ゲイバーの話

今日は会社で会議。








会社から帰ると彼女が出迎える。









私は、約半月温め続けた作戦を実行した。

















「今週の土曜、出張になった。泊まりで。」








「いや、会議でさ、社長から学会とパーティーに出てこいって言われてさ」












「マジ行きたくねぇ！ほんと行きたくないわぁー」






















はい。



ということで、彼女の許可もとれました。







オフ会のためには愛する彼女すら騙す

この清々しいほどの外道っぷり。






もじゃ王です。みなさまいかがお過ごしでしょうか。














昨日、テレビを見ていてある出来事を思い出しました。












それは私が一人暮らしをしている時の話











先日のコラムでも登場した


腐れ縁の旧友



と呑みに出た時の話。










元々、私が地元を離れる形で旧友とは少し距離を置いた関係になってたのだが





それでも毎月1度は必ず一緒に、
どちらかの土地で呑みにでていた。









そんなことを続けていた時、昼間の仕事中、





珍しくその旧友から電話があった。








お互い昼仕事をしている関係上、昼間の電話というのは珍しく、





「こんな昼に…？」









と思いながら、電話にでた。








すると、興奮気味の旧友が











旧友「いや、これホントに実話なんだけどさ」





私「なんだよ？気持ち悪い。早く言えよ。仕事中や。」
















旧友「おれ、転勤で、もじゃ王の近くの店舗に異動になったわ！2週間後に！」










私「は！！？」












と思いがけず、伝説的なクズコンビの復活が確定した。






お互い、気の知れた仲だけに





2人が揃う



ということが何を意味するのか言わずもがな分かっていたわけで、








旧友が異動してきてからは




それこそ平日、休日問わず呑みにでた。








仕事が終わると、先に終わった方のアパートに集合し






一度パチンコを挟んでから、










勝てばキャバクラ





負ければ居酒屋





というコースがいつものお決まりと化していた。











今思えばよくお金が続いたなと思うが







金は天下のまわりもの




という格言の通り、






不思議と夜のマチでお金を使えば使うほど






パチンコの勝率もあがった。





そんなバブリーな日々を過ごし、毎日のように呑みにでていると、たまには違った刺激も欲しい。









そして2人で協議した末の結論が












今日はゲイバーでシャンパンを入れる。





ゲイの支持率が高い方が勝ち




負けた方が代金を支払う。









方法は問わない。





という遊びだった。









ただ、この勝負、ほとんど出来レースのようなもので






その旧友は






自他共に認めるゲイキラー。








筋肉質の身体に






地元では警察にガチでブラジル人に間違えられるくらいのホリの深い顔





そして短髪黒髪のドS。







まぁ自分は負けるだろうなと。








ただその時はお金に余裕があり、代金は出せるほうが出すというスタンスだった私達にとっては








そんな勝負の勝ち負けはどうでもよくて、






ほんとにただその日が楽しければよかった。










そして、マチに繰り出し、目に付いたゲイバーに入る。







と、まずは超絶ゴツいお兄様、もといお姉様がお出迎え








あまりの迫力に圧倒されながら席に座ると








今度はそのお姉様が、更にゴツいお姉様を連れて着席。












私も身長は180cmほどあるが






その2人は、確実に私のことを見下ろしていた。









そしてなによりゴツい。



好きな機種TOP3ではないが、身体はまさに前田慶次である。








ほんとに駆け引き抜きで、









シティーハンターの冴羽遼と海坊主かと思った。











そしてやはり、ゲイはトークと言わんばかりに






海坊主の方が色々と下ネタを交えて畳み掛けてくるのだが









冴羽のほうが、ピクリとも反応しない。




時折愛想笑いをするくらいで、





トークにはまるで参加してこない。








海坊主から話のネタを振られ、私と旧友が膨らませ



それから冴羽にトスしてもまるで的を射止めてくれない。











どうしたものかと。










ゲイバーのゲイからトークの面白さを抜くと





まるでシャイなゲイの同級生とバーで呑んでいるような気分になってくる。






決して良い気分ではない。











シビレを切らして、私が、






なぜ全く喋らないのか？

と




問いかけようとしたその時、











その空気を察してか、海坊主のほうが冴羽に尋ねた。









海坊主「あなた、今日おかしいわよ？それでお金貰おうと思ってるの？」








海坊主、ちょっとキレ気味である。









海坊主がそれまでとは違ったドスの効いた声で喋ると







一気に場の雰囲気が変わった。




しかし、冴羽はまだ喋らない。









海坊主がさらに




海坊主「今日のあなた、ほんとにおかしいわよ？いつもはもっと喋るじゃない！お客さんに対して失礼よ？」



と畳み掛けると、






おもむろに、冴羽が海坊主に対してゴニョゴニョと耳打ちした









同時に海坊主が大爆笑。








全く状況がつかめない私達2人。







と、海坊主が









海坊主「この子、もじゃ王さんのことが本当にどんぴしゃのタイプで、同じ場にいるだけで恥ずかしくて喋れないんだって！！乙女だよねー！！」
































もじゃ王、ゲイからのリアルな支持を得て、まさかの旧友に勝利。









そして







海坊主「できたら、本当に今度遊びたいらしいんだけど、もじゃ王さん、いきなりこんなこと言われても迷惑だよねー！」






私は非常に困惑した。







見た目は冴羽遼、心は乙女。




法的な性別は男性だが、スピリチュアルな部分では女性。







どう答えるべきか…と。


外見とは対照的にガラスのハートを持っているとなると下手に可哀想なことは言えない。








しかし、だからと言って、冴羽のハートを撃ち抜くようなセリフなんて言おうものなら、このままこの海坊主と冴羽遼という暗黒街のツートップに、自分のバージンを奪われかねない。












約3秒間の間に、色々なパターンをシミュレートした結果









私「うーん…今日は初めてだし、また今度きた時にね！」





間髪入れずに旧友が




旧友「やべっ！前の店に携帯忘れた！取りに戻ろ！ごめん、悪いけどチェックで！」










と、絶妙なキラーパスを決めてくれた。



さすがは腐れ縁の旧友である。









やはりもつべきものは友。















もちろんそれ以来、ゲイバーには入っていない。







刺激はパチンコだけで十分。












やはり、男の嗜みは





酒とギャンブル、そして女であることを認識した夏の話でした。

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