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パチ7自由帳・匠
2020.04.09
心の名機追想記シリーズvol.1『ガメラ』書き手:あしの
▲心の名機追想記vol.1『ガメラ』(2000年・ロデオ)
「ひとり映画館」にハマる嫌な小学生。
生まれて初めてひとりで映画館に行ったのはオイラが9歳の頃だった。東宝映画の「孔雀王」だったと思う。ご存知ユン・ピョウと三上博史がタッグを組んだダブル主演の映画で周りの大人たちは騒いでいたのだけども、その頃のオイラはユン・ピョウを知らず。なんかカンピョウみたいな名前の人だなぁくらいに思ってたものだ。
内容は全然覚えてなくて、唯一ぼんやり思い返せるのは顔面がカパーっと割れるモンスター(たしか鬼子母神だった気がする)の造形がカッチョよかった事のみ。んで、アレだって今となってはジョン・カーペンターの「遊星からの物体X」のパクリだと断言できるんだけども、当時のオイラは「顔面割れるやつカッチョいい!」みたいな感じで大層ハマり。入れ替え制の映画館だったにも関わらず堂々と居座って3回連続で観たものだった(4回目で怒られた)。
なんにせよ「ひとりで映画館」というのは小学二年生の男子にとって「大人の階段」を登ってる感がなかなかに凄く。それ以来、週末ごとに婆ちゃんにお小遣いを貰ってはモリモリと映画館に足を運ぶようになった。
例えば「スウィートホーム」。まっぷたつになった古舘伊知郎の上半身がずるずると這い寄ってくるシーンが有名な黒沢清の出世作だけども、あれもガクガク震えながらひとりで観たし。あとはSFホラーなのになぜか路上プロレスシーンが語り草になってる「ゼイリブ」とか。コロコロでめっちゃ特集組まれてたのに東宝の黒歴史代表になってる「ガンヘッド」とかね。
いずれも小2とか小3の少年が観るには背伸びしまくった映画なのだけども、そもそもひとりで映画に行くという行動自体が「大人ぶりたかった」からなので、タイトルのチョイスも必然的にそうなって然るべきなわけだ。
とはいえ、やっぱ小学生。それらの映画が真に面白かったかというとちょっと疑問が残る。というか大半がつまらなかった。少なくとも「ガンヘッド」と「ゼイリブ」は当時、全然おもしろくなかったと断言できる。「ふんふん」とか「なるほど」とかつぶやきながらしたり顔で観覧してたんだけどもね。まあまあ苦痛な時もありました。そもそも初っ端の「孔雀王」も今思うとストーリー全体を本気で楽しんでいたかどうかは怪しい。
やっぱり子どもには子ども向けの映画の方がわかりやすいし面白い。そういう意味では当時観た中で抜群に面白かったのが1989年の映画「ゴジラvsビオランテ」だ。ご存知平成ゴジラシリーズ1発目である。これすっげえ面白かった。あまりの面白さに入れ替え制の映画館だったにも関わらず堂々と居座って3回連続で観たものだった(やっぱり4回目で怒られた)
……うむ。パチ7をご覧のみなさま。チワッスあしのっす。わかる。わかるよ。お前は一体なんの話をしとるのだ。とね。大丈夫。ちゃんとパチスロの話になるのでもうちょい先まで読んで頂きたい。イエア。
とりあえず、今回はそんな話である。
マジで名作だった!「ゴジラvsビオランテ」
ちょっと皆さんにお聞きしたいのだけども、みんなゴジラは好きなんだろうか。これ、実は年代によって思いっきり認識に差があると思う。オイラの世代……昭和後半に生まれた人間にとっては、実はゴジラはあんまりよく知らない怪獣なのである。何故かというと1974年に発表された「ゴジラ対メカゴジラ」を最後に9年もの間、新作が一切出なかったからだ。
これが1985年に発表されたリメイク版(といってよいのかどうか微妙だけど)によりシリーズ自体がリブートされ、以降の「平成ゴジラ」シリーズにつながるのだけども、いわゆる「vsもの」に回帰するのが前述の「ビオランテ」からなので完全新作としては実質14年ぶり。オイラなんかはこの空白期間に少年自体を過ごしておるので、ゴジラってなんやねん感が強い。というかこの世代はみんなそうだと思う。つまり幼少期にすでにゴジラは「オワコン」だったのである。
これがもうちょっと若い世代になると平成シリーズがド真ん中になるし、またもうちょっとパイセンになると今度はオリジナルシリーズを観て育ったネイティブ・ゴジラ・ジェネレーションである。つまり我々だけ「ゴジラを知らない世代」なので仕方ない事なのではあるけども、それだけに初めて観たゴジラは超がつくほど斬新な作品に思えた。
何が凄かったかって、タイトルの「ゴジラ」がまず敵なのだ。
ふつう「ウルトラマン」って言ったらウルトラマンは問答無用で味方じゃないか。仮面ライダーも。戦隊系も。宇宙刑事もね。タイトルに出てくる奴はだいたいチビっこであるとか人類の味方で、悪いやつを千切っては投げ千切っては投げやっつけてくれるもんなのだけど、ゴジラは敵なのである。
え。それアリなん!? と、当時小3だったオイラはスクリーンを前に背筋を寒くしたものである。んでゴジラとvsしてるのが「ビオランテ」という怪獣なのだけども、作中ではどっちかというとコイツの方がまだ善玉。いやまあ怪獣なんだけども、ゴジラが凶悪すぎるので対照的に「あいつを止めてくれ!」みたいな感情移入の行く先はビオランテになるわけである。こういう構図は正直初めて観たんでめっちゃワクワクした。ちなみにゴジビオは2014年のゴジラ総選挙(ジャンケンはしないよ)で堂々の1位を獲得した作品らしいので、そもそもの映画の出来も良かったんだと思う。
んでここで一回「ゴジラすげぇ」となったオイラはその後のゴジラ作品を漁ることになる……かと思いきや、それは全然なかった。間が空きすぎてて過去作が古臭かったのである。じゃあ次回作を観たかというとそれもなかった。ゴジビオの次の作品は1991年の「ゴジラvsキングギドラ」だけども、1991年といえば「ターミネーター2」が公開された年だ。VFX新時代の幕開け。歴史的名作である。ハリウッドが液体金属をモーフィングでグニャグニャ動かしておる横で何を着ぐるみで戦っておるのかと、当時のオイラは不遜にも思ってしまったので以降ゴジラは観てない。
オイラの中に一瞬だけ到来した「ゴジラすげぇ」時代は、こうしてあっさりと幕を閉じたのだった。
……さて。本題だ!
全方位にごめんなさい。
2000年にリリースされたロデオの「ガメラ」。シフト持ち越し機能搭載のAタイプ・大量獲得機だ。よく話題されるのがフル攻略時の割の高さで、設定1で104%とか。6に至っては150%オーバーとかなかなか狂った数字になっていたように思う。まあガメラの設定6なんぞ見かけた事すらないのだけども、とりあえず夢はたっぷりあった機種だったのである。
そんでコイツに関してはもうひとつ、語る上で絶対に外せない話題がある。それが「逆ハサミ打法」だ。
全役ノー取りこぼしでボーナス最速察知。さらにはREGも(毎回じゃなかった気がするけども)そのまま成立ゲームで揃えられちゃうという死角ナシの最強打法で、割の高さを最大限活かすという意味でも当時のスロッターの大部分がこれを用い、ひたすら右リールに赤7狙いまくっていたものだ。
ただコレをやると演出が死ぬ。特に可哀想なのがバトル演出で、多くの場合リーチ目が出現したゲームでバトルに発展し、勝敗の行方が表示される前にはとっととボーナスが揃えられていた。
まあ液晶演出を見ながら楽しく打つ……とかいう時代でも無かったんでみんなあんまり気にせず高速消化してた気がするけども、それに関してはオイラも例外じゃなかった。なんなら最初に打った日からいきなり逆ハサミで始めたんで、特に液晶を大きくしたバージョンである「オオガメラ」に関しては順押で消化したゲームって1ゲームも無いかも知れない。へへ。
でだ。
オイラ今まで黙ってたけども、この「ガメラ」にはちょっと謝らねばならない苦い思い出がある。実はオイラ、ガメラは映画「ゴジラ」の中で敵として出てきたキャラだと思ってたのである。しかも割と最近まで。これド真ん中の世代の人にはブン殴られそうなのだけども、すんませんマジです。なんならパチスロ打ちながら「液晶バトルすっ飛ばしてるから分からんが、たぶんゴジラもたまに出てきてんだろうな」くらいに思ってた。ほんと申し訳ないけどガチで。
……ご存知の通り「ガメラ」と「ゴジラ」は完全に別シリーズで、なんなら会社も違う。前述の如くゴジラは悪役なのだけども、ガメラは地球の守護神である。性格もコンセプトもぜんぜん違う。共通点はデカイ事と緑色であることくらいだ。今となっては分かるのだけども、なんせ当時オイラは若かったし、世代的にホットスポットではなかったのだ。
逆ハサミ。逆ハサミ。ハープ音。あの頃は毎朝ガメラを高速で消化しながら、こう思っていたものである。
ああ、どうせならビオランテも出てこねぇかなぁ。と。まあその前に幾ら回した所で、ゴジラすら出てこないんだけどもね。
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- あしの
- 代表作:インタビュー・ウィズ・スロッター(稀にパチンカー)
あしのマスクの中の人。インタビューウィズスロッター連載中。元『セブンラッシュ』『ニコナナ』『ギャンブルジャーナル』ライター。今は『ナナテイ』『ななプレス』でも書いてます。
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うそん、配信あるんだ……! 見ます!
メディアならほぼ定価ですね。
いつもワゴンに入ってないか探してしまいます
え、あるんすか! マジカ……。とはいえプレミアついてそうすね……。
ガンヘッド、今見たら絶対おもしろいと思うのですけども、確かソフト化されてないんですよねえ……。マジで見たい。ジェロ!ニモ!の前に、まあまあ中盤でストーリーについていけなくて子供の頃は駄目でした。ただガンヘッドが起動してからはうひょ~ってなって気がします! コメントサンクスです!!
シンゴジラも良かったですが、ゴジビオこそ至高であり究極かと思っています。
ただ言わせてほしいのは
ガンヘッドは面白かったですよ!
小説版でやっと補完されますが、あの時代の特撮としては素晴らしい出来です!
ジェロ!ニモー!は意味わかりませんでしたが。
コメントありがとうざす! ビオランテ、最初見た時ほんと面白かったーー。名前もかっこいいですよね。造形も今確認するとなかなか特殊でイカしてるし、これはパチスロ化希望と言わざるを得ません。出たら並んで打ちましょう!
平成シリーズで唯一、ゴジラと引き分けと言える戦いだったなぁ。
小高恵美さんも好きでした(笑)