元ギャンブル依存性の少しだけ下品なコラム ②

マイホールがオナニーホールではなくパチンコホールに変わった16歳の夏、中古で買ったスーパーフォアをフルスロットルで走らせて、覚えたてのスロットを打ちに毎日、低貸し専門店に通っていた。

開店5分前には到着し、いつもパジャマ姿でボサボサ頭に病院から抜け出してきているのか、もしくは盗んできたのか緑のスリッパを履いているお兄さん、リストラされたことを嫁に打ち明けられず、時間を潰しているのだろうか、いつもスーツ姿のおじさんなどの、常連の後ろに吸い込まれるように列をなす。

当時はスロットに設定があるなんて露知らず、気合いを入れて強打をすればゴーゴーランプもハナハナも光る、光らなければ気合いが足らなかったからだと信じ、毎日小指が腫れるまでレバーを叩き、腫れた小指を真っ直ぐに伸ばせなくなっていた僕を見かねた知り合いが、スロットには設定があることや、気合いを入れて強打しても意味がないこと、この店のハナハナには、いつも設定4以上が4つ角のどれかに入っており、4分の1で勝てる事を教えてくれた。

それからは開店と同時に角のハナへ一直線。

3日連続で6千円程勝ってしまい自分はプロなんだと錯覚した僕は、入り口にあるプロお断りの看板を見ながら、なるわけのない出入り禁止に怯えて打っていた。

5スロのハナを朝から並んで打つ奴なんて、指名料をケチり、フリーでお気に入りの風俗嬢になんとか入れないかと、店員に取り繕ってもらおうとするスケベ乞食か、僕くらいなものでライバルは皆無のため、2週間ほど続けていたのだが、勝金が3万円程貯まった頃、数千円勝って帰る毎日に飽きがきており、20スロでやれば月に12万円は勝てるじゃないかと戦場を近所の大型ホールに移した。

店の癖も、そもそも設定が入っているのかもわからないけれど大丈夫、僕はプロだから。

それからは連日、誰にも教えて貰っていない謎のハナハナ朝一200ゲームカニ歩きをして、せこせこ5円スロットで貯めたお金など直ぐになくなり、吹けば飛ぶような貯金も底をつきた。

それでも大丈夫、僕はプロだからと、とにかく軍資金さえあればまたすぐに増やせると、手っ取り早くお金を稼ぐ為に、悪友と一緒に悪事を働き、特別な施設に収監される事になってしまいました。

それでも大丈夫、なんて言える元気もなくり、僕はプロではなかったと1000ゲームを超え、いつ光るのかわからないハナよりも深く檻の中で反省しましたとさ。

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