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今あるものから無い景色をつくる
今あるものから無い景色をつくる
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mareさん
めあです よろしくお願いします - 投稿日:2024/05/24 00:08
0.
はじめに
パチンコ・パチスロを打ち始めてそろそろ20年くらいになるが、あまり不満を感じたことがない。ドギツい規則のハードルを飛び越え、時にくぐり抜けたりして楽しい台を投下し続けるメーカーの開発者にはただただ頭が下がる。
他方、以前に比べると打つことをあまり友人に勧めにくくなった気がしている。少しそのあたりから考えてみる。
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数年前、家から自転車で少し行った先にあるホールがなくなった。設備はくたびれていたものの、とても居心地が良かったことを覚えている。
午前中に思ったより連チャンし、浮かれて行くホール向かいの焼肉屋のランチはとても好きだったのにホールが無くなってからは全く行かなくなった。というよりその町に寄り付かなくなった。
大きくてきれいなホールも好きだが、窮屈さを感じてしまうことがある。いたれりつくせり過ぎるというか…
前に読んだ青木淳という建築家の著作『原っぱと遊園地』を思い出す。
…住宅という場所において、いたれりつくせりさは住む人の行為や感覚を拘束してしまう。あらかじめ行動・用途が決められていることはそれだけで窮屈に感じさせてしまうのではないか…といった風な記述があった。
もちろんホールは住宅ではないし(住んでみたいが)、いたれりつくせりであることはなんら悪いことではない。だけどもう少し無遠慮な店もあって良い。
今のパチンコ・パチスロをなんとなく勧めにくい理由は、変な店(もちろん良い意味で…)が少なくなり、店のタイプの振り幅が小さいことにもあると思っている。
計算された大きな美しい店も良いが、体を横にしないと通れない路の狭さだとか、崖みたいな階段とか、逆らったら私の明日が無さそうな強面のスタッフが山ほどいるとか…そういう店もあってほしいし、そういう店にも連れていきたい。
私は台だけではなく、店…さらに言えばその店がある町をひっくるめて好きだったという事に、店がなくなる度に気付かされた。
無くなったものを嘆いても元に戻らないので、今ある物や事を参照しながら、まだない風景を作るというイメージで私がこれから見たい景色を書いてみる。色んなホールや町に行きたくなる、連れて行きたくなるための方法を探したい。台・店・町について分けて考えていく。
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a.
台について考える
5号機完全撤去より少し前にみなし機が消えた時、どの店に行っても同じ品揃えになった時のつまらなさを覚えている。どこ行っても同じなら、色んな店に行きたいという気持ちは減る。旅先ふと立ち寄ったホールで、いつも見かける台に安堵し、見たことのない台にワクワクした事は今でも覚えている。とはいえ1から機種を作るのは現実的ではない。
品揃えの多様さは台に少しのアレンジを加える事でも生まれうると思っている。
a-1.
◆地域に根ざしたPB機
ダイナムが先導するごらくシリーズを例に上げる。
PA満開昔ばなし天まで届け100ver.GOでは、大当たり終了画面で一枚絵が現れ、設定示唆をおこなっている。ダイナム社内のコンペで選ばれた絵とのことで、シンプルなゲームフローの台を彩るアクセントになっていた。
https://www.dynam.jp/pb/machine/mankaimukasibanasi/
これを参考に、ゲームフローには関係のない部分、例えば大当り中の曲やアイキャッチ・終了画面に、特定の地域でしか聴けない/観られないものを混ぜてみてはどうか。
その地域のアーティストに依頼したり、あるいは小規模なコンペ形式でも良いかもしれない。その地域にしかない台は、写真におさめたくなったり、少し触ってみようという気持ちにさせると思う。
a-2.
◆パネルを変える
また、パネルが違うだけでも雰囲気が大きく変わる。沖7し~さ~ば~じょんの例を上げる。
https://pachiseven.jp/machines/6406
↑テンガイのマスコット、ライテン君パネル。他にもオリジナルパネルがあるそうです
見た目だけの多様さでも足を止めるきっかけになると思うし、一度当ててみたいという気持ちにさせる。店の外で見かけないオリキャラがいるパネルはパチンコ屋にしか出せない不思議な良さがある。
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b.
店について考える
最初に書いた、自転車で少し行った先のホールに通うようになったのは引っ越してきて3年経った頃だった。もっと早く出会えたらと後悔している。少し足を伸ばしたところにあるホールに理由無く行くのは億劫に感じる人も多いと思う。小さな動機をつける方法を考えてみる。
b-1.
◆位置ゲーム的なアプローチ
INGRESSというゲームアプリがある。
https://ingress.com/
簡潔に言えば青チームと緑チームにわかれて世界中で行う陣取りゲームである。町のちょっとしたモニュメントなどが有志によって申請され、拠点になっている。
相手の拠点を破壊して陣地を広げていく楽しさもあったが、私が好きだったのは小さなモニュメントを目指している時に普段通らない路地に迷い込む事だった。
暮らしの動線から一歩外れたところにこんなところがあるんだ!という楽しさ。それは見知らぬ街の景品交換所探しが妙に楽しいのと似ている。
b-2.
◆ミッション埋め、データに残すことの楽しさ
他にもマイスロ・ユニメモでミッション埋めを好きな人が多いことにも意識を向けたい。数枚のロスを頑なに嫌がる人ですらミッション達成のためならロスを許容する人は多い。また、閉店まで打ち切ってその日のデータを見ながら一人で酒をのむのも楽しい。
日本の全てのホールが拠点となっていて、ホールに入った時にチェックインするようなアプリがあると楽しいのではないか。来店回数や、レアな機種を集めるミッションがあるとか…
目的があればボーナスを揃えない事を選べる人なら、家から少し離れたホールに向かうきっかけになると思う。もしくは出先でアプリを見た時に店の存在を発見し、少し寄り道するきっかけになる。記録に残す楽しさはいろいろな店に行く理由になると思う。
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c.
町について考える
町が暗すぎる、と感じる。
コロナ禍のダメージは未だ色濃く残っており、繁華街の中でも明暗のコントラストが強く感じられ、暗い所は余計に暗く感じてしまう。ホールは町の灯りになれないか。
c-1.
◆スマパチ・スマスロの自由度に期待する
スマパチ・スマスロは様々な什器から自由になり、これまで難しかった小さなホールの出店が可能になった。現行の機種はピーキーなものが多いため適していない気がするが、いずれ出る(出ますよね…?)低投資でちょっとした時間に遊べるような機種で構成された小さなホールは、町の灯りになりえると思う。
加藤秀俊の40年前の著作、『パチンコと日本人』に於いて「パチンコは任意の時間を個人が自由に切り取って楽しむことのできるゲームである」という記述があった。現行機は朝から晩まで殴り合える人のほうが勝ちやすい台が多いためそう感じにくいものの、数千円でちょっと遊べるような台は、指摘されたような楽しみ方に合致するのではないか。いろいろな遊び方・向き合い方があったほうが良い。
c-2.
◆街灯としての小さなホール、それが密集することで新しい風景が現れる事
点在した小さなホールが暗い繁華街をほのかに明るく照らす灯りになれたら、風景も楽しいと思うがどうだろうか。例えば杉並区西荻窪の戎という居酒屋のように路地に小さなホールが点在して地域を彩っていたら面白いと思う。
負けた際は、この灯りは俺が金を払っている!みたいな気持ちになれて、町への帰属意識もいくらか持てる気がする。
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d.
終わりに
これらは各々が連動している。
その地域にしかないPB機や、小さなホールは町の独自性・帰属意識を高めるだろうし、位置ゲーム的な楽しさは、小さなホールを見つけたり、知らない町に迷い込む手助けをする。
また、ミッションを埋める感覚でパネル違いやPB機を集めるのは楽しいと思う。
大きなホール、変なホール、それに加えて小さなホール。色んなホールがあったほうが絶対に楽しい。そういった景色を見たいし誰かを連れていきたいと思っている。
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mareさんの
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このコラムへのコメント(8 件)
コメントありがとうございます!
ペガサス、7図柄といいエマ特有の小さいマックスベットといい我々の体質をくすぐるポイントが満載でしたね…
私は主に交通機関で移動していたので、ダストさんがロードサイドの店舗にルパン探して友人と打ちに行った描写を読んで心底羨ましかったです、良性の心の病なので添い遂げてください!
自分も珍台を愛してしまうという困った体質の持ち主なので、5号機のペガサスが置いてあること以外に取り柄のない店に足繁く通っておりました。
4号機のころは、旅行の目的がパチスロでした。北海道、金沢、広島、兵庫にパチスロを打つためだけに行きました。心の病を抱えていたのかもしれません。
コメントありがとうございます!
ホールがあるというだけでその町には替え難い価値がありますね
ホールの思い出と紐づいた飲食店の記憶の定着率は異常…
コメントありがとうございます!
ピーキーな台でしか得られない楽しさもありますが、毎ゲーム丁寧に打てる楽しさもまた他では得られない楽しさですよね
色んな遊び方を知れて、自ら遊び方を見つけられるようなそういう場所であり続けてほしいです
コメントありがとうございます!
すっかり失念しておりましたが南阿佐ヶ谷で見かけました、左右でキャラ違うのも良いなと思った記憶があります(ジャンジャンパネル)
色んな店のオリパチ見たいですね…
(若く歴が浅いので昔との比較は出来ませんが…)
演者やライターの動画/コラムを見るとさも収支や勝ちにこだわるものが多いですが、
そうじゃない遊び方ももっと広まってほしいな…と思ったりします。
それこそ台の面白さとか、ホールから生まれるコミュニケーションとか、身の丈に合ったレートで心に余裕をもって遊べる環境とか、ですね。
沖7BLACKはジャンジャン系列(主に北関東)とかでも亜種パネルを見かけました