あれは誰だ――

デビルマンに関して書いており、中には少しネタバレに近い事もありますので、現在、デビルマンを読まれている方はお気を付け下さい。

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現在のパチンコ、パチスロはタイアップ物が多い。
昔はここまで多くは無かったが、最近はパチンコメーカーがスポンサーに付いていたり、良い版権を使おうとしている。

私の場合、タイアップ物の台で好きになると原作を買い漁る傾向にある。代表的な作品だとあしたのジョーやシティーハンター、ＣＯＢＲＡなど――

その中でも飛び切り、私の琴線に触れたのがデビルマンである。

私はエレコの出しているデビルマンⅡが５号機の中でも戦国ＢＡＳＡＲＡ２と並ぶくらいに好きだ。当時、デビルマンを初打ちしたのが遅く、よく行っていたホールには一台しか残っていなかった。設定１でも甘い台だったので、設定度外視で打っていたのをよく覚えている。

デビルマンの良さはやはりあの世界観と無駄のない構成だと思う。

私はサイボーグやアンドロイド等の人間ならざる者が主人公の作品が好きである。デビルマンもこれに当てはまる作品である。

ただデビルマンの場合最初の方は、元々気弱だった不動明がワイルドな性格になり、闘争本能を抑えきれずに戦いを求めたりと、自らが悪魔になったという葛藤はあまり描かれていない。しかし後半は人間達が悪魔狩りと評して同じ人間を殺し始める、非常に狂った世の中へと変わっていく。そして明は人間達の醜さや凶暴さを目の当たりにしつつも、自らと同じ、人間の心を持つ悪魔「デビルマン」を集め、悪魔達と戦う。人間を、世界の為にと。

最終的には人間達の暴走により、明は絶望のどん底に落とされ、人間の為では無く、戦ってきた仲間、そして自分自身の生存のために戦う。

私は文庫版を持っているのだが、全部で５巻という短さ。それでいて一切の無駄が無く、読んだ者に物凄い衝撃を与えてくれる漫画である。「自らがデビルマンの世界に居たら果たして正常な判断が出来るだろうか」、「自分が不動明の立場ならどうしていただろうか？」と感情移入してしまう。それと同時に、今の世の中が人間の狂気と醜さで渦巻いていなくて良かったと安心する。悪魔では無く、原因不明のウイルスなどに置き換えてみると、現実世界でもデビルマンの世界のような事が起きるのではないかと思ってしまう。人間、そしてこの世界を狂おしいくらいに見事に描いている作品「デビルマン」。是非読んでいただきたい作品である。――ただ漫画が面白かったといって、実写版を見るのはやめた方が良い。最初は笑えるが、あまりの酷さに突っ込みが追いつかないので…

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