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元店長カタギリのホール非攻略~パチンコパチスロ情報バラエティ~
2018.12.14
カタギリのホール非攻略『売上管理&セキュリティ』
元・店長カタギリ 元店長カタギリのホール非攻略~パチンコパチスロ情報バラエティ~
▲今回は『売上管理とセキュリティ』について
冬を愛する人は心広き人。スロを愛する私は心狭き人、毎度おなじみカタギリです。
今年もいよいよ残すところ僅かとなりましたが、皆様いかがお過ごしでしょうか? 以前も当連載記事でホールでの盗難について触れましたが、歳末は特に盗難事件が増加する何かと物騒な時期でもあります。パチンコ・パチスロユーザーの皆様には、お手回り品に一層の注意を払って頂きたい今日この頃でございます。
そして同時に、パチンコ店も防犯意識を高めなければならない時期でもあります。閉店後に回収した多額の売上金を狙った強盗事件も耳にする昨今、用心するに越したことはありませんからね。 そんな訳で「パチンコ店の売上金管理とセキュリティ」が今回のテーマです。多額の現金を取り扱う、パチンコ業界ならではのお話をご紹介いたします。
★サンドに投入された現金は、どこへ集まっていくの?
まずパチンコ島の場合。遊技客がサンドに投入した紙幣は、シマの内部にある紙幣搬送ベルトと呼ばれるベルトコンベアー状の通過部を経由して、シマ端に設置された島金庫(しまきんこ)へと収納されます。閉店後、もしくは売上の多いホールだと1日に数回、この島金庫から売上金を回収するのです。
島金庫が紙幣で一杯になってしまうと回収システムが停止してしまいますからね。 大型店舗だとパチスロ島も同様のシステムとなっておりますが、この自動回収システムが未導入の店舗では、サンド内に残った紙幣を1台ずつ手作業で回収する必要があります。これが非常に面倒な仕事でしてね……。特にパチスロのサンドが千円札しか使えなかった時代は、両替用の紙幣がすぐに足りなくなるため、営業時間内に遊技中の台から紙幣を回収する、という恐ろしい業務を1日に何度も行う必要があったのです。
特に2002年頃の爆裂AT機全盛時代、黙々と紙幣をツッ込むお客さん達の耳元で「失礼しや~す……」と声をかけつつサンドにガッツリ収納された千円札を抜き取っていた記憶は、思い出すだけでも冷や汗が出ますよ。睨まれたり嫌味を言われたり、とにかく大変な仕事でしたね……。
★回収した現金はどんな風に取り扱われるの?
▲紙幣識別機
万券、五千円札、千円札、時には二千円札。回収された紙幣は金種がバラバラですので、いちいち手作業で振り分けていたら夜が明けてしまいます。その手間を解消するのが、こちらの紙幣識別機です。
回収してきた札束を上部にセットするだけで、それぞれの紙幣の振り分けとカウントを猛スピードで行ってくれる高性能マシンなのです。しかも、指定した枚数をカウントしたら計数を一時停止してくれるので、100万円の束(万券100枚)や20万円の束(千円札200枚)等を簡単に用意することも可能です。この機械を導入してから、閉店後の作業が一気に短縮されて非常に助かりましたね。
こうして1日の売上金の集計が終わると、入金機へ紙幣の束を投入いたします。入金機のイメージとしては、ホールの事務所内に銀行のATMが設置されている光景を思い浮かべて下さい。入金機に一度でも紙幣を投入したら、店長はもちろんオーナーでも回収することは出来ません。後日、警備会社が複数人で回収作業に来るまで現金は機械の中。つまり、外部から強盗が押し入っても事務所内に持ち出せる現金は存在しませんよ、という状況になるのです。また、この機械は警備会社とオンライン接続されているため、何らかの不正な動作を感知したら警備員さんがスッ飛んでくるというシステムにもなっております。
★多額の金銭を取り扱うパチンコ店、そのセキュリティはどんな感じなの?
▲指紋認証システム
営業時間外には一般客は勿論、取引業者さえ簡単には入館出来ないセキュリティシステムとなっているのは、全国どこのホールでも同じはずですね。
ウチの店の場合でも、出入り口は指紋認証システムによって厳重な入館チェックが行われますし、入り口の扉は振動や衝撃を検知した場合、ただちに異常信号が発生して警備会社からガードマンが駆け付ける仕組みになっています。もちろん監視カメラも常時録画しています。また営業中に店内に潜んで、閉店後に店内を物色するという古い手口の泥棒に対しても、閉店後のカメラで生体反応が確認されたら即座に異常信号が発生します。こちらは郊外のホールで店内に潜んでいたコウモリが夜中に飛び回ってセンサーが反応、ガードマンが捕獲に苦労したという笑い話もありましたね。
また、防犯カメラの性能も現在では非常に進化しています。不審者の手元や、持っている携帯電話のメールの文面さえも読めていたのは既に10年以上も昔の話。最新の防犯カメラでは顔認証システムによって登録していた不審者の来店を即座に察知することや、入店から退店までの行動を完全に追跡することも可能になっています。これだけ知ってしまうとあまり気分が良くないかも知れませんが、こういったセキュリティシステムが盗難や貴重品の紛失といったホール内でのトラブルの早期解決に役立っていることも忘れてはいけませんね。
★カタギリ物語。
私が死を覚悟した瞬間。それは2003年の初頭、私がまだ主任として修業中の身であった頃の、とある深夜の出来事でした。
その当時、私が勤めていたホールの一番人気だった機種は4号機ミリオンゴッド。5号機として今でも人気の凱旋、その元祖である初代ミリオンゴッド(以下、初代ミリゴ)が現役で稼動していた頃の話です。 初代ミリゴと言えば、3枚掛け順押しが大原則。しかしながら、その押し順ではリプレイが揃わないため千円あたりの回転数がたったの16ゲームということも珍しく無く、1万円で200ゲームすら回せない超低ベースの遊技機。確率8192分の1のGOD揃いを引き当てれば一撃約5,000枚弱の「10万コース」が確定します。一方、現金投資で天井まで一直線だと9万円近い大金が吸い込まれてしまう、稀代の超ギャンブルマシンでした。
連日のように顔を出している、派手なセーターを着てサングラスをかけた、いかついルックスのYさんも初代ミリゴのゲーム性、いや、ギャンブル性にドップリと肩まで浸かってしまった廃人のひとり。毎日、開店とほぼ同時に店内に飛び込んだら最後。シマの中央の指定席に陣取って、最低でも夕方まで、大半の日は閉店間際まで。3枚の万券を30枚の千円札に変えて、その全てがサンドに飲み込まれたら同じ作業を繰り返すだけの、壊れたカラクリ人形のような30代前半とおぼしき男性でした。
そんな彼の姿を面白がっていたのがサガワ課長でした。来る日も来る日も大負けして帰るYさんに「アイツ面白ぇ~な! いくらゼニ持ってんだろ? 明日も設定1の最低モードスタートな!」と、鬼畜な追い込みをかけていたのです。そう、初代ミリオンゴッドは1から6の設定の他にも、ストック飛ばしや朝イチ滞在モードの変更等を、店が思いのままに調整することが可能だったのです。そういう意味でも、恐ろしい台ではありましたね……。
設定1、最低モードスタート、そしてストック無しの初代ミリゴによって、ほぼ毎日10~20万円という大金を失っていったYさん。同じ台を打ち続けているので簡単に計算できますが、その週も80万円以上負けて真っ青な顔をしていた私とほぼ同世代の彼の姿に「これは何か事件が起きそうだな……」という悪い予感がしたのを覚えています。
そして、とある日の夜。
私が一人で閉店後作業を行っていたところ、突然、店の鉄扉がガラリと大きな音を立てて開かれました。驚いて入り口を見つめた私の視線の先に立っていたのは、何かを決意したかのような表情を浮かべたYさんでした。 閉店後の静まり返ったホール内に、たった一人で残された店員と連日のように大負けしている反社会的勢力感満載の兄ちゃん。これは刺されるかも、状況とは裏腹に、妙に冷静に人生の最後の時を受け入れている自分がそこにいました。が、Yさんの口からは予想外の言葉が飛び出してきたのです。
「なあ、俺がいくら負けてるか知ってんだろ店長、そろそろ(設定を)入れてくれてもいいじゃねぇかよ、俺も上(おそらく兄貴分?)に言われてんだよ、あの台、設定さえ入ってたら、メチャメチャ出るのは知ってんだからよぉ……」
深夜、二人きりで膝を付き合わせながら聞いた話では、どうやらYさんは本当に堅気の人では無く、兄貴分の男性と二人で初代ミリゴを打ちながら全国のホールを回っていたそうです。毎日、同じ台を打って大負けを繰り返して、兄貴分が店長にクレーム。店で大声を出す等をして周囲の客に迷惑をかけることで、店側が現金を渡すか、あるいはコッソリ高設定を打たせることを条件に彼らは店に来なくなる、といった手口らしい。そして、実際にその条件を飲んで数百万円を支払ったホールもあったと、Yさんは言うのです。
この話がどこまで本当なのか、当時も今も私にはわかりません。そして酔っぱらって私に愚痴をこぼしてきたYさんの真意も、おそらくは単なる泣き落としだったのだろうと、今ではそう思います。が、当時の私はただただ親身になって真面目に話を聞いていただけでした。そもそも自分は店長ではないですと説明する私に、少しガッカリしたような表情を浮かべるYさん。〇〇〇やってからパチスロを打つとリールがグニャグニャ曲がりながら回ってメチャメチャ気持ち良いんだ、そんな話を聞かされてリアクションに困る私。
二時間近く愚痴を吐いて、少し酔いが覚めたような顔つきに戻った弟分は、「ありがとな、もう来ねぇから……」とだけ呟いて、静かに鉄扉を閉めて出ていったのでした。
そして翌日。Yさんの指定席だったシマの中央の席は、まるで私にだけ彼の姿が見えていないかのようにポツリと空席になっていました。もう昼過ぎだと言うのに、たった1台だけ回転数はゼロのままで放置されているその光景は、何だか主人の帰りを待つ仔犬のように見えて、私も疲れているのだなと自覚しました。そして本当に、Yさんはパッタリと姿を見せなくなってしまいました。その事実を知ったサガワ課長も「とりあえず、ストック飛ばすのはもうヤメとくわ……」とだけ仰ってましたが、それが本当か否かも、当時の私にはやっぱりわかりませんでした。
大金を巡っての、それぞれの思惑。そこに幾許かとはいえどもセンチメンタリズムを持ち込んでしまう私には、やはりパチンコ業界そのものが向いていなかったのかも知れませんね。
★『売上管理』のまとめ。
スミマセン、ちょっと自分語りに文字数を使い過ぎてしまいましたが、言いたいことはただひとつ。たとえパチンコやパチスロで大負けしたとしても、自分の手を汚してしまうようなことは絶対にやってはいけませんよという、ややお節介気味なお説教だけでございます。
それは間違いなくバレて捕まるからとか、そう簡単に上手くはいかないからといった単純な話では無く、悪いことをして得たお金は自分の身にならないばかりか、自身の心を曇らせてしまって、その後の人生に多大な悪影響を及ぼしてしまうからです。悪いことをして得たお金では、人は幸せな気持ちで過ごせない。つまり、幸せにはなれないということですね。パチンコやパチスロで負けたからといって、絶対に人生で負けてはいけませんよ。
……うん、今回の記事は我ながら説得力がありますね(しみじみ)。
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- 元・店長カタギリ
- 代表作:しくじり店長
シルバ〇アファミリーみたいに小さなパチンコ店の責任者から一転、 雑巾がけがメインの業務となってしまった事務員へとグレードダウン。 そんな設定①のスランプグラフのような半生を、隔週水曜日に連載させて頂いております。 タイトルは「しくじり店長」。 パチ屋の店長が平社員へと降格していく逆サクセスストーリーを、 海物語シリーズの泡リーチを見つめるような気分でお読みください。
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原因不明な警報を誤作動で片付けて、誤作動が続いても修理や交換を行わないところまで含めてが「業界あるある」のような気がしますね(笑)。
原因不明な警報を誤作動で片付けて、誤作動が続いても修理や交換を行わないところまで含めてが「業界あるある」のような気がしますね(笑)。
お客さんだけじゃなくて、ホールに関わっている人も明らかにヤバい人が多かったですからね…
その時代を知っている私から見ても、今はホントに健全になりましたよ。
セキュリティかけて、明らかに人がいないのに、生体反応がある時がたまーにありましたが、きっと気のせい!誤作動!で通しました(苦笑)