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ゆる調~パチンコパチスロゆるゆる調査隊~
2019.04.23
スロ専業ってどんな生き物なの? 専業歴20年・生涯収支億単位の男に聞いてみた。
パチ7をご覧の皆様。お元気ですか。あしのです。
いきなり私事になりますけども、筆者は今年でいよいよ40歳になります。男四十にして惑わず。不惑。結構インパクトがあります。20歳くらいの頃は漠然と「40歳になったら素敵な紳士になってるんだろうな」とか思ってましたけど、全然そんな事ありませんでした。なんも変わんないです。ちょっとだけハゲで、ちょっとだけ気胸が悪化して、ちょっとだけ老眼になっただけです。
そして「素敵な紳士になってるんだろうな」と思ってた当時の筆者は、多分『ドンちゃん2』とか打ってた頃なんで、スロッターである事すら変わってない。よく考えると凄い事です。20年続く趣味なんかそうそうない。凄いぜパチスロ……!
さて。今、筆者はパチスロの事を「趣味」と表現しました。世間では趣味打ちしてる私達の事を「エンジョイ勢・ファン勢」とか言うようですが、筆者なんかファン勢もファン勢、なんなら養分寄りのファン勢なんで当たり前ですけどめっちゃ負けてます。
去年は珍しく少しだけ浮きましたけども、基本年間収支はマイナスです。今年はもう1月の段階で6万負けたのでムカついて収支つけてません。生涯収支を考えるとちょっと怖いんですけども、まあ、あんまりぶっ込むタイプでもないし流石に4号機時代は勝ってたんで20年通算で500万負けくらいかな……? いや、もうちょっと行くか……?
で。一方でガチ勢という方々も居られます。
「勝ちに拘る」プレイをされておる方々なのですが、その中でも、パチンコ・パチスロで生活している方……いわゆる「専業」であるとか「プロ」と呼ばれる方々の中には、現在ライターとして活躍されてる方であるとか、YouTuberデビューされてる方とかがたくさんいらっしゃいます。専業時代の事を語ったりとかもあるんですが、いかんせん、直接お話を伺うチャンスはなかなか……。
みなさん、気になりませんか? 今回いよいよそれらを聞けそうな方が登場しました。パチ7の『ガチ勢たちの立ち回り攻略』を担当している「たろぅ☆」さんです。同じ媒体で物書きしてるわけだし、ここはもう気兼ねなくいろいろ聞いちゃいましょう!
というわけで今回は「専業」について調べてみました。果たしてどんな話が飛び出すのか。 どうぞご覧ください……!
▲専業歴20年のたろぅ☆さん
宮城県出身の元ガチ専業。リールが止まって見える系の3リール同時直視のリーダースキル持ち。専業15年・攻略プロ5年、パチスロ歴=専業歴というおかしな人。パチスロ漫画のモデルも経験。専業歴20年という経歴を経て、現在はパチスロライター・演者の道へ。基本マイペース、好きなパチスロは、クランキーコンドル・スーパーハナハナ・島娘30・うる星やつら2・5号機ハナハナ全部。趣味は寝る事。
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★生涯収支『億』単位。
編集長立ち会いの元、ICレコーダーを回しながらまずは軽く挨拶。初めてお会いした「たろぅ☆」さんは優しそうな顔をしたオシャレなお兄さんだった。もうちょっと怖そうな感じをイメージしてたけど、物腰柔らかで少々意外だった。雑談もそこそこに、まずは一番したかった質問を直球で投げかける。通算生涯収支は果たして──?
「生涯収支ですか……? どうだろう。コレくらいですかね……」
幾本か指を立てる。一瞬理解が出来ずに○千万ですか? と尋ねると、氏は「もう一個上です」と答えた。……『億』だ。思わず「プロ野球選手くらいあるじゃないですか!」という言葉が口から飛び出した。
「結局、年間500万でも20年で1億じゃないですか。あの時代(4号機時代)に500万なんて事はないので……。この稼業をずっと高いレベルで続けてる人は、僕なんかよりもずっと稼いでたりしますよ」
ふむ。冷静に考えてみればそうだ。例えばパチ7の編集長は過去に1年間だけ半プロ生活をしていたそうだが、週2~3回の稼働で月に50~60万の収支が出ていたらしい。筆者も大学時代、授業の合間にキンパルをハイエナし続けるだけで月に20万~30万程度は出ていたし、専業なら絶対それより行ってる。生涯収支○億円というのは、妥当な線なのかも知れない。
「普段の生活は質素ですよ。あんまり無駄遣いしないです。ただ家は買いました。あとは僕は車が好きで、それにはお金を使ってます。だから今手元には○千万くらいしか残ってません」
○千万でもとんでもなく凄いと思うけど、専業で20年続けてるのも凄い。ぶっちゃけ飽きるだろうし、その中で一定のモチベーションを保つのには、何かしら目標は絶対に必要だろう。氏にとってはそれが「車」であるそうな。確かに、筆者もそれに関しては無駄遣いだとは思わない。ただ漫然と続けるだけじゃあ、果たして何のための仕事か、分からないもんね。
「こんなに厳しい時代でも平気で結果を残してたり、もちろん僕以上に貯金してる人も居ます。でももちろん、辞めちゃった人も居ます。田舎に家を買って貯金だけで暮らすみたいな、なんだか亀仙人みたいな生活されてたり……。特に4号機時代に派手にやってた方は見切りも早くて5号機の初期にさっさと引退された方も多いです」
ちなみに、辞めた方々で会社員になった方は居ますか、と聞いた所「居るかも知れませんが、僕は聞いたことないです」との事だった。
「みんな亀仙人になるか……。あとはお金はあるんで、お店を出す人も多いですね。僕もやった事あるんですけど飲食店に投資したり。まあオーナーですね──。でも経営のセンスはみんな無いんですよ。だから長続きしない。大体の人が1年くらいで閉店してるみたいです。あとはFXで専業時代の貯蓄をガッツリ溶かした人とかも……」
★専業の心構え。『ギャンブルじゃない』
そんな「たろぅ☆」さんだけど、当時の実際の立ち回りについて聞いてみた。筆者みたいなファン勢と専業……ガチ勢との違いは、きっとその立ち回りに明確にあるのだろう。あるいは心構えであるとか、意識の高さであるとか。専業とは一体、どんな生き物なんだろう。
「最初僕は、モーニングで稼ぐ事を覚えました。初期のユニバ系はリール窓からインアウトカウンターの閉店チェックすれば、100%モーニングがツモれたので、本当に罪な奴でした……。そこからはクランキーですね。クランキーも設定1の出率がフル攻略で104%以上っていう所ばっかりクローズアップされてるんですけども、ちゃんとお店を選べば7枚交換だけどベースが高いお店っていうのがあって……。例えば設定発表の時とかにずっと数字を見てると、この店は1を使わないとか。なんなら3も無いとか。そういうのが分かってくるんですね。そういうお店で『6を探す立ち回り』をしてました。それで毎日等価で1を打ってる人よりは勝ってたと思います」
なるほど。この辺りの考え方は今の『ディスクアップ』ブームにも通じる所がある。1の出率が高いから、とにかくディスクアップ。これはこれで分かるけども、そうじゃないんじゃないか。氏の言うのはそういう事だろう。
「パチンコ・パチスロはギャンブルじゃないと僕は思ってます。だって運否天賦のサイコロじゃないですから。出る台は設定という形でお店が選べるんで、僕らはいろんな材料から判断して的確に選べばいい。商取引に近いです。極端な話、100台のうち1台しか6がなくても、自分がツモってしまえば全然問題ないわけじゃないですか。その自分でツモるための努力が効く、というのがパチンコ・パチスロが商取引に近いところだし、そこは大事にしたいです。1の出率ありきの立ち回りも否定はしませんけどもね。それより6の出率を見たほうが良くないですか?」
ちなみにクランキーを3年間ひたすら打ち続ける中、氏は『ダイバーズXX』における小役カウンターの減算値が『ニューパルサー』のそれと全く同じであることに気付いたそうな。
「あ、これ同じじゃんって。ふと気づいたんです。雑誌にはまだニューパルの判別手順しか載ってなくて、そっちはみんな判別してるんですよ。だからせっかく5や6が投入されてても安定して打てないんですけども、ダイバーズは誰も判別しないんで7枚の店だと毎日56が打てるんですね」
それからAT・ストック時代で貯金を増やしながら乗り越え、迎えた激動の5号機初期。筆者なんかこの時代ほぼ打ってないんだけども、逆に当時が一番美味しかったというガチ勢も多い。氏はどうだっただろうか。
「たしかに、このタイミングで辞めた人が一番多かったです。でも僕は全然良かったと思いますよ。少なくとも今より遥かに良かった。当時『リンかけ』『スパイダー』を中心に立ち回ってましたけど、3人でノリ打ちして119%を毎日1台取れれば安定して月収3桁は行くんで。むしろ変にリスクを取る必要がない分、非常に良かったです。ピンでも多分、上手い人ならもっと行けたと思うんですけども、僕はこの辺の時代はカタくやってました。そっから『新鬼』とかの時代になると全6とか末尾とが流行り始めて、また頭を使って稼ぐ時代になってきた。なので特定機種を追いかけるっていうのはなくなりましたね。6だったら変な機種でも打つ……その代わり出来るだけ毎日ツモる……みたいな。だから日当はあんまり変わらなかったです」
ああ、確かに居た。めっちゃ居た。当時の専業の人たちはひたすら『スパイダーマン』や『リンかけ』でノリ打ちしてた。この辺はダイレクトに見てるのでよく分かる。というのも、専業の人たちが皆それやってたんで異常に目立ってたのだ。そのくらい、カタい時代だったのである。
「今はリターンが少なくてリスクが高い。中途半端だとグラフの下がった所だけ打つことになるんで、平気で1500枚とか、出率以上に負けちゃう。専業と中級者との差もつき辛くなってて、並びであるとか、情報量みたいな、専業の強みがなかなか活かせない時代になってきてます。だからあとはもう頭を使った立ち回りでなんとかするしか無い。機械頼りじゃない稼働っていうのを意識して頑張っていかないと……。この辺は僕のレポートを読んで貰うのが早いかもしれません」
たろぅ☆氏のレポート:【ガチ勢たちの立ち回り攻略】
▲リンかけ、スパイダーマン時代は安定して喰えた
専業と中級者との差。という言葉が出来た。ではその「差」とはなんだろう。すこし突っ込んでみた。
「情報量。それとやっぱり人脈。専業仲間ですね。これは本当に大事だなと最初の5年くらいで気付いて、積極的に作るようにしてました。当時はまだネットもそんなに……でしたし、当然P-WORLDとかも無いわけですから。最低でもチラシが入る地域の店じゃないと設置機種すら分からない。当然その店に通ってる人じゃないと設定配分とかは知り得ないじゃないですか。だったらそれを知ってる人と知り合いになればいいんで……。この時に出来たネットワークで、今まで生きてこれた部分はあります。というか、それが無かったら5号機の初期で僕も辞めてたかもしれません」
仲間内での情報共有。これは勿論大事だ。あとパチスロの場合は仲間とのノリ打ちである程度のリスクヘッジも出来る。仲間の居る・居ないは「専業」というハードコアな稼業を続ける上で、その難易度に物凄い影響を与えるだろう。 では次だ。やっぱり気になるのは専業とそれ以外を隔てる特殊な手法。つまりはファン勢がなかなか知り得ない立ち回り。あるいは直球で言っちゃうと攻略打法的なものだ。そういうのは果たしてあったんだろうか。
「4号機時代ですか? キズネタも違法じゃないのは駆使してましたよ。専業の仲間内経由でそういう情報もやっぱり入ってきますし。コピー打法なんかも周りが騒ぎ始める前から使ってましたね」
コピー打法。若いユーザーさんは知らないかもしれない。詳しくはググっていただくとして、要はフラグを次のゲームにコピーできる打法だ。
「コピー打法はたぶん半年くらい使ってました。騒ぎになってからは対策としてレバーが交換されてたりしてたのですが、そのレバーが大まかに3種類あって、刻印の位置が違う2種類と、某社のレバー……。そのうち1つが対策後もコピー可能だったんですよ。なので状況によっては騒ぎになってからも使えたりとか。だからそういうお店を探して打ったりもしてました。ただ、流石によく言われる『ハードボイルドでAR中に毎ゲームボーナスストック』とか、そういうバカな事はやらなかったです。あんまり目立たず、長く使えるように……。2500枚とかでさっと止めるんで、危ない人に絡まれたりとか、そういうのは全然無かったです」
半年間! これは凄い。筆者は2chで専スレが立ってからようやくその存在を知り、半信半疑で試してみたものの効果をあまり実感できず……翌日にはヤフーニュースのトップになって速攻で対策が施されてしまい二度と試せなかったクチだ。あとから具体的な仕組みというか原因を知って、戦慄したのを覚えてる。
「あとは極端な話だと……。そうですね。ゴッドシオ(※『ビッグシオ30』の有名な裏モノ)が20台あったお店なんですけど、設定6で裏設定もMAXの台を必ず1台入れてくれるお店が某所にあったんですね。あの台って設定6で裏設定も最高だと出率260%くらいになるんですよ。期待差枚が45,000枚以上とか狂った事になってて。で、僕らは専業の仲間同士12人でノリ打ちして……。一応ローテーションで1人か2人は休めるようにしてたんですけども、基本的には毎日開店から並んで6を探して……ツモったら閉店までそれを回して……次また近所の漫画喫茶に行って朝から並んでツモって……っていう、マグロ漁船の船員みたいな生活を3ヶ月くらい続けてました(笑)」
マグロ漁船──! 実際には設定1を打つこともあるが、12人中1人でも6をツモれば期待値45,000枚以上。12人でノリ打ちしてれば誰かひとりくらいはツモれそうだし、聞けばホントに月に20回から25回はツモれてたとの事。12人で割るとしても、なかなかエグい収支になりそうだ。 実際には6をツモれなかった人は午後イチくらいで切り上げて、あとは自分のお金で個人的に何かしら稼働してたとの事なので、ここに専業としての個人成績が加わるし、たしかに凄い。
「最後の方、僕らが7~8回くらい連続でツモっちゃって、流石に常連さんからクレームが入って撤退する事になりましたけども……。あれは面白かったです。誰も最後まで離脱しませんでしたし、仲間内での争いみたいなのも無くて。平和な世界でした」
それだけ月収があがるんであれば確かに美味しい。が、3ヶ月も漫喫暮らしはなかなかキツイ。あくまで仮定の話として「もし今まだそのマグロ漁船に乗れるとするなら乗るか」という質問を投げかけてみた。
「全然乗りますよ。むしろ乗りたいです。だって今、番長3のオール5を特定日にほぼ毎回やってるお店があるんですけども、その整理券の配布が前日の夜なんですよ。それを貰う為に、さらにその前日から並んでますからね。つまり明日がオール5の日なら、昨日から並んでなきゃいけないという……。僕は行かないんですけども、頑張ってる若い専業の方とかは並んでるわけです。すごくないですか? しかもそれだけみんな頑張ってるのに、次も確実にオール5っていう保証は無いわけじゃないですか。それを考えたらマグロ漁船はかなり恵まれてたと思います。今あるなら絶対また行きたいですね」
★専業に必要な素養。『頭が柔らかいこと』
筆者は専業で20年続けてる人を見るのはこれが始めてである。(厳密にいうと氏はすでに動画に出たりライターとして記事を書いてるので「専業」という言葉の範疇からは外れており、しのけんさんと同じ「パチスロ生活者」になる)。であれば、氏にしか分からない、専業を続ける為の秘訣。あるいは専業になるために必要な要素みたいなのがあるんじゃないだろうか。
「要素ですか……。最低でも頭は柔らかくないと無理です。これはちょっと説明が必要かも知れませんけど、ただ数学が出来れば良いみたいな、そういうんじゃないんだよって事ですね。例えばジャグラーのブドウですけど、6.0を切ってるから絶対6だみたいな。そういう人も一杯いるんですよ。でもそれじゃ駄目なんですね。むしろブドウが多少悪くても6だって、そう言えるだけの材料を持って台選びをしないといけない」
この辺りは、僕が表に出てきた理由にも通じます、と氏は言った。
「僕は本当は顔を出したりするのってイヤだったんですけども、とにかく解析ありき……。ブドウがいくつでモード移行が何パーでとか。そういうのを機械的に照らし合わせるだけの『推測要素』が絶対正義みたいな……いつの間にか世間がそういう流れになっちゃってるじゃないですか。僕はそれが違うと思ってて。ちゃんと違うんだぞって言いたいんですね。ホールにはもっと見るべき所が沢山あるし、立ち回りに活かせる判断材料は一杯ある筈なんですよ。僕はそれを伝えたい。ブドウを数えるのなんか誰でもできるじゃないですか。でも頭が固い人はそれしか見ないんで、負けないかも知れないけど6を掴むのは厳しいかなと思います」
ふと、5号機最初期の『エヴァ』を思い出した。ボーナス間2000くらいハマってるけどベル確率が設定7くらいあるから止められない。そう言ってめちゃくちゃ負けてた、筆者の友達の良い笑顔を。パネルによって分かりやすく出てる台・出てない台が分かれているのに。それに気づかないボンクラ具合を──。
「あと専業としてやるんなら、6をちゃんと探して、そして粘って出すのは責務だと思ってます。今のパチンコ・パチスロ業界では、専業はホールの協力業者に近い感じになってて、僕らもホールを使って食わせて貰ってるし、ホールも僕らを利用して営業してるみたいな、そういう部分がある筈なんですよね。この辺は会社勤めの人も同じだと思うんですが、自分に求められてる責務は果たさないといけないじゃないですか。あと、商売を上手くやる為には工夫や努力が必要ですけど、パチスロも同じで『どれだけ人に差をつけて6をツモれるか』がそれだと思うんです。そしてツモったらそれをしっかりと出す。出玉を見せる。ここまでをちゃんとやるのが必要じゃないかなと」
商売。という単語が何となく気になったので、ついでに「パチスロは好きですか?」と聞いてみた。即答で「もちろんです」と返ってきた。
「やっぱ好きだから打ってます。というか、最低限嫌いになりたくないからしっかり立ち回ってる部分もありますね。みんな同じじゃないですかね。好きだから打ってるのに、仮に50万とか100万とかバカスカ負けたら、嫌いになるんじゃないかなぁ……。やっぱり負けてる時より勝ってる時の方が面白いに決まってるんで、勝つ努力っていうのはね……そういう意味でも重要ですよね。まあ僕の場合は、打ってる時よりも、設定を掴もうとして掴んだ時が一番面白いんですけどね。だから実は、並んでる時が一番楽しいんです」
ふむ。纏めると「頭の柔らかさ」と「責任感を持って最低限出すこと」。これが最低限必要だとの事だ。あとは「パチスロを嫌いにならないための立ち回り」だけど、これがあるとなお良しっぽい。念の為、他に専業に必要な事はないですか? と尋ねると、氏は何かを思い出したようでちょっと笑ってから続けた。
「健康な体と心も必要ですね。僕は一回『島娘』で3900Gハマって彼女と2人して1日で40万負けて救急車で運ばれた事があります。最後キュインって鳴ってバケだけでした(笑)」
★今の時代は大変だ! 新時代の専業論。
調査終盤、昔の専業と今の専業どちらが大変なのかについても訊いてみた。
「当然、今の時代の専業の方が大変だと思います。もちろんその中でも結果を出されいる方も一杯いらっしゃるんですけども、ついて行けなくなって辞めちゃう方も沢山いますよね。この中で今専業でやってる方はホントに凄いと思います」
具体的には「ライバルの多さ」と「情報格差の無さ」がキツイらしい。ライバルというのは専業同士の戦いだけではなく、いわゆる一般のファン勢などのレベルも上昇しているのも影響しているそうな。
「あとは出率の問題であったりとか、広告規制であったりとか……。昔からルールがだんだん厳しくなるという傾向はあったんですけど、今はその締め付けが多分ピークに来てると思うので、ダイレクトに影響してると思います。僕も今はまだパチスロ生活者としてやらせて貰ってますけど、法で決められた設定6の上限が110%を切ったら、専業を辞めてカメハウスに引っ込むかもしれません」
6の出率が110%未満。そこが事実上の引退のラインらしい。では今まで引退を考えた事は無いんだろうか。その辺も聞いてみた。
「あります。東日本大震災で実家が被害を受けた時もそうですし……。思いもよらない事ってやっぱりあるじゃないですか。そういう時に、明日が見えない生活への不安って出てきちゃいます。毎日設定6を使ってるお店が明日も使うか分からない。もしかしたらずっと使わないかも知れない。1台でもあればそれをツモる努力ができるけど、無くなったらどうしようもないわけで……。僕だって明日が見たくなる時もありますから、何かあった場合の保険を兼ねて動画に出たり……記事を書かせて貰ったり。表に出る事にしたのも、やっぱりずっと専業を続けて行ける訳じゃないからですよね」
専業として。パチスロ生活者として。20年もの間稼働してきて思うことはなんだろうか。やってきた事に対して、例えば後悔のようなものはあるんだろうか。
「後悔はないですね。要は……専業とかパチスロ生活者って、それが生業みたいなもんじゃないですか。昔は月収三桁だったけど、今は30万とか50万とかになってるだけで、でも30万とか50万とかで働いてる人って世の中に腐るほどいて、それに対して皆後悔してるかっていうと、それは無いじゃないですか。つまり、最初にグッとグラフが上がってあと水平みたいな。会社員だと逆なんですよね。例えば同級生なんかもね、20代の頃に『たろぅちゃん……金貸してよォ……』みたいな事言ってた人が、今はやれゼネコンだなんちゃらって……どんどん年収上がって、最終的には僕あっさり抜かれちゃったりとかしてるわけですよ。僕が最初にドーンと行っただけで、周りはゆっくり上昇……みたいな。あるじゃないですか。その『ドーンと来てる所』の勢いでずっとグラフが上がってれば、そりゃヤバかったですけど、やっぱりそんなに甘く無いですからね」
後悔はない。だけどやっぱり不安はある。当然と言えば当然だけど、専業だって戦ってるのだ。フリーライターだって戦っている。YouTuberも、タレントも、みんななりふり構わずファイティングポーズを取り続けて、ヘロヘロになりながらも頑張るしかないんだ。一回選んだ道なんだから。 でもね、と「たろぅ☆」さんは最後に笑いながら言った。
「──僕は車とレースに○千万くらい使ったんですけども、こういう経験は会社員じゃなかなか出来なかったと思います。これはホントに良かったです。で、専業って古き良き時代からやってる人がダラダラ続けてる部分もあるんですけども、僕はまだ車も欲しいですし……その為にこれからまたグラフをグッと上げられるよう、頑張って行きたいですね」
▲まだ車を買いたいのでがんばります(笑)
さて、いかがでしたか。 パチプロとか専業。彼らに対してどうしてもダーティなイメージを持つ人も多い。筆者だってそうだ。
この辺はスター・ウォーズの世界観にちょっと似てて、凄い凄いと一口でいっても、良し悪しはやっぱりあると思う。フォースの暗黒面に堕ちたプロというのも、そりゃ居るだろう。お店と手を組んで悪い事をしたり。今でいう「軍団」なんかもそうだろうけど、オイタが過ぎるとSNSでガッツリ晒されたり、出禁されたりね。
一方で、ちゃんと矜持を持って、悪いことなんかしない人もいる。本文中には書いてないけど、たろぅさんはその昔、サクラに誘われた事も当たり前だけどあるそうな。俺だってあるんだからそりゃあるだろう。でも断っていたらしい。みんな普通に打ってるんだから専業の自分が変な事しちゃいけないって──。プライドを持ってるんだよね。
以前、しのけんさんのインタビューした時にも思ったけど、やっぱりちゃんとルールを守って結果を出す人ってカッコいいと思う。一方で、筆者には全然真似出来ない世界だなぁとも思った。 頭を使って6を探す。 ただストイックにそれだけやるのでも、専業と養分の間には、物凄く大きな差みたいなのを、筆者はひしひしと感じました。 以上。ご通読ありがとう御座います。
たろぅ☆さんレポート 【ガチ勢たちの立ち回り攻略】
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- あしの
- 代表作:インタビュー・ウィズ・スロッター(稀にパチンカー)
あしのマスクの中の人。インタビューウィズスロッター連載中。元『セブンラッシュ』『ニコナナ』『ギャンブルジャーナル』ライター。今は『ナナテイ』『ななプレス』でも書いてます。
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チワッス!
いやあ俺もこの話を聞いてかなり立ち回りについて考えちゃいました。というか俺のレベルが低すぎなんですけども、いろいろと勉強になったっす。未だ負けてますけど。
でも負けてるけどね。