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覚えているかいと自分に問う
覚えているかいと自分に問う
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YSDさん
- 投稿日:2019/10/08 22:52
N県M市、僕はそこで産まれた。
幾度かの合併を経ても止まない人口の減少に悩む一般的な市である。
しかしM市には他より少し特殊な傾向があり、パチンコ屋の店舗数が人口に対してとても多いのだ。
日本地図でも上の方に位置し、寒い時は身が凍る程寒いし、娯楽と言える娯楽がスーパー併設のゲーセンとカラオケくらいしか無いので、僕含めやる事も無い大人達が向かう先と言えばパチンコ屋くらいしか無い為だろうか。
さて、そんな数多あるM市のパチンコ屋ではあるが、市にあるホールに何店舗も行った上でここは、と言う思い出のホールがある。
それはとあるチェーン(ここではDとしておく)の低貸し専門店だ。
このD店は他のチェーン店の様に寒色系の照明を使わず、暖色系の照明を使っている為、なんだか台に温かみがある気がする。
普段から一人でパチンコに行き、台と無言の会話を行なっている僕のような人間には、血の通ったように見える台は話しかければ答えてくれそうな気がするので、いい事かどうかは分からないが台への没入感が強まるのだ。
打つ人種も他のホールに比べても老齢が多めで、特にパチンコ離れが進んでいると言われている若者などは滅多に来ない。
勿論そんな中で人気なのは海物語で、老人達が画面をペタペタと撫ぜて魚の群れを流そうとしているし、当たれば知り合いであろう老人と寄り合い所の様に話し、喜んだり怒ったりするのだ。
そんな牧歌的と言うのがピタリと合う様なホールだけれど、僕がD店で一番好きな所はそこではなく“閉店時のBGM”である。
僕は普段パチンコに行く時、種銭が尽きたりしなくとも夜9時くらいになったら家に帰ってしまう。
何故かと言うと、閉店時間を気にしてしまいパチンコを打つ事に焦りが生まれてしまうからだ。
種銭が尽きそうで焦るのは良い、それもパチンコだと思う。
しかし閉店で終了と言うのは勝つ流れも負ける流れも全て途中で断ち切ってしまう為、自分の勝ち負けとは別の何かに流されてしまう気がしてあまり好ましく無いのだ。
だがしかし、D店だけは取り切れないリスクを考えず、いや少し考えて羽根モノやナナシーなど、連チャンし辛いものを打ったり、休憩所にいくつもあるソファーで漫画を読みながら時間を潰して閉店まで居座ってしまう。
その理由は一つ、閉店時のBGMがアース・ウインド・アンド・ファイヤーのセプテンバーだからだ。
郷愁を感じさせるこの歌が、パチンコを打ち続けて疲弊した身体に染み渡る。
何も成し遂げていないのに、疲労感が一仕事を終えた後の心地よいものへと変わっていく。
歌詞も♪Do you remember...、と一日を回顧させてくれるので締めとして完璧だと思う。
勝とうが負けようが、この歌を聴くとぽわぽわとした良い気分で帰宅できるのだ。
そんな訳で、D店は僕の思い出のホールであるが、この店はまだバリバリ営業しているし、いつだって閉店時にはセプテンバーを流しているのだ。
だからまた今度行ってみようかなんて思う、あの頃を思い出しに。
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YSDさんの
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このコラムへのコメント(4 件)
私がジグマってたホールの閉店時は、アンルイスのグッドマイラブと欧陽菲菲のラブイズオーバーが隔日だったなあ。
ちなみに、開店時はYMOのライディーンとテクノポリスでしたw
確かにそういったところもお店の個性や魅力に成り得ますよね。今、youtubeで久しぶりに聴きながらコメント書いています(笑)