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②パチ屋にまつわるお金の流れ
②パチ屋にまつわるお金の流れ
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アリオリ侍:Reさん
がんばった - 投稿日:2022/11/21 21:55
前回→ https://pachiseven.jp/columns/column_detail/19604#contents
・「知りたい」のハードル
パチンコホールで負けたとき、
あなたが使ったお金がどこへ流れて行くのかを、
考えた事がありますか?
サンドに飲まれ去った幾人もの諭吉、樋口、野口たち。
彼らがいったい、どんなふうに「ドナドナ」されてしまうのかを、
あなたは知っていますか?
(ドナドナの本当の意味をご存じない方は、こちらをどうぞ。
内容が正しいのかどうかは不明ですが…)
https://www.worldfolksong.com/popular/dona-dona.html
-----
「アカシックレコード」ってあるじゃないですか。
宇宙の全ての事象や真理的なものが記録されている的な概念的なやつ的なやつです。
仮に、そういった「アカシックレコード」的なものが実在するとして。
あなたがそれに簡単にアクセスできて、
何だってすぐに調べられる環境があったとして。
僕らパチンカスは、「アカシックレコード」をどれだけ活用できますかね?
とりあえず、今日の良釘台や高設定台を特定してみます?
それともいっそ、競馬競輪競艇でひと財産築いちゃいますか?
アカシックレコードが未来予測まで出来る様な代物なのかは、知らんですが。
ともかく、そんなたいそうな代物があったとしても、
ワタシは使いこなせる自信がまったくありゃあしません。
だって、人間って「知りたい」と願った事じゃないと、
知る事ができないんじゃないかって思うんです。
基本的には。
たとえば、普段あなたが使っているボールペン。
そのボールペンの材料が出来上がるまでや、材料をどんなふうに組み立てているのかとか。
それをどんな人たちが作業し、どんなふうに運搬し、店頭にならび、あなたが買ったのか。
アカシックレコードが実在したとして、
あなたはボールペンについて、わざわざ事細かに調べますでしょうか?
……あなたが普段身に着けているもの、食べているもの、遊んでいるもの。
あなたの友人、兄弟、親戚、同僚。
仲の良い掃除のおばちゃん、ごみ捨ての時によく挨拶する美人の若奥様。
あなたを包む無数のひと・もの・ことは、
そのさらに無数倍の無数を内包しています。
だからあなたは、無数の「知らない」に囲まれながら、毎日を過ごしているわけです。
それらについて「知りたい」と思う事それ自体の敷居が、
まずもって高いと私は思うのです。
そして現実にアカシックレコードはありませんので、
美人の若奥様のおパンツの色を知りたかろうがどうだろうが、
残念ながら本人にしか分からない事物なのです。
(夫とは最近ご無沙汰な設定という神配慮)
ところでボールペンは知りませんが、鉛筆はポディマハッタヤさんが作っておりました。
2021年に亡くなりました https://www.yomiuri.co.jp/world/20211225-OYT1T50096/
物事を「知る」ためには、
【興味を持つ】→【調べる・体験する】→【理解する】
といった流れが王道です。
分かりやすく若奥様で例えてみますと、
【奥様のパンツの色が知りたい】→【口説き落とす】→【いけませんわ夫が帰ってきてしまいますわ】→【(完全に把握した)】
はい、まさに王道ですね。王道の4段活用です。
アリオリハベリの様な変格活用ではありません。
しかしこれはあくまで王道であって、王道以外の方法もあるにはあるのですが。
それはまた後話で言及したいと思います。
いまここで注目して頂きたいのは、
「知る」に至るまでのハードルの高さです。
私たちを囲む無数のひと・もの・ことの中から、
何かしらに興味を持つというだけでも、とても凄い事だと私は思います。
けれども、興味の対象に迫っていくためには、行動が必要です。
そして私たちは、ほとんど無意識のうちに、行動の結果を推し量っています。
たいていの場合、そのあまりの困難さゆえ、
いとも簡単に諦めてしまう事に私たちは慣れてしまっています。
この文章を読んでいる貴方が、
美人の若奥様を口説き落とせる確率はいかほどでしょうか?
それが限りなく0%に近い事は、
きっと貴方も分かっているでしょう。
だから貴方は、美人の若奥様のおパンツの色を知る事など、一生無いのです。
そう、一生ね。
もしも聞かれれば、おパンツの色を「知りたい」とあなたは答えるかもしれませんし、
美人の若奥様に「見たい?」と尋ねられれば「見たい」と答えるでしょう。
そこまで言われたら私だって当然ありがたく拝見しますよ。
けれどもあなたは、
日常的に「知りたい」というスタートラインに立つことすらないんです。
ホントは「知りたい」「見たい」という欲求を、
心の奥底でひっそりと抱えているにも関わらず。
そのことに気が付いてしまうと、辛く苦しくなってしまうから。
あぁ~あ、くやしいね。
おパンツ見れなくてとってもくやしいね。
そしてそんな若奥様のおパンツの色と同様なのが、
サンドに飲まれ去った幾人もの諭吉、樋口、野口たちのドナドナです。
「ハードルの高さ」という意味において、両者は同じです。
(知る事の意義深さは前者が遥かに優っていますが)
あなたが汗水垂らし、時に涙だって流して手に入れた金札です。
その諭吉たちをいかにあなたが愛していようとも、
単なる客である私たちに、彼らの行く末は知る由も無いのです。
貴方が若奥様のおパンツを愛していようとも、
どうやっても知りようが無い事との「ハードルの高さ」は同じなのです。
……そうですねぇ。
どうしても諭吉たちの行く末が知りたいというのであれば、
まずはそのホールの店長を口説き落とす所から始めるべきでしょう。
-----
・投資と費用
枕が長くなってしまいました。
そんな訳で、今回のテーマは「パチ屋にまつわるお金の流れ」です。
冒頭からしつこくパンツパンツと荒唐無稽にすいませんでした。
なぜこんなにもパンツを連呼していたかというと、
僕らはパンツもお金も、とっても大好きだからです。
パンツは見たいし、お金も欲しい。
できれば、なるべくたくさん。
そんな悲しい生き物である私たちですが、
お金に対する強い執着はあっても、
自分が一度使ったお金がどのように使われていくかについては、
興味を持たない方がほとんどなのではないでしょうか。
それは自分自身にも言える事で、だからこそこの連作の記事を書くにあたって、
「パチンコホールのお金の流れ」をまとめてみたいと思いました。
その「流れ」は、文字で書いてもわかりづらいと思いますので、
とりあえず図にしてみました。
どうでしょうか?
『マイ諭吉を投資し、ノラ諭吉を回収する』
そんな私たちパチンカスの営みを仲介をしているサービス。
それがパチンコホールだという事が良くわかりますね!
(念のため補足しますが、3”店”方式はホール・卸・古物商の事です)
えっ、省略しすぎ?
真面目にやれ?
でも、普段の私たちから見えてる景色って、こんなもんじゃないでしょうか。
では、私たちが普段「見えていない」景色は、どんな光景なのでしょうか。
(参考サイト:http://www.ptb.or.jp/s_accounting_st.htm )
客からの投資を100として、
ホールの費用を(x)としています。
また、ホールで交換した特殊景品を、古物商で換金した額を回収(y)としました。
客の投資分よりも、費用(x)が大きかったらホールにとっては赤字。
小さかったら黒字です。
個人の勝ち負けを表現した図ではありませんが、
客側からすると、投資(x)よりも回収(y)が大きければ、「勝ち」となります。
ホールの費用(x)の中には、回収(y)が含まれます。
特殊景品は3店方式で卸問屋と古物商を通すので、
回収(y)に「手数料」を加えたものが、ホール側の実質費用負担となるはずです。
例えば1万円分の特殊景品を、客が古物商(ホールの傍で景品を交換してくれる窓口)に持っていくと、1万円で交換して(買い取って)もらえます。
しかしその1万円分の特殊景品をホールが仕入れる場合は、
卸問屋を通じて行うので、そこに手数料が発生するはずです。
でなければ、卸問屋はボランティアで古物商とホールの仲介をしている事となります。
手を尽くして調べたのですが、どの程度の手数料が相場なのかは分かりませんでした。
もしかすると手数料以外に卸問屋や古物商が成り立つシステムがあるのかもしれませんが、
ご存じの方がいらっしゃったらぜひお教えください。
「投資」「回収」というワードは、客側の目線で使われますが、
この記事を読む方には馴染みのある言葉だと思ってチョイスしています。
一般的には「投資=売り上げ」という表現になりますが、「回収」は代替表現が難しいです。
買い物に例えると「商品」、競馬や競輪だと「払い戻し」にあたるでしょうか。
「払い戻し」はともかく、「回収」を「商品」とするのは違和感があるかもしれません。
しかし考えてみてほしいのですが、
私たちは「値段以上に価値がある」ものを買うことって、良くありますよね。
逆に、人によっては「値段に見合わない」ものという事もあると思います。
これはパチンコの「勝ち負け」と、通ずるものがあるのではないでしょうか。
・パチンコホールの「費用」
さて、この図表の中でも特に注目して見て頂きたい点があります。
それは「費用の内訳」です。
多岐に渡るその必要経費の数々に、ぜひとも目を通して頂きたいです。
もちろんホールの規模によって、それぞれの金額に多寡はあると思います。
おそらく、大規模ホールと小規模ホールとでは、費用総額のゼロが2つから3つも違ってくるでしょう。
費用がどの程度の割合で振り分けられているのかにも、大きな差があるのだと思います。
パチンコホールを営業するには、とてもたくさんのお金が必要です。
ここに書ききれなかった費用項目も沢山あります。
特に「設備費」は挙げればキリがありません。
例えば、台と台との間を感染対策で仕切るアクリル板も、これに含まれます。
同じく感染対策で設置されている手指消毒用のアルコールは、
「運営経費」の消耗品に分類されるでしょうか。
ほかにも、台を打ち終わった後に、その台を店員が綺麗に拭いてくれる手間や、
メダルや玉を計数してくれるサービスも、
それらは店員の給料としてホールが負担しているものです。
ホールは、客が気持ちよく打てるように、お金も手間もかけています。
普段私たちが何気なく使っているものひとつひとつが、
ホールの金銭的負担で成り立っているのです。
この数えきれないくらい多岐にわたるホールの「費用」。
私たちがサンドに投入していった諭吉・樋口・野口たちは、
その殆どがこの「費用」の為に使われているのだと、
この図を見ていると簡単に想像がつきます。
私たちは普段、ホール側の「費用」について考えながら、
パチンコ・スロットを打つことは無いと思います。
しかし打ちに行くホールを選ぶ際は、
「トイレが綺麗だから」「台周りの設備が揃っているから」
「店員の対応が親切だから」などを自然と判断材料にしています。
判断材料となるそれらは、当然ホールの「費用」から捻出されています。
『あのホールのイスは座り心地が良い』とは思っても、
『〇〇万円くらいかかってそうなイスだ』とまでは考えないでしょう。
私たちはたいてい、無意識のうちにホールの「費用」を享受しているのです。
・集客
この記事を書くにあたり、
ホールの「遊技環境」を客側がどの程度意識しているのかが気になって、
アンケートを取ってみました。
このアンケートを見る限り、
1/3の方が「遊技環境」を重視しているそうです。
集まったのは202票です。私のフォロワーが多く回答しているとも思われるので、
当然偏りのある結果となっているかと思います。
しかし釘や設定にも勝る「実利」として「居心地」を求めている方が、
少なくとも一定数はいそうだという事が分かりました。
よく「台入替や設備、サービスのコストは極力減らし、なるべく設定を入れて欲しい」
などの声を耳にします。
たしかにこのアンケートでは釘や設定を重視する方が多数派ですし、
実際にそれらが良くなければ打ちたくないという層が主流なのだと思います。
しかしホールが集客するにあたって、
設定や釘だけに重きを置くことは、現実的ではないのでしょう。
特に大手は、設備やサービスにも力を入れ、
あらゆる層を集めているからこそ大手なのだと思います。
広告宣伝に投じる費用も、馬鹿にならないでしょう。
やはり大手のホールほど、広告による集客に執念を燃やしているように感じます。
現在、広告の出し方やイベントの在り方には、強い規制がかかっています。
来店イベントやSNSを利用した裏技(後述します)など、
あらゆる方法でホールは集客を試みています。
実際それに成功しているホールが、
このパチンコ不況の中を生き残り、しかも元気な印象です。
ではなぜホールは、集客にこだわるのでしょうか?
それは、パチンコ・パチスロの「商売としての在り方」に起因するのではないかと、推察しています。
パチンコ・パチスロホールの経営は、
必然的に客を「勝ち組」と「負け組」に分けてしまう商売です。
客の多くが釘や設定を重視する理由は「楽しく遊んで勝ちたいから」、
あるいは「なるべく少ない投資で遊びたいから」といった理由が主でしょう。
パチンコ・パチスロが、競馬競輪競艇宝くじなどとも共通する
ギャンブル的側面がある以上、大多数の客が「勝ち組」にこだわるのは必然です。
しかし、競馬競輪競艇宝くじとは、大きく異なる点があります。
競馬などは主催者側の利益割合が事前に決まっているのに対し、
パチンコ・パチスロは、「ホール側がコントロールできる」という違いです。
・「勝ち組」と「負け組」
ホールは設定や釘のさじ加減で、勝ち組と負け組の数をある程度操作できます。
ですから「負け組」となった客は、
自分の敗因はホールのせいだという事にしがちです。
「勝ち組」「負け組」が生まれる構造を、すこし整理してみましょう。
この図で表現したかったのは、まず客には様々な人がいること。
そして投資額と回収の差によって、個々の勝ち負けが決定されるということです。
例として10タイプの客をカテゴライズしていますが、
実際にはかなりのグラデーションがあると思います。
そんな様々な層の客がいる一方で、
遊技した結果は「勝ち組」と「負け組」に分かれてしまいます。
そして「勝ち組」になりやすい客と、「負け組」になりやすい客も存在します。
それは技術や知識の差であったり、設定や釘の読み力であったりなのでしょう。
これを読んでいる大半の方が、「そんなのわざわざ説明しなくても分かっているよ」
と思っていらっしゃるのではないでしょうか。
しかしこの「勝ち組」が、どれくらいの金額で勝つのか?
どの程度の割合の人が勝ち組となるのか?
それらはホールの経営を考える上でとても大きな問題なので、
一度整理をしてみました。
そしてこれは、下図へとつながります。
この図では、客の「投資」のうち、
ホールがどれだけ客に「回収」させるかを「利益率」としました。
つまり、利益率が20%として、投資が100のとき、回収は80となります。
100と80の差である20が、ホール側の利益となるわけです。
多くのホールは利益をしっかりと確保するために、
目標としての「利益率」を毎日設定していると思います。
『月末なのに今月の収益目標に到達してないから、利益率を上げよう』
『今日は特定日だから利益率はマイナスにして、還元しよう』
『今月は連休もあって集客が見こめそうだから、その分利益率の平均を少し下げよう』
このようにホール側は状況に合わせて、「利益率」を調整しているのではないでしょうか。
パチスロでは、設定配分が「利益率」と直結しているものと思われます。
上図では、パチスロッターなら願ってやまない設定6を1台入れるために、
どれだけの設定1の稼働が必要かを説明しています。
機械割115%の設定6が1日稼働(8000回転)したとき、
予想される平均差枚数は3600枚です。
利益率を20%として上乗せしたとき、
4500枚をほかの台から補填しなくてはいけません。
最近の台は設定看破が容易なため、設定1の台が丸1日稼働し続けるのは、
よほどの人気台でなければ難しくなってきました。
設定1で機械割97.5%の台があったとします。
その台が半日稼働(4000回転)したとすると、
予想される平均差枚数はー300枚です。
4500枚÷300枚=15なので、
設定6を1台用意するためには、設定1が15台必要という計算になります。
利益率を考慮しなくとも、必要台数は12台です。
しかも、ちゃんと4000G回された設定1が、12台です。
設定1であっても、技術介入などによって機械割が100%を超えることも珍しくなくなりました。
そのホールの客層にもよりますが、
そういった「甘い台」はこの「12台」の中に入らないどころか、
ほかの台から補填をしなくてはいけないかもしれません。
このような「勝ち組」を「負け組」が支えるシステムは、
パチンコの釘においても同じようなことが言えると思います。
皆さんは、これらを意識しながらパチンコ・パチスロを打っていらっしゃるでしょうか?
『設定6ツモちゃったぜラッキー!』の裏に数多幾多の負けがあり、
その負けがなければ今打っているホールが成り立たないということを、
考えながら打っていますでしょうか?
『いやいや、そんなことないよ。いつも差枚数が客側プラスの優良ホールもあるよ』
そんな意見もあるかもしれません。
しかしそれは集客に成功し、利益率を極端に低く設定しても経営が成り立つからでしょう。
ホールが100万円の利益を上げたいと考えたとします。
お客が100人の時と、1000人の時とでは、
一人当たりの負担金額が万から千へと桁が変わります。
ホールが集客にこだわる理由は、ここにあるのだと思います。
すなわち、より多くの客を集めることは、
お客ひとりあたりの負け額を減らし、勝ち組の数を増やすこともでき、
それがお客の好感を呼び、さらなる集客につながるという循環です。
私はホール側の人間ではないので、確証を持った言い方はできないのですが、
おそらくほとんどのホールは、この循環を目指して経営しているのだと思います。
しかしそういった「成功」しているホールであっても、
さすがに「負け組」を一切なくす事はできません。
高設定を打つ人の裏には、かならず低設定を打つ人がいるのです。
------
・パチンコホールの「相場」
「養分」という言葉があります。
この言葉はよく、侮蔑的な意味で使われたり、自虐的に用いられたりします。
私は、この言葉があまり好きではありません。
これまで「パチ屋にまつわるお金の流れ」と題してお伝えしてきましたが、
それを調べていく過程で確信したことがあります。
それは、パチンコ・スロットで負けるのはごくごく普通の事だ、ということです。
そして、パチ屋で投資をするという事は、
スーパーでお買い物をしたり、ディズニーランドで遊んだりするためにお金を使う事と、
大差が無いのだということです。
「養分」という言葉の裏には、
「お金を吸い上げるホール」という観念があると感じています。
設定を入れない・釘が悪いホールへの侮蔑を暗にほのめかしており、
パチンコホールに対する嫌悪感や敵愾心を含み、かつ、煽っているとも受け取れます。
こういう事を言うと『ホールが必要以上に客から吸い上げることを容認するのか?』、
などと罵られてしまいそうです。
しかし私の考えでは、それは喫茶店によってコーヒーの価格が違うのと大差ありません。
ホールによって利益率が異なるのは当然でしょう。
コーヒーの値段は、ドトールよりもスタバのほうが高いですが、
同じように「スタバがぼったくってるのを容認するのか?」と批判をしますでしょうか。
ドトールとスタバ、両者がどう異なっているのかを想像してみてください。
コーヒーの質、サービス、立地、客席、内装、そして価格。
どちらかが間違っていて、どちらかが正しいなんてことはないはずです。
これはパチンコホールであっても、同じことです。
しかしただひとつ異なる点があります。
それは、客層が異様なほど「相場」に対して厳しいということです。
ここでいう「相場」とは、喫茶店であればコーヒーの平均価格です。
前述のように、コーヒーの価格は店によって様々です。
その価格は、いろいろな要因によって変化します。
しかしパチンコホールは、そのホールがどのような状況にあったとしても、
客から「相場」を厳しくチェックされがちです。
『特定日なのに設定がまったく入ってない』
『通常営業とはいえ1k使って10回転いかないとか』
『客入りはよかったけど、誰も箱を使ってなかった』
よくSNSで見かける定型文です。
私はこういった言い方を批判するつもりは、全くありません。
私がここでお伝えしたいのは、
”パチンコホールは、そのような構造の上で経営している”
という事です。
そのホールの、設置台のラインナップ、整備状況、サービス、立地、客席、内装。
それらを全てスルーするだけの力が、
「相場よりも価格が高い」=「設定や釘が入っていない」
という1点にあるという事です。
紹介したアンケート結果の結果も、約2/3が「釘や設定を重視」でした。
「釘や設定を重視」する人を引き留めるためにも、
「環境やサービス」を重視する人を呼び込み、
加えて広告宣伝でさらに多くの人をあつめ、
「相場」に厳しい客を満足させる。
その循環が上手くいっているホールは、「優良店」としてもてはやされます。
しかしこれまで説明してきたように、「勝ち組」を生むためには、
多くの「負け組」が必要という構図は変わりません。
また、ホールの利益が「負け組」から捻出されているという事実は変わりません。
ホールは利益をあげ、そのホールを維持・発展させる必要があります。
それは「負け組」のお金が元手です。
「負け組」は、ホールの維持・発展を支える役割を果たしているのです。
すべてのホールは、「負け組」によって成り立っているのです。
人気のホールとさびれたホールでは、相対的な「客全体の負け額」は(理論上)同じです。
客の人数が多いホールは、その分一人当たりの負けが小さくなるというだけの事です。
ただし、「人を集めるためのコスト」が「客全体の負け額」に加算されているであろう事は、認識しておいた方がいいと思います。
・業界の指向性
では、このテキストは「人気ホールにいったほうがいいよ」というために書いたのかというと、そうではありません。
「パチ屋にまつわるお金の流れ」がわかれば、
「パチンコ・スロットで”勝てる”なんていうのは幻想」なのだと分かるという事です。
『いやいや、俺は勝ってるよ』という人は、
自分の勝ちが、他人の負けという土台の上に成り立っている事を自覚できていませんので、
もう一度最初から読み返して欲しいと思います。
SNSを眺めていると”晒し屋”や”演者による『出玉がすごい!』”であふれています。
しかしその出玉の裏にある存在、すなわち「負け組」に思いをいたらせる行為を、
この業界は全くしてきていないのではないでしょうか。
依存症対策を謳って久しいですが、
このように「勝ち」を煽り続けるしか出来ない以上、
私はこの業界は衰退の一途を辿り続けると思っています。
……だって。
実態と乖離しちゃってるんだもん。
パチンコ・スロットで「勝ち」を煽る行為と、
Youtubeで情報商材を売りつける広告との違いが、
私にはよくわかりません。
「攻略法詐欺」なんてものが流行った事もありましたが、
私にとっては、その本質に大差がないように見えます。
もちろん、ほとんどの業界の方々が必死の想いと努力で、
パチンコ・パチスロを盛り上げようとしているのは存じ上げておりますし、
感謝もしています。
しかしみんながみんな、あまりにも単一な指向性となっている気がするのです。
------
・パチンコパチスロの敷居
いま、競馬が流行っています。
ウマ娘の影響があるのは間違いないです。
しかし、この記事によると、競馬人気はここ10年で成長し続けているといいます。
(https://toyokeizai.net/articles/-/499225)
ウマ娘のサービス開始は2021年2月であり、
コロナ禍の影響を跳ねのける要因にはなったかもしれませんが、
10年の成長をすべて下支えしたわけではありません。
成長の理由を記事内ではアレコレと述べていますが、
おそらく要因はひとつに限らず、複合的なのだと思います。
パチンコ・パチスロと競馬は、ギャンブル的側面が共通していると述べました。
しかし、今の競馬ファンは「勝ち」だけで馬券を買っているのでしょうか。
予想屋の煽りを真に受けて、馬券を買う人がファンの多数派でしょうか。
勝ち金額の上限という違いがあるとはいえ、
勝率で考えればパチンコ・スロットの方が高いといわれています。
それでも、いま競馬が流行っており、
偏見の目が少なく、一定の社会権を得ている理由はなんでしょうか。
また、今の時代に合致し、成長しているエンターテインメントは、
競馬以外にもたくさんあります。
コロナの影響が直撃したアイドル産業はどうでしょうか。
スポーツジムやフィットネスはどうでしょうか。
そういえば、タピオカと比べて唐揚げ屋はしぶとく生き残っていますね。
よく、バブル崩壊以降は「失われた30年」と呼ばれます(つい最近まで20年でした)。
ギャンブル産業は不況に強いといわれていましたが、
実のところパチンコ業界にとっても、この30年も縮小の30年だったという事は、
前回の記事( https://pachiseven.jp/columns/column_detail/19604#contents)を読んで頂いた方には分かると思います。
この業界が30年で失ったものは、いったい何だったのでしょうか?
なぜそれを失ってしまったのでしょうか?
それを取り戻すためには、どうすればいいのでしょうか?
それを知りたいと思い、調べ、行動し、実現させようという所まで行きつける人は、
この業界にいったいどれくらいいるのでしょうか。
もしも「アカシックレコード」にアクセスできたとして、
業界を盛り上げるための方策を知ろうする人は、どれだけいるのでしょうか。
……「興味を持つ」ことは、とても敷居が高い行為です。
なぜなら、無意識にその敷居の高さを自覚しているからです。
いくら「パチ屋にまつわるお金の流れ」を理解しようが、
あなたがサンドに突っ込んだ諭吉・樋口・野口の行く末は、
ほんとうのところ、わからないのです。
それよりか。
……それよりか、は。
パチンコ・パチスロを誰かに興味を持ってもらうのって、
それよりか敷居が低いんじゃないかって、私は思うのですが。
つづく。
-----
本日、スマスロが稼働しました。
そして約一ヶ月前、「晒し屋」に対して警告が出されました。
https://web-greenbelt.jp/post-65012/
10月末で6925店舗となりました。
https://web-greenbelt.jp/post-66140/
はじまるのか。
おわるのか。
4
アリオリ侍:Reさんの
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このコラムへのコメント(7 件)
シリーズ、より一層楽しみになりました!
あの現実世界と隔離されつつも、ネット上の付き合いとはまたちがう感覚が良いんですよね。
そういった空間って、本当に絶妙なバランスで成り立ってる事が多いと思います。私は何度も失ってきました。
一方で、自分で自分の楽しみ方や居場所を発見できる人って、ほとんど居ないと思っています。しかし人がそんな変化をするに至るきっかけって、ほんの小さな出来事が殆どだと思っています。
だから、人に伝える言葉や態度って、ささいな事でも本当に気を配らなくてはいけなくって。それは、発信力のある人ならばなおさらだと思っています。
永井先生が幾万人に言葉を届けて、どれだけの人に変化をもたらしたかわかりませんが、すくなくともmareさんの人生を大きく変えてしまったのだと思います。
いまこの業界には大小さまざまな「永井先生」が居る訳ですが、このシリーズの④と⑤では、そんな彼らの事を書きたいと思っています。
名前も連絡先も知らずに数年過ぎてたりするような特有の距離感が心地よかったりしますよね
打たない友人が興味を持って一緒に行ってみたいと打診してくれることはありますが、お金が減るとは思ってない事が多いです、スロットパチンコそれ自体に興味を持ってもらう技術を私は未だ持ち合わせていないです
自分の場合どうだったかと思い返すと、永井先生(で通じるでしょうか)が放送で心底楽しそうにスロットの話をする姿(クソ負けしながら)を見て興味を持ち今に至ります
輝いて見えましたね
好きな場末のホールで一番騒がしいおばぁちゃんが数カ月来てなくて、ホール自体が元気なくなっているように感じたことがありました。10ピースに満たないパズルみたいなもので、一人でも欠けると雰囲気は失われてしまうのだなと実感したのを覚えています
今は元気に復帰して騒がしいですが、当たり前の環境ではないのだなと肝に銘じるようにしています
まとまりがない文章で失礼しました
自分もかつてはギラギラしてましたが、いつの間にかそんな情熱すらどこかへ行ってしまいました。
設定2くらいが癒しっすよね。わかります。
ゲーセン通いからスロッターになった自分としては、共感しかないですね……。ゲーセンコミュニティ的な側面は、小さいホールでよく見かけますね。人の居場所って、お金で計れない価値があると思うんです。でもそれを維持できなくなってる現実があるのがとても悲しいです。
※Alisaはノーマル機の設定2をパンチィーと表現しております。
※足立さん:最強伝説黒沢より
「個人の勝ちへの執着が少ない」方に興味を持ってもらうには、ホールの既存のコミュニティへ魅力を感じてもらうのが良いのではないかと思いました
ゲームセンターの小さなコミュニティのような、行けば誰かいるかもといったものです