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パチスロワイルドサイド-脇役という生き方-

パチスロワイルドサイド-脇役という生き方-

2020.07.07

パンクの恐怖と経済危機~鬼浜爆走紅蓮隊-爆音烈士編~

ラッシー ラッシー   パチスロワイルドサイド-脇役という生き方-

液晶のタコメーターをギロリと睨みつけた。カメラ前だが、おどけて見せる余裕はない。そろそろまとまった出玉を得ないと取り返しのつかない投資額になる。

3連…4連…5連…

止まるな、俺のリプ連!

息を止めたまま淡々とレバーを叩く。

タコメーターの針は6連目と7連目で1段階ずつアップし、レッドゾーンが迫ってきた。ここまで行けば十分アツいが、あと一歩! どうにかレッドゾーンまで持っていきたい…

8連目は…変化ナシ。止め続けている呼吸も、そろそろ限界が近い。そして9連目のリプ連で大きく針が振れ、念願のレッドゾーンに到達! 次ゲームは左→中リールで「男」絵柄がテンパイ。遂にリプ連が途切れ、俺は大きく息を吐いた。

1つ目の関門は突破できた。しかし第2関門こそが最大の難所である。俺はカメラを気にすることも忘れ、そっと目を閉じ呼吸を整えた。
 

生まれ変わった名機。

この日は先輩ライターU氏とCS番組の収録だった。実戦するのは俺1人で、先輩U氏はブースにて俺の実戦をモニタリング。俺は担当機種の設定推測に挑戦し、それをU氏が解説する形だった。ちなみに同一機種内であれば台移動は自由。いかに設定を見抜き、より設定の高い台へ移動できるか…といった企画である。

その担当機種が「鬼浜爆走紅蓮隊~爆音烈士編~」だった。
 

▲5号機「鬼浜爆走紅蓮隊~爆音烈士編~」(アビリット)

2008年の末にアビリットからリリースされたボーナス+ART機で、4号機の名機「鬼浜爆走愚連隊~激闘編~」の続編にあたる。特徴は極めて高いボーナス確率だ。ボーナスはBIG・BG・男気ミッションの3種類で、合算確率は約1/75.1~1/70.5

ボーナス確率
設定 BIG BG 男気ミッション
1 1/2048.0 1/237.5 1/116.0
2 1/2048.0 1/237.5 1/114.4
3 1/2048.0 1/237.5 1/109.4
4 1/2048.0 1/237.5 1/109.4
5 1/1771.2 1/237.5 1/106.4
6 1/1560.4 1/286.2 1/103.7

ボーナスの獲得枚数はBIGが最大234枚、BGが36枚固定、男気ミッションが平均50枚。また、ARTはゲーム数管理で、純増は+0.95枚/Gとやや控えめ。しかしボーナスとARTを絡めてナンボのゲーム性なので、この機種においては「+2.0枚/G(ボーナス込み)」との表記が一般的だった。

正直、この「爆音烈士編」の第一印象は良くなかった。ゲーム性も筐体デザインも、4号機の初代鬼浜とかけ離れていたからである。しかし、担当ライターとして接しているうちに、どんどんこの機種に惹かれていった。その理由はスリル。他のART機にはない独特なスリルが、この爆音烈士編にはあったのである。
 

リプ連の使い方。

U氏「かなり長いリプ連だったな!」
――「ええ、レッドゾーンに到達したんでハイですね」

ART抽選はボーナスの成立時や消化中に行われる。こう書くと平凡な作りに見えるが、実際には少々面倒くさくも面白いシステムを採用している。
 

フラットな通常時に引いたボーナスは、全てハイorローの2ランクに分けられる。ハイであれば、よりART当選を期待できるというわけだ。そのハイへの移行において重要となるのが、ボーナス成立後のリプレイの連続(リプ連)。

ボーナスのほとんどはリプレイとの同時当選で、ボーナス成立後はリプレイ確率が跳ね上がる。そしてボーナス成立ゲームから揃えられるまでの間にリプ連を重ねるほど、ハイへの移行を期待できるというわけだ。

また、通常時には低確・高確・超高確と3つの状態が存在し、ボーナス成立時の状態が上位であるほど、少ないリプ連でもハイへの移行を期待できる。要するにボーナス成立時の状態と、成立後のリプ連が重要となるわけ

冒頭に登場したタコメーターは、ボーナス確定からリプ連が途切れるまで出現し、ハイへの移行期待度を示している。レッドゾーンまで振り切った場合のみ、ハイに移行したと断定できる。

U氏「勝負所だね」
――「もうカネ無くなっちゃうんでココで決めます!」

U氏「いや、設定推測の心配しろよ!」
――「それどころじゃないですって!」

鬼浜のベースはかなり厳しい。千円あたりのゲーム数は約27Gだ。この頃の俺の担当機種は、揃いも揃って低ベースばかり。くにおくんが約28.5G/千円、アカギが約27.3G/千円。編集部は俺に恨みでもあるのだろうか…。

収録の前半終了時間が迫ってきたが、今のところ見せ場らしい見せ場はない。設定はほんのり見えたものの、撮れ高は明らかに足りない。まずはARTにブチ込み、そこで大量上乗せをキメるしかない――!!
 

パンクするボーナス。

リプ連の果てに揃ったのは「男」絵柄。「男気ミッション」と呼ばれるボーナスである。このボーナスがまた面白い。何ゲーム継続し、何枚獲得できるかが全く読めないのだ!
 

男気ミッションの終了条件は①252枚を超える払い出し、②SIN成立、③BG成立の3パターン。つまり消化中もSINやBGの抽選が行われ、それに当選した時点でパンクしてしまうのだ。SINは2種類存在し、合算確率は1/8.4~1/8.9。最大継続ゲーム数の29Gを完走できれば174枚を獲得できるが、およそ1/8程度でパンクするため完走は至難ということになる

パチ7のヘビーユーザーならお分かりだろう。この男気ミッションは、かつて佐々木真先生の「思考ルーチン」でも詳解された第二種特別役物(2種BB)だ。

のちに登場する「ギラギラ爺サマー」や「秘宝伝-伝説への道-」にも同様のボーナスが存在する。その先駆けとなったのが、本作「爆音烈士編」というわけだ。


発展したのは期待度高めの「コウヘイミッション」。このミッション内容もリプ連回数と内部的なランク(ハイorロー)を基に抽選で決められる。リプ連を9回まで頑張れたため、期待度の高いミッションが選ばれたというわけだ。ちなみにレッドゾーンに達しない限りランクのハイorローは正確に見抜けないが、ハイであればコウヘイミッションのクリア期待度は約35~49%に上る。もちろん序盤でパンクする恐れもあるため、こんな期待度など目安にもならないが……。


なお、ミッション中は毎ゲームでクリア抽選が行われる。当選率は各ゲームで大きく異なり、「〇G目が特にアツい」といったホットスポットも存在。ただしホットスポットはミッションの種類により変わるため、暗記するのは容易ではない。


再び息を止め、まるで興味がナイようなポーカーフェイスでレバーを叩いた。もちろんどう叩こうともSIN確率は変わらない。しかしこの「男気ミッション」には、俺にそうまでさせてしまう魔力があった。

たとえるなら「限界まで水が入った盃を持ち、平均台の上を駆け抜けるイメージ」だ。そのもどかしさとスリルが堪らない! 内心はビビり倒しているが、その心の揺らぎを台に悟られてはならない。爆音烈士編はまさに魔物。人間の心の揺らぎを喰らう魔物なのである!

2G…3G…4G…

クッ…最初のホットスポットである4G目はスルーか! だが、ポーカーフェイスは崩さない!!

5G…6G…ああ!!

6G目で液晶が赤く点滅し、金網のシャッターも出現。このシャッターが閉まりきればパンク=男気ミッション終了となるが――

第3停止でシャッターが引っ込み無事に継続!!

U氏「おお、終わったと思った」
――「………」

もちろんポーカーフェイスは崩さない。ふん、別にビビってねーし。

7G…8G…9G…あああ!!

9G目にカットインが発生し――ART「カッ飛びZONE」のロゴが出現!! そして液晶画面はART中の画面へと切り替わった。

U氏「お~、やったじゃん!! 久々のARTだ」
――「………」

淡々とレバーを叩き続ける俺。もちろんポーカーフェイスは継続中だ。

U氏「おい、無視か?」
――「………」

笑顔で応える余裕はない。たしかにARTは当選したが、まだボーナスはパンクしていないのだ! ここで手を緩めるヤツは鬼浜を分かっていない。目指すは29Gを走りきっての完走。クリア時点で50G以上のARTは確定するが、完走すればさらに50~300Gが上乗せされる!

19G…20G…21G…

徐々に震えだす身体。もう2/3は消化できた。あと8Gを走りきれば――

25G…26G…27…あっ

台「そこのバイク止まりなさい!!」
――「ぐあぁぁぁ~~~」

レバーを叩いた瞬間SINナビが発生。要するにパンクである。

U氏「あ~惜しかったな~。完走まで何ゲームだった?」
――「27G目なんで3G前ですね」

U氏「まあ、よく頑張ったよ。無視されて傷ついたけど」
――「いやUさん、ミッション中の人に話しかけるのはマナー違反ですから」

U氏「いやお前、これテレビだからな!」
――「そうですけど、それほど繊細なボーナスなんですよ」

U氏「ハハハ…じゃあ、ココで前半終了にしようか」
――「分かりました。後半も…後半こそ頑張ります!」

こうしてARTに入れたところで一旦収録をストップし、1時間ほど昼休憩をとることとなった。
 

突然の悲報。

スタッフに連れられ近所の定食屋に入った。U氏は注文もそっちのけでケータイを睨んでいる。

U氏「しかし…今日もヒデーな」
――「すみません…」

U氏「ん? いや、ラッシーのことじゃなくて」
プロデューサー「株価か?」

U氏「そう…もう見てらんない」
プロデューサー「まあ、どうしようもねーよな。リーマン・ショック以来」

アメリカの投資銀行「リーマン・ブラザーズ・ホールディングス」が経営破綻したのは、およそ4ヵ月前のこと。誰もが知る通り世界的な経済危機へと発展したが、末端のライターである俺にはほとんど影響がなかった。しかしU氏は違う。すでにライターの域を超え実業家として歩み始めていたため、この世界的な経済恐慌に危機感を抱いていたのである。

プロデューサー「ボチボチこの業界にも波及してきたな」
――「え? そうなんですか?」

U氏「そりゃ大手であればあるほど…」

その時、ズボンの左ポケットに入れていたケータイが震えだした。急いで取り出すと、液晶には先輩編集Tさんの名が浮かんでいた。Tさんは攻略誌「H」の先輩編集で、今は編集部から派生した編プロ「X社」で編集部員を続けている。

――「すみません、ちょっと外します」
プロデューサー「おう」

定食屋の外に出て通話ボタンを押した。

Tさん「おー、お疲れ。いま大丈夫?」
――「大丈夫ですよ。ちょうど収録の合間の休憩中です」

Tさん「ああ、休憩中にゴメンね」
――「どうしました?」

Tさん「いや~、ちょっとね…」

どうやら良い話ではないらしい。

Tさん「会社が…潰れることになりまして」
――「は???」

編プロのX社が潰れる!? 8人ほどいる社員・バイトは、全員顔見知りだが……

――「ちょ…何言ってるか分かんないんすけど」
Tさん「だから、X社を畳むことにしたんだ」

頭が真っ白になった。X社は俺がかかわる4誌のうち、2誌を制作している。

――「せ…制作している2誌はどうするんすか?」
Tさん「とりあえず休刊ってことになるだろうね」

――「休刊って! 実質的には…」
Tさん「まあ、廃刊みたいな感じになるよね」

――「そ、そんな!!」

自分には関係ないと思っていた経済危機。いや、実際にリーマン・ショックの影響かは分からない。5号機時代に入ってからは攻略誌の需要が減少している。遅かれ早かれこうなっていたのかもしれないが……。

――「Tさんはどうするんです? ウチの編集部に戻って来るんですか?」
Tさん「いや…そうもいかないかな」

――「ウソ!? なんで?」
Tさん「他の会社を探そうかと…」

――「そんな! イヤっすよ!」
Tさん「PS業界は続けると思うけど」

――「なんでですか? 一緒にやってきたじゃないすか!」
Tさん「まあ、仕方ないよ。これも時代かな」

――「………残念です」
Tさん「まあ、2誌とも来月号が残っているから、最後までよろしく頼むよ」

――「………はい」
Tさん「詳しくはまた会って話すわ」

――「ありがとうございます」
Tさん「じゃあ収録頑張ってね」

――「はい…失礼します」

書き仕事の半分を失い、同時にともに歩んできた先輩と後輩も――。

プロデューサー「お~いラッシー、メシ冷めてるぞー」

俺は言葉を返す気力もなく、ケータイを握ったまま立ち尽くした。

 

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ラッシー
代表作:パチスロワイルドサイド -脇役という生き方-

山形県出身。アルバイトでCSのパチンコ・パチスロ番組スタッフを経験し、その後、パチスロ攻略誌編集部へ。2年半ほど編集部員としての下積みを経て、23歳でライターに転身。現在は「パチスロ必勝本&DX」や「パチスロ極&Z」を中心に執筆。DVD・CS番組・無料動画などに出演しつつ、動画のディレクションや編集も担当。好きなパチスロはハナビシリーズ・ドンちゃんシリーズ、他多数。

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