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2020.04.15

心の名機追想記シリーズvol.4『サラリーマン金太郎』書き手:あしの

あしの あしの   パチ7自由帳・匠

▲サラリーマン金太郎(ロデオ/2001)

誰でも出入り自由の部屋。

長崎県某所にある俺の実家は古い日本家屋だった。たぶん築100年くらいは経ってると思う。幼き頃の記憶では確か「雨戸」とかまであったんだけども、幾度か改築・増築を繰り返すうちに和洋折衷の雰囲気になっていた。ただ、ツギハギでどんどん大きくしていった家なので、間取りはカオスだったと思う。

家の中央にリビングがあって、そこに向かうまでによくわかんない部屋が2つ。玄関から右手には仏間と床の間付きのお座敷。そこから左右に廊下があって、その先っぽにそれぞれ祖母の部屋と俺の部屋があった。この2つの部屋は1990年ごろに増築して出来た部屋なので、出窓付き二面採光のフローリングである。

田舎に住んだ経験がある人ならポンと膝を打つかもしれんが、こういう変な間取りの日本家屋に住んでると、子どもはあんまり玄関を使わなくなる。特に俺の場合は自分用の部屋と玄関がやたら離れてたので、もはや窓から直で入った方が早いのだ。

で、自分だけならまだしも、友達も勝手に窓から入ってくるようになる。これは単純に距離的な問題だけじゃなくて、精神的な気楽さもあった。つまり、家族と友達が顔を合わせる事がないのである。

そして、そういう気楽に集まれる家というのがあると、近所の子らはだいたいその家に集合し始める。中学校後半は「バーチャファイター」が大ブームになってたけども、俺はお年玉貯金を全額叩いて「セガサターン」を発売日にゲットしたクチなので、学校中どころか塾で知り合ったバーチャ好きも、だいたい全員俺んちに来てた。しかも窓から直接入ってだ。必定、窓の下、コンクリで舗装した庭先にはずらっと学校指定のローファが並ぶ。

ちょっとした公文式の教室みたいになるのだけども、その状況を一緒に住んでた婆ちゃんとかオヤジが知らないという。奇跡みたいなフリーダムさだった。まさかオヤジも自分がリラックスしてテレビ見てる同じ屋根の下で、バーチャファイター大会がトーナメント形式で開かれていたとは想像もしてなかったはずだ。

あまつさえしゃがパン(↓P)禁止のルールを巡って殴り合い寸前の喧嘩が何度も勃発してたとか。知る由もない事だったのだ。


タバコに関してもそうだ。それだけ学生が集まると酒を持ち込んだりタバコ吸ったりする奴が必ず出てくる。結局俺はその時分にそれらを覚えたし、俺と同じくしてそこで悪癖を身に付けた人間も、たぶん片手では効かないと思う。

俺がそこの世帯主ならカンカンになって怒ると思うけども、まあ時代も時代だったし、なにより我が家の世帯主であるオヤジはそういうのに関しては大変におおらかだったので、中学時代の最後の方は普通にリビングで並んでタバコ吸いながらビール飲んでたものである。火事だけ気をつければヨカタイ。くらいのもんだった。


さて。時を経て高校時代。俺には生涯で初めての彼女が出来た。

色を知るとまたこの「勝手に部屋に入れる」というのが別の意味を帯びてくる。当時、彼女はほぼ毎日俺の家に来ていた。が、それを家族は誰も知らんかった。信じられないかもしれないけども、それは彼女と別れるまで続いた。彼女の名前をCちゃんというんだけども、とりあえず今回はそんな話だ。
 

大好きなきみに贈ろう。

Cちゃんは俺よりも年上の娘で、俺が高校二年の頃には既に働いていて車を持っていた。年上の彼女……というとしっかり者であるとかお姉さんタイプみたいなのが頭に浮かぶけども、彼女は全然そういう感じじゃなかった。

言っても相当ガキだった俺よりも年上だったというだけで実際の所まだ22歳。全然子どもだ。今思えば同世代と変わらない。にしても、当時の俺からすると「うわー5歳も離れてるから相手は大人だぜ!」みたいな感じで接していたと思う。


彼女と付き合って一年くらいした頃だろうか。

なんかで喧嘩した。理由はホントどうでも良すぎて今の今まで忘れてたけども、必死に思い返した結果、たしか「ほか弁(現・ほっともっと)」で買ったチキン南蛮弁当が蓋を開けたらぐちゃぐちゃになってたとか、なんかそんな感じだ。マジでどうでもいいんだけども、なんか知らんが当時のオイラはプンスカ怒り、それで信じられん事に別れ話にまで発展した。

んでその日はとりあえずそれでバイバイしたんだけども、翌日冷静になって流石に青くなった。当時はまだポケベル全盛期。今みたいに簡単に意思の疎通ができる時代でもない。祈るような気持ちでメッセージを送って、そうして夜にまた会うことになった。

夜8時くらいである。コンコンと窓をノックする音。鍵を開けると、彼女が部屋に上がってくる。俺は開口一番、土下座せんばかりの勢いで前日の非礼を侘びた。んで、なんとか許して貰おうと、彼女にハンカチをプレゼントした。なんでハンカチなのかは今となっては知らんが、高校生のお小遣いで買える程度で何となく気の利いたプレゼントがそれだと思ったのだ。

彼女は、快く許してくれた。向こうも仲直りしたかったらしい。本当に有り難かった。こんなアホな理由で別れたくなんか絶対なかったし、許してくれた事で、もっと彼女が好きになった。

……それ以来俺たちの間にはあるひとつのルールが出来た。

それが「何かがあって謝りたいと思ったら、プレゼントを送る」というものだ。
 

なんでおっさんが主人公の漫画ばっかり。

さらに時を経てしばらくした後だ。それまでにも何度か小さな喧嘩があったけども、その度にどちらかがプレゼントを送ったり、あるいは送られたりしながら乗り越えつつ、二人の恋人関係は四年目に突入していた。この頃になるともはやどっちが年上とかは全然関係なくなっていた。お互い言いたいことは言うし、そして言われる関係だった。

ある時だ。それまでにない大ピンチが訪れた。大喧嘩である。

珍しく旅行に行った先で、俺は朝食にふたり分の和食を頼んだのだけども、彼女がそれにマジギレした。パンが食いたかったらしい。マジでどうでも良いというか、じゃあもうその辺でパン買ってくるから許してくれと思ったんだけども、一度不貞腐れるとまあまあ長く機嫌が悪いままの人だったので、こちらとしても面倒臭くなってしまって、帰りの車の中で2時間くらいホントに一言も喋らなかった。

この時、俺は初めて「ああもう別れよう」と思った。ただあんまり深く考えてそう思った訳じゃなくて、ただあの車内の無言が耐えられなくなったりとか、そういうので咄嗟に思った一種の逃避願望だったと思う。実際、翌日には「別れよう」という気分はかなり薄れていたし、まあこちらから謝る謂れはないけども、謝るんなら許してあげなくもないんだぜ的な感じにまで落ち着いていた。


その夜だ。本当は会う予定はなかったのだけども、窓がノックされた。

あー……。来たか。みたいな気分で窓を開ける。無言で靴を脱いで部屋に上がる彼女。開口一番「ごめんなさい」という謝罪と共に、右手に掲げた袋を俺に渡してくれた。二人のルール。謝罪の贈り物だ。頷いて受け取る。ずしりと重い。彼女に了解を取って、中身を確認した。


そこには「ナニワ金融道」の全巻セットが入っていた。


何故漫画なのか。あまつさえ、何故にナニワ金融道なのだろう。俺、ナニワ金融道の話とかしたっけ? と思ったのだけども、一瞬にして理解した。彼女はSMAPの大ファンで、そしてナニワ金融道のドラマ版に中居くんが出演しておるのだ。つまり彼女も原作の漫画であるこいつを読みたかったのである。どうせプレゼントするなら自らも楽しめるものを。彼女はしたたかな女だった。

「ああ……。なんか。うん。ありがとう……」

微妙な顔で受け取る。ともあれ、こうして我々は最大のピンチを乗り越えたのだった。ただ、こういう別るるや否やの大ピンチって、繰り返すうちにだんだんハードルが下がっていくのだ。そうじゃない恋人たちや夫婦もいるのだろうけど、我々の場合はそうだった。だので、次の危機的状況はすぐ、半年もせずに訪れた。

これまた超どうでも良い理由で腰が砕けそうになるのだけども、彼女が車の中で振った缶コーヒーのプルタブが開いてて、俺に思いっきりジョージアのアツい奴がブチかかったわけだ。

今の俺だったら笑って「おいおい幾ら俺が缶コーヒー大好き人間でもシャワーはないぜ! ハハ!」くらいのもんだし笑って許すのだけども、当時の俺は色々溜まってたのもあって大変怒った。そして俺が怒ったのに反応して彼女もすげーキレた。逆ギレである。バカバカしい事に、これでまた別れる別れないの話になった。マジでスペシャルリーチのフラグ幅がゆるすぎた。え、ここからこうなる!? みたいな感じで自分でもびっくりしたもんだけども、結局その日はまた二時間くらい無言でドライブして、早々にバイバイすることになったわけだ。

んで、その夜。晩飯を食って部屋でボケっとしてたら冷静になり、流石にさっきは言いすぎたとか、まあコーヒーくらいあんなに怒ることもなかったかもね見たいな気分になって反省した。ただまあ別れる別れないの話になった直接の原因はどっちかというと逆ギレした彼女にあるわけで、やっぱりこっちから謝る筋合いは無いしなぁ……とか思ってたら、また部屋のサッシがノックされた。

おお。来たか……。なんだよ。心做しかホッとしつつ窓を開ける。例によって靴を脱いで上がってくる彼女。ごめんなさい。そう言いながらまた右手に構えた袋を俺に渡してきた。謝罪のプレゼント。仲直りの儀式である。もうそんなの要らないよ。俺も悪かったんだ。お互い忘れようぜ。また明日から、楽しく過ごそう。そう思いながら彼女の頭に手をおいて何度か撫で、そして袋を受け取る。別に何が入っててもいいけども、一応中身を確認した。


そこには「サラリーマン金太郎」の単行本、1巻から10巻までが入っていた。


何故サラ金なのか。頭の中にいくつもの疑問符が浮かんでは弾ける。微笑みを崩さず、首を傾げる俺。それから思い至った。そう言えばこの漫画は最近ドラマ化している。主演は高橋克典。そして克典は数年前のフジテレビの月9ドラマ「ForYou」にてSMAPの香取くんと共演した経歴を持つ。おおかた香取くんを見るために月9を見た彼女はそこで克典にハマり、そしてドラマ版「サラリーマン金太郎」を観て原作を読みたくなったのだろう。

「ああ……。なるほど。うん。ありがとう……」

若くて青い、ありし日の思い出である。
 

右ィ! 左ィ! スィングゥーボーナァッ!

Cちゃんと出会ったのが1996年。5年付き合ってこれまた凄い下らない理由で別れたのが2001年。それまでの些細な喧嘩に関してはギリギリで思い出すことができるのだけども、最終的になんで別れたのかは不思議な事にさっぱり思い出すことができない。まあ人生そんなもんなんだろう。当時俺はパチンコを打ち始めて二年くらいが経過しており、その頃はパチンコとパチスロを半分くらいの割合で嗜むようになっていた。

ある時の事、ホールで見慣れない台を見つけた。メーカーはロデオ。ガメラのメーカーだった。パネルに描かれた文字とキャラで思わず呻る。「サラリーマン金太郎」だ。

既にパチスロ雑誌を読んでいた俺はこの台が「時速5,000枚」を謳うモンスターマシンである事は知っていたし、SB(シングルボーナス)を利用している事を含めてある程度の仕様も把握していた。当時はもろびとこぞりてサラ金サラ金と持て囃しておったものだけども、俺は何となく、この台に関しては消極的であった。当時は何故か良く分からなかったけど、オッサンになった今ならよく分かる。つまり、「サラリーマン金太郎」と聞くと、どうしてもCちゃんの事を思い出してしまっていたのだ。

流石に、高校生からの5年間は長かった。

当時は生活のあらゆるものが激変する時期だった。さらにはインターネットの黎明期でもあったし、同時多発テロも起きた。免許も取って運転を覚え、行動範囲も広がった。当然友達もガラっと変わったし、一人暮らしも始めた頃だ。うねりの時代。少年から大人へと急加速で変貌する時期である。なので独りきりになってしまったという実感らしいものはいまいち湧いてなかったけども、やっぱそれなりに心にダメージを負っていたのだと思う。平気な顔して日々を過ごしながら、例えばSMAPという単語であるとか、あるいはナニワ金融道。そしてサラリーマン金太郎といった、彼女につながるものは無意識のウチに極力避けていた。

ただ問題だったのが、青春時代のほぼ全てにおいて常に彼女と一緒にいたために、Cちゃんに関係しないものというのが、当時の俺の人生には極端に少なかったのだ。パチンコ。そしてパチスロにはそれがなかったので、新しい自分。昔とは違う自分になりきって楽しんでいた節がある。今ならはっきりと分かるけどね。

でも当時の俺はそれに気づかなかったので、ホールであの筐体を見た時、苦々しい思いで思わず舌打ちした理由も、自分では分からなかった。故に、全6イベントの抽選に当選して爆出しするまで、実は、俺はこの台の事がちょっと嫌いだった。


 

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あしの
代表作:インタビュー・ウィズ・スロッター(稀にパチンカー)

あしのマスクの中の人。インタビューウィズスロッター連載中。元『セブンラッシュ』『ニコナナ』『ギャンブルジャーナル』ライター。今は『ナナテイ』『ななプレス』でも書いてます。

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