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元・ホール店長カタギリのしくじり店長
2017.02.08
しくじり店長・第37話
2005年のパチンコ・パチスロシーンは、私にとって非常に思い出深い。 パチスロは大ヒットした4号機『押忍! 番長』と、初の5号機『エヴァンゲリオン』の導入。 パチンコは落下系の役モノの先駆けとも言うべき『CRぱちんこウルトラセブン』を筆頭に、ハイスペックの爆裂マシンが導入される一方で甘デジの導入も本格化。 また2パチや1パチといった低貸し営業が目に付くようになったのも、この前後だったと記憶している。
そんな業界の大きな変換期にも関わらず、私はいったい何をやっているのだろう。 ただ安穏と日々を費やして、時代のうねりに飲み込まれていく自分自身に苛立ちを覚えていたのが、ちょうどこの時期の話である。
かつて勤務していたパチンコ店の責任者を務めていた、ヒロタ店長。私は彼の背中に憧れ続けていた。 朝は誰よりも早く店にやってきてハンマーを片手に台と向かい合う後ろ姿を、そして夜は一番最後に店から出てきて、シャッターの扉が閉まるのを確認する後背を、ある時はベテラン万引きGメンのような観察眼で、またある時は田舎街の中1女子みたいな純粋な瞳で、愛しさと切なさと心強さをいつも感じながら見つめていたのである。
イベントの成功を全員で喜び合った時に笑顔からこぼれた、麻雀牌の白みたいに大きくて白い歯。 機械トラブルの報告漏れが発覚した際に本気で叱りつけられた、ガラスにヒビでも入りそうな大声。 あり余る記憶の数々は何年、いや何十年と経った今でも忘れられない大切な思い出である。 自ら実践することで部下への手本を示した、尊敬すべき上司。誰からも恐れられ、けれどもそれ以上に誰よりも愛されていた憧れの大親分だ。偉大なるボスの背中から多くのことを学んできたハズの自分は、どこに行ってしまったのだろう……。
開店を告げるF-1のテーマ曲が、今朝も軽快に流れている。その疾走感あふれるメロディとは裏腹に、店内にいる人々の顔は皆、一様に死んでいる。それはお客様だけでなくスタッフも含めて、だ。 リニューアル時に集まった多くの若いギャル店員たち。彼女達は、まるで迫りくる大災害を察知した小動物のように全員が退職。残ったスタッフ達と同様に私の顔もまた、同じように生気を失っていたことだろう。もちろん、そんな状況を会社がいつまでも放っておくはずがなかった。
そして彼らは、突然やってきた。会社が自店に送り込んできた助っ人は2名。 一人は台湾からの留学生のような、色白の肌と細い目が特徴的なマジメそうな細身の若者。 そしてもう一人は、とんでもない不正を犯して中国料理人の世界から追放されたような、ひと目でクセ者だと誰もが感じる中国人のオッサンである。 この白いウォーズマンと残虐超人時代のラーメンマンみたいな二人が、新たな同僚となったのだ。 若者はパチスロ担当の店長として、チャイニーズ中年は店舗の人事を担うマネージャーとして、 そして私がパチンコ担当の店長として。 3人がそれぞれの担当業務の責任を持つという分業制でホールを運営することになったのである。
この時、私の胸を支配した感情は屈辱でも憤怒でもなく、安堵であった。有名チェーン店や、古くから地元で愛されている老舗ホールが軒を連ねるパチンコ激戦区において、コンサルタントであるトオヤマさんと私だけでは余りにも戦力不足だ。その限界を感じていたところに勢いのある若手の店長、 そして人心掌握に長けたベテランマネージャーを配属してくれたことに私はただ感謝していたのだ。
しかしながら、今になって思う。私は何という甘ちゃんだったのか、と。 重要な人材を割いて私の店を強化させようとした経営陣の判断。そこには何としても、この店を再建させようという会社の執念があったのだ。
そして数々のチャンスを潰してきた私に対して何のペナルティも課さず、 「せめてパチンコだけに集中できる仕事の環境を作ってやろう」という恩赦を与えてくれた役員達。 その熱い想いを汲むことができなかったのである。
私はただ、阿呆面を晒してこんなことを呑気に考えていたのだ。 「ああ、これでもっとラクができるようになるな、休みも増えてパチ屋に行ける回数も増えるなぁ」と。
今の私なら、悩んでいる後輩に向かって偉そうに説教することだろう。 「誰かの背中を見て仕事をするんじゃない、お前の背中を見られていることを自覚しろ」と。 ヒロタ店長と、当時の私の決定的な違いは何か。 それは、他者からの目線に対する自覚の違いだったのだろう。自分の言動が、他者からどう思わているか。それを意識できない人間が、他人から評価される訳がないのだ。それは他人を愛せない人間が、自分を愛して欲しいと叫ぶことに等しい。
この時の私は自ら行動も起こさず、当然のように結果も出せず、それなのに誰かを頼りもしないのに、頑張っているようなフリをして一人、もがき苦しんでいただけなのである。 思い描いていた理想を形に出来ず、多くの人々の視線をまるで気にもせず仕事をしている気分になっていた男。
彼はまたもや、憧れた背中への距離がますます遠ざかっていることに気付いていなかったのである。
カタギリ・今週の1枚
数年前、何かのイベントで撮影した1.5号機の『ナイアガラパート2アルファ』の写真。
販売されたのが30年以上も昔の話で私も残念ながら遊技したことはありませんが、 この台は『ブロック方式』と呼ばれる特殊な抽選システムを採用していたそうです。
IN枚数3700枚を1ブロック、ブロック終了後にモード抽選が行われ、 設定値とモード毎にBIG・REGの成立回数が予め決められるという仕組みとのこと。
ちなみに1ブロック内で8回以上のBIGに当選するのは、設定4以上かつモードX選択時のみ。
ボーナスの出現回数で456判別が出来るなんて、粋だと思いません?
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- 元・店長カタギリ
- 代表作:しくじり店長
シルバ〇アファミリーみたいに小さなパチンコ店の責任者から一転、 雑巾がけがメインの業務となってしまった事務員へとグレードダウン。 そんな設定①のスランプグラフのような半生を、隔週水曜日に連載させて頂いております。 タイトルは「しくじり店長」。 パチ屋の店長が平社員へと降格していく逆サクセスストーリーを、 海物語シリーズの泡リーチを見つめるような気分でお読みください。
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昔のパチンコ業界は特に職人気質の人ばっかりでしたからね。
ま、教えるのがヘタな人ばかり、とも言えますが(苦笑)。
とはいえ、本当に良い勉強をさせてもらえたなと今では感謝しています。
岡井さんはパチスロの人ですから、海物語を打つのが良くないのです。
(決めつけ店長、遠隔スイッチをPUSH)
本人にもそう言ったことがあるのですが、
まんざらでもない、という顔をしていました。
別に褒めてる訳じゃないのに……
じんじんじん、
コーラとジンで、アメリカ人……
この当時の攻略プロの話、聞いてみたいですよね~。
インターネットはもちろんのこと、パチスロ雑誌すらまだ世に出回っていない時代、メーカー関係者から漏れた情報を元にひっそり抜いていたんでしょうかね?
う~ん、興味深い……!
男は背中で語る、という言葉の意味はそういうことなんでしょうね。
私は中学生の頃から既に猫背だったので、当時から既に伸びしろが無かったのでしょうね……(しんみり)
誰が言い出したのかは知りませんが、私が4号機時代に好きだった言葉は、「最強設定の6、最狂設定の5」ですね~。
5はどこまで噴いちゃうかわからないから絶対に使わない、なんて話も当時よく耳にしましたね。
奇数設定だと稼働が伸びないから5を使わない店も多い現在、昔も今も不遇な設定値というイメージがありますなあ。
『聞いて覚えるんじゃねぇぞ、見て覚えろよ
それがてめえの物になって銭を稼ぐことになるんだからな!
但し正直になれよ!』
の意味が今になって分かった自分がいる
その気持ちを海物語にぶつけたらひどく負けました、罠でしょうか、まったくひどい店長ですね。