打ってみたいです。
「今のカバネリはチャンス目を引くと必ず演出発展しますけど、リプレイで発展を煽って、発展したらチャンス目と同じぐらいの期待度がある……みたいな感じでしたね」
いいですね。やっぱりそのカバネリも打ってみたいです(笑)。でも、そういう試みをやってみたけど、今の形がベストだったってことですよね。
「分かりやすさも大事だったんですけど、他のフラグを排除した最大の理由は自力感です。チャンス目を引いたら最低でも25%は期待度があるというのを強調したかったんです」
「あと、当時は高純増機ってデキレースみたいな風潮があったじゃないですか。それを払拭したいという思いがあったので、自力抽選でできる範囲内に諸々調整していったという背景があります」
高純増機ってどこか歪な感じになりがちですもんね。例えば当たらない区間があったりだとか……。
「それを解消したいというのがコンセプトでもありました」
コンセプトからして素晴らしいもんなぁ。そういう根本の完成度が高いからカバネリの稼働が抜群に良いと思ってるんですが、現状の稼働に対する率直な感想ってありますか?
「わたしは狙い通りです(笑)」
「マジっすか!?」
「自分は同じようなタイプの台が同時期にあったら危ないかなと思ってましたけど、それが出なかったので安堵している感じです」
「ただ、台数については予想外ですね。最初からこんなに導入されるとは思ってなかったので」
現状16,000台ぐらいでしたっけ。でも、狙い通りって言えるのはカッコイイです。
「稼働はすると思ってました」
「僕は意外です。正直、こんなに稼働すると思ってませんでした(笑)」
そう思う理由ってあるんでしょうか?
「やっぱり、ユーザーさんに認知してもらえるかっていう部分がめちゃくちゃ不安でした…」
「ダメだよ、そんな弱気で機械作ったら」
一同笑い
「でも、カバネリを6.5号機で出せたというのは大きかったと思います。仮に貫いていたとしても6.2号機だったとしたら、ここまで注目されなかったのかな、とは思います」
「その分、広報活動にチカラを入れたというのはあります。それこそツラヌキスペックという皆さんが使ってくれている言葉だったり、裏美馬の存在だったり。あと、いくら貫くってアピールしても伝わりづらいと思ったので、本当にしっかり貫けますよ。裏美馬入ったら期待値3500枚ありますよと発信していくことで、認知を高めていきました」
「そうそう、最初はツラヌキスペックっていう文言はなかったんですよ。営業さんが考えてくれたんです」
ツラヌキスペック、もう言葉として一般化してますよね。
「そこは反省点なんです。始めの企画の段階でツラヌキスペックと表現していればな… という思いはあります」
実際どうなんですかね。というのも俺、1度も貫いたことないんですよ。それでも十分面白いなと思っているので。
「僕も貫いたことないです(笑)」
「たしかに、そんなに簡単には貫けないですね。でも、やっぱり貫けるという事実は大事ですし、もしかしたら貫けるかもと思わせるバランスが重要だと感じています」
「あとは終了画面で総獲得枚を出せるようになったというのも稼働を後押ししてるような気はしています」
それはありますよね。今はSNSで終了画面が出回る時代ですから、こんなにも出るという事実が拡散されますし。
「終了画面はギリギリで対応したんですよ」
「急遽6.5号機に対応しましたね」
「終了画面の画像と一緒に台の感想を書いてくれる方もいて、励みになりますし、とても嬉しいです。SNSはよく見てます(笑)」
あって良かった終了画面、ですね。
※2,400枚を超える終了画面が出せるようになったのも、6.5号機からになります。
「ただ、今話してたことの真逆の内容にはなるんですけど、カバネリの良いところって500枚のハードルが低いことだと思うんですよ」
500枚は通過点という気がします。そういう意味では他のAT機との差別化にも成功してるなと。
「あと、低設定でも勝ちを狙える仕様っていうのはかなり意識しました。浅いゾーンで当たって、500枚ぐらい出るというのを繰り返せば、低設定でもやれるっていうのも体感してもらえてるのかなと」
たしかに、500枚のハードルが低めに感じるんですけど、STが駆け抜けることもあるじゃないですか。そこに対する賛否はあったんでしょうか?
「めちゃくちゃありましたね、主に批判が(笑)」
「駆け抜け率も悩みましたし、駆け抜けた時の保障についても時間をかけて詰めていきました」
「そこは正直ストレスのある部分だと思ってます。でも、当たりを保障しちゃうとゲーム性が崩壊しちゃうし、追及していた自力感が薄れてしまうので、一切なくしました。あと、4号機の初代北斗も単発があったし……という声もありましたね。ただ、カバネリはSTを消化するので減って終わってしまうのが、よりストレスかなとは思いますけど」
25G消化するぶん減っちゃいますもんね。でも、天井が650Gに短縮されるという意味ではバランス良かったと思います。
「本当、駆け抜けるとストレス溜まりますよね」
カバネリを好んで打っている人なら1度は絶対に経験しますもんね。
「ただ、ストレスと中毒性って密接に関わってるんですよ。ストレスを感じながら当たった時の方が気持ちいいし、記憶に残りますから」
わかります。チャンス目を1度も引けずに覚醒までいった時の焦燥感は相当ですもん。でも、そこで当たった時の高揚感も相当なんですよね。
「パチンコもそうなんですけど、STってストレスがあるスペックなんですよね。でも、逆にそこが良いところでもあると思うんです。普通はストレスをできるだけ排除しようとするじゃないですか。でも、排除しちゃいけないストレスもあると思うんです。ある程度ストレスがないと滾らないんです」
ノーマルタイプだと話は別ですか?
「ノーマルタイプは逆です。徹底的にストレスを排除した作りにするべきだと思っています。AT機だからこそですね」
ストレスありきでこのSTというゲーム性を選んだということなんですね。
「そうです」
ちょっと話は前後してしまうんですけど、カバネリの開発期間はどのぐらいなんでしょうか?
「一番最初に話が出たのが2018年なので、3年ちょっと前ですね」
結構長いですね。でも、カバネリのアニメが放送されたのが2016年だったと思うので、パチンコ・パチスロ化はかなり早い方ですね。やっぱり、アニメを見てこのコンテンツでパチスロを作ってみたいという感じだったのでしょうか?
「いや、そうではなく、次はこのコンテンツで台作ってね……と言われました(笑)。自分は当時カバネリの作品を見ていなかったので驚きましたね」
めちゃくちゃ意外です。だって、カバネリの演出ってパチスロオリジナルのものが多いじゃないですか。それらがかっこいいので、原作ファンきっかけで開発が始まったもんだとばかり思ってました。
「台を作ることが決まって、アニメを見たら無名はかわいいし、楽曲は良いものばかりだし、作画も美しいし、世界観は入り込みやすいし、非常にポテンシャルの高い版権だと思いました」
ストーリーも良いし、純粋に面白いですよね、カバネリ。
「あと、屍(カバネ)との闘いはパチスロの演出に向いてるなと思いましたし、作りやすそうだなとも思いました。ただ、血とかグロい表現が多いので倫理的な意味で難しいなとも思いました」
「やっぱり曲が良いですよね。開発途中で映画が公開されて『咲かせや咲かせ』を使えるようになったのも良かったです」
全曲良いですよね。ボーナス当選時はどの曲にしようか迷います。ちなみに、カバネリって先にパチンコが出てるじゃないですか。同じタイミングで開発が始まっていたんでしょうか?
「そうです。同時期に作り始めて、リリースも同タイミングというのを狙っていました」
だから本来は6.2号機のタイミングで出すつもりだったんですね。
「いや、実はもっと早く出す予定でした。ただ、コロナなりいろんなことがあってタイミングがズレこみました」
なるほど。同じタイミングで開発が始まっていたという事は、演出を流用するということもあるんでしょうか?
「そうです。流用できるものは使おうというスタンスです。例えば、通常時の歯車ステップアップ、セリフ演出、ST中の六根清浄チャンス、成功すれば双嵐ノ刻へ移行する2人のカットイン、押し順ナビと一緒に出る墨絵のステップアップ演出なんかがそうですね」
そう聞くとパチンコのカバネリも打ってみたくなりますね(笑)。原作にはないシーンでしたけど、コジロウ(子犬)を捕まえろ、も流用でしょうか?
「あれはパチスロオリジナルです。原作にタロウという子犬がいるんですけど、あの子犬はリアルだったので可愛らしい見た目の小次郎を作ってみました。ちなみに、射的の連続演出はパチンコの流用です」
コジロウはオリジナルなんですね。そういえば、原作の子犬はタロウでしたね。
「パチンコから流用できたおかげで演出の数を多くできたので、めちゃくちゃありがたかったです。逆にマコトさんに聞いてみたいんですけど、ST中の演出数って多いと感じますか?」
多いと思います。こんなパターンもあるのかって感じますし。特にST中はゲーム性がシンプルなので、演出の数が多い方がいいと思います。アツい演出は単純にアツいけど、どの演出でもチャンス目の可能性あるし、意外性もありますし。
「流用して良かったです」
「個人的にレバーONの時点でアツい演出が出てないと当たらない、というのが好きじゃないんですよ。なので、発生頻度の高い演出からもチャンス目が結構出るようにしました」
演出バランス大事ですよね。強い演出が出ないと当たらない台はちょっと敬遠しちゃいます。弱い演出とか無演出でも当たる可能性がないと、強い演出も生きないと思います。
「そうですよね。その辺のバランスはこだわりました。そのうえで、チャンス目が止まるかというのをリール停止毎に楽しんでもらうというコンセプトですね。なので、適当打ちで問題ない配列ですが、主役は出目なんですよ」
チャンス目フラグの総数が多いから、チャンス目の停止パターンも複数あるし、十分出目でアツくなれる台だと思います。
「目押しせずにスライド打ちしがちですけど、演出にも出目にも法則があるので、そこを意識して打ってもらいたいです。特にカバネリ高確を持っている状態では、演出と出目のアツさも変わってきますし」
連続演出の最終ゲームは必ず『貫け鋼の魂』という言葉が使われてますけど、これは原作の貫け鋼の心を文字っているんでしょうか?
「そうです。パチスロらしさとかっこよさを取り入れて貫け鋼の魂というワードを押し出してみました」
あと、『六根清浄』というフレーズを告知時に使った理由も教えて下さい。原作ではそれほど多様されていなかったと思うのですが。
「当たった際に気持ちが良いフレーズが発生すると中毒性が高まると思っているので、勝鬨の六根清浄という言葉がちょうど良いなと思いました。たしかに原作ではそれほど使われないワードですが、作品のキーワードになっていると感じました。生駒の家に六根清浄マークがあったり、オープニングでもマーク出てきますし」
カバネリの代名詞的なフレーズになってますし、六根清浄が気持ち良いんですよね。
▲長い、長すぎるぞ(笑)
STの名称を「KABANERI OF THE IRON FORTRESS」にした理由を教えて下さい。ST開始時に毎回この名称を生駒に発せさせる仕様にした理由も教えて下さい。ここ、かっこいいんですよね。
「原作の英語のタイトルでもあり、EGOISTさんの楽曲名でもあり、STも一緒にしたら素敵だと思ったというのがあります。あと、ST準備中や確定画面で流れる曲も同じタイトルなんですよ」
準備中の曲もそうなんですね。名前長すぎるってクレーム来ませんでしたか?
「営業さんからは覚えられないって言われました(笑)。基本的には覚えやすい名前じゃないとダメだよ、と教わってきたんですけどね。ダサくても覚えやすさを重視しなさいと言われてきました。雑誌の人も困るでしょと」
たしかに、紙媒体は文字数に制限があるのでちょっと困るパターンですね(笑)
「ただ、今回はSTと表現できるからいいかなと思ってました」
それはありますね。みんなSTって言いますし、それで伝わりますから。
「あと、カバネリチャンスもカバネリアタックもカバネリボーナスも使っちゃってるので、カバネリ〇〇をこれ以上増やしたくないという気持ちもありました」
★コンセプト編、いかがだったでしょうか?
以上がコンセプト関連のインタビューでした。
カバネリの開発期間が3年以上と長めだったこと、当初は貫かないスペックだったこと、ただ、根本のゲーム性は開発に着手した時点から変わっていないこと。なかでも印象的だったのはA氏が頻りに言っていた「ストレスがあるからこそ滾る」という発言。納得の連続でした。
チャンス目を引けないストレス、引いても当たらないストレス、そして、それらを乗り越えてボーナスを引き当てた際の、六根清浄の高揚感。この集約されたアツさこそカバネリの魅力なんだなと再確認した次第です。
続いては、第2回目は『気になる数値・解析関連インタビュー』になります。
★サミー開発ボイスで質問してみよう!
すっかりお馴染みとなった感もある『サミー開発ボイス』。みなさんがお持ちの疑問を投げかければ、なんと開発者さんが答えてくれるというサービス。気になることがあればぜひ質問してみてください!
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- マコト
- 代表作:名機のそこ~マコトがメーカー開発インタビュー~・【回胴の探り手】マコトの味変(あじへん)回胴
岐阜県出身。3本のリールが織り成す出目演出に魅せられて、当時読者だったパチスロ必勝本に携わる仕事ができたらなという気持ちで履歴書を送付。無事、ライターとして採用してもらい、ほぼパチスロライターという仕事しか経験したことのない男が生まれてしまう。現在はパチスロ必勝本などを中心に執筆しているほか、DVD・CS番組・ネット動画などにも出演中。とにかく出目でアツくなれる機種が好き。
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