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元・ホール店長カタギリのしくじり店長
2016.05.18
しくじり店長・第18回
「俺、今日で会社をヤメることになったから。
あとのことはカタギリ、お前に任せるからヨロシクな…」
それは、あまりにも突然の告白だった。
本社での店長会議を終えて事務所に戻って来たツジ店長の第一声に、
私はカサ地蔵のように身動きひとつ取れなくなって、
そこから何も言えなくなるの星屑ロンリネスであった…。
「ちょっ…
えっ!?
ど、どういうことッスか!?」
長い沈黙の後で、ようやく私が口にした間延びした台詞に、
「…まあ、後のことはサガワさん(課長)に聞いてよ。
俺はもう関係ねーから、それじゃ!!」
とだけ返したツジ店長は、テーブルの上にあった鞄を持って、
置き引き犯のように一目散に事務所を飛び出してしまったのだ…。
「カタギリ主任っ!!
ツジ店長ってクビになっちゃったんですかっ!?」
おそらくは最後に声をかけてもらったのだろう、
真っ先に血相を変えて事務所に飛んできたのは、アルバイトリーダーのK君。
「…なんかぁ~、ツジ店長が会社をヤメたとか聞いたんですけどぉ~、
アレってマジなんですかぁ~??」
K君の口から聞いたのであろう、女性スタッフのYちゃんも、
100均で買ったと思われるつけまつげをパチパチさせながら、
催眠術にかかった不人気キャバ嬢のような声で、そう尋ねてきた。
「カタギリさん、やったッスね!!
今日から新店長ってことですよ、おめでとうございます!!」
出勤してくるや否や、深夜の通販番組に出てくるアメリカ人みたいな、
必要以上のハイテンションで祝福してくれたO君。
それらのコメントに対して何一つマトモなリアクションの取れないまま、
私はその日の営業を平常通りにこなした。
そして、その日の閉店後。
何度も連絡したにも関わらず電話に出てくれなかったサガワ課長が、
酒の臭いを漂わせながら、ようやく事務所に顔を出した。
「か、課長っ!!
これって、いったいどういうことッスか!?
ツジ店長、ホントに会社をヤメちゃったんで…」
勢い任せの私の問いかけを遮る、坊主頭の視線のレーザービーム。
そしてベテラン住職のような一言に、私は沈黙するしかなかった。
「カタギリ、この後ちょっと飲みに付き合え。
それまでしばらくは、ここで待ってろ。」
大量に印刷されたホールデータに、アルコールで濁った視線を走らせ、
調整表に赤ボールペンでいくつもの数字を書き殴ると、
大量の札の束が詰まったダンボール箱を抱えて事務所を出たサガワ課長。
設定変更業務の後に、フダ差し作業を黙々と行う上司の姿を、
私はホールのモニター越しに、ただボンヤリと見つめるだけだった。
「…ツジさんは、言い過ぎたんだわ」
地下牢のような薄暗いバーのカウンターに人質気分で座っていた私には、
それがサガワ課長の独り言のようにしか聞こえなかった。
目の前に差しだされたバーボンのロック。
そのグラスをまるで自決覚悟で毒薬を口にするような表情で、
一気に胃袋へと流し込む上司の喉仏を見つめながら、
自分はまるでライオンの檻に閉じ込められたシマウマのようだな、
そう俯きながら感じていた。
今回の顛末を聞いたところで、
いったい何がどう変わるというのだろうか。
気の強いツジ店長のことだ、
おそらくは低迷する稼働について社長から問われた瞬間に、
咄嗟に暴言のひとつでも吐いてしまったのだろう。
店の稼働よりもキャバ嬢のことを考えることばかりに必死だった、
年中昼寝男のタケハシ店長に次いで店の責任を任された元ヤン・ツジ店長。
自尊心の高い彼が抱え込んだ重圧を、その時にようやく理解できた。
そんな二人がいなくなってしまった今、
店を任せられる人材は限られている。
果たしてツジ店長は、私の名を推してくれたのか。
そして課長は誰を指名するつもりだったのだろう。
グラスの内側で溶けていく氷を見つめても、
その答えは、誰かが口を開かなければ解けないのである。
「ツジの言いなりで仕事をやっていたカタギリに、
この先、店を任せて大丈夫なのだろうか?」
サッカー部の練習を終えた中学生が麦茶を飲み干すかのような勢いで、
アルコール度数の高い酒のグラスをカラにするサガワ課長の胸の内。
口を開かない肉食動物の憂鬱に、
酒の勢いを借りた草食動物は酒の勢いを借りて力強く宣言した。
「課長、ボクは確かに頼りないかも知れませんが、
ウチには優秀なスタッフが他にもいるから大丈夫ですよ!!
みんなの力を借りて、お店を盛り上げて行きますから!!」
精一杯に強がった笑顔と共に、隣に座っていたサガワ課長の表情を伺うと、
そこには軽いイビキを掻きながら眠りの旅に出た上司の姿がありました…。
こうして自分は退場者が続出するレースの中で、
大した決意も覚悟も無いままに与えられた「店長」という肩書き、
その重さに戸惑いながらも、まずは稼働回復の一手を考えるのに必死だった。
誰が座っても1日で40,000枚のメダルを吐き出した最新の爆裂台も、
闇商人の魔法が解けた今となっては誰も座らなくなってしまった、ただの貯金箱。
既に稼働は以前のように、極めて危険な状況だった。
ツジ店長に手渡されたボール、
いや、彼が手放したボールを拾い上げた私はまるで、
相手チームに大量得点を奪われた後のゲームで、
真っ向勝負とは無縁のマウンドに立つ敗戦処理投手のような心境だった。
ところが、私が頭を悩ませていた平成15年の初夏。
大量獲得機、いや4号機の代名詞とも言うべき名機、
「吉宗」が我がホールにも導入されたのである。
目押し不要でゲットできるメダルは、1回のBIGで711枚。
BIG中にやってくるチャンスを活かせば、そのBIGが1ゲームで連チャン。
2連チャンで、ドル箱は一瞬にして満タン。
BIG中に7がW揃いすれば、3連チャンで2000枚オーバー。
連チャン中のビッグで7揃いなら、3000枚以上も射程圏内。
たった一発のビッグボーナスで勝敗の行方がわからなくなる、
魅力たっぷりのギャンブルマシンの導入を決めたのは、
他でもない、ツジ店長だったのである。
「カタギリ、吉宗は絶対に人気が出るぞ。
社長にもそう言ったんだけどよ、5台しか買ってくれなかったんだよ…」
そう呟きながら、悔しそうに顔を歪めた元ヤン店長の姿を思い出す。
彼の想いに応えるために、
私がこの八代将軍の力を借りて稼働回復のキッカケを掴んでやろう。
そんな意気込みでスタートした、店長カタギリとしての物語。
そしてこれこそが、
「しくじり店長」としての逆・サクセスストーリーの幕開けなのである…
カタギリ・今週の1枚
5月3日に浅草で開催された「貢いで☆ドル箱!13」というイベントで、
パチ7漫画家の皆様のグッズをゲットして参りました。
コクッチーブラック、売れるといいぽん…
編集長の一言
連載開始から丁度半年くらい、18回目にしてようやく店長へと就任するカタギリ氏。いやぁ、引っ張りましたなぁ。
店長になったのが吉宗の時代ということはパチスロ界最後の狂乱の時代であり、最も遊技人口が多かった時期に差し掛かるタイミングってことですね。この時代の店長って大変だったろうけど、お客さんも多いし、給料もがっぽりもらっていたというのはよく聞く話。儲かってたんでしょうね、さぞかし。
でも今回の話を見ると、実はツジ店長は有能で会社にも評価されていた方なのかな。吉宗って発売からしばらくは全然人気なかったですからね。
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- 元・店長カタギリ
- 代表作:しくじり店長
シルバ〇アファミリーみたいに小さなパチンコ店の責任者から一転、 雑巾がけがメインの業務となってしまった事務員へとグレードダウン。 そんな設定①のスランプグラフのような半生を、隔週水曜日に連載させて頂いております。 タイトルは「しくじり店長」。 パチ屋の店長が平社員へと降格していく逆サクセスストーリーを、 海物語シリーズの泡リーチを見つめるような気分でお読みください。
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ヒントは、当連載のタイトルにありますw
吉宗…
思い出すだけでも色々とあり過ぎて恐ろしいッ…!!
吉宗とゴト。
切っても切り離せないほど、数々のエピソードがありますよ。
今後の展開にご期待ください! ←自分でハードル上げてますw
今回の話が業界人としてのピークですからねw
後は坂道を転がり落ちるだけです。
思い出すだけで震えが止まりませんよw
ここから先は、設定①の吉宗のようにズブズブのストーリーになりますw
数々のしくじり体験をとくとご覧くださいませw
ガチプロをも狂わせる存在でしたかw
好きな機種に対する思い入れが漫画家としてのデビューのきっかけになるのですから、
やはり人生は好きな道をとことん進めば光が見えてくるのでしょうね!
俵8連ゴトもありましたからね~w
器具を使って実際に8連チャンさせるところを見て、
呆気にとられたのをよく覚えています。
吉宗はドえらい台でしたからねからね~w
八代将軍様に関するエピソードはとにかくたくさんあるので、
何をどう書こうか迷ってしまいます。
恐ろしいホールデータも散々と目にしてきましたので、
プライベートではとても手を出せませんでしたよ…
(´;ω;`)将軍・・・あやつの恐ろしい性能に扱いきれず翻弄されてしまうのか、上手く使いこなせていけるのか
いよいよ店長奮闘記が始まるんですね!その入れ換え一発目が吉宗だったとは!友人が某大手パチンコ店でバイトしてた時、2日目でゴト捕まえた話を思い出しました。色々な意味で4号機時代を盛り上げてくれた台で、この後の話もおら~わくわくすんぞ!(笑)
所々に昭和の懐かしいメロディー、いいっすね!
まぁ、連載開始時からタイトルで盛大にネタバレしていますが。